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ピカレスク ◆9L.gxDzakI




 ――悪役、とは一体何だろう。

 悪とはすなわち、社会において否定されるべきもの。道徳や法律などといった、世界の正義に反するものだ。
 その行いを為し、社会から憎まれ、忌み嫌われる存在が、総じて悪役と呼ばれるようになる。
 であれば彼女は、物語の本筋から見れば、れっきとした悪役となるのだろう。
 世界のルールに背いた。正義の存在に反逆した。多くの人間を傷つけた。
 たとえその胸中がいかなるものだとしても、客観的に見れば、彼女の存在は悪でしかない。彼女はそうして生きてきた。

 それでも、今、この場においては――


 がちゃり。
 金属の音が鳴り響く。
 腰まで伸ばした栗毛の長髪をたなびかせ、ディエチは自らの得物を油断なく構える。
 戦闘機人ナンバーⅩの引き金・イノーメスカノン。
 トリガーから伝わってくるのは、身の丈を遥かに凌ぐ長砲の冷たい重量感だ。
 そしてその重みを、ディエチは一種の安堵と共に受け止める。
 この重さが、この冷たさが、今まで自分を支えてきてくれた。物言わぬ鋼の相棒と共に、戦場で戦い抜いてきた。
 だが、それもこれまでなのだろう。
 ミリオンズ・ナイブズ。ディエチにとっては名すらも知らぬ、短い金髪の男。
 その左腕は異形だ。微かな光輝を放つ剣呑なる刃が、十重二十重と枝分かれして、その鎌首をもたげている。
 王の聖剣(エクスカリバー)は神速。先の剣速から察するに、この狙撃砲で対応するには限界があるだろう。
 加えてこの間合いだ。退却する暇を見い出すのは難しい。遠くまで逃げることはかなうまい。
 だから、この命を諦める。
 勝てない戦に変な期待を抱くのはやめる。殺されることを覚悟する。
 しかし、それは無抵抗にやられる選択肢を取るということを意味しない。
 今自分の背中には、1人の少年の命がかかっている。生まれて初めて、誰かを守るためにここに立っている。
 ブリタニアの少年、ルルーシュ・ランペルージ。
 普通の人間にしては、妙に自信たっぷりな奴だった。気障な物言いで自分を混乱させたこともあった。
 それでも、彼は凄かった。自信に裏打ちされた頭を持っていた。
 だからこそ、ディエチは彼の背に希望を見た。
 ルルーシュの才知をもってすれば、あるいは姉妹を導いてくれるはずだと。彼女らが生き残るための力となるはずだ、と。
 故に、己が命を彼に託す。
 ここで屍となろうとも、彼の命だけは守るために。彼が逃れるための時間を、一秒でも長く稼ぐために。
 ルルーシュのための弾丸となる。家族が助かるのならば、それでいい。
 高望みはしない。自分の命を守ろうとは思わない。それでも、絶望を抱いたままに屈することはしない。
 12人の姉妹の中でも、ディエチは比較的感情を表に出すことが少ないタイプだった。
 喜びも苛立ちも映さぬ平時の瞳は、どこかぼんやりとした印象さえも見受けられる。
 それでも、無口で無感動な少女は、戦場では百発百中のスナイパーだった。
 多くを語らぬ無感情な瞳は、銃を取れば冷徹な眼光へと変わる。それこそが、姉達がこのディエチに信頼を寄せる理由。
 鋭い眼差しをたたえたまま、少女は真っ向からナイブズを睨み付けた。
 永き静寂。両者は五体全てを静止させたまま微動だにしない。
 それでもこの沈黙の先には、避けられぬ戦いが待ち受けることは分かっていた。
 戦うためだけに作られた戦闘機人の、最期の戦いが、始まる。
 ――びゅん、と。
 空を引き裂く刃物の音が、鳴った。
 エンジェルアーム。戦闘機人と同じ超常の生命体――プラント自立種たるナイブズに与えられた力。
 その一端に過ぎぬと言えど、左腕から伸びる白刃は、一撃必殺の切れ味と速度を誇る。
 そしてその恐るべき破壊計数は、攻撃力と抜き撃ちのスピードのみには留まらない。
 展開。枝葉のように連なる無数の切っ先が、右へ左へと広がっていく。
 数多の枝を生み出す手数と、それら全てを己が四肢のごとく支配する精度。それもまた、まさしく王者の剣の力。
 轟、と。
 一斉に吹き付ける刃の突風は、決して生やさしいものなどではなかった。
 襲撃する幾千万の殺意。陽光を受けた地獄の針山が、一気呵成にディエチ目掛けて殺到する。
「チッ」
 微かな舌打ちと共に、引き金を引く。
 イノーメスカノン、フルチャージ済。出力最大の砲撃が、再び一挙に解き放たれた。
 響き渡るは爆音。撒き散らすは衝撃波。無人の街の窓をびりびりと震わせながら、灼熱の光条が一直線に伸びる。
 瞬間、横薙ぎに一閃。
 火炎放射器の要領で。さながら野球のフルスイング。
 先天的改造によってもたらされた筋力を総動員し、イノーメスカノンの砲身を強引に振りかぶる。
 刃の一端を焼いた砲撃の熱量もまたそれに追従し、扇状の軌跡を描いた。
 急激な射線修正は薙ぎ払うため。迫り来る全ての刃を、一度の砲撃に巻き込むため。
 天へ目掛けてそびえる電柱を、引っこ抜いて振り回すように。
 連射の利かない線の砲撃で、面の攻撃に対応するにはこれしかない。
 息つく暇も作らず、ディエチは自身のISを行使する。
 ヘビィバレル、発動。
 エネルギーを放出し尽くした火砲への再チャージ。素早い給弾が、彼女の寿命を占う重要な要素となる。
 ここまでのやりとりで、ディエチには1つ確信したことがあった。
 確かに敵の攻撃は速い。しかし、連射はしてこない。まばたきすら許さぬ連撃には至らず、必ず攻撃の合間に間隔がある。
 元々あった弱点ではないだろう。現に最初の1発ずつ放った斬撃は、間髪入れぬコンボをルルーシュに叩き込んでいる。
 であれば導かれる原因は1つ。奴は疲弊しているのだ。
 身体にのしかかる疲労が、攻撃を繰り出すのを億劫にさせている。ならばその隙を突けば、少なくともこうしたチャージは可能。
 問題は攻撃が来た時に、どうやって対処するかということだ。
 先ほど見せたような強引な迎撃は、もうこの男には通用しないだろう。
 次は、単純に振り回すだけではカバーしきれない攻撃が来るはずだ。
 それに、できれば自分ももうあれはしたくない。フルパワーの衝撃に耐えながら砲身をぶん回すのは、正直、しんどい。
 元より銃器とは、そんな使い方をするためには作られていないのだ。そんな無茶な攻撃法、あの高町なのはだって嫌がるだろう。
 まして、彼女に敗北したディエチがそれをやり続けるのなんて、絶対無理。
 ではどうするか。ディエチは思考する。タイムリミットは次の攻撃まで。
 考えろ。考えろ。
 一瞬にも等しき時間の最中、戦闘機人は己が脳をフル回転させる。
 チャージは完了した。しかし、大雑把な砲撃の繰り返しは意味がない。せめて素早く連射することさえ叶えば――
(――待てよ)
 はっ、と。
 瞬間、脳裏にちらつくものがあった。
 確かにこうすれば、連射性の悪さはカバーできる。元々相手の攻撃もカスールで止められたのだから、この手法でも支障はあるまい。
 見れば目前では、ナイブズが新たに4つの刃を臨戦態勢にさせていた。
 初撃が迫る。狙いは背面。
 大きくディエチの身体を迂回するしろがねの腕手が、猛スピードでディエチへと襲いかかる。
 イノーメスカノンが反転。迫る刃へと整体。必殺の大砲を構えたディエチは、先ほどと全く同じ動作でトリガーを引く。
 轟音と熱量を伴い、極太のビームが放たれ――なかった。
「?」
 弾けた銃声は、軽い。柱のごとき波動はない。
 しかし、刹那の閃光と共に、一撃目に放った刃は確実に破壊された。
 見れば目の前のディエチは、イノーメスカノンを脇に抱え込みながら、病院に向かって駆け出していた。
 これまでの大味な攻めとは異なる気配はある。しかしナイブズは更なる追撃を仕掛けた。
 間隔を空けていては、迎撃を避けようとした意味がない。このまま逃げ込まれては尚更だ。
 そして、今度こそ彼は正面から目撃する。エンジェルアームの刃を撃ち落とした、姿なき砲撃の正体を。
 撃発。煌くは小さな3つの光。
 バレーボール大の球状エネルギーが連射され、それぞれに迫り来る凶刃を叩き落とす。さながらミッド式魔法の魔力弾のように。
 これがディエチの選んだ、イノーメスカノンに連射性能を付与する手段。
 そもそも初めから、チャージされたエネルギー全てを使い切ろうとするのが間違いだった。
 フルチャージの出力を細かく分割し、低出力・短時間照射の弾丸を連続して撃つ。
 これによって、マシンガンやガトリング砲とまではいかないが、ピストル程度の弾速が確保できた。
 蓋を開けてみれば何のことはない。たったこれだけの工夫で、ある程度の速射が可能となるのだ。
 込める出力が低ければ、一発ごとの反動も弱くなる。移動しながらの発射も十分に可能。
 そしてディエチは、ここにきてようやく反撃に出る。
 先ほど撃ったのは、フルパワーの10分の1の出力。計残り6発はチャージなしで撃てる計算だ。
 トリガーを引く。かちっ、かちっ、かちっ。間髪入れずに6連射。
 猛烈な速度で放たれた弾丸が、ナイブズ目掛けて肉薄した。
「そんなものがっ!」
 されど、当たらず。
 立ちはだかるは白光の剣。
 左腕から伸びた無数の刃は、今度は盾となり、幾重にも王者の身体を覆い尽くす。
 襲い来る魔弾は鋭利な刀身に触れ、続けざまに爆散。一発、また一発と、ディエチの反撃が無駄に終わっていく。
 無論彼女とて、こうなることを読んでいなかったはずがない。
 相手の反応速度からして、正面から弾丸を命中させるのは不可能だ。
 砲身の動きから攻撃の気配を察知し、即座に鉄壁の防御を張られてしまう。
 だから、この弾幕も、攻撃そのもののために展開したわけではない。
 重要なのは、今まさにナイブズの壁に弾き返されようとしている、最後の一発が弾けること。
「――バレットイメージ、エアゾルジェル」
 ぼそり、と。
 仕掛けた罠の名を、呟いた。
 瞬間、世界が霞む。
 炸裂した弾丸が霧散し、霧は色を持ち、不透明のガスとなって視線を遮る。
「煙幕か……!」
 苦々しげに、ナイブズが吐き捨てた。
 これぞディエチの持つ特殊弾頭・煙幕弾エアゾルジェル。
 ヘビィバレルによって形成される砲撃は、何も直接破壊をもたらすものばかりではない。
 ディエチは通常弾を囮にし、最後の一発に罠を張った。弾幕の中に忍ばせた特殊弾で、一瞬ナイブズの視力を奪ってみせたのだ。
 制限によって麻酔機能こそ失われていたものの、目眩ましには十分だった。
 白い煙はナイブズの視界を染め、戦闘機人の姿を完全に隠蔽する。
 ややあって、煙幕のカーテンが完全に晴れた時には、あの暗色のナンバーズスーツは影も形もなく姿を消していた。
(面倒をかけさせる……)
 内心で毒づくと、ナイブズは病院へ向かって歩を進めた。
 こそこそと隠れる奴を捜すくらいならば、ルルーシュを追った方が面倒がないとも思えるだろう。
 しかし、ここまでに時間がかかり過ぎた。最早奴には追いつけまい。
 歩いて追うには遠すぎる距離が開いただろうし、消耗した身体で走って追うのもナンセンス。
 それよりは、病院に隠れていると分かっている奴を捜した方が楽というわけだ。
 弾頭のサイズがサイズなだけに、煙幕の持続時間は短い。そう遠くまでは移動できない。恐らく隠れるなら1階だろう。
 とすると正面から見て左か、右か。
 双方に視線を交互に飛ばしながら、ナイブズは病院のドアをくぐった。
『――間もなく最初の放送の時間だな、人間(ヒューマン)諸君?』
 北西から低い男の声が聞こえてきたのは、ちょうどこの時のことだった。


『ここまででもう分かっているはずだ。このデスゲームとやらに安全はない。聖域はない』
 耳障りな放送が、壁にもたれかかるディエチの鼓膜を打つ。
 毛色からして、プレシアの定時放送とはまた違うのだろう。何より、それはもう十数分ほど後にかかる予定のはずだ。
 とすればこの放送は、余程腕に自信のある奴による挑発か。
 今の自分にとっては得にもならない放送を聞き流すと、ディエチは乱れた息を整えた。
 要するにこれが、参加者にかけられた制限というものらしい。砲撃3発分のエネルギーを使っただけで、もう肩が上下してきた。
 平時に比べれば、随分とみっともない体たらくだ。もうあと5発も撃てば、この砲火も打ち止めだろう。
(ホント……何やってんだろ、あたし)
 顔に滲んだ汗を拭いながら、微かにディエチは苦笑する。
 一体自分は、何故こんなことをしているのだろう。勝ち目のない戦いに挑み、こんなに一生懸命になるなど、自分らしくもないことだ。
 常に効率よく事を運び、無慈悲に、無感情に任務をこなす。それが自分の戦い方だったはずなのに。
 柄にもなく、熱くなっているのを感じた。
 がむしゃらに突っ込むのはノーヴェの性分だったはずだ。次の一手を模索するのはクアットロの仕事だったはずだ。
 自分が戦場ですべきことはただひとつ。命令された標的に、マシーンのように銃弾を撃ち込むことだけ。
 それだけだったはずなのに、今のこの必死さ加減は何なのだろう。
 自分はこんな熱血をやるような人間でも、知識労働をするような人間でもなかったはずなのに。
(そりゃあまあ、あたしらしくはないと思うけど……)
 それでも。
(クアットロとチンク姉の命がかかってるとなれば……やるしかないよなぁ)
 吹き出したような表情をしながら、独りごちた。
 この双肩には、大切な姉妹の命がかかっている。
 長年任務を共にし、いつもいかなる時も、自分に力を貸してくれたパートナー、クアットロ。
 厳しい戦士ではあったものの、自分達下の妹達には、いつも優しく世話を焼いてくれた姉、チンク。
 どちらもディエチにとってはかけがえのない存在であり、ナンバーズ全体にとっても欠かせない存在だった。
 馬鹿の一つ覚えみたいに引き金を引くしか能のない自分よりは、遥かに大切な。
(そして……あのルルーシュって奴)
 記憶の中で、漆黒のマントが翻る。紫の瞳が真紅に光る。
 彼を守ると大見得切って、ディエチはここで殿を引き受けた。
 あの頭は、必ず姉妹の力になる。
 チンクと組めば、彼女の火力を最大限に活かした戦略を組めるだろう。
 クアットロと組めば、この殺し合いから脱する方法を見つけ出せるかもしれない。
 生き延びるべき人材は、自分のように代用の利くスナイパーじゃない。ルルーシュの得がたき明晰な頭脳だ。
 そして他ならぬ彼こそが、この状況の最大のきっかけとなっているのは間違いない。
(要するに……今、男の子のために頑張ってるんだよね、あたしって)
 人は変われば変わるものだ。
 異性のために奔走することなど、昔の自分からは到底考えられない。
 そもそも今まで自分の周囲には、スカリエッティ以外の男性はいなかったから。いや、それ以前に、友達という人種すら存在しなかった。
 ならば、短い付き合いではあったが、ルルーシュは自分にとって、初の姉妹以外の戦友ということだろうか。
(さて、と……)
 その戦友へと、想いを馳せる。
 果たして彼は今までに、どれくらいの地点まで逃げ延びただろうか。
(体力ないみたいだからなぁ、アイツ……)
 ルルーシュは典型的なもやしっ子だった。少なくとも、彼自身は運動は大の苦手だと語っていた。
 恐らく彼1人では、逃げるのには手間取るだろう。体力のある他の参加者に拾われていれば、まだ話は別だろうが。
「どうした! 羽虫のように逃げ回るだけか!」
 視線の先から、苛立った男の声が響いてくる。
 先ほどの放送はナイブズも聞いているだろう。殺し合いに乗った人間としては、人口密集地にはどうしても行きたいはずだ。
 あまり焦らしていては、自分を放り出してそちらに行ってしまうかもしれない。それでは殿の意味がない。
(やっぱりもう少しだけ、この辺で踏ん張らないとなぁ)
 内心で呟きながら、ディエチの手がイノーメスカノンを握った。
 しゅる、と。
 懐から長めの布を取り出す。今の今まで外していた、長髪を纏めるための黄色いボンだ。
 グリップを掴む右手へと、それをぎゅっと巻き付ける。リボンをもって、自身の手と銃を1つにする。
 この先何があろうとも、このグリップだけは手離さない。たとえこの身が砕けようと、引き金を引き続けることはやめない。
 決意が、宿された。
「――あたしは弾丸」
 囁く。
 誰にも聞き取れない音量で。微かに、しかし、確かに。
「守るべき人を守るために、障壁を撃ち貫く一筋の弾丸」
 左手に握られたのは火炎瓶。ルルーシュが柱に仕掛けたトラップから、咄嗟にいくつか拝借したもの。
「あたしは――それでいい」
 長髪が広がった。
 身を隠していた壁から左手を伸ばす。その手に握る火炎瓶は、既に導火線に火をともしていた。
 投擲。また投擲。1つ、2つ、3つ。
 遅れて来る、閃光と爆音。どん、どん、どん、と、続けざまに爆煙を巻き起こす。
 眼下のナイブズ目掛けて投げ落とされた爆薬が、次から次へと炸裂した。
 そう。ディエチが隠れていたのは、右手の廊下でも左手の廊下でもない。正面にある階段を登った先。
 すなわち、
「上かっ!」
 ナイブズが悟った時には、既に周囲には再び煙のカーテンが落とされていた。
 意表を突かれた王者は、一瞬その身を停止させる。面食らったような表情での硬直。
 場所は分かった。しかし、それも大体といったところだ。正確な位置が分からねば、攻撃は当てられない。
(そりゃ確かに、煙の中から相手を捜すのは無理だ……)
 そしてそれは、ディエチにとっても同じだった。
 いかに高度なカメラを持とうと、物理的な壁はいかんともし難い。いかに千里の目を持とうと、煙に阻まれては意味がない。
 現に元の世界でも、ヘリを狙撃した際には、爆煙の影響で確認が遅れていた。
(でも……あたしは“見た”からね!)
 しかし、それがどうした。
 狙いならとっくに合わせているのだ。
 煙が巻き起こる一瞬前に、既にターゲットの位置を脳裏に焼き付けていたのだから。
 物陰から躍り出たディエチが、重厚なイノーメスカノンを持ち上げる。
 フルチャージは完了していた。後は照準を向け、煙の中にぶち込むだけだ。
 黒光りする鋼の銃口が、灰色のベールの先に立つナイブズへと向けられる。
 一撃離脱。当たろうが外れようが、トリガーを引いた直後には移動できるように構えながら。
「小細工をッ!」
 極光。
 スモークの中で、しかし、瞬間、何かが光った。
 煙の壁を貫かんほどの眩い輝きが、ナイブズのいた辺りを中心に広がっていく。
 戦慄した。その光度が放つ、並々ならぬプレッシャーに。ごくり、と喉が鳴った。
 そしてその光に、ディエチは見覚えがあった。確かこれは、この病院に着いた時最初に見た――
「っ!?」
 途端、煙が消えた。
 光を中心として気流が渦を巻き、竜巻のごとくスモークがうねる。
 台風の目は、さながらブラックホールのように物質を吸い寄せ、自らを象る煙を食らい尽くす。
 浴槽の栓を抜いた時、中のお湯が渦巻いて流れていく様子。強いて言うならば、それが一番近いのか。
 そして、ディエチは見た。
 台風の目の正体を。
 ナイブズの左腕にかざされた、煌々と輝く異形の門を。
 これぞ、エンジェルアームの真の力。
 プラントが持つ、あらゆる物質を「持っていく力」と「持ってくる力」。この現象はその中でも前者の力だ。
 異次元へと繋がるゲートを開き、視界を濁らせる煙を追放する。まさにディエチが垣間見た、1人の少女を消した力だった。
 あっという間に隠れ蓑は剥がされ、ディエチの姿が露わとなる。
 見つかった。狙いをつけられた。
 だが――
(それがどうした)
 少女は引き下がらない。
 確かに奴が発揮したのは、化け物のような能力だ。人外の領域、神業をも超越した魔技。そう形容するのが相応しいのだろう。
 だがそれを言うのならば、ディエチ自身もまた人外なのだ。人を超える兵士となるべく生まれた、戦闘機人のナンバーⅩなのだ。
 故に、退かぬ。
 ただ、引き金を引く。
「この俺を」
 さながら押し寄せる波涛か。ナイブズの左腕から、無数の刃が一挙に解き放たれた。
「戦闘機人を」
 トリガーを引く。出力全開の殺意の熱量が、一筋の光線の形をなして襲いかかる。

「「――嘗めるなッ!!」」

 咆哮は、同時に響いていた。
 大気を刻み尽くす烈音と、空気を焼き尽くす爆音。それらが両者の絶叫に重なり、壮絶なカルテットを演出する。
 互いの攻撃は互いを掠め、暴力的な破壊計数と共にターゲットへと牙を剥いた。
 じゅう。肉の焼け焦げる音がする。ほとんど感覚すら残らぬ右腕が、光の中に消えていく。
 イノーメスカノンの砲撃は僅かに中心を逸れ、ナイブズの壊死した右腕を飲み込んでいた。
 腕が消えていく。しかし、痛みも苦しみもない。もとより死んでいた腕なのだから当然だ。
 むしろナイブズは、笑みをもってそれを受け止める。
 凄絶な笑み。強烈な笑み。勝ち誇った勝利者の笑顔。
「か、は……ッ」
 ナイブズの放った凶刃は、あやまたずディエチの全身を刺し貫いていた。


 静寂。
 嵐の過ぎ去った病院は、先ほどまでの戦闘が嘘のように静まり返っている。
 動くものもなくなった病院の待合室で、佇む男が1人。階段にもたれかかる少女が1人。
 力を失い、崩れ落ちた少女を染める赤が、階段にべっとりと赤い線を引いていた。
「……何故奴を助けた」
 不意に、ナイブズが口を開いた。あの虚無の瞳でディエチを見下ろしながら。
 彼はこの戦いで右腕を失った。しかし、その腕は既に機能を喪失していた。血すらも流れぬこの腕を、手傷と呼ぶには値しないだろう。
 そう。ナイブズは無傷。眼下のディエチが、血みどろの重傷であるにもかかわらず、だ。
「あんなお前よりも遥かに劣る人間など、守る価値もなかっただろう」
 それを聞きたかった。故に、急所は外した。即死することがないようにした。
 とはいえこの出血だ。逃げられないように腱も切ってある。程なくして失血死するのは間違いない。
 質問に答えた頃には、こいつは死ぬ。
 この場に集まった連中は、どいつもこいつも不可解な連中ばかりだ。
 生涯最強とも言える強敵、殺生丸もまた、ディエチと同じように人間を守った。
 ただの足手まといだというのに。生きていても、何の役にも立たないというのに。
 それなのに何故奴は――そしてこいつは、劣種を庇うことを繰り返す。
「少し……いい男だったからね」
 ディエチはあっけらかんと返した。
 ナイブズの表情は変わらない。しかし、沈黙する。ぽかん、とした様子がそれで見て取れた。
「冗談だよ」
 してやったり、といった様子で短く付け足す。
 衰弱しきった力ない笑顔でも、あの自信満々なルルーシュがそう言ったように。
 憮然としたような顔色が、ナイブズに浮かんだ。
「……強い奴ならごまんといる。多分、この会場にも」
 絞り出すような微かな声で、ディエチはぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。
「そんな中では、力だけじゃ勝ち残れないし、大事な人も守れない……でも、ルルーシュは違う。
 アイツの頭が誰かの力に合わされば、より強い力になる」
 ただ闇雲に戦うだけでなく、彼の頭脳の下に力を振るえば、家族も生き残ることができる、と。
「あたしは……それに賭けた」
 はっきりと、ディエチは言い放った。
 対するナイブズは、何も答えない。
 弱者の負け惜しみ、とでも思っているのだろう。あらゆる小細工をはねのける暴力的な力を前に、そんなものは意味がないとでも。
 それでも、絶対ではない。
 現にディエチの吹き飛ばした右腕は、既に何者かによって潰されていた。
 ナイブズは無敵ではないのだ。抗するだけの相手はいる。すなわち、そこが付け入る隙。
 チンクやなのは等のそうした実力者が、ルルーシュとクアットロのもとに集い、その能力を最大限に発揮した時。
 その時こそが、ナイブズの最期だ。
「……フン」
 鼻を鳴らしながら、己がデイパックをひったくる。奪われた支給品を取り戻すと、男は踵を返して立ち去った。
 かちゃり、と。開いたバッグの口から、何かが落ちたことには気付かぬまま。
 ナイブズが目指すのは北西。妙な放送を流したあのアーカードという奴のもとには、多くの参加者が集うことだろう。
 そこを叩き、一網打尽にする。
 エンジェルアーム行使に伴う疲労もまた、到着する頃にはある程度収まっているだろう。
 更なる殺戮に手を染め上げるため、孤独な王はまた一歩踏み出した。


【ミリオンズ・ナイブズ@リリカルTRIGUNA's】
【状態】疲労(大)、黒髪化四割 、全身打撲(小)、右腕欠損
【装備】なし
【道具】支給品一式、デュランダル@魔法少女リリカルなのはA's、首輪(高町なのは)
【思考】
 基本:出会った参加者を殺す。誰が相手でも油断はしない。
 1.アーカードのもとに集まった人間を殺す。
 2.ヴォルケンズ、ヴァッシュは殺さない。
 3.制限を解きたい。
【備考】
 ・エンジェル・アームの制限に気付きました。
 ・高出力のエンジェル・アームを使うと黒髪化が進行し、多大な疲労に襲われます。
 ・黒髪化に気付いていません。また、黒髪化による疲労も制限によるものだと考えています。
 ・はやてとヴォルケンズ達が別世界から来ている事に気付いていません。
 ・この場に於いてナイフを探すことは諦めました。


 悪魔が去って、再び静寂が立ち込める。
 もうここには誰もいない。一歩も動けぬディエチ以外には。
「このまま……死んでいくんだろうな……」
 朦朧としてきた意識の中、ぽつりとディエチが呟いた。
 不思議と、恐怖はない。死神が目前にまで迫っているにもかかわらず、それを恐れる気持ちは起こらない。
 プログラムされていないのだろう。死の恐怖というものが。
 所詮戦闘機人は物でしかない。そうした思考を浮かべる己自身に対し、自嘲気味な笑みを浮かべた。
「まぁ……悪役には、お似合いな最期か」
 悪か善かと言われれば、ディエチは間違いなく悪の側の人間だ。
 ずたずたに引き裂かれたイノーメスカノンは、これまでに多くの人間の血を吸ってきた。
 このデスゲームにおいてもまた、ディエチは殺す側の立場に立とうとしていた。であればこの末路は、当然の報いか。
(あの子のことも、傷付けた)
 そして脳裏に浮かんだのは、名簿の中にあった1つの名前。
 ――ヴィヴィオ。
 聖王の器として生まれた娘。輝くようなブロンドの髪に、緑と赤のオッドアイ。自分が傷付けてしまった、小さな人間の女の子。
 生まれたときから独りぼっちで、泣きながら母のぬくもりを求め続けた。
 それでもようやく手に入れたそれから、自分達ナンバーズは彼女を容赦なく遠ざけてしまった。
 自分達の勝手な都合のためだけに、小さな命を利用した。
 そしてJS事件が終わり、恐らくママのもとへ帰れたであろう彼女は、今もまたこんな殺し合いに巻き込まれている。
「ごめんね」
 口を突いたのは、謝罪。
「ごめん」
 たとえそれが偽善であろうとも。自分に謝る資格などなかったとしても。
「本当に」
 それでも言葉をつむぎ続ける。
「ごめんなさい」
 せめてここでは生き延びて、と。
 最後の最後まで生き残って、笑顔でママと巡り会えるようにと願いを込めて。
 静かに、ディエチは頭を垂れた。
 沈黙。返事など、返ってくるはずもない。あの子はここにはいないのだから。
 それでもせめて、この願いだけは届くように、と。
 それが自己満足であろうとも。
 ただ、祈る。
「……ルルーシュ……」
 そして、少し前まで、自分と共にあった者の名を呟いた。
(最初は、ただ頭がいいだけの奴だと思ってた)
 戦略を練り、容赦なく人を殺す道を選ぶ冷徹な策士。自信に満ちた口調で振る舞う孤高の秀才。
 それがルルーシュに抱いた第一印象だった。
 しかし、それでいて、彼はまるきり正反対な人間であるスバルを好きだと言った。
 冗談だと言ってはいたが、少なくともそこに情はあった。
 そして、自分がここに残ると言った時、あのルルーシュが声を荒げた。
 他人を殺すのには何の躊躇いもないくせに、仲間の命を捨てることを本気で嫌ったのだ。
 冷たいのか、優しいのか、全くもって面白い男だ。
 だが、その最後の優しさがあったからこそ、ディエチは彼に望みを託せた。
 自分の願いを聞き届けてくれると、心のどこかで確信した。
「それに……」
 自分の髪の毛を、震える右手で、なぞる。
「綺麗なんて……言ってもらったの、初めてだよ」
 あまり容姿には自信があった方じゃない。
 スタイルはクアットロの方がよかったし、髪もディードの方が綺麗だ。顔ではウーノの方が勝っている。
 何一つ目立った要素のない、自分の地味な容姿がコンプレックスでもあった。だから髪を纏めたのかもしれなかった。
 それでも、ルルーシュは自分の髪を綺麗だと言った。
 初めて異性から、そう言ってもらえたのだ。
「もう少しだけ一緒にいたら……好きになってたかもね」
 冗談が本当になっていたかもね、と。
 呟くディエチの口元は、笑っていた。
 と、不意に、彼女の視界に飛び込んできたものがあった。
 扉の外の道路を、ふわふわと漂う楕円形。4つの丸い目の中心に、丸いレーザー発射口。
「あ」
 自律機動兵器ガジェット・ドローン。戦闘機人のディエチにとっては、ひどく見知ったものだった。
 その呟きを聞いたのか、はたまたたまたまこちらを向いたのか。自分の存在に気付いたガジェットが、病院の中へと入ってくる。
 一体どういうことだ。何故ガジェットがここにある。何故ここでふわふわと浮いている。
 失血感から随分とのろまになった脳を動かし、ディエチは思考する。
 しかし答えが出るよりも早く、機械の兵士は彼女のもとへと到着していた。
 そして、静止。自分の身体を見せるように。そこに書かれた文字を見せるように。

 ――朝までに病院へ集合。生きて会おう姉と妹よ by 5姉

 答えは、そこに記されていた。
「……よかったぁ……」
 安堵の声が漏れた。
 このガジェットはチンクが動かしたものだ。恐らく地図上に記されたラボにあったものを、こうして起動させたのだろう。
 すなわち、少なくともチンクはまだ生きている。
 これを書いた瞬間までは生き残っていて、クアットロや自分を捜すために動いている。
 放送までは生きられないと思っていたが、少なくとも片方の生存は、こうして確認することができた。
 それだけで、どんなにディエチは救われたことだろう。
 役目を終えたガジェットは、またふわふわとそこから立ち去っていった。これからクアットロを捜しに行くのだろう。
「ごめん、チンク姉」
 その背面へと謝罪した。その先にいる、チンクへと。
 この約束を、ディエチが守ることはできないだろう。生きて再会することはかなわないだろう。
 そのくせ自分だけが、こうして安心しているのだ。チンクが悲しむことは目に見えているのに。
 だから、ゆっくりと頭を下げた。遠ざかる楕円形の背中に。それを差し向けた小さな姉に。
 ガジェットが角を曲がり、視界から姿を消した後、ディエチは自分の耳へと指を伸ばした。
 そこに取り付けられたインカムのスイッチを、入れる。
 しかし、返ってくるのはノイズばかり。まるで遮断された体内無線のように。
「……やっぱり駄目か」
 少し残念そうに呟いた。
 どうやらルルーシュとの距離が遠すぎて、電波が届かないらしい。そうそう遠くの相手とまで通信はできないということか。
 最期に彼の声を聞きたかったが、どうやらそれはかなわないらしい。
 ふぅっ、とため息を漏らしながら、ガラス扉の先の天を仰ぐ。
 ――ぶぅぅん。
「……?」
 羽音を聞いたような気がした。
 鳥のそれではなく、昆虫などの発する音である。それも近くから。
 この会場に、自分達参加者以外の生物はいなかったはずだが。そう思いながら、視線を音のする方へと落とす。
 1匹のカブトムシの姿が、そこにあった。
 機械でできた銀色の身体を浮かせ、尻には説明書のような紙が糸で繋がれている。恐らくナイブズが落とした支給品だろうか。
 鉄の虫は一定の高度を保ったまま、羽音と共に滞空を続ける。さながら彼女の顔を覗き込み、じっと様子を伺うように。
 す、と。
 のろまな左腕を持ち上げ、手を差し伸べる。カブトムシはすぐに近寄り、ディエチの手の中に納まった。
 右手を縛る黄色いリボンは、既にずたずたになっていた。あれほど離すまいと誓ったグリップからは、既に手は離れている。
 情けない、と自嘲気味な笑みを漏らしながらも、その手を突き動かした。今はそれができることが幸いした。
 右の小指を、自らの傷口へと入れ、ぐりぐりと回す。感触なし。痛覚すらない。本格的に危険なのだろう。
 それでも、赤く滴る血液は、指先に塗りたくることができた。
 説明書の裏に赤い小指を乗せ、さっとなぞる。直線と曲線を組み合わせ、成すものは文字。
 ちょうどチンクが鉛筆でそうしたように、血文字の伝言が出来上がった。
「ねぇ」
 そして、銀色カブトムシへと声をかける。
「これを持って……ルルーシュ・ランペルージって人のところに、飛んでってほしいんだ。分かる……かな?」
 返事は、言葉ではなかった。
 ぶんっと再び羽を鳴らし、カブトムシの身体が宙に浮く。
 機械仕掛けの甲虫は、了承したと言わんばかりに、踵を返して飛んでいった。ディエチの手のひらから離れ、あの青い空へと。

 ――負けないで

 どうか決して希望を捨てないで、と。
 たとえ絶望が降りかかろうと、たとえ自分がここに果てようとも。
 それでも歩き出すことだけはやめないでほしい。
 私のためにも、貴方のためにも。
 深紅の文字が一瞬風に翻り、消えた。
 ワープ機能でもあったのか、カブトムシの姿は、短い発光と共にたちどころに消滅したのだ。
 何にせよ、これで自分の言葉は届く。相手の言葉が聞けないのが心残りだが、こればかりは仕方のないことだ。
 カブトムシが消えた空を、仰ぐ。
 頭上に青く広がる蒼天を。
 たとえ大地が血に濡れようと、空だけは変わることなく穏やかだ。
 あのクアットロのように。
「……もしも、空を飛べたら……」
 ふと、そんなことを考えた。
 もし空を飛べたのなら、この戦いも、もっとましな形に終わったのだろうか。
 ルルーシュを抱え、ナイブズから2人で逃げ延びることができただろうか。
 チンクやクアットロと、生きて合流することができただろうか。
 ヴィヴィオに会って、謝ることが。ルルーシュとスバルを引き合わせてやることが。
 みんなで生き延びることができただろうか。
 仮定に意味はない。自分に空飛ぶ翼なんてない。自分は地を這うスナイパーだ。それで構わないと思い続けていた。
 それでも。
「あたしも……――」
 手を伸ばす。
 遥か彼方の天に向かって。
 最期の瞬間、初めて狙撃手は、頭上の空へと恋い焦がれた。
 とん、と。
 力の抜けた腕が床を叩く音は、遂にディエチの耳には入らなかった。

 銀色のカブトムシ――天も時間さえも駆け抜ける翼、ハイパーゼクター。
 1人の少女の想いを乗せたそれは、少年のもとへと飛んでいく。
 ルルーシュがそのメッセージを目にするまで。
 最初の放送が皆の耳に入るまで。
 病院へ到着したチンクが物言わぬディエチを発見するまで。

 ――あと、僅か。





【ディエチ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡】
【残り人数:48人】
※病院1階の正面階段は、ディエチの血で濡れています。
※イノーメスカノン@魔法少女リリカルなのはStrikerSは、ナイブズの左腕によって破壊されました。
※ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレードが、ルルーシュの現在地へ空間移動を開始しました。
 付属している説明書には、「負けないで」というメッセージが書かれています。

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