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XANADO ◆HlLdWe.oBM




夜から朝に時間帯が移行して、東より天に昇った太陽が地上に陽の光を与える。
朝の光は夜の闇で冷やされていた世界にゆっくりと暖かさを運んで来る。
そんな日の下で真っ赤なコートを身に纏った青年は一人廃墟と化した市街地を抜け、西へと向かっていた。
彼の名はアーカード、最強の吸血鬼であり不死王と言っても過言ではない存在だ。
一般的に吸血鬼という存在は日の光を天敵とするが、アーカードは違う。
これまでに吸ってきた数十万数百万もの命。
それを内包する事によってアーカードは異常なまでの不死性を獲得している。
故にアーカードにとって日の光は天敵とはなり得ず、精々「苦手」という一言で終わらせられる程度の代物となってしまう。
そんな無敵とも思える不死王が考えている事は唯一つ。

(さて、次は誰が私に闘争を仕掛けてくる? 先程の銀髪の剣士か? それとも宿敵のアンデルセンか? それともまだ見ぬ者か?)

アーカードは考える。
次に自分と戦う事になる相手が誰になるか。
それは誰にも分からない――だが、それでも考えてしまう。
それほどまでにこの場所は、数多の闘争が渦巻くデスゲームの会場は、アーカードにとって大いに心を昂ぶらせる場所だった。

「そういえば……」

半壊したビルを横目に見つつアーカードは先程の銀髪の剣士との戦いの事を思い返していた。
今になって思い返すのは自らの首が刎ねられた時の事だ。
首を斬られれば普通なら即死だが、アーカードは違う。
首を刎ねられようが、胴体が両断されようが、何事もなかったかのように復活してみせる。
それがアーカードという最強の吸血鬼、不死の王たる所以でもある。
しかし問題はそこではない。
アーカードがふと疑問に思った事。
それは首を刎ねられたにも関わらず、今もなお自身の首に忌まわしい首輪が付いている事である。

「……興味深いな」

首を刎ねられれば、その勢いで身体は倒れて首輪が取れても不思議ではない。
寧ろ普通はそうなって当然だろう。
この首輪は首に密着する程に小さい訳でもなく、ある程度首と首輪の間には隙間が存在している。

(これで首に密着するような形だったら、さぞかし息苦しい事この上ないだろうな)

そんな吸血鬼らしからぬ事を考えつつアーカードはそこに関する疑問を抱いていた。
首が刎ねられても首輪が取れないのはアーカード自身への特別な措置であろう。
他の人間ならいざ知らず、アーカードなら自ら首を刎ねて首輪を取るという驚異の芸当を行う事が可能だ。
それによって首輪を外せないように魔法か何かで何らかの細工をしていると考えていいだろう。

(そうだ。私を殺すには……ここを狙うしかない)

真紅の吸血鬼は赤い血が駆け巡る自身の心臓を見据えつつ、首輪についての仮説を立てる。
アーカードの首を破壊してもアーカードは死ぬ事はない。
首輪によって死が齎されるのならば、アーカードの場合は首ではなく心臓が破壊される仕組みになっていると考えられる。
そうでもしなければゲームという名の殺戮劇の中でアーカードだけが公平でなくなってしまうからだ。
詳しい方法は依然として不明だが、首輪と連動して心臓が爆破されるような事ぐらいはしていてもおかしくはない。

(……ゲームか)

魔女プレシアはこの殺し合いをデスゲームと言った。
つまりこれはその名の通り『ゲーム』なのだ。
ゲームとはルールを守ってこそ成立する遊戯である。
では、この場合ゲームが成立しなくなる時とはどういう時であろうか。
もっとも簡単な答えに「誰も殺し合いをしない」というものが挙げられる。
これは「殺し合いをしろ」という目的に背くものであり、この時点でゲームは不成立になる。

(ならば首輪を外してゲームを放棄する者が出れば、それだけ闘争の機会が減るか)

闘争の機会が減る事はアーカードの望む事ではない。
首輪の制限によって全力で闘争に心血を注げないのは残念だ。
だが、首輪を外して闘争を挑む者が減る事はアーカードの望む事ではない。

(首輪の解除の手段を潰せば他の参加者も戦わざるを得なくなるが――同時に我が主の意向に反するのは確実か。
 まあ、首輪の問題は追々ゆっくり考えていくとしよう。それよりも……)

今アーカードは岐路に立っている。
すなわち、これからどこへ向かうかだ。
そこでアーカードはこれまでの軌跡を思い返していた。

最初にいたのはB-6の墓地の近く、そして程なくして墓地にて青髪の少女とスバル・ナカジマとの戦闘。
結果は一瞬の隙を突かれて両腕を切断され、さらには吹き飛ばされる始末。
この時初めてプレシアによって身体能力に制限が掛けられている事に気付いた。
最初は首輪によるものだと考えていたが、それが本当に正しいのかは不明だ。
こんな小さな首輪一つで自分の力が制限できるとは到底思えないからだ。
しかし今はそれについて考えていても仕方ない。
次にD-4の学校からの呼びかけに応じて駆けつけると、まずは黄色いトカゲを殺害、次いでその首輪を入手。
その後、カードの力を操る少年と激しく闘争を繰り広げる。
結果、カード使いの少年は死亡して、同じくその場にいたヴィータと青年には逃げられた。
そして、必要なものを手に誰にも会わないままに南下、G-5のDevil May Cryに到着。
先の少年を磔にすると、拡声器を使用して自らを倒さんとする参加者を募った。
それに応えて最初にやってきたのは銀髪の剣士。
剣士の実力は自身に迫る勢いだったが、一歩及ばず同行者と思しき少女共々死亡――とはならなかった。
直前に駆け付けた宿敵アンデルセンによって戦いは第2ラウンドへと移行。
そして激しい闘争になるも突然現れた巨大な光によって中断を余儀なくされる。
結果、銀髪の剣士も少女もアンデルセンも行方知れずとなり、今に至る。

今思い返すと学校で出会ったヴィータは自分を見て恐れを抱いていたような気がする。
つまりヴィータもスバルと同様に自分の知る者とは別人という事になる。
それがどういう意味なのかは深くは考えない。
どうであれ自分が求める闘争には関係のない事だからだ。

「――西か」

それがアーカードの出した結論だった。
現状あの光に巻き込まれたせいでアンデルセン達の行方は杳として知れない。
ただあれほどの事で死ぬとは思えないので生きていればどこかで再会できるとは思っている。
それにDevil May Cry一帯が倒壊した今となっては跡地で律儀に待つのは得策とは思えない。
だからどこへ向かおうと構わないのだが、一応目的地はあった方がいい。
今までは墓地、学校、Devil May Cry前と地図に記載されている施設付近では人と遭遇した。
さらに付け加えるなら市街地内の施設ではより多くの参加者と遭遇できた。
この事から判断するなら未踏地帯である市街地西方面の施設付近に行けば参加者に遭遇する機会が、ひいては闘争の機会が見込める可能性が高い。
だからアーカードはとりあえずの目的地を西側に定めた。

そして西へ向かったアーカードが最初に立ち寄ったのはG-4のアパートであった。

(予想以上だったな。まさか最初に寄った施設で闘争の跡が見られるとは!)

結局、他の参加者には会えなかったが収穫はあった。
アパートの一室には明らかに争った跡、しかも大規模な破壊痕まで残されていたからだ。

(さて、次はどこへ向かうとしようか。これを試しに使う機会があればいいが……)

そう今の状況に気持ちを昂ぶらせるアーカードの手には一振りの刀が握られていた。
身の丈2mを凌ぐ規格外の化け物じみたセフィロスの愛刀、号は「正宗」という。
アーカードがこの日本刀を見つけたのはG-5の廃墟での事だった。
廃墟に寂しく放置されていた刀を拾った理由はセフィロスと再会した時に渡すためだ。
ここでは力が制限されている以上、剣士には使い慣れた獲物で向かってきてほしいというのがアーカードの密かな願いだった。
直接戦ったからこそ剣士はこの刀の扱いに慣れていた事はお見通しだ。
だが、再会するまでは酔狂の意味合いもあって自ら使ってみようかとも思っている。
幾多の血を浴びてきた刀を掲げるアーカードの姿は獲物こそ差異があるが、まるで「串刺し公」の異名を持つワラキア公ヴラド・ツェペシュを彷彿させるかのようだった。
果たしてアーカードはこの地でどれほどの命を奪うのか。
確かなのはこれからもこの地で多くの血が流れ続けるだろうという事だけである。


【1日目 午前】
【現在地 G-4 アパート】
【アーカード@NANOSING】
【状況】疲労(小)、軽い昂ぶり
【装備】正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、パニッシャー(砲弾残弾100%/ロケットランチャー残弾80%)@リリカルニコラス
【道具】基本支給品一式、拡声器@現実、首輪(アグモン)
【思考】
 基本:インテグラルを探しつつ、闘争を楽しむ。
 1.西側の施設を中心に巡る。
 2.アンデルセン、銀髪の剣士(セフィロス)、スバル達に期待。
 3.首輪解除の手段(人員や施設)を潰しておいた方がいいのか?
【備考】
 ※スバルやヴィータが自分の知る二人とは別人である事に気付きました。
 ※パニッシャーが銃器だという事に気付きましたが、相当な強者にしか使用するつもりはありません。
 ※放送を聞き逃しました。



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