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バイバイ ◆Qz0BXaGMDg




地上本部。
このデスゲームの会場の中心に建っている建築物。
その前に彼らは居た。
遊城十代、クアットロ、シャマルの三人だ。
十代は仲間との再会を。
クアットロは手駒と使える道具を探そうと。
シャマルはクアットロに若干の違和感を感じながら。
この建築物の前に立っていた。

(さてと、地上本部に着きましたけれど……)

隣にいるシャマルと十代を見ながら、クアットロは今後どうするかを考えていた。

(正直……ここにカードがあるとは思えませんねぇ)

最初、クアットロは地上本部で手駒――人員の確保と同時に、カードとデュエルディスクを探そうと思ったのだ。

(ですが……十代君の世界に在ったという建物、デュエルアカデミア……)

そう。
十代との話の時に出てきたデュエルアカデミアという建物。
その建物がこの会場にあることがわかった時、クアットロは自分が地上本部でやるべきことを考え直すことにしたのだ。

(デュエルアカデミアにカードとデュエルディスクがあると仮定するなら、ここでやるべきことは……情報と手駒ですねぇ)

無論、ここにカードがある確率もゼロではない。
ゼロではないのだが、確実に見つかるであろう場所があるのだからここで探さなくてもいいのではというのがクアットロの考えだった。

(まぁ、見つけたら“何”をするかに変わりはないのですけど……)

クアットロは表面で隠しながら、心の中で静かに笑った。


(信用して……いいのよね?)

シャマルもまた考え事としていた。
クアットロの改心……本当に信用していいのだろうか。
別に言動に怪しい部分はない。
それどころか、積極的に脱出する為の努力をしている。
だが……それでも疑心は晴れなかった。
何故だ。
やはり、シャマルの世界のクアットロのしてきたことが頭から離れないせいだろうか。

(このクアットロも、改心する前は同じことをしたのよね……ひょっとしてそれのせい?)

考えてみたら、確かに。
実のところ、改心するかしないかの違いだけでこのクアットロもシャマルの世界のクアットロと同じことをしているのだ。

(それがどうしたっていうの……このクアットロはいいクアットロなんだから、疑ったらだめよシャマル……)

シャマルは再びその疑心を振り払っていた。


(シャマル先生、どうしたんだ?)

十代もまた考え事をしていた。
クアットロのことでも、柊つかさのことでもない。
十代は今、シャマルのことが気になっていた。
別に、シャマルが異性として気になる……というわけではない。

(顔色が悪いな……どうかしたのか?)

十代はシャマルの顔を見た。
シャマルは気分でも悪いのか、なんとも微妙な表情をしていた。
人によっては、それが少し疑心から来る表情だと気づくだろうが……

(こんな状況だしな、少し話しでもして元気付けたほうがいいよな)

十代はこれっぽちも気づいていなかった。
だが元気付けようとした心意気は良しとするべきだろう。
ただ……

『さて、皆が待ち望んだ最初の放送の時間が来たわ。』

もう少し早ければの話だが。


     ◇


「そんな……シグナム……それになのはちゃんまで……」
「エリオにティアナもかよ……くそ!!もうこんなに犠牲者が……」
「ディエチちゃん……」

放送が終った後、皆それぞれ苦痛の表情をしていた。

(もしかしたら、違う世界のシグナム達かもしれないけど……。でもみんなはみんなよ。守れなかったことに変わりはない)

(くそ!! アカデミアのみんなは大丈夫だったけど……だからって喜んでいいわけじゃない。もう13人も人が死んでんだ……。)

シャマルは仲間を守れなかった自分の不甲斐なさのため。
十代は殺し合いを止められなかったことに対して。

(ちょっと、なんで死んじゃうのよ!! 貴重な手駒が一人居なくなっちゃったじゃない!!)

ただクアットロだけは違う意味で。
それぞれの表情をしていた。

「……大丈夫ですかシャマル先生、十代君。」
「う、うん。ありがとうクアットロ。大丈夫……ではないけど、ここで嘆いてもいられないからね……」
「……あぁ、大丈夫だよクアットロさん。そういうクアットロさんは……?」

二人を慰めていたクアットロに対し、十代は聞いた。

「え、えぇ大丈夫ですわ。ディエチちゃんのことは悲しいけど、何時までもくよくよしてられませんもの。」
(……まぁ、まだルーお嬢様やチンク、そしてアンジール様が居ますしねぇ……)

正直、ディエチの死は少なからず予期していたことだった。
クアットロは最初に自分に支給されたものの中に、レイジングハート・エクセリオンがあったことを思い出していた。
支給品はランダムに支給されている。
だとしたら当然、ディエチの固有武装であるイノーメスカノンもまた例外ではないだろう。
いや、そもそもあの大砲が支給されているのかどうかも怪しいが。
とにかく彼女自身に支給されたということはないだろう。
それはつまり、金属があればISが使えるチンクや、固有武装がなくともISが使えるクアットロよりも死ぬ確率は高かったのではないか。

(まぁ、それを言ったらルーお嬢様も例外ではないですけど)

とクアットロは思っていた。
実は固有武装もある状態でディエチは殺害されたのだが、そのことをクアットロは知らない。
とにかく、これでクアットロの行動ははっきりした。

(絶対に見つけますわよぉ……情報と手駒)

人員確保と情報入手。
それが、クアットロが地上本部ですることになっていた。

「さて、こんなことになってしまいましたけど、この建物調べますか?」
「あぁそうしよう。こうしている間にも犠牲者が出るかもしれないからな」
「……何時までも悲しんでいられないわね。えぇ、調べましょう」
「わかりましたわ。では行きましょう」

(精々見つけてくださいねぇ……情報と手駒をねぇ)

そう思いながら、三人は地上本部に入っていった。

この時、クアットロは少し――本人も気づかないくらいだが――焦っていたのかもしれない。
地上本部に入らなければ、いやそもそも放送を聴かなければ焦らなかったかもしれない。
だが、結果的に入ってしまった。
それは、この時話さなかったことにも繋がってしまった。
これからどうなるのか、それは誰にもわからない。


     ◇


「え、別行動?」
「はい。その……全部とは言いませんが、最低限、最上階と地下は調べたほうが良いかと思いまして……」

地上本部に入った時、クアットロはシャマルに対してそう言った。
これには、クアットロなりの理由があった。
まず、単純に人員と情報を確保するために、というのが理由。
固まって探すより、別れて探したほうが効率が良い。
ただでさえ広いので、固まるよりは良いだろうということだ。
そして、もう一つは……

「私、どうしても調べたいことがあるんです。」
「ん? 何を調べるんだ?」
「……御免なさい、今はまだ言えないわ。でも私は、重要なことだと思っているの」
「重要なこと? ……一人で調べるのか?」

クアットロは、はいと言いながら十代の言葉に首を縦に振った。

「シャマル先生、駄目……ですよね」
「え……?な、なんで……」
「でも、私はシャマル先生の役に立ちたいんです!!」
「どうして……」
「シグナムさんの名前が呼ばれた時。シャマル先生、とても悲しそうでした」

クアットロはシャマルが動揺しているのがわかった。
後一息と思いながら、クアットロは最後に言った。

「危ないのは分かっています。でも私はシャマル先生のそんな顔は見たくありません。だから……シャマル先生の役に立ちたいんです!!」
「クアットロ……」

それは、シャマルの中に在った少しの疑心を掻き消すのに十分だった。

(……私、どうかしていたのね。こんなに必死になって私のために……。今まで疑ったりして御免なさい。)

そう、心に思った。そして……

「わかったわ。でも危なくなったらすぐに逃げてね」
「シャマル先生……。あ、ありがとうございます!!」

そう言って、クアットロは近くにあったエレベーターに入った。

「一時間したら戻ってきます。だからそれまで……」
「えぇ。クアットロ……気をつけて」
「はい、分かりました」
「クアットロさん、帰ってきてくれよ!」
「はい、十代君も気をつけて……」

そう言い終った時、エレベーターの扉は閉じた。
シャマルと十代の二人だけになったのだ。

「俺達も行きますか」
「……えぇ、そうね」

そう言って二人もエレベーターの中へ入っていったのだった。


     ◇


「計画通り、ですねぇ……」

もう一つの理由。
それはシャマルへの恩義……などではない。

(こぉんなに大きな建物ですからねぇ。電子端末の一つや二つ、あるかもしれませんねぇ)

それは、情報が集まるであろうもの。
すなわち、電子端末を探すためであった。
そして一人になった理由。
それは、他の参加者に有利な情報はもみ消すため。

(いくら利用するといっても、あまりシャマル先生達が有利になっても嫌ですしぃ)

それに

(いずれは殺すのですからねぇ。これくらいはいいでしょう)

そう言ってクアットロは電子端末を探そうとして、その歩みを止めた。

「そういえば、さっきのあれ」

ちなみにあれとは、アリサ・バニングスの死者蘇生のことである。
だが、クアットロにとっては……

「……茶番ですわねぇ、あんなの別の世界から同じ“アリサ・バニングス”連れて来ればいいだけの話じゃない」

別に誰に言うわけでもなくそう言った。

「まぁ事情を知らなかったりしたら、あれを見てゲームに参加する人がいるかもしれませんけどねぇ……」

と勝手に(まぁ合っているが)決定し、ふと――

「と、もしかしたら他の参加者がいるかも知れませんからねぇ……」

そう言って、自分(元はアンジールのもの)の支給品の一つを手に取った。

それは普通の剣だった。
シグナムの剣であるレヴァンティンのようにカートリッジが積まれているわけでもなく。
殺生丸の剣である爆砕牙のように半永久的に破壊活動を続けられるわけでもなく。
セフィロスの剣である正宗のようにものすごい長さをしているわけでもなく。
そして、この会場で殺生丸に支給された剣である童子斬丸のように生き血が必要なわけでもなく。
……かといってルルーシュ・ランペルージに支給されたどこぞの侍の木刀よりは確実に強く。
本当に普通の剣だった。


ただ、先端が人の頭をかたどったような形状であることを除いてはだが。


(改めて見ますけど……これは本当に剣なのかしら?)

戦闘機人の力もあり、少し重そうなそれも難なく持ち上げつつ、クアットロはそう思った。
一応試し切りはアンジールに渡された時にしている。
なので、クアットロはそれが模造刀ではなく本物なのだということはわかっていた。
けれども、彼女は信じられなかったのだ。
本当にこれが剣(?)なのかどうかを。
付属してあった説明書もあったのだが、そこに書かれていたのは、『とある世界の融合戦士『ボボパッチの助』が使っていた武器』と言う一文だけ。
正直クアットロは、誰だよボボパッチの助というかなんで剣の名前が書かれてないのというかなんで先端こんななの!!? とツッコミをいれたくなったぐらいだ。

この剣(?)の名前は田中ソード。
実際にボボパッチの助が使っていた武器であり、そしてとある異常な世界ではフェイトがバルディッシュの代わりに使用していた武器でもある。
クアットロがもう少し調べれば、特定の人物がこの剣で魔法が使えることもわかったかもしれない。
だが、先程も言ったようにクアットロは少し焦っていた。
なので、その事実に気づくことはなかった。

(ま、まぁ、使えることは使えますしねぇ……)

そう思ってクアットロはその剣を手に取り、再び歩き出した。
自身が有利になるために。


思ったより早くそれは見つかった。
と言ってもすぐ近くにあったというわけではない。
地下の、極端に言えばものすごく奥の方にそれはあった。
パーソナルコンピューター。
主にパソコンと呼ばれているものである。
もしも、これを見つけたのが十代などの普通に地球で生きている人間だったなら、喜びの表情の一つはしただろう。
だが……

「……ここにはありませんわねぇ」

あいにく、クアットロは地球に行ったことなどない。
なのでここにあったパソコンも、周りにある機械と同じものと思ってしまったのだ。
クアットロは(不運にも)その場を後にして、他の場所を探しに行ってしまった。

ちなみに、地下にはクアットロの前に八神はやてが調べていた。
本来の冷静な彼女ならミッドチルダにある建物の中に地球のものがあることに違和感を感じてもよかったはずだ。
そう。
キングのことで気が散っていたはやてでなければ、見つけられたはずだったのだ。

そして今クアットロもこのパソコンに目もくれず、他の場所を探し始めてしまった。
クアットロはおそらく何も見つけられないだろう。
八神はやてがそうだったように。
そして、この後彼女は非常に後悔することになるだろう。
それは、パソコンを見れば回避できた不幸。
あるいは地上本部に入らなければ回避できた不幸。
その不幸に、クアットロは気づかない。
そしてその不幸の末に一体どうなるのか。
そんなこと、誰も知らない。
例え……プレシアでも。




【1日目 朝】
【現在地 E-5 地上本部地下】
【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】左腕負傷(簡単な処置済み)、眼鏡無し、髪を下ろしている、下着無し、焦り(小)
【装備】高良みゆきの制服@なの☆すた、ウォルターの手袋@NANOSING、田中ソード@ナナナーナ・ナーノハ
【道具】支給品一式、ナンバーズスーツ(クアットロ)、クアットロの眼鏡
【思考】
 基本:この場から脱出する
 1.地上本部地下で情報、手駒を探す
 2.十代とシャマルの信頼を固めて、とことん利用し尽くす
 3.聖王の器の確保
 4.他のナンバーズともコンタクトをとる
 5.フェイト(StS)との接触は避ける
 6.下と胸に違和感が……
7.カードとデュエルディスクはとりあえず保留
【備考】
 ※地上本局襲撃以前からの参戦です
 ※参加者は別々の世界・時間から連れて来られている可能性に至りました
 ※アンジールからアンジール及び彼が知り得る全ての情報を入手しました(ただし役に立ちそうもない情報は気に留めてません)
 ※アンジールの前では『アンジールの世界のクアットロ』のように振る舞う(本質的に変わりなし)
 ※改心した振りをする(だが時と場合によれば本性で対応する気です)
 ※デュエルゾンビの話は信じていますが、可能性の1つ程度にしか考えていません
 ※この殺し合いがデス・デュエルと似たものではないかと考えています
 ※殺し合いの中で起こる戦いを通じ、首輪を介して何かを蒐集していると考えています
 ※デュエルモンスターズのカードとデュエルディスクがあればモンスターが召喚出来ると考えています
 ※地上本部地下にあるパソコンに気づいていません

【田中ソード@ナナナーナ・ナーノハ】
本編中ではフェイトがバルディッシュを置いてまで使っていた長剣。
剣の先端が人の頭をかたどっている。
本来は融合戦士ボボパッチの助が使用していた武器。
作中でフェイトはこの剣で魔法を使っているのでデバイスだと思われる。
付属の説明書には『とある世界の融合戦士『ボボパッチの助』が使っていた武器』としか書かれていない。




さて、クアットロが地下で四苦八苦している時シャマルと十代はと言うと……

「……シャマル先生」
「う、うん。何?」
「何回も聞くかも知んないけどさ……これ何だと思う? 「『魔力を込めれば対象者の望んだ場所にワープできます』、て書いてあるけど……」
「え、えぇ……。たぶん、その通りだと思うわ……」

……転移魔法の魔法陣の前に居た。
この魔法陣の前に来てもう数十分している。
が、魔法陣を見つけたのは僅か数分のことだった。
ちなみに、この間に二人はアリサの死者蘇生についての話をしていた。
答えは二人とも何かトリックがあるに違いないと思っていた。
そして、そのことを話そうとしている時に例の魔法陣を見つけたのだ。
まぁ……
エレベーターを出て、二人が一番最初にベンチ付近を調べたというだけの話だ。
ただ見つけたのは良かったのだが、二人がこれを積極的に使おうとは思わなかった。

まず第一に、クアットロを置いて行くわけにはいかないと思ったからである。
確かに二人とも会いたい人物はいる。
だから二人とも、この魔法陣を使いたいという気持ちは強かったはずだ。
だが二人はクアットロを信用していた。
それゆえに、彼女を置いてまでこの魔法陣を使おうとは思わなかったのだ。

そしてもう一つ、この魔法陣を使おうとしなかった理由がある。

「……罠よね……」
「え? 罠?」
「えぇ、たぶん」

そう。
シャマルが考えたように罠の可能性があるからだ。
考えてみればわかることだろう。
『対象の望んだ場所』
これはつまり、『対象の望んだ人物がいる場所』という捉え方もできる。
だがそれは、会いたい人物にすぐ会えてしまうことにもなる。
そんなことを、プレシアが望むだろうか?
この魔法陣を設置したのは間違いなくプレシアだ。
こんなゲームを開くような人物が、そんな気前のいいことをするだろうか?
普通に考えたら、そんなことはしないだろう。
だが、これが罠だとしたら?
この魔法陣がグループで動いている参加者をバラバラにさせるための罠だとしたら?
だとしたら、説明がつく。
何故なら、これは殺し合いのゲームだ。
殺し合いの進行を妨げることになるグループは、プレシアから見て面白くないだろう。
だったら、どうするか。

「答えはこれってわけね……」

と、シャマルは一人そう言った。
確かにこれならプレシアが直接手を下さなくとも、簡単にグループを分裂させることが可能だろう。
だが疑念もある。
どうしてこんな場所に仕掛けたのかということだ。
別にここでなくとも、例えば地上本部に入ってすぐの場所に置いてもいいはずだ。
こんな最上階に置いてしまったら、もし仮に参加者が最上階に行かなかったら意味を成さないはずだ。
なら、どうして……

「あ、あのさシャマル先生」
「うん? 何かしら」

――と、十代がシャマルに声をかけてきた。
何だろうとシャマルは思った。

「やっぱり……俺使ってみようと思っているんだ。この……魔法陣だっけ、をさ」
「え!!?つ、使うの!?こんなに怪しいのに……」
「だけどさ、仮に罠だとしたら普通こんなとこに置かないと思うんだ」
「だけど……」

渋るシャマルに対して十代は言った。

「これってむしろ……怪しませて逆に使わせないようにさせているんじゃないのか?」
「え?」
「だって、そうだろ。普通に罠を張るならこんな場所になんか置かないだろ。入り口とかでもいいはずだ」
「た、確かにね。それは私も思ったけど……」
「それがここにあるってことはさ、逆に怪しませて参加者に使わせないようにしようとしたってことなんじゃねぇか、て思ったんだけど……」

なるほど確かに。
その考え方にも一理あるとシャマルは思った。

「ただ十代君。使うには少し問題があるわよ」
「えっ?なんだ問題って?」

十代が訳が分からないと言った表情でシャマルを見た。
その表情を見て、シャマルは言った。

「これ魔力を込めないといけないんだけど……十代君、魔力ある?」
「あっ……」

そうである。
そもそも、魔力がなければこの魔法陣を発動させることができない。
ならそもそも、魔力を持たない十代が発動させることはできないのである。

「しまった!!!すっかり忘れてたぜ。あーどうしよう……どうすれば……」

すっかり落ち込んでしまった十代を見たシャマルは、ふと、ある考えが浮かんだ。

「なら、私が一緒に入って発動させましょうか」
「え!?で、でもそれだとクアットロさんが一人になっちまうんじゃ……」
「えぇ。だから、なるべくここに近い場所を思い浮かべればいいのよ。例えば図書館とか……」
「け、けどよ……」
「十代君」

と、シャマルが真面目な顔で十代を見た。
今話してはいけない――そう十代は思った。

「私ね、放送でシグナムの名前が出た時、すっごく後悔したのよ。そのときね……まず何よりも、もう二度と会えないんだって思ったのよね」

シャマルの言葉は続く。

「だからね、十代君には……そんな思いしてほしくないのよ。だから……協力させて」

もう、十代に止める権利はなかった。

「……分かった。だけどシャマル先生すぐに戻ってやってくれよ。後、あんまり無茶はしないでくれ」
「えぇ、分かってるわよ」

そう言って、二人は魔法陣の中に入った。
どんな未来が待っていようが構わない。
今はただ……

「……じゃあ、いくわよ」
「ああ、いつでもいいぜ」

後悔したくないから。



二人は眩い光に包まれた。
そしてその瞬間から、二人の姿は地上本部最上階にはなかった。

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