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烈火(Side K) ◆7pf62HiyTE




「やっぱり無いわね」

F-1の浜辺にて柊かがみは支給品の確認を行っていた。
かがみはスーパーで万丈目準に仮面ライダーに変身する力を持つベルデのカードデッキを押しつけられた。
カードデッキは仮面ライダーへと変身する力を与える代わりに制限として12時間に1人生きた参加者を餌にしなければならないが、ベルデのカードデッキはこれまで1度も参加者を喰わせていない為、制限時間が迫っていたのだ。
ちなみに変身等カードデッキの力を行使すれば猶予時間を大量に消費することになりその時間は1分につき10分だ。
なお、万丈目にはカードデッキの他にも盗賊王の魂バクラが宿った千年リングも支給されていた。
バクラはカードデッキに参加者を喰わせようとしない万丈目に見切りを付け、万丈目に千年リングとかがみに渡すようにし向け、かがみに万丈目をカードデッキへの餌にする様にし向けさせようと目論んだ。
だが、その目論見は万丈目に先に察知され、万丈目はこの場を切り抜ける為にカードデッキをかがみに押しつける様にスーパーから逃げ出したのだ。

その後、参加者の1人であるLがいるであろう南へ走っていたら運良く参加者の1人であるヒビノ・ミライを発見した。
かがみは彼を餌にする為に襲ったものの時間切れとなり、カードデッキの契約モンスターであるバイオグリーザに襲われたがミライがウルトラマンメビウスに変身しバイオグリーザと戦い打ち倒した。
なお、その時にバクラがメビウスを餌にする為にかがみの身体を借り、メビウスに攻撃を仕掛けている。前述の通りバイオグリーザは倒され目論見は失敗に終わったが、何とかメビウスから元に戻ったミライから逃げ出す事には成功した。

そして身体を返してもらったかがみとバクラはF-1の浜辺に到着し、2つのデイパックと幾つかの道具を見付けたのだ。
そこにかがみ自身に支給されたもののLに奪われた王蛇のカードデッキを見付けたのである。
最初はどういう事かわからなかったが、参加者の1人であるエリオ・モンディアルを事故ではあったものの喰わせた後は誰も喰わせてなく、かつ何度も使用していたことから時間切れが来てLは喰われた物だと2人は結論付けた。
だが、それにしては奇妙な話である。

そもそもかがみはLに捕まる前……セフィロスとシグナムと戦った時にはデイパックを3つ……自分、エリオ、高町なのは計3人分所持していた。
そして、Lに捕まったわけだが当然Lにもデイパックは支給されているはずだからLが喰われたとするならばこの場には4つのデイパックが無ければおかしい事になる。
しかしこの場にはデイパックは2つだけしかない。仮にLがデイパックを持っていなかったとしても1つ少ない。
残念ながらかがみは支給品を殆ど把握していないが少なくても『あるもの』が無くなっている事だけはわかっている。
それはなのはに支給されていた仮面ライダーデルタのベルトである。かがみはそれを使い何度かデルタへと変身していた。だが、問題のベルトがこの場には無いのだ。

「どういう事なのかしら……?」
『別にいいだろ宿主サマ、それとももしかしてあのベルトの方が良かったのか?』
「そんなわけ無いわよ!アレ使ったら何か頭がおかしくなったし……二度と使いたくないわ」

デルタのベルトにはデモンズスレートと言われるシステムが搭載されており、それによりかがみは凶暴化しその状態のまま戦い続けシグナムを殺し、自身も傷ついたのだ。いくら力を得られるといってもあんな物を二度と使いたくはないのが本音だ。

『じゃあ、気にするなよ、それに武器だったら他にも使える武器があんだろ』

と、かがみに他の支給品確認をさせる。

「そうね……これなんか使えそうよ」
『何だ、その杖は?』
「説明書を見た所Ex-stっていう『概念』の武器みたいね」
『で、その『概念』っていうのは?』
「何だったかしら……確か何かのラノベに出ていたと思うんだけど……『概念』なんて出ているラノベなんてそんなに無いはずなんだけどね……確か分厚かったとは思うけど……」

かがみの反応を余所に、

『この際『概念』が何でも構わねぇよ、結局の所使えるのかその杖はよ』

バクラは意味の分からない『概念』の事は置いておいて、使えるかどうかの確認をすることにした。

「使えると思うわよ、威力の方は私の意志で変えられるみたいだし」
『なあ、何か詳しいみてぇだがどっかで使ったことあるのかよ?』
「さっきも言ったけど何かのラノベで読んだ気がするのよね……何かまでは思い出せないけど……」
『ちなみに、こなたって奴とはそのラノベについて話したのか?』

バクラはその事についてかがみの友人である泉こなたと話しているかどうかが気になった為、試しに聞いてみた。

「アイツはラノベなんて読まないわよ、まあCDドラマかアニメになっているなら知っているかも知れないけど……どうだったかしら……?」
『そうかい』

何はともあれ、Ex-stが使えるとわかったかがみはそれをひとまずデイパックにしまう。そして、エリオの(といってもかがみは誰のデイパックかはわかっていないが)デイパックの中に入っている支給品も確認をし時間は過ぎていった。

『とりあえず、これだけあれば変身出来なくても戦いには困らねぇな』
「そうね、仮面ライダーが強いからって下手に使ったらすぐに時間切れになってしまうものね」
『そうだ宿主サマ、まだ確認してない所があったな』
「? 道具なら全部確認したわよ、名簿も地図も含めて……後、何を確認するのよ?」
『そのカードデッキの中身だ』

バクラが言っているのはカードデッキの中身の事である。

「この中身?」
『ああ、中にどんなカードが入っているか分からなきゃ戦い様がねぇだろ? それに、デッキ毎に中身は違うみてぇだからな、確認しておいた方がいいだろ?』
「確かにそうね……」

かがみは王蛇のカードデッキの中に入っているカードを確かめる。
まず発見したのがモンスターの描かれた2枚のカードである。それぞれベノスネーカーとメタルゲラスが描かれている。この2枚は「ADVENT」のカードである。
続いて取り出したのは2枚の「FINAL VENT」のカードである。

「確かこれを使うと必殺技が使えるのよね……」

事実として、王蛇と変身したかがみがそのファイナルベントベノクラッシュでシグナムを仕留めている。

『確か万丈目に支給されたデッキにはモンスターのカードも「FINAL VENT」のカードも1枚しか無かったな……モンスターの数だけ使えるって事か……待てよ……』

バクラは万丈目にカードデッキの使い方を教える際にベルデのカードデッキの中身を確認しており、バイオグリーザの描かれた「ADVENT」のカードも「FINAL VENT」のカードも1枚ずつしかないのを確認している。そんな中、バクラが何かに気付くが、

「どうしたのよ?」
『いや、とりあえず続けてくれ』

続いて「SWORD VENT」と「STRIKE VENT」のカードを確認する。調べた所武器を出すカードの様だ。続いて取り出したのは「STEAL VENT」のカードである。

『コイツはいいぜ』
「STEAL……盗みのカードね、確かにアンタにぴったりのカードよね」

言葉通り、相手の武器を盗む力を持つカードだろう。

「それにしてもこんなカードもあったのね……」
『なんだ宿主サマ知らなかったのかよ。ま、確かめといて正解ってこったな』

次に取り出したのは「CONTRACT」のカード。

『契約って意味だな……』
「何と契約しろっていうのよ……」

そして次に取り出したカードは「SURVIVE」と書かれたカードである。

『サバイブ……生き残るって意味だろうが……何の事だ?』
「ちょっと待って……なんでこのカードがここにあるのよ……」

そのカードを見てかがみは驚いている。

『ん、何か知ってんのか?』
「多分このカードを使えばパワーアップ出来ると思うんだけど……」
『だけど?』
「でもこんなカード何て無かったはずよ」
『何だと……いや、確かにそうだな』

言われてみれば、凶暴化していたとしても「STEAL VENT」という補助的なカードならばともかくパワーアップすることの出来る「SURVIVE」のカードを使わない理由は何処にもない。あるならばシグナムやセフィロスと戦う時に既に使っている筈だ。

『大方Lの支給品に入っていて、Lが使えると思っていれたんじゃねえか?カード単体じゃ役に立たねえみたいだしな』
「そうかも知れないわね……」

とりあえず「SURVIVE」のカードはLが王蛇のデッキに入れた物だと解釈することにした。

『まあ、パワーアップ出来るんだったらむしろ好都合だろ』
「それもそうね」

カードデッキの中身の確認を終え、一旦それらをデッキに戻す。その一方、

「……? 何かしら?」

かがみは海上に何かが浮かんでいるのを見付ける。バクラもそれを確認し、

『おい……宿主サマ、アレを回収しろよ』
「海の上なんてどうやって回収するのよ?」
『モンスターを出せばいいだろ?』
「時間の方は大丈夫なの?」
『数秒で済ませりゃ1,2分の消費で済む、早くしろ!』
「わかったわよ……」

と、海面からベノスネーカーを呼び出し海上に浮かんでいた物を拾い上げすぐさま自分達のいる浜辺まで持ってこさせ、用事を済ませれば再び海面に引っ込ませた、その間十数秒。

「で、これは一体なの?」
『こいつは眼帯女の……』

それはバクラと万丈目が出会った眼帯付けた少女が身に付けていたのと同じ様なスーツであった。その事を話すバクラだが、

「じゃあ、この服は彼女の?」
『いや、違うな……綺麗すぎる……』

バクラによると眼帯の少女のスーツは万丈目の攻撃により(正確にはバクラによるものだがかがみには万丈目が行ったと説明している。)ボロボロになってなければおかしい筈なのだ。しかし、スーツを見た所左腕部分以外は殆ど損傷がない。

『それに、サイズが全然違う。眼帯女のだったらもう少し小さいはずだ』
「ああそう」

それそのはず、そのスーツは眼帯女ことチンクのものではない。そのスーツはチンクと同じ戦闘機人ナンバーズクアットロのスーツなのだ。
クアットロは無用な争いを避ける為にかがみの友人である高良みゆきの制服を着ていたがその服はボロボロになってしまったのだ。
そして着替えようとスーツをデイパックから取り出した際にエネルとセフィロスの攻撃による爆発が起こり川に落ちスーツを手放してしまったのだ。
そしてスーツは流され海へと流れ着いたのである。もっとも、その事実をかがみ達が知るわけがない。

『丁度良い、コイツに着替えようぜ』
「って何考えてんのよ!?」
『少なくとも宿主サマが今着ている服よりも動きやすい服だとは思うぜ?』

確かにかがみが今着ているスーパーの制服よりナンバーズスーツの方が戦いに適しているのは明白だ。

「でも、こんなスタイルがハッキリ出そうな服なんてあんまり着たくは無いけど……」
『自信がねぇのか?』
「もうわかったわよ! でも着るのは乾いてからよ! こんな濡れてびしょびしょの服なんて着られないし!」
『まあいいか、じゃあ乾いたら着るってことでいいんだな?』
「はいはい……というかバクラが着させたいだけじゃないの……?」

とりあえず、スーツを浜辺に広げる。晴れた砂浜であれば、服が乾くまでにそう時間はかからない。

『そうだ、宿主サマ。カードの確認しようぜ?』
「さっきしたでしょ?」
『そっちじゃねえよ、もう1つのデッキだ』
「っていうか、バクラ一度確認しているんでしょ? 確認する必要なんて……」
『いや、気になることがあるからな……』
「何よ……」

といいつつ今度はベルデのカードデッキの中身を確認する。

「で、どうなの?」
『気付かねえか宿主サマ、デッキの中身が変わっているぜ』
「!!」

そう、ベルデのカードデッキには先程まであった筈のカードが無くなっているのだ。「ADVENT」(バイオグリーザの描かれたカード)、「COPY VENT」、「CLEAR VENT」、「HOLD VENT」、「FINAL VENT」のカードが無くなっている。
同時に、これまでにはなかった、「CONTRACT」、「SEAL」のカードがデッキには入っている。

「どういうことなのかしら……?」
『モンスターが倒されたからだろうな』

バクラによると「COPY VENT」、「CLEAR VENT」、「HOLD VENT」のカードは何れもバイオグリーザの力を借りる事によって発動する技である。
王蛇のカードデッキを踏まえても「ADVENT」、「FINAL VENT」のカードもバイオグリーザが存在する事で存在するカードと考えて間違いない。
だが、先程メビウスによってバイオグリーザが倒されたことによりベルデはバイオグリーザの力を失いブランク体となった。
それ故にバイオグリーザの力を借りたカードが消失しその代わりに「CONTRACT」、「SEAL」のカードが現れたのだろう。

「それにしてもこっちのデッキにも契約のカードがあったけど、これって一体何と契約するものかしら?」
『それについては見当が付いたぜ』

バクラはその事について説明する。

『モンスターが倒された事でモンスターの力を使ったカードが無くなり、その代わりにその2枚のカードが現れたってことだろ? つまり、コイツはモンスターを失ったから現れたって事だな』
「それはわかるわ、だからそれがどういう事なの?」
『簡単な事だ、コイツはモンスターと契約する為の物だ』

「CONTRACT」はバイオグリーザやベノスネーカーの様なモンスターと契約し新たにライダーとしての力を得る為のカードだと説明した。

「じゃあ、これを使ってモンスターと契約すれば……」
『コイツもまた使える様になるってこった』
「それじゃこっちのカードは?」
『ソイツはモンスターを封印……黙らせる為のカードだろうな』

「SEAL」は襲ってくるモンスターを封印することで脅威から身を守る為のカードだと説明した。

「じゃあ、これからモンスターに襲われるとしても2度は身を守れるってこと?」
『いや、多分1度だけだな。考えてもみろよ、モンスターが1体消えて2枚のカードが現れたって事はどちらか片方を1体のモンスターに使えばもう片方も消えると考えた方が自然じゃねえか?』

バクラは2枚のカードの内片方使えばもう片方も消えてしまうだろうと説明した。つまりモンスターに対して契約か封印しか行えないという事だ。

「でも、肝心のモンスターがいなければ使えないでしょ?」
『そりゃそうだ、まあ出てきた時にでも考えればいいだろ。』

と答えた物の、実はバクラの脳裏には手っ取り早く使う方法は浮かんでいた。それは王蛇のデッキにある2枚の「ADVENT」カードの内片方を破ることだ。
カードを破る事でモンスターを解放し、そのモンスターと契約を行えば使えるという寸法だ。そうすることで仮に戦闘中に元に戻ってももう1度変身出来る為、戦闘で優位に立てるのは明白だ。
もっとも、この案をかがみに話すつもりはない。バクラ自身もその手段を取るつもりは全く無いし、かがみが思いついたとしても止めるつもりではある。

理由は2つある。1つはモンスターと契約したカードデッキを2つ所持することでモンスターに喰わせなければならない生きた参加者も増加するからだ。
幾ら手数が増えるといってもリスクが大き過ぎると考えていた。何しろ都合良く他の参加者に会えるとは限らないのだ。
もう1つは王蛇は複数のモンスターと契約してこそ真の力を発揮すると考えたからである。

なお、バクラもかがみも気付いていないものの「CONTRACT」、「SEAL」は使わずに所持した方が実は都合が良い。
その理由は簡単なことだ、モンスターは「SEAL」を持っている者を襲うことが出来ないからだ。仮に猶予時間を使い切ったとしてもだ。
つまり、今のかがみがモンスターに襲われる事は無いという事である。とはいえ、現状のかがみもバクラもその事に気付く事は無いだろうが……

さて、ベルデのカードの確認を終えデッキに戻したかがみは、

「そういえばこっちのデッキにはもう1枚契約のカードがあったわよね、でもこのデッキにはもう2体もモンスターいるでしょ? どういうことなの?」
『それがそのデッキの特徴って事だろ?』
「特徴?」

バクラはその事について説明する。ベルデのデッキには「COPY VENT」、「CLEAR VENT」といった相手の姿を借りたり姿を消したりといったトリッキーな戦い方をする為のカードがある。
つまり、ベルデのデッキは力押しで戦うよりも相手を翻弄して戦うのに長けているという事である。

『まあデッキというよりモンスターの影響だろうけどな』
「ふーん……それじゃあこっちは?」

王蛇のデッキには既に「ADVENT」、「FINAL VENT」のカードが2枚ずつ入っており、更に「CONTRACT」のカードがもう1枚入っている。

『簡単なことだ、もう1体のモンスターと契約したらどうなるかわかるよな?』
「モンスターのカードと、「FINAL VENT」のカードがもう1枚増えるって事じゃ……待って、それはつまり……」
『ああ、必殺技を3回も使えるって事だ』

仮面ライダーのカードアドベントカードは1度の変身に付き1度しか使えない。故に通常1枚しかない「FINAL VENT」は1度の変身で1度しか使えない。
だが、複数「FINAL VENT」のカードを所持しているならば話は別、その枚数分「FINAL VENT」を使用する事ができるのだ。
「FINAL VENT」の威力は絶大……それが何度も使えるならば優位に立てるのは明白である。
通常カードデッキと契約しているモンスターは1体だけ、当然「FINAL VENT」のカードも1枚しかない。
但し、王蛇のカードデッキには「CONTRACT」が他に2枚入っている(既に1枚使っている為、残り1枚だが)。
つまり、「CONTRACT」を使ってモンスターと契約すれば最大3体と契約する事になり、必然的に「FINAL VENT」の枚数も最大3枚まで増えるという事である。
複数回必殺技を使える王蛇のデッキは下手な小細工よりも純粋な力押しで戦うのに向いていると言えよう。故に、バクラは王蛇の力を引き出す為「ADVENT」のカードを破かずにそのままにしておくつもりだったのだ。

「その割に「STEAL VENT」なんて姑息なカードがあるのはどういう事なのかしら?」
『俺様は別に構わねぇけどな。それよりもここからは俺様の推測なんだが……このデッキは3体のモンスターと契約してこそ真の力を発揮すると思っている』
「まあ、中身を見る限りそうしろって感じだろうけど……」
『例えばな……3体モンスターが揃って初めて使えるカードが現れたりするかも知れねえな』

ちなみに、バクラはカードゲームデュエルモンスターズの経験が豊富な事もある為、仮面ライダーのカードデッキについても早い段階から見ていた為把握出来ていた。
そしてバクラの今の発言もデュエルモンスターズの経験による発言である。実際に、デュエルモンスターズでは複数のモンスターがいることで使える特殊なカードが存在する。

「どんなカードよ……」
『3体のモンスターを生贄に捧げてより強力なモンスターを召喚するカードとか、3体を融合させるカードとかな』
「融合はありそうな気はするけど」

実際、仮に3体のモンスターと契約した王蛇は「UNITE VENT」と呼ばれるカードを使うことで3体のモンスターを合体させ1体の強大なモンスターを出現させる事が出来る。3体のモンスターが合体したモンスター……その強さは想像に難くないだろう。
とはいえ、2体しか契約していない現状のデッキには「UNITE VENT」のカードはない。恐らく3体契約した時にそのカードが現れるのだろう。その時が訪れるかまでは不明だが……

「……そういえば気になったんだけど、このデッキって2体のモンスターと契約しているのよね?」
『ああ、それがどうかしたのか?』
「いや……餌にしなきゃいけない数って増えたりしないのかなって思って……」
『言われてみりゃそうだな……』

先程も述べた通り、王蛇のカードデッキはベノスネーカーとメタルゲラスの2体と契約している。普通に考えるならば、2体のモンスターそれぞれに対して餌を与えなければならないはずである。
実を言えばこれは重要な問題と言えよう。

かがみ達はLがモンスターに喰われたと考えたが、Lだけを喰った場合片方しか空腹は満たされないはずである。つまり、もう片方は依然として餌を与えられていない可能性が高いということだ。
ちなみに最初に王蛇のカードデッキへの餌として喰われたのはエリオではあるが、エリオが喰われたのはこの場に来てすぐの事なので猶予時間には殆ど差が無いはずなのでその事については特に考える必要は無いだろう。
さて、もし仮説通り片方に餌が与えられていないならばもう片方がかがみを襲っても不思議はない。

「大丈夫なのかしら……」
『宿主サマ、一瞬でいいから犀の方を出してくれ』
「ええ……」

かがみはバクラの言う通りメタルゲラスを海面から呼び出し、すぐさま引っ込めた(その間数秒)。メタルゲラスはかがみの指示通り動いた。

「ちゃんと言うことを聞いたわね」
『時間切れになっていたら言うことを聞かねえはずだな……』

かがみとバクラは考える。

「あの場にはL以外にも参加者がいてそいつも喰ったとか?でも確かLしかいなかったけど……」

かがみ達は知らないがLが喰われそうになった時にザフィーラとアレックスが戻って来ていた。但し、ザフィーラが王蛇のデッキを持って浜辺まで走った為、喰われたのはザフィーラ1人だけであるが。

『もしかしたら……餌にしなけりゃならねえのはデッキ毎に1人かも知れねえな。その代わり片方猶予切れになったらもう片方も襲うようになる風にしたんだろう』
「それって2体とか3体とか契約していても1体扱いって事?」
『まあ、想像だが……考えられない話じゃねえだろ?』

とはいえ考えられない話ではない。いや、むしろその仮説は正しいと言えよう。ここで順を追って整理してみよう。
まず、最初にデッキの生贄としてベノスネーカーに喰われたのはエリオだがこの時点ではこの場に来てからさほど時間が経っていない為猶予時間には殆ど差がない。
その後かがみは度々モンスターの力を行使したり変身したりしていたが、どちらのモンスターもまんべんなく利用していた為やはり猶予時間には差は無い筈である。あってもせいぜい1時間程度だろう。
ところがここからが問題である。王蛇のデッキはLが回収したがLはメタルゲラスに逃げたかがみを追わせる様に命令した。なお、この時ベノスネーカーの力を借りて川越を行っているがごく短時間……2,3分といった所だろう。
だが、一方のメタルゲラスは延々とかがみを追い掛けていった。
ここで思い出して欲しい、モンスターの力を行使した場合は1分につき猶予時間を10分消費する事を。つまり、仮に1時間もの猶予時間の差があったとしても6分でひっくり返される事になり、先にメタルゲラスの猶予時間切れとなるだろう。
となればメタルゲラスはLを襲うはずだが、この時点ではベノスネーカーの猶予時間は残っている筈なのでベノスネーカーがLを守ってくれるはずである。
だが、実際にはそうはならずメタルゲラスの猶予切れと同じタイミングでベノスネーカーはLを襲った。猶予時間がモンスター毎ならこうはならないはずである。
以上の事から考え猶予時間はモンスター毎ではなく、カードデッキ毎に設定されていると考えられる。

これらの事はかがみもバクラも知り得ないが2人は猶予時間はカードデッキ毎に設定されていると結論付けることにした。この説が間違っている可能性はあるが下手に考えるよりも一刻も早く他の参加者を餌にすればいいだろうと考えることにした。

「それにしても……あの2体のモンスターで仲良く食べているとしたら変な光景よね……」
『深く考えるなよ、宿主サマ』

支給品の整理を終え、少し休みスーツが乾いた頃かがみ達は歩き出した。

「うう……海の匂いがする……」

今現在かがみは服を着替え乾いたばかりのスーツを着用している。かがみが着ていた服はデイパックの中にしまってある。

『だが動きやすくはなっただろ?』
「あんたが着せたかっただけとしか思えないけど」
『しかしよ……やっぱりパンツとかは脱いだ方が良かったんじゃねえか?』
「それは絶対に嫌! (確かに下着のラインが気になるけど……)」
『やっぱり気になるんじゃねえか』
「人の考えを読むな!!」

なお、下着については外した方が良いというバクラにかがみは最後まで反論し、最終的にバクラが仕方なく折れ、下着は着用したままである。とはいえかがみ自身も正直下着のラインが気になっているが

「つか、一体どんな奴がこれ着ているのよ……」
『そうだ、宿主サマ。ちょっと変身してくれるか?』
「ちょっとコンビニまでみたいに言うな! 時間がなくなるでしょうが!」
『いや、さっき拾った方じゃなく万丈目に押しつけられた方だ』
「? でも、これモンスターいないから何も出来ないわよ」
『後で説明するから早く変身しろよ』
「はいはい……――変身」

カードデッキを装填し黒いベルデの装甲を身に纏う。

「で」
『よし、元に戻っていいぜ』
「は!?」

苛立ちつつかがみは変身を解除した。

「一体何をさせたかったのよ……」
『ああ、制限の確認だ』

バクラによると1度変身した後は暫くの間変身が出来なくなるという話だった。実際、その事についてはかがみ自身も身に覚えがあるためその事については理解している(というより、バクラもかがみの体験からそれを知ったわけだが)。
そこで、バクラはベルデのデッキを利用してどれぐらいの時間変身が出来なくなるのかを確かめたのである。幸いベルデのカードデッキはモンスターと契約していない為、猶予時間を消費する心配は全く無い。

『さっき変身が解けてから1時間半弱って所だな』
「じゃあそれぐらいでまた変身出来る様になるってことね」
『そんなとこだろうな』

再変身までの時間を把握したかがみ達は再び歩き出す。

「ところで、何処へ向かうつもり?」

かがみはバクラの指示している方向に歩いている為、目的地を把握していない。

『ああ、デュエルアカデミアに向かおうと思ってんだ』

バクラによるとデュエルアカデミアはカードゲームデュエルモンスターズの学校であり、万丈目、遊城十代、天上院明日香、早乙女レイがその学校の生徒だという話だ。

「つまり奴らがそこに集まるって事?」
『それもあるが、カードがあるなら探したいと思ってな』
「……カードゲームのカードなんて何に使うのよ?」
『それはだな……』

バクラは万丈目のいた世界ではデュエルモンスターズのモンスターカードが実体化していた事をかがみに話した。

「それ本当なの?」
『ああ、万丈目に聞いた話じゃそうだったみたいだぜ』

それはバクラの嘘である。少なくともバクラは万丈目からその話は聞いていない。バクラは万丈目の記憶を見てそれを知っていたのだ。もっとも、バクラにしてみれば万丈目から話を聞いていなくてもカードは使えると考えていただろうが。

「でもそれがここでも使えるとは限らないんじゃ……」
『わからねぇぜ、万丈目の奴自分のデッキが没収されているって言っていたからな、何の効果もないカードを没収する理由なんて無いだろ?』
「言われてみればそうだろうけど……」
『まあ、仮に無駄骨でも人が集まっている可能性はあるだろう。行ってみる意味はあるんじゃねえか?』
「それもそうね、でも地図を見たけど結構距離あるわよ。他の施設に行った方が……」
『いや、そうでもねえよ』

と、気が付くと周囲の景色が砂浜から森林に変わっていた。

「あれ……何時の間に移動したの?」
『よくはわからねえけど、地図の端と端が繋がっているみてぇなんだ』
「ということは……」

かがみは地図を確認する。自分達がいたのはF-1の砂浜だ、そして少し移動して森林にたどり着いたと言うことは……

「ここはF-9!?」

西端から東端へとワープしF-9の森林にたどり着いたということだ。

「ここからデュエルアカデミアは……そんなに離れてないわね」
『な、悪くないだろ』
「そうね……他にもホテルとか映画館、レストランにいるかも知れないし……ねえ、デュエルアカデミア行く前にホテルや映画館に行ってもいいかしら?」
『そうだな、そこに集まっている可能性はあるからな』

かがみはバクラの助言通りデュエルアカデミアに行く前に、ホテルや映画館に行こうと考えた。無論、そこに集まっているであろう参加者を王蛇のカードデッキへの餌にする為である。いくら時間があるとはいえ早めに行動した方が良いのは明白だからだ。
勿論、バクラとしてもそれに反対する理由はない為それに賛同する。バクラの目的であるデスゲームを楽しむ事が出来るからだ。

『じゃあ、急ごうぜ。黙っていたって時間の無駄だからな』
「わかったわバクラ」

【1日目 昼】
【現在地 F-9 森林】
【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】疲労(小)、肋骨数本骨折 、4時間30分憑依不可(バクラ)、1時間変身不能(ベルデ)
【装備】ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです、Ex-st@なのは×終わクロ、
    カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎、サバイブ“烈火”(王蛇のデッキに収納)@仮面ライダーリリカル龍騎、ナンバーズスーツ(クアットロ)
【道具】支給品一式×2、ランダム支給品(エリオ1~3)、カードデッキ(ベルデ・ブランク体)@仮面ライダーリリカル龍騎、柊かがみの制服(ボロボロ)、スーパーの制服
【思考】
 基本:死にたくない。なにがなんでも生き残りたい。
 1.もう誰も信じない(こなたやつかさも)。バクラだけは少し信用。
 2.ホテル、映画館に向かってからデュエルアカデミアに向かう。
 3.参加者を皆殺しにする。
 4.万丈目に対する強い憎悪。万丈目を見つけたら絶対に殺す。
 5.同じミスは犯さないためにも、12時間という猶予時間の間に、積極的に参加者を餌にして行く。
 6.メビウス(ヒビノ・ミライ)を警戒。
【備考】
※デルタギアを装着した事により、電気を放つ能力を得ました。
※一部の参加者やそれに関する知識が消されています。ただし、何かのきっかけで思い出すかもしれません。
※「自分は間違っていない」という強い自己暗示のよって怪我の痛みや身体の疲労をある程度感じていません。
※周りのせいで自分が辛い目に遭っていると思っています。
※Lは相手を縛りあげて監禁する危険な人物だと認識しています。
※第一放送を聞き逃しました。
※万丈目の知り合いについて聞いてはいますが、どれぐらい頭に入っているかは不明です。
※Lはモンスターに食われて死んだと思っています。
※王蛇のカードデッキには、未契約カードがあと一枚入っています。
※ベルデのカードデッキには、未契約のカードと「封印」のカードが1枚ずつ入っています。
※「封印」のカードを持っている限り、ミラーモンスターはこの所有者を襲う事は出来ません。
※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要があることまで把握)
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。
※千年リングを装備した事でバクラの人格が目覚めました。以下【バクラ@キャロが千年リングを見つけたそうです】の簡易状態表。
【思考】
 基本:このデスゲームを思いっきり楽しむ。
 1.かがみをサポート及び誘導する。
 2.デュエルアカデミアに行ってカードを探したい。もっとも、過度な期待はしていない。
 3.万丈目に対して……?(恨んではいない)
 4.こなたに興味。
 5.可能ならばキャロを探したいが、自分の知るキャロと同一人物かどうかは若干の疑問。自分の知らないキャロなら……
 6.メビウス(ヒビノ・ミライ)は、万丈目と同じくこのデスゲームにおいては邪魔な存在。
【備考】
※千年リングの制限について大まかに気付きましたが、再憑依に必要な正確な時間は分かっていません。
※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました。
※千年リングは『キャロとバクラが勝ち逃げを考えているようです』以降からの参戦です
※かがみのいる世界が参加者に関係するものが大量に存在する世界だと考えています。
※並行世界の話を今の所かがみにするつもりはありません。
※かがみの悪い事を全て周りのせいにする考え方を気に入っていません。



   ★   ★   ★



本来であればかがみは殺し合いに乗るような少女ではないし、同時に彼女が自身の命を狙われる理由はないはずであった。
だが、殺し合いの場に放り込まれ精神的に不安定になった事でエリオを死なせてしまったり、デルタのベルトの副作用で凶暴化し多くの参加者を傷付け自身の身体も傷付けてしまった。
幸い凶暴化自体は解けたものの、その後もLに拘束されたりモンスターに追いかけ回されたり、万丈目に猶予時間切れの近いカードデッキを押しつけられたりと彼女は災難に見舞われ続けた。
実際の所はLは保護しようとしていただけだし、万丈目はバクラが自分を喰わせようとしている事に気付いた為自身の身を守る為に仕方なくかがみにデッキを押しつけただけなので、
彼女を苦しめる意図はないわけだが、かがみにとってそれは知りようの無いことだ。
何にせよ彼女はそれらの事により周囲全てに憎しみを抱き殺し合いに乗った。
誤解の無い様に書くがかがみは別に殺し合いがしたいわけではない。単純に自分が生き残りたいだけだ。
だが、『何故』か周囲の人が自分を苦しめるからそれに対する為に殺すだけである。少なくとも彼女は今も自分は命を狙われる理由は『全く無い』と考えている。
確かにこの場に連れて来られた時はそうだったかもしれない。しかし今はそうではない。彼女のしでかした行為は故意にせよ不幸な偶然にせよ多くの不幸を呼んだ。
同時に、彼女に対し憎しみを抱き殺そうと考えている者も何人かいるが、かがみはそんな事には全く気付いていない。
そう、ある参加者はシグナムの死を知った時に仇討ちの為彼女を殺した人物を殺そうと考えていた。
ここから先はその参加者の話をしよう。



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