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烈火(Side V) ◆7pf62HiyTE




「お前、アギトっていうのか」
「ああ。で、あんたは……」
「ああ、あたしはヴィータだ」

F-3を横切る川には半壊した列車がかけられている。その近くにてヴィータは先程手に入れたデイパックから出てきた融合騎(ユニゾンデバイス)アギトと互いに自己紹介をしていた。
アギトの話では知らない相手に利用されたくはなかった為、今まで様子見を決め込んでデイパックの中で隠れ潜んでいたが、先程の騒ぎが収まり気が緩んだ所でヴィータに発見されたとの事だった。
ちなみに、時々気付かれない様に外の様子を伺っていた為、今殺し合いが行われているという事は把握しているとアギトは語った。大まかな話を聞いたヴィータは、

「なあ、アギトの入っていたこのデイパックの持ち主って誰のだ?」

ヴィータはつい先程、セフィロスとアーカードとの戦いの最中、セフィロスによって止めを刺されそうになった。その際に自身が所持していたヘルメスドライブを無意識の内に起動し、ある場所へセフィロスと共に転移したのだ。
ヘルメスドライブには所有者の知り合いへの場所へ転移出来るという機能があったのだ。
そして、転移した先では八神はやて……ヴィータは偽物だと思っている彼女、ヴィータ同様ヴォルケンリッターの1人であるシャマル、そして知らない女性がいたのだ。なお、実際にはその場には他にもう1人いたがヴィータは気付いていない。
その際にヴィータはセフィロスから抜けだし偽物の八神はやてに斬りかかろうとしたが、大きな爆発が起こり、川に落ちここまで流され流され川から上がる際にデイパックを見付けて拾ったのである。
つまり、ヴィータが拾ったデイパックはあの場にいた誰かの物である可能性があったのだ。その為、ヴィータはまずはデイパックが誰のものかを確認したのだ。

「ああ、銀髪の奴……確かセフィロスって奴だ」

その事を聞きヴィータの表情が強ばる。

「セフィロス、アイツか……」

と、ヴィータの脳裏に、

『全ての死は、私の引き起こしたものだ。私の目の前でシグナムは死に……』
『――八神はやてもまた、息絶えた 』

セフィロスの言った言葉がよぎる。

「アギト……お前はアイツに力を貸していないんだよな?」
「ああ、多分アイツはあたしがいたことにも気付いていないと思うぜ」
「で、様子を伺っていたんだよな?」
「時々覗いたぐらいだから全部見ていたわけじゃねぇけど……」
「じゃあ教えてくれ! シグナムやはやてはどうして死んだんだ!? 見ていたんならわかるはずだろ!?」

ヴィータは知りたかったのだ、あのシグナムやはやてがどのようにして死んでしまったのかを……

「その前にあたしの質問に答えてくれよ」
「何だよ?」
「この殺し合いにあたしの仲間も巻き込まれてるかもしれねえんだ、ゼストの旦那とルールーなんだけど……」
「ちょっと待てよ」

ヴィータは名簿を取り出し、2人は確認する。

「どれだ……?」
「これとこれ……やっぱりいたか……」

そして、ゼスト・グランガイツとルーテシア・アルピーノ、2人の名前があるのを確認した。

「この2人がアギトの仲間なんだよな?」
「ああ、あんたが持ってるのが旦那の槍なんだ」
「そうか、これが……」

ヴィータは指輪を見た。

「で、ヴィータ……もう1つ聞かせろ……あんたは殺し合いに乗っているのかよ?」
「何……?」
「あたしとしては旦那とルールーに会いたい。もし、あんたが殺し合いに乗っていて旦那やルールーも殺すつもりならあたしは協力してやらねえし、これ以上は何も喋らない。その辺の所どうなんだよ?」
「それは……」

ヴィータは考える。この場にいるはやてが全て偽物であり、本物のはやてがこの場にいないのであればすぐにでも元の世界に戻るべきなのは明白だ。その為の一番の近道は殺し合いに乗り、早々に最後の1人となることだろう。だが……

「(ザフィーラやシャマルも殺してか?)」

最後の1人になる為には同じヴォルケンリッターであるシャマルやザフィーラとも殺し合いをしなければならない。さらに、

「(あたし達の誰かが生き残ったとしてもそれじゃ1人しか戻れないじゃねえかよ)」

仮に殺し合いをした場合、最後に生き残るのは1人である以上、元の世界に戻れるのは1人だけ、他の2人は戻ることが出来ないのだ。

「(はやてとあたし達の内の誰か1人だけじゃはやてが寂しい思いをするに決まっているだろ! そんな事出来るわけねえだろ! それに……)」

ヴィータの脳裏には2つの約束があった。

『……ヴィヴィ……ちゃ……を……お願…………―――』

最初に出会った参加者ギルモンから託されたヴィヴィオの保護と、

『約束する! 殺し合いにのった奴としか戦わない! それは約束するよ!』

図書館で別れた参加者ミライと交わした殺し合いに乗った人以外とは戦わない約束だ。

実の所、放送で優勝者への御褒美の話を聞かされ、もしもはやてが死んだとしたならば彼女を生き返らせる為に2つの約束を守れなくなる可能性はあった。だが、この場にいるはやてが全て偽物ならばその為に殺し合いに乗る必要はない。

「(やっぱり、約束は破れねえよな……それにはやてだって殺し合いを望むわけないよな……)」

恐らくはやては皆殺しにしてまで帰ってくる事を望みはしないだろうとヴィータは考えた。

「(すまねぇはやて、少し遅くなるかも知れねぇけど待っててくれよ……)」

ヴィータは内心で帰りを待っているであろうはやてに謝罪し、

「……いや、あたしは殺し合いの乗った奴とだけ戦うつもりだ。で、旦那とルールーの方は殺し合いには……」
「旦那やルールーがこんな殺し合いに乗るわけ無いに決まってるだろ。じゃあ、旦那達と戦うつもりは無いんだな?」
「ああ、だから教えてくれよ。アギト……お前が見たことを……」
「わかった……さっきも言ったけど全部見たわけじゃないからな」

アギトは語る……自分がこの場に連れて来られてから自分が見て聞いたことを……



「気が付くとあたしは暗く狭い所……そのデイパックの中にいた。で、デイパックが開いたらアイツが覗いていたんだ」
「セフィロスだな……」

アギトはセフィロスに見つからないように気配を殺し様子を伺った。セフィロスはストラーダとイカリクラッシャーを見付け、ストラーダの方を取り出したのだった。

「ちょっと待て、ストラーダって何だよ?そんな物無かったぞ?」
「旦那の槍同様、槍に変形するデバイスだよ。その辺の話もするから黙って聞いてろよ」

その後、アギトはセフィロスに気付かれないように時々外の様子を伺った。そして、セフィロスが1人の少女と出会ったのを見たのだ。

「それがはやてか!? じゃあはやては……」
「いや、アイツはどういうわけか手を出さなかったんだ」
「本当かよ!? 嘘じゃねえんだろうな!?」
「黙って聞けよ、話すの止めるぞ」
「あ……すまねえ……」

その後、セフィロスははやてと共に何処かの店に入っていく。なお、その間にもセフィロスとはやては色々話していたらしいが詳しい内容までは聞いていないとアギトは語った。
そして、セフィロスは1人外へ出てある場所へと向かっていったのだ。

「それが丁度この近くなんだけどよ」

セフィロスは1人の女性と男性が戦っているその場所に舞い降りたのだ。ちなみにその場には既に1人の少女が殺されていた事も語った。

「待てよ、その戦っていた女って……」
「ああ、シグナムだ」
「じゃあセフィロスはそこでシグナムを……」
「ところがそういうわけじゃねえんだよ」

セフィロスはシグナムと男……アレックスと戦いだした、ちなみに戦いの様子については下手に顔を出せない為詳しくはわからないとアギトは語った。
セフィロスが強いという事ぐらいしかわからないと語った(が、ヴィータもそれはわかっているので気にしてはいない。)そして、その場にはやてが乗り込んできたと語った。

「それ本当か!?」

ある理由からヴィータにはそれが信じられなかった。

「いいから聞けよ」

アギトは構わず話を続ける。はやてが駆けつけたことで戦いは中断され、4人は情報交換に……とならず、突如アレックスがはやてを浚っていったのだ。

「はやてが!?」
「うるさーい!」

ヴィータの叫びを少々鬱陶しく思いつつアギトは話を続ける。
セフィロスとシグナムは急いでアレックスを追い掛けようとしたがそこに紫髪の少女が現れたのだ。
少女は何処かから巨大な蛇を呼び出し物言わぬ死体となっていた少女を喰わせ突如漆黒の鎧を身に纏ったのだ。
そしてセフィロスとシグナムはその少女と戦い少女を退けた。その後、その場に現れたのがはやてだったのだ。

「? なあ、自力で戻ってきたのかよ?」
「多分な」

その後、はやてはシグナムに説教をする。

「詳しい事はよくわからねえんだけど、聞いた限りじゃどうやらシグナムがティアナって奴を殺したらしいんだ」
「そうか……」

ヴィータにとってシグナムが殺し合いに乗っていた事については別段疑問はない。はやてを優勝させる為にに他の参加者を殺すという事は十分考えられたからだ。

「ところで、ティアナって奴知っているか?」
「いや、知らねえ奴だけどどうかしたのか?」
「いや、知らねえんだったら別に良いんだ」

その後、話が綺麗にまとまったと思いきやそこに紫の鎧を身に纏った者が襲いかかってきたのだ。

「多分、さっきの女だと思う……確かはやてって奴が『仮面ライダー』って言っていたと思うけど……」
「はやてが?」

そしてその戦いによってシグナムは命を落としたのだった。

「つまり、シグナムを殺したのは……」
「ああ、その『仮面ライダー』……女だと思うぜ」
「……それでその後どうなったんだ」
「それが……」

アギト自身も全てを見たわけではない。だが、どうやら突如として強風が巻き起こり戦いは終わりを迎えたのだ。ちなみにストラーダはその時に紛失したらしい事も語った。

「じゃあ、はやてはそれで……」
「いや、無事だったんだ。アイツもはやても……何で無事だったかまではそこまで見てねえからわからねえけど」
「その後はどうなったんだ?」

その後セフィロスとはやては暫く休んでいたが、その後セフィロスははやてに仮面ライダーの事を聞いたのだ。
はやてによると自分のいた世界では仮面ライダー同士で殺し合いが行われており、はやて達管理局はそれを止めようとしていたらしいのだ。

「はやてが管理局?」
「ああ、確かそんな話だったぜ」

その後暫くして、ある男の声が響いてきたのだ。セフィロスとはやてはその男のいる場所に向かったのだ。
そしてその男……赤いコートの男と戦いを始めたのだ。

「ちょっと待てよ! その男ってまさか!?」

赤いコートの男と聞き、ヴィータの脳裏にある男が浮かぶ。その男は学校でアグモンを殺し、自分とミライを生かす為に残ったクロノ・ハラオウンを殺したであろう人物だ。

「いや、ヴィータが会った男と同じかどうかまではわからねえって」

構わずアギトは話を続ける。セフィロスは赤いコートの男と戦ったが敗れ去ったのだ。

「ちょっと待てよ、アイツが負けたって事ははやては……」
「いや、そこに現れたんだ……あんたの……いや、巨大なハンマーを持った奴が」
「それってアイゼンのことか!?」
「多分な」
「ぜってぇ取り返してやる……」

その後、グラーフアイゼンを持つ男が現れ赤いコートの男と戦いだした事ではやては無事にその場から離脱出来たがその後、突如として光がその場を覆い尽くしたのだ。しかし、それでもセフィロスもはやては無事だったという。

「……なあ、アギトの話を疑うワケじゃねえんだけどさ……どうもあたしがさっき出会った奴と同一人物とは思えねえんだけど」
「やっぱりそう思うよな、あたしもそう思う」

ここまで話を聞いて、ヴィータは話に出ているセフィロスと先程出会ったセフィロスが同じ人物とは思えなくなっていた。実際、語っているアギト自身も同じ事を思っている。

「それに、話を聞いた限りじゃそのセフィロスがはやてを殺すとは思えねえんだよな……」
「実際そうなんだよな……だけど……」

その後、セフィロスの知り合いらしいアンジールが2人の前に現れたのだ。はやてはアンジールを説得しようとした様だがアンジールはそれを聞かず……

「まさか……」
「ああ、そのアンジールが殺したんだ」
「くっ……!」

その事実を聞き、ヴィータの顔が強張る。

「で、その後なんだ。アイツが豹変したのは……アイツはそのアンジールって奴に言ったんだ」

『お前が、俺のはやてを殺したんだ』

「なあアギト……」
「何だよヴィータ……」
「……本当にそんな事言ったのか?」
「確かに言った」
「いやいや、アイツのものじゃねえだろはやては……」
「で、アイツが殺し合いに乗ったのははやてって奴が死んだのが原因だと思う」

その後、セフィロスはアンジールを退け移動した後はやてを埋葬しようとし……

「そこにお前が現れたんだ。その後の事はヴィータもわかるよな。さっきの赤いコートの男も現れて……」
「……ってことは、やっぱりあたしが出会った奴で合ってるじゃねえか、アイツの名前は……確かアーカードって呼ばれていたな」

ともかく、その後の事はヴィータ自身もわかっている。セフィロスと赤いコートの男アーカードが戦っている所に入っていったがあっさりとあしらわられ、セフィロスに止めを刺されそうになったがヘルメスドライブを起動しもう1人のはやての所に転移した。
そしてその場で起こった爆発で吹っ飛ばされ川に落ち今に至ったのである。


「とりあえず、今までに起こった事はこれで全部だ」
「そうか……なあ、もう1つだけ確認して良いか?」
「何だよ?」
「……はやては……普通に立って歩いていたのか?」
「? ああ、普通に立って歩いていたけどそれがどうかしたのか?」
「いや、やっぱり『本物』のはやてじゃないなって思ってさ」
「? どういうことだよ?」
「はやてが立って歩けるはずが無いんだ。それに、はやてが管理局にいるはずもないし……何より、もし本物のはやてが死んだとしたらあたし達も消滅しているはずなんだ。」

ヴィータは本物のはやての足が不自由であり、自分達の主であるはやてが死ねば自分達は消滅する事等を語った。その為、セフィロスと一緒にいたはやては偽物だと説明したのだ。

「確か名簿にはもう1人いたような……そっちが本……」
「もう1人の方は間違いなく偽物だ、アイツが『本物』のはずがねぇ!」

ヴィータはもう1人のはやても年齢や行動等から偽物である事を語った。そして、この場には『本物』のはやては連れてこられていない事を説明した。アギト自身は納得はいっていない様だったが、

「まぁいいけどよ……」
「ちょっと待てよ! 確かシャマルは……」

ここでヴィータはシャマルがもう1人の『偽物』のはやてと一緒にいたのを思い出した。

「まずい、まだ近くにいるはずだよな!!」

と、すぐさまヘルメスドライブのレーダーで確認するが全く反応がない。

「あれ? どういうことだ? もう近くにはいないのか?」

よく見るとヘルメスドライブにはヒビが入っている。

「さっきので壊れたのかな……」

ヴィータはヘルメスドライブを元の核鉄に戻す。

「そうだ、確か核鉄状態だったら傷を治せるってあったよな……」

ヘルメスドライブが治療にも使えることを思い出し、核鉄を切り傷のある左肩に当てる。効果があるかは半信半疑だったがひとまず使ってみることにした。

「で、これからどうするんだよ?」
「そうだな……とりあえず仲間を捜す」
「仲間って誰がいるんだよ」
「シャマルにザフィーラ、後はミライとヴィヴィオだ」
「……ちょっと待てよ、それだけかよ?」
「ああ、それだけだけど……どうかしたのか?」
「いや……何でもねえ……」
「変な奴」
「変って言うな!」

そしてヴィータは仲間との合流を目指して歩き出す。この場にいるはやてが全て偽物である以上長居は無用、元の世界で1人寂しく待っているはやての為にも、仲間達と共にこの殺し合いを止めることで終わらせるのだ。
プレシアの言葉になど乗るつもりは全く無い、最後の1人になって死んだシグナム達を生き返らせる事が出来るとしてもそんなことをはやてが望むわけがない。
だが、アグモンやクロノを殺したアーカードやシグナムを殺した紫髪の少女、そしてはやてを殺したアンジールだけは別だ、彼等を許すつもりは全く無い。何とかして仇を討ちたいと考えていた。
その一方セフィロスについては……。

「(アイツ……セフィロスが殺し合いに乗った原因はどうかんがえてもはやてが死んだからだよな……)」

アギトの話ではどうもセフィロスにとってはやては自分達にとってと同じぐらい大事な人物らしい。セフィロスが殺し合いに乗るきっかけがはやてが殺された事なのは明白だ。だが、

「(そんなこと、はやてが望むわけねぇに決まってるだろ……)」

はやての意志を裏切ろうとするセフィロスを止めたいと考えていた。とはいえ、あのセフィロスを止められるかについては正直自身が無かった。
当然である、あのセフィロスに手も足も出なかったし、ヘルメスドライブを起動しなければ間違いなく殺されていたからだ。その時の恐怖がヴィータを締め付けていた。
それでもヴィータは足を止めない、はやてやギルモン、ミライの為にも何とか殺し合いを止めたいと足を進めていたのだ。目的地は考えてはいないものの人が集まりそうなビルが数多くある東の方に足は向いていた。


ところで、ヴィータはこの場にいる2人のはやてを両方とも『偽物』だと断定していた。その理由について片方は年齢と性格から、もう片方は立って歩いていた事と死んでも自分が消滅しなかった事等からだ。
それ故、『本物』のはやてはこの場にはなく、元の世界で自分達の帰りを待っていると結論付けたのだ。
確かにその説の半分は当たっていると言えよう。ヴィータが元の世界に戻ればヴィータの言う『本物』のはやてが待っている可能性は高い。だが、この場にいる2人のはやてを『偽物』とは言えないだろう。

その最大の理由はヴィータ自身は気付いていないが参加者は異なる時間軸、並行世界から連れて来られている事である。
まずは時間について見てみよう。ヴィータは闇の書によって蝕まれているはやてを助ける為に闇の書を完成させようとページを収集していた所から連れて来られている。
一方、アンジールに殺されたはやてはその数ヶ月後から連れて来られている。ヴィータ達が関わっていた闇の書の事件は既に解決しておりはやての足は完治していて普通に歩けるようになっている。
そしてヴィータが最初に遭遇したはやてに至ってはその10年後から連れて来られている。彼女は妖星ゴラスの媒体となって犠牲になったヴィータ達を助け出す為、家族への想いこそ変わらないものの当時からは考えられないくらい非情な性格となっている。
以上の事から3人がそれぞれ違う時間から連れて来られたという事がわかる。
続いて並行世界についてはどうだろうか? 少なくとも2人のはやてが異なる並行世界から連れて来られたのは確かだろう。
何故なら、ギルモンを殺した方のはやてはアンジールに殺されたはやてが知っていた『仮面ライダー』の言葉を知らなかったのだ。彼女が『仮面ライダー』の言葉を知ったのはこの場で出会ったキングからその事について聞かされた時だ。
なお、ヴィータと2人のはやてそれぞれとが同じ世界から連れて来られたか、違う並行世界から連れて来られたかを断定する事は出来ない。仮面ライダーの一件もヴィータ達が妖星ゴラスの媒体になる一件もこれから先で起こる可能性があるからだ。
何にせよ、異なる時間軸、並行世界から連れて来られている事や、それぞれのはやてに起こった事をヴィータが知れば、もしかしたら彼女達も『本物』だと思う可能性はあるが、先程も述べた通り今のヴィータにとってそれは知り得ない話である。

閑話休題、
同じ事を何度も書くが少なくとも今のヴィータはこの場にいるはやては2人とも『偽物』で本物のはやてはこの場には連れて来られず元の世界で自分達の帰りを待っていると考えていた。
だからこそ、この状況でも何とか殺し合いに乗らずギルモンやミライとの約束を守るという行動を取り、アギトが語ったセフィロスの動向やはやてとシグナムの死についても(多少の動揺はあったが)比較的落ち着いて聞くことが出来た。
もし、死んだはやてを『本物』だと思っているなら、はやてを生き返らせる為に殺し合いに乗っていた可能性はあるし、アギトの話だって冷静に聞くことは出来なかっただろう。
だが、ヴィータ自身も気付いてはいないが完全に『偽物』だと割り切れてはいないだろう。

何故ヘルメスドライブでギルモンを殺した『偽物』の彼女の場所に転移したのか?
何故死んだはずの『偽物』の彼女の動向が気になったのか?
何故『偽物』の彼女の仇討ちの為にアンジールを殺そうと考えたのか?
何故その一方でギルモンの仇討ちの為に『偽物』の彼女を殺そうとは考えなかったのか?
何故『偽物』の彼女であるにも関わらず彼女を裏切り殺し合いに乗ったセフィロスを止めようと考えたのか?

きっと、心の何処かでは『本物』のはやてだと思っているのだろう。もっとも、仮にそれを指摘した所で、ヴィータはそれを認めはしないだろうが。


その一方、

「(やっぱり、ヴィータもあたしの知っているヴィータとは違うみたいだな……)」

アギトはヴィータが自身の知る彼女と何処か違うのを感じていた。いや、それだけではない。これまでに出会った参加者の言動について引っかかる事が数多くあったのだ。

そもそもアギトはジェイル・スカリエッティにある理由から協力しているゼストと共に行動していた。
スカリエッティはロストロギアであるレリックの回収、管理局地上本部や六課隊舎の襲撃、聖王のゆりかごを起動等を行っており、それを阻止する為、機動六課が動いていた。
ちなみに機動六課にはシグナムやヴィータがおり、アギト自身既に彼女達との面識があり数度交戦もしている。

さて、ゆりかごの起動後、ゼストはアギトと共に地上本部へ向かった。途中でシグナムとリインフォースⅡが立ちはだかって来たが、戦いの末に2人を振り切り地上本部へと向かう事が出来た。
その後、ゼストを友人であるレジアス・ゲイズの元へ行かせ自分は結界を張って邪魔者が来ない様に待ちかまえていた。もっとも、その結界は駆けつけたシグナムとリインフォースⅡによってあっさりと破られたが……
だが、シグナム自身はゼストの話を聞くということでアギトはシグナムと共にレジアスの所に向かった……

ところが気が付いた時にはアギトは暗闇の中にいたのだ。何が起こったのかは最初はわからなかったがどうやら何かの袋の中にいることはわかった。
その後見つからないように様子を伺い自身の入った袋デイパックの持ち主であるセフィロスやはやてのやり取りから、この場が殺し合いの場で、融合騎である自分が武器としてセフィロスに支給された事を察したのである。
アギト自身見知らぬ人物であるセフィロスに利用されるつもりは全く無い。アギトとしてはいち早くゼストやルーテシアを探し出し彼等と合流したかった。
だが、下手に動いて見つかれば利用されるのは明白、その為ずっと様子見を決め込んでいたのである。

そして暫く様子を探っていたアギトであったが、幸いにも早い段階で知っている人物を見付ける事が出来た。その人物こそシグナムであった。
しかし、ここでアギトにとって思いも寄らない事実が判明した。

まず、既にティアナがシグナムによって殺されていたという事実。ティアナも機動六課の仲間である事を知っているアギトは仲間を殺したシグナムに違和感を覚えたのだ。

「(どういう事だ? 仲間じゃなかったのかよ)」

次にセフィロスとアレックスが機動六課の人間だと語ったことだ。六課に彼等がいたという話など聞いたこと無いアギトはやはり驚きを隠せないでいた。

「(ちょっと待てよ、あいつらの仲間にこんな奴がいるなんて聞いてねえぞ!? どういう事なんだ!?)」

衝撃的な事実に困惑するアギトだったが、ひとまず隠れて様子を伺う事にした。その後の様々なやりとりがあったがはやてによって説得されるシグナムを見て、性格は自分が知る彼女とほぼ同じだと感じたアギトだった。

「(でも、何で仲間を殺したんだ……いや、そもそもみんな仲間だよな? 何で仲間同士で戦ってんだ?)」

どうしても、その事が引っかかるアギトだった。その後、紫髪の少女の攻撃からはやてを守る為に死んでしまうシグナムを見て。アギトの目から不思議と涙が零れていた。アギトはゼストと共に地上本部に向かう途中ゼストからこう言われていたのだ。

『シグナムとか言ったな、あれは良い騎士だな。あの剣精に炎熱能力、お前が言っていた理想のロードに丁度適合するな』

アギト自身はその時はゼストの事を優先していた為、ゼストには自分の事なんて考えなくていいと答えてはいた。だが、その後のシグナムとのやり取りもあり彼女の事が気になっていたのだ。

閑話休題、その後戦いが終わり、セフィロスとはやてが身を休める中アギトは考えていた。

「(……もしかして、あたしの知ってる連中とは違うのか?)」

これまでの事についての違和感から同じ人物、組織であっても自分の知るそれらとは違うのではないかと考えたのだ。

「(ちょっと待てよ、だとしたら旦那やルールーはどうなんだよ?)」

ちなみにこの時点ではアギトは名簿を見ていない為ゼスト達がいるかどうかを把握していない。しかし、シグナムやティアナがいる以上、連れて来られている可能性は高いと考えていた。
当然、2人とも無事である保証は無い為出来ればすぐにでも合流したかった。
ゼストとも渡り合ったシグナムが殺される状況なのだ、ルーテシアは勿論、ゼストも無事である保証はない。それでなくてもゼストの身体は限界が近いのだ、いち早く合流したかった。
しかし、2人がアギトの知る彼等である保証は全く無い。もしかしたら自分を知らない彼等である可能性は十分に考えられる。

「(あーもうわけわかんねぇ、一体どうすりゃいいんだ!)」

セフィロスとはやてが静かに平和に話している中アギトは1人デイパックの中で苛立っていた。
その後、セフィロスははやてと共にアーカードの所へ行き彼と戦い敗北したが、その時に死者と禁止エリアを告げる放送が流れた。
ちなみに、この放送についてはセフィロスもはやても殆ど聞いてはいないがアギトはデイパックの中で放送を聞いていた。
もっとも、誰が参加しているかも把握していないアギトにとってはゼストとルーテシアが呼ばれなかったことから2人が無事だろうということしか把握出来なかったが。

さて、セフィロスが敗北する中、アギトはこのまま大人しくして良いのかと考えていた。

「(このままこんな狭い所にいたって旦那達には会えねえしな……どうやらこいつらは殺し合いに乗ってないみたいだし事情を話して旦那達を探してもらおうかな……)」

と、デイパックから出て2人の事情を話そうかと考えたがその時にアンジールが2人の前に姿を現したのだ。アギトは出るのを止めデイパックの中で3人の様子を伺った。
そして、セフィロスとアンジールが知り合いであることを把握したが2人の話が何処か食い違っているのを聞いたのだ。セフィロスはアンジールを殺したらしいが、アンジールはセフィロスに殺された覚えはないと言っていたのだ。

「(やっぱりどっか話が合ってねえ……)」

そして、アンジールがはやてを殺したわけだが、その時にセフィロスが豹変したのだ。

『お前が、俺のはやてを殺したんだ』

「(いや、何時お前のになったんだよ!?)」

と思いつつも、デイパックの中にいるアギトもセフィロスのオーラを感じその危険性を感じている。そして、察したのだ。

「(コイツを放っておいたら旦那やルールーも危ない!)」

セフィロスをこのままにすれば、ゼスト達にも危険が及ぶと……同時に、自分がデイパックから出るわけにはいかない事も感じたのだ。
当然だ、下手に出て融合騎である自分を利用されればかえってゼスト達を危険に晒すのは明白だからだ。幸いまだ気付かれていない為このままデイパックの中で大人しく隠れて様子を伺う事にしたのだ。

その後は、セフィロスの前にヴィータが現れ、

「(何で旦那の槍を持ってんだよ!)」

と思いつつ、更にアーカードも現れ戦いを繰り広げ、気が付けば自分の入ったデイパックはセフィロスの所を離れ安心した所をヴィータに発見されたのである。とは言え何とか話が通じそうだとは思ったが、

『お前、融合騎か?』

先程も述べた通り、アギトは過去にヴィータと会っている。だが、どうもヴィータの反応を見る限り自分の事を知らない様だったのだ。

「(はぁ……お前もか……)」

とはいえ、これまでの話からそれは予想出来た事だった。ひとまず、アギトはこの場に連れて来られる前に会っている事を伏せた上でこれまでの事を話したのである。
そして、ヴィータの話からやはり自分の知るヴィータとは何処か違うことを察したのである。
もっとも、ヴィータが自分の知る彼女と違うとはいえ、アギトにしてみればそれは大して重要ではない。少なくとも殺し合いに乗っていないみたいだったから、ゼストとルーテシアとの合流するのに協力してくれればいいと考えた。
だが、むしろ重要なのは別にある。ヴィータと出会う前から感じてはいたが、ヴィータの話からやはり参加者の状況が自分の知るそれと違う事が確実となったのだ。
つまり、ゼストやルーテシアも自分の知る彼等と違う可能性があるという事だ。自分を知らないという程度の物かもしれないし、どういう理由がシグナム同様仲間を殺そうとする様になっている可能性だってある。
ヴィータに語った通り、アギト自身ゼストとルーテシアが殺し合いに乗るとは思ってはいない。だが、自分の知る彼等と違うならば殺し合いに乗っている可能性はあるとは考えていた。
それで無くても自分を知らない可能性がある以上、2人に会いたいとは強くは言えないでいたのだ。

「(でも放っておけるわけもねえしなぁ……)」

が、あくまでもそれは可能性の話でしかない。とりあえず、アギトはヴィータと共に仲間捜しをする事にしたのだ。
なお、アギトが感じている仲間達が自分達の知る彼等とは違うという可能性については今の所はヴィータに話すつもりはない。
理由としてはヴィータを完全に信頼しているというわけではないからと、アギト自身もまだ何が何だか分かっていないからだ。故に現状はもう少し様子を見ようと考えたのだ。
ちなみにヴィータが言っていたこの場にいた2人のはやてが『偽物』という事については口にはしなかったものの否定的である。
出会っていないギルモンを殺したはやてについてはともかく、アンジールに殺されたはやてが『偽物』だとは思いたくなかったのだ。
仮にそのはやてが『偽物』だとしたらシグナムの死が無駄になってしまう……

「(そんなの辛すぎるだろ……)」

そんな事をアギトは考えていた。

「ん、どうしたんだ?」
「なんでもねえよ……そうだ、もう1つ聞いていいか?」
「何だ?」
「バッテンチビって知ってるか? あたしと同じぐらいの大きさでバッテン付けた……」
「友達か何かか?」
「そんなんじゃねえよ!」

【1日目 昼】
【現在地 F-3】
【ヴィータ@魔法少女リリカルなのはA's】
【状態】バリアジャケット展開中、疲労(中)、左肩に大きな切り傷、全身に擦り傷小、セフィロスへの恐怖
【装備】イカリクラッシャー@魔法少女リリカルなのは STS OF HUNTER、ゼストの槍(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、アギト@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式×2、デジヴァイスic@デジモン・ザ・リリカルS&F、ヘルメスドライブ(約4時間30分使用不可、レーダー破損中、核鉄状態)@なのは×錬金
【思考】
 基本:はやての元へ帰る。とりあえず殺し合いに乗った奴以外とは戦わない。
 1.とりあえず人がいそうな東に向かう。
 2.ザフィーラ、シャマルと合流して、殺し合いに乗っている偽者の八神はやてがいる事を伝える。
 3.ミライ、ゼスト、ルーテシアを探す。
 4.ヴィヴィオを見付けた場合は、ギルモンの代わりに守ってやる。
 5.アーカード、アンジール、紫髪の少女(かがみ)はぶっ殺す。
 6.出来ればセフィロスを止めたいが……。
 7.アンデルセン(名前は知らない)からグラーフアイゼンを取り返す。
【備考】
※ここにいる『はやて』は全て偽者だと思っています。
※デジヴァイスには一時的に仮パートナーとして選ばれたのかも知れません。
※放送についてはシグナムからナイブズの間に呼ばれていた名前を聞き逃しました。
※ヘルメスドライブの使用者として登録されました。
※ヘルメスドライブはエール・トールと妖艶の紅旋風に対する盾として使った際に破損し、一時的にレーダー機能も使用不能になっています。少なくても数時間は使えません。
※セフィロスと出会う前のセフィロスの動向をある程度把握しました。
※アギトの参戦時期はシグナムと共にゼストの所に向かう途中(第23話)からです。以下、【アギト@魔法少女リリカルなのはStrikerS】の簡易状態表。
【思考】
 基本:ゼストとルーテシアと合流し2人を助ける。
 1.とりあえずヴィータに協力。
 2.ゼストとルーテシアが自分の知る2人か疑問。
 3.もう少し様子を伺う。
【備考】
※参加者の状況が自分の知る彼等と異なる事に気付いており、ゼストとルーテシアも自分の知る彼等と異なる可能性に気付いています。但し具体的な事は分かっていない為、今の所他の参加者に話すつもりはありません。
※デイパックの中で様子を伺っていた為、ヴィータに発見されるまでのセフィロスの動向をある程度把握しています。
※ヴィータの言ったはやてが『偽物』である事については否定的です。



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