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銀色の夜天(後編) ◆7pf62HiyTE




 ここまで話してクアットロは
(何とか私の事は信用してくれましたわね……かなりこっちのカードを切ってしまった気もしますけど……仕方ありませんわね)
 はやてとの信頼を気付けた事を安堵していた。
(とはいえ、嘘がバレると元の木阿弥ですし多少は仕方ありませんものね)
 実はクアットロははやて達に対し幾つか嘘を吐いている。まず、神父に襲われた事は事実だが、その際にアンジール・ヒューレーに助け出されており、その事については話していない。
 ちなみにアンジールはどうやらある世界ではクアットロの兄だったらしいが、ここにいるクアットロもアンジールから聞かされただけなので実感は無い。
 しかしクアットロはその話を利用しアンジールに対してはアンジールと同じ世界のクアットロだが記憶を操作されていると説明し、アンジールを手駒にすることを考えたのだ。
 その後アンジールと協力してシャマルを信頼を得る様に仕掛けたのである。なお、シャマルには自分がシャマルとは違う並行世界から連れて来られていて、その世界ではJS事件後改心しているクアットロだと説明しはやてにもそう説明した。
 実際はここにいるクアットロはJS事件の真っ最中の頃から連れてこられているがクアットロはその事を明かすつもりは当然ない。
 なおアンジールからセフィロスの話も聞いており、あの時現れた銀髪の男性がセフィロスだという事も把握している。更に先程翠屋でセフィロスが書いたらしいメモを回収しているがその事についても話してはいない。
 ちなみにアンジールとは使える支給品を互いに交換しているが無論その事は話していない。もっとも、交換した武器はキャロによって破壊され既に無い。なお、先程シャマルの包丁を密かに回収したがやはりそれについても話していない。
 他にもフェイトを見かけたという話も十代を手元に置いておく為に吐いた嘘である。
(それにしても……はやてってこんなにシビアな考え方をする人でした? もしかして、彼女のいた世界で何かあったのかしら?)
 その最中、クアットロははやての思考と言動に違和感を覚えていた。自分を信用していないのはまだ良い、そう簡単に信用出来ないのも無理はない。
 だが、キャロが殺し合いに乗っている可能性を否定していなかったり、御褒美の言葉に釣られたキャロ達をあっさり斬り捨てる様な発言をしたりとクアットロが知る限りの彼女からは考えられない言動だ。
 少なくともクアットロが知るはやては部隊長という責任のある役職に就いているとはいえもう少し甘い人間だったはずだ。キャロに対しても説得を考えてもおかしくはない。
 クアットロはこの場にいるはやては自分とは違う並行世界の彼女であり、ここまで性格を変えてしまう事態にあったのではと考えた。この事は推測にしか過ぎないが、機を見て詳しく聞いた方がいいのではと思案を巡らせる。その最中、
(とりあえずチンクちゃんとの合流はまず無理ですけど仕方ありませんわね、まあチンクちゃんだったらこっちの事情を察してくれるだろうから問題はありませんけどね)
 クアットロはシャマル達と別行動をした時、チンクからの病院で待つというメッセージが書かれていたガジェットドローンと接触したがその事についても伏せていた。
 ガジェットと接触して得た情報はチンクが病院で待っているという事だけなので話すメリットは殆ど無く、また話さなかった所で下手に追求される事も無いからだ。
 更に言えば、現状では今後の行動に影響を及ぼさない事も理由に挙げられる。クアットロ的にも病院に向かうよりはスマートブレインに向かった方が良いと考えていたからだ。
 そしてもう1つ……チンクがガジェットを使って他の参加者を仕留めようとしている事を読んでいたという理由もある。
 手駒が減る事は望まないが、他の参加者が減る事自体はクアットロも望んでいる。ならばチンクの行動はむしろ望む所、とはいえその事をはやて達に話せるわけがない。
(まあ、アレで殺される参加者がどれだけいるかは正直微妙ですけどね)

 一方のはやてはクアットロが協力的な事に感心していた。
(クアットロもこの状況がわからん様な馬鹿やないからな。が、大方目的は自分自身が生き残る事……その為に私らを手駒として使うって所だろうけどな)
 しかし、はやてはクアットロが改心した話を全く信じていない。彼女は自分達を利用するつもりだと考えていた。
(でも現状ではのまま泳がせてやってもええ、今はな……)
 クアットロを警戒する参加者は非情に多い。となれば下手に疑われる行動をすればクアットロに矛先が向けられるのは明白。クアットロだってそれが解っていて下手を打つ事はしないだろう。故に当面は現状のまま泳がせてもいいとはやては考えていた。
 だが、警戒を怠るつもりは全く無い。そう、はやてはクアットロが幾つか自分達を騙している事があると考えていた。
 まず、フェイトを見かけたという話だ。十代と合流した時の話を聞いた時、十代はフェイトがデュエルゾンビになって人を襲っていると言っていた。だが、クアットロは普通の状態のフェイトを見かけたと言ってそれが間違いだと言った。
 この話自体は何の問題もない。しかし、どうにもフェイトを見かけたという話が十代を説得する為の方便としか思えなかったのだ。とってつけた話と言ってもいいだろう。
 根拠としては神父やキャロに襲われた話は何かしらの裏付けられる証拠があったが、フェイトを見かけたという話はクアットロの証言のみだ。証拠としては弱いだろう。
 続いてシャマルを襲った男性についてだが、あの男性はクアットロ、チンク、ディエチの事を特に気にしていた。つまり何処かの世界でクアットロ達と何かしらの深い関係があったという可能性が高い。
 だが、そうなるとあの男性がシャマルの近くにいたはずのクアットロを見付けられなかったのは少々不自然だ。折角近くにいたにも拘わらず見付けられないなんてお粗末な話としか言いようがない。
 勿論あの男性の不注意と片付けても良いが別の可能性がある。それは既にあの男性とクアットロが組んでいて、シャマルにクアットロの事を信頼させる為に仕組んだ事である。それならば男性がクアットロと接触しなかったのも自然な話だ。
 他にも手持ちの道具の話も怪しい物である。クアットロは手袋と先程確保した小麦粉しか無いと言っていたが、正直自分達と比較しても不利すぎる。何か他にも使える道具があったと考える方が自然だ。
 となると使えそうな道具は人知れず手に入れていると考えた方が良いだろう、シャマルが持っていた包丁もこっそり確保した可能性がある。
 他にもキャロに襲われた際に本部から逃げ出した事も気になった。あの時点ではクアットロはシャマルと十代がまだ地上本部にいると思っていたはず、もしかしたらキャロを2人に押しつけた可能性もある。
 これらの事を追求しても良かったが、現状では穿った推測でしかない。もしかしたら本当にフェイトを見かけたり、あの男性とも組んでなかったり、何も隠していなかったり、シャマル達に気を回す余裕すらなかったりした可能性は低い物の無いわけではない。
 当面は警戒に留めておいて問題ないと考えた。
(キャロ達なんかよりもずっと使えるしな)
 意外な話かも知れないが、放送の言葉に釣られて殺し合いに乗ったキャロ達よりもクアットロの方が使えると判断していた。正直な所、エリオを生き返らせる為に安易に殺し合いに乗ってしまったキャロに対して幻滅している。
 はやても自身の家族を取り戻す為に戦っているのだからキャロ達と同じではないのか? いや、似ているがそれは違う。
 確かにはやてもゴジラを封印する為にシャマル達を失い、怪獣を使い魔にする事で彼女達を助けられると聞いて多くの犠牲を払おうともそれを実行しようとしている。
 だがそれはゴジラに対する脅威に対して本当に他に手段が無いからだった。実際他に手があるならそれを選びたいし、教えて欲しいとすら思っている。だが、この手段は管理局が考え抜いた最も確実な手段なのだ、決して安易に選んだわけではない。
 対して御褒美の言葉に釣られて殺し合いに乗ったキャロ達はそうではない。その話が本当という保証は何処にもなく、しかも話自体にも色々怪しい点がある。検証しなければならない事が多いはずなのにそれを放棄し安っぽい言葉に踊らされているのだ。
 故にはやてはキャロ達を自分の目的の為には必要のない存在だと斬り捨てる。説得するつもりも全く無い。大体、安易な言葉で裏切る様な人間を加えた所でまた裏切るに決まっている。そんな人物など必要無いだろう。
 そういう観点で言えばクアットロの行動にはブレがない。警戒すべき人物ではあるがまだ使いようはある。
(クアットロが裏切る可能性も否定できんが……切り札は伏せてある)
 勿論、クアットロの裏切りを警戒していないわけではない。実ははやてはクアットロに伏せている事がある。
 キングの携帯電話とメールアドレスの事だ。伏せた理由は単純、クアットロがそれを知れば自分に都合の良い様に利用するに決まっている。ならば現状ではまだ伏せておいた方が良い。
 また、メールを出した事についても自分が出したものだと語るつもりはない。語ってしまえば、手元にメールアドレスと電話番号の書かれた紙がある事が露呈してしまう可能性が高いからだ。
 ちなみにメールそのものは読まれても構わないと思っている。元々その可能性も考慮した上でのメールだ、もっともクアットロ達の様子を見る限り今の所はそれに気付いていないようだが。
 なお、この分だと図書館に戻るのはかなり遅くなりそうなので、とりあえず返信の確認は後回しにする事にした。とはいえ、何れは確かめに行くつもりである。
(後はキングか……)
 はやてはキングの事について考える。メールさえ見てくれればキングが警戒すべき相手だってわかってくれるはず。しかし、このメールをキングが見たらどうするだろうか?
 状況から見て容易に差出人が自分だと気付くだろう。もしかすると既に読まれていて逆に利用する等の手を打たれている可能性はある。どのような反撃が来るにせよそれに対する対策は考えた方が良い。
(何にせよ、早くキングを見付けておきたい所やな)
 ここではやてはデルタギアの事を考える。デルタギアは仮面ライダーに変身する為の物だ、キングがそれを欲しがっている事ははやても知っている。ならば、デルタギアはキングを釣る為の餌となり得るだろう。
(勿論、キングに渡すつもりなんてないけどな)
 むしろ、デルタギアで仮面ライダーに変身し返り討ちにする事も一応考えていた。だが、デルタギアにはデモンズスレートという闘争本能を引き上げる下手をすれば正気を失うという危険なシステムがある。
(私だったらそんなシステムぐらい制御出来る自信はある。が、万が一という事もあるからな)
 その為、むやむやたらとそのシステムを使うつもりはない。とはいえ、手元に置いておく限りは他人に利用される心配は無い為このまま持っていても良いだろうと考えていた。

 それぞれの思惑を余所に、次の放送を告げる瞬間まであと僅かとなっていた。

【1日目 昼(放送直前)】
【現在地 F-2 翠屋店内】
【八神はやて(StS)@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】
【状態】健康、スマートブレイン社への興味
【装備】ツインブレイズ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式×3、スモーカー大佐のジャケット@小話メドレー、主要施設電話番号&アドレスメモ@オリジナル、
    医務室で手に入れた薬品(消毒薬、鎮痛剤、解熱剤、包帯等)デルタギア一式@魔法少女リリカルなのは マスカレード、
    デルタギアケース@魔法少女リリカルなのは マスカレード、カリムの教会服とパンティー@リリカルニコラス、
【思考】
 基本:プレシアの持っている技術を手に入れる。
 1.もう少しクアットロと情報交換する。
 2.放送後、スマートブレインに向かう。
 3.もう1人の「八神はやて」を探し、その後他の守護騎士を戦力に加える。
 4.クアットロを利用する(おかしな行動は絶対にさせない)。
 5.ある程度時間が経ったらメールの返信を確かめる(多少遅くなっても良い)。
 6.キングの危険性を他の参加者に伝え彼を排除する。もし自分が再会したならば確実に殺す。
 7.首輪を解除出来る人&プレシア達に対抗する戦力の確保。
 8.以上の道のりを邪魔する存在の排除。
【備考】
※プレシアの持つ技術が時間と平行世界に干渉できるものだと考えています。
※ヴィータ達守護騎士に優しくするのは自分の本当の家族に対する裏切りだと思っています。
※キングはプレシアから殺し合いを促進させる役割を与えられていると考えています(同時に携帯にも何かあると思っています)。
※ヴィータと戦う事になったのはキングが原因だと断定しました(その事を許すつもりはありません)。
※自分の知り合いの殆どは違う世界から呼び出されていると考えています。
※放送でのアリサ復活は嘘だと判断しました(現状プレシアに蘇生させる力はないと考えています)。
※プレシアの目的はアリシア復活で、その為には普通の死ではなく殺し合いによる死が必要だと考えています。
※プレシアには他にも協力者がいると考えています。
※施設には何かしらの仕掛けが施されている可能性があると考えています。
※キングのデイパックの中身を全て自分のデイパックに移して、キングのデイパックも折り畳んで自分のデイパックに入れています。
※図書館のメールアドレスを把握しました。
※シャマル、クアットロと情報交換しました。
※クアットロは善人のふりをしてシャマルを騙していると思っています(少なくとも利用出来るとは思っている)。
※エネルは海楼石を恐れていると思っています。
※放送の御褒美に釣られて殺し合いに乗った参加者を説得するつもりは全くありません。

【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】左腕負傷(簡単な処置済み)、脇腹に裂傷(掠り傷程度)、眼鏡無し、髪を下ろしている、キャロへの恐怖と屈辱
【装備】私立風芽丘学園の制服@魔法少女リリカルなのは、ウォルターの手袋@NANOSING、血塗れの包丁@L change the world after story
【道具】支給品一式、クアットロの眼鏡、大量の小麦粉、セフィロスのメモ
【思考】
 基本:この場から脱出する。
 1.もう少しはやてと情報交換する。
 2.放送後、スマートブレインに向かう。
 3.十代、シャマル、はやての信頼を固めて、とことん利用し尽くす。
 4.首輪や聖王の器の確保。
 5.チンクともコンタクトをとりたいが……
 6.フェイト(StS)との接触は避ける。
【備考】
※参加者は別々の世界・時間から連れて来られている可能性に至りました。
※アンジールからアンジール及び彼が知り得る全ての情報を入手しました(ただし役に立ちそうもない情報は気に留めていません)。
※アンジールの前では『アンジールの世界のクアットロ』のように振る舞う(本質的に変わりなし)。
※基本的に改心した振りをする(だが時と場合によれば本性で対応する気です)。
※デュエルゾンビの話は信じていますが、可能性の1つ程度にしか考えていません。
※この殺し合いがデス・デュエルと似たもので、殺し合いの中で起こる戦いを通じ、首輪を介して何かを蒐集していると考えています。
※デュエルモンスターズのカードとデュエルディスクがあればモンスターが召喚出来ると考えています。
※地上本部地下にあるパソコンに気づいていません。
※制限を大体把握しました。制限を発生させている装置は首輪か舞台内の何処かにあると考えています。
※主催者の中にスカリエッティや邪悪な精霊(=ユベル)もいると考えており、他にも誰かいる可能性があると考えています。
※優勝者への御褒美についての話は嘘、もしくは可能性は非常に低いと考えています。
※キャロは味方に引き込めないと思っています。
※シャマル、はやて(StS)と情報交換しました。


 一方、シャマルは翠屋の周囲を調べていたが今の所異常は見られない。その最中、シャマルはデイパックから2つの物を出した。1つは自身に支給されたものの使い道がわからず、クアットロも微妙だと評した赤い鞘だ。
 だが、はやてと共に元の制服に着替える時に大まかな情報交換等を行った際にはやてから、
「それ、何かのデバイスの可能性は無いん?」
 と指摘されていた。言われてみれば確かにそんな気もしないでもない。慌てて使う事も無いだろうが、何れは確認しておくべきだと2人は結論付けた。
 さて、シャマルが取り出したもう1つの道具……それは先程はやてが回収したデイパックの中に入っていた1枚のカードだ。
 ちなみにそのカードは元々柊かがみに支給されていたものだが、彼女はそれをまともに確認してはいなかった。
 そして紆余曲折を経てかがみのデイパックを含めた数個のデイパックはLの手に渡ったわけだが、Lはそれらに入っている道具と自身の道具を含めて調べていた。なお、デイパックに戻す際、必ずしも元々入っていたデイパックに戻したわけではない。
 その後、ある問題が発生しそれに対処する為ザフィーラが3つのデイパックを持って飛び出していったがその途中で1つデイパックを落とした。それこそがはやてが拾ったデイパックである。
 その中には前述の通りデルタギアと1枚のカードが入っていた。ちなみにカードの方はLも確認しているがそれ程危険は無いと判断され同時にデルタギア等優先的に調べるべき道具があった為詳しくは調べられていなかった。
 では、何故そのカードをデイパックを拾ったはやてではなくシャマルが持っていたのか?
 ここでそのカードが何かを明かそう、そのカードは十代が話していたデュエルモンスターズのカード、それも十代の相棒とも言うべき『ハネクリボー』のカードだった。
 はやてからハネクリボーの存在を聞いた時、シャマルはカードは自分が持ちたいと言いはやてから受け取った。
 ちなみに、着替える際に情報交換をしたのはクアットロに下手に情報を与えない為だとはやては語った。はやてがクアットロを信用出来ていないのも無理はないのでシャマルはそれに従っている。故に赤い鞘やハネクリボーの話をクアットロは聞いていない。
 さて、先程の情報交換の際シャマルは1つだけ嘘を吐いていた。それは魔法陣を使おうと提案したのは十代だったが、はやて達にはそれを提案したのは自分だと言った事だ。
 何故、シャマルは嘘を吐いたのか? それは十代に対して多少なりとも罪悪感があったからだ。
 シャマルが十代の提案を聞いて魔法陣を起動させたのは十代に後悔して欲しく無かったからだ。それで図書館などの近い場所を思い浮かべれば問題ないと話した。
 そして実際に魔法陣を起動しシャマルの方は予定通りすぐ近くの図書館に辿り着いた。しかも幸運な事にそこで主であり真っ先に会いたい人物であるはやてと会う事が出来た。
 勿論、シャマルがイメージした場所は図書館なのでこの時にはやての事を考えていたかどうかは不明だ。しかし結果として会えた以上ははやてに会えたのは魔法陣のお陰とシャマルが思っても不思議ではない。はやてと合流したかったのは確かなのだから。
 そして、十代と話した通りシャマルははやてと共にクアットロと合流する為に地上本部に戻ろうとした。幸いクアットロとはその途中で合流出来たが、そこでエネルの襲撃に遭い遠く離れた翠屋まで流されてしまった。
 一方の十代はどうしているだろうか? 運良く仲間に出会えれば良いだろうが、はやての話を聞く限りそうそう上手くはいかないらしく、仲間に会えたとしてもすぐさま襲撃される可能性はある。
 更に、仮にその場所が本部の近くで自分達との合流の為戻ろうとしてもキャロに襲撃されてしまう可能性は高い。
 幸運にもはやてと再会出来たからこそ、シャマルは無性に十代の事が心配だったのだ。勿論、はやてと出会えた以上判断が間違っているとは思っていないが、ある意味ではその為に十代を犠牲にしてしまったのではと考えてしまうのだ。
 だからこそ、軽率な行動を取ったのは自分だとする為に魔法陣の起動を提案したのは自分だと嘘を吐いた。そして今、シャマルは十代が無事でいる事を願う。そして無事に再会して彼にとっての相棒であるハネクリボーを返したいと思っていた。
 その最中、不意にカードからそこに描かれている翼が生えた毛むくじゃらの小さく愛らしいモンスターが出てきた。
「クリクリー……」
 シャマルはカードから突然ハネクリボーが出てきた事に驚きながらもそのままハネクリボーを見ていた。しかし、ハネクリボーの表情は何処か哀しそうに見えた。シャマルの脳裏に最悪の結末がよぎるものの、十代は無事だと自分に言い聞かせる。
「大丈夫きっと十代君ももう1人のはやてちゃんもザフィーラもヴィータも無事……だから……」
 シャマルは十代達が無事だと願い続ける……それでも、嫌な予感だけは決して消えはしなかった。

 そして、最悪の現実を突き付けられる瞬間まであと僅か―――

【1日目 昼(放送直前)】
【現在地 F-2 翠屋のすぐ側】
【シャマル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状況】健康、十代に対して多少の罪悪感
【装備】ハネクリボー@リリカル遊戯王GX
【道具】支給品一式、白衣(若干血で汚れてる)、ガ・ボウ@ARMSクロス『シルバー』、高町士郎のワイシャツとズボン@魔法少女リリカルなのは
【思考】
 基本:はやてを含めた、全ての仲間を守り抜く。
 1.十代君にもう1人のはやてちゃんにザフィーラ……無事よね?
 2.周辺の様子を探る。
 3.はやて(A's)と合流したなら全力で守り抜く。機動六課の仲間達とも合流したい。
 4.十代のことが心配、再会したらハネクリボーを返す。
【備考】
※クアットロが別世界(JS事件後に更生した世界)から連れて来られたと思っています。
※参加者が別々の世界・時間から連れて来られている可能性に至りました。
※この場にいる2人のなのは、フェイト、はやての片方が19歳(StS)の彼女達でもう片方は9歳(A's)の彼女達だと思っており、はやて(A's)は歩けないものだと思っています。
※クアットロを信用するようになりました。
※エリオと万丈目がデュエルゾンビになっている可能性はあると思っています。
※この殺し合いがデス・デュエルと似たもので、殺し合いの中で起こる戦いを通じ、首輪を介して何かを蒐集していると考えています。※はやて(StS)、クアットロと情報交換をしました
※キャロが殺し合いに乗っている事については半信半疑で、説得したいと思っています。





   ★   ★   ★





―――その一方翠屋……いや、ある女性の元に近付いている2人の『銀色』の男がいた―――



 1人は銀髪の男……彼の名はセフィロス、侵略者ジェノバの使命のままに人類を蹂躙する者だ。


 しかし、彼は今その為に足を進めているわけではない。


 八神はやて


 好敵手クラウド・ストライフに敗れ一度死を迎えた後に辿り着いたミッドチルダで出会った少女である。
 彼女はセフィロスに人として生きる場所を与えてくれた……ミッドチルダで死を迎える瞬間が幸福なものであったのは彼女の存在のお陰であったのは決して言いすぎではない。


 奇しくもミッドチルダでの死の後にこの地に辿り着いたセフィロスが最初に出会ったのははやてだった。
 但し、その容姿は彼の知るものとは大分違っていた。彼の知るはやては19歳であったが出会った彼女はそれよりも10年ほど幼かった。更に、彼女はセフィロスの事を知らない様だった。
 だがその笑顔、言動、精神、性格……それら全てが彼の知るはやてそのものであった。


 故にセフィロスははやての願い通り殺し合いを止める事に協力したのだ。他ならぬはやての為に。
 だが、現実ははやてにとって辛いものであった。
 この場にはやてを連れ込み殺し合いに巻き込んだプレシア・テスタロッサ、この地で出会った多くの参加者……アレックス、アーカード、仮面ライダー、彼等によってはやての優しい心は深く傷つき、同時にはやてにとって大切な人物とも言うべきシグナムもまた命を落とした。
 そしてセフィロスにとってかつての仲間であったアンジールによってはやては殺された。

 セフィロスにとって大切な存在を奪った者達を殺す為に彼は再びジェノバの思考のままに全ての人類を殺す事にしたのだ。
 それがはやてが望む事ではないのはセフィロス自身も理解している。だが、もはやはやての意志は何処にも存在しない。故にセフィロスは揺るがない。それはその後に出会ったヴィータを仕留めようとした事からも明らかであった。
 最早誰にもセフィロスを止める事は出来ない……だが、


 ■■■■■


 彼女が再び目の前に現れた。それも、自分の知る19歳の彼女……既にいないはずの人物が現れたのだ。ヴィータは彼女を偽物だと判断していた。それが一番可能性が高かった事もありそれで片付ければ何の問題も無い。
 それでもセフィロスはそれを肯定する事は出来ずそれを認める事を拒んだ。それは自らが過ごした彼女との幸福な日々を否定する事と考えた。
 出会いはほんの一瞬、故に彼女が本物か偽物かを断定する事は出来なかった。


 だからこそセフィロスは真実を確かめる為、彼女に再び出会う為に歩く。

 手掛かりは半裸の男との激突の際に川にいた事から川に流され川下に向かっただろうという推測しかない。それでもセフィロスは歩く。彼女を求めて……



 だが、仮に出会った彼女がセフィロスの知る彼女と違うとするならばどうなるのだろうか?
 いや、本質こそ同じであっても彼女は自身の経験から性格が変容していたとするならばどうするのだろうか?
 そして、彼女がセフィロスを敵もしくは利用すべき存在としか見ていなかったとしたらどうするのだろうか?
 やはりヴィータ同様彼女を偽物として斬り捨てるか? それでも本物だと認めるのか?

 そもそも出会えるのかどうかすらわからない。銀髪の男はその先に待つ事を今は知らない。だが、彼女のいる場所に近付いている事は確かである。

【1日目 昼(放送直前)】
【現在地 E-2 大通り】
【セフィロス@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】
【状態】疲労(中)、魔力消費大、全身にダメージ(小)、全身ずぶ濡れ、ジェノバ覚醒(ジェノバとしての思考)、困惑
【装備】憑神刀(マハ)@.hack//Lightning
【道具】支給品一式×2、トライアクセラー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、
    正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使
【思考】
 基本:全ての参加者を皆殺しにする。
 1.はやて(StS)に会い、彼女の正体を見極める
 2.今はまだアンジールは殺さない。ぎりぎりまで生かし、最高の痛みと苦しみを味わわせる。
 3.アーカード、仮面ライダーの娘(=柊かがみ)、アレックスは優先的に殺す。
【備考】
※身体にかかった制限を把握しました。
※アレックス(殺し合いには乗っていないと判断)が制限を受けている事を把握しました。
※参加者同士の記憶の食い違いがある事は把握していますが、特に気にしていません。
※トライアクセラーで起動するバイク(ビートチェイサー2000@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~)は
 立体駐車場に埋もれていると思っていますが、運転はできないので無理に探すつもりはありません。
※「仮面ライダーリリカル龍騎」における仮面ライダーの情報を得ました。
※デスゲームと仮面ライダーの殺し合いに関係があるのではないかと思っています。
※アーカードの弱点が心臓である事を見破りました。
※ヴィータははやて(StS)を偽物のはやてと見なしている可能性が高いと思っています。


 更にセフィロスより後方で銀色の戦士が走る。彼の名はウルトラマンメビウス。メビウスははやてを守る為に走る。

 メビウスに変身する青年ヒビノ・ミライはE-3で銀髪の男性セフィロスと接触した。その人物はミライの目から見ても明らかに危険な雰囲気を漂わせていた。それでもミライは敢えて彼に接触した。
 セフィロスが口にしたのははやてに会いにいくという言葉だけだった。だが、それだけでもミライにとっては重要な意味があった。はやてはミライがこの地で出会ったヴィータが守ろうとしている少女なのだ。
 その為にもより詳しい話を聞こうとした……しかし、結果は一方的に斬り捨てられるという最悪なもので何とか首を飛ばされる事だけは避けられたものの胸元を切り裂かれるという重傷を負ってしまった。
 勿論、危険だとわかっている人物に不用意に詰め寄ったミライにも落ち度はある。それでもミライははやて達を守らなければならなかったのだ。何故ならミライは人々を守る為の戦士なのだから。それを責める事など誰にも出来はしない。

 何にせよミライは身をもって知る事が出来た。セフィロスがどの様な人物かは不明だが、セフィロスとはやてが接触すれば彼女の命が危機に瀕する事は明白だった。
 故にミライは身体能力が強靱となったメビウスに変身し既に姿の見えなくなったセフィロスに追いつく為に走る。無論、はやてをセフィロスから守る為である。
 しかしメビウスに変身出来る時間は3分でこの場では連続変身は不可能。この状況では追いついた時点で元に戻る可能性が高く、重傷を負っている事を含めてそれは致命的、悪手と言ってもいいだろう。
 ミライ自身は死を恐れてはいないがここで彼が死ねばはやてや他の多くの参加者が危機に瀕するのは言うまでもない。
 とはいえ、幾ら重傷を負っていて動くのも辛いとしても今にも死の危険が迫っている者達がいる状況を放っておけるわけがない。何故ならミライは平和を守る戦士なのだから。
 故に傷ついた状態でも追いつける様にする為に強靱な肉体であるメビウスに変身したのだ。
 時間はそう多くはない。僅か3分という短い時間でセフィロスに追いつきなおかつ彼を止めなくてはならないのだ。自身の敗北はそのままはやてや他の参加者の危機に繋がる。失敗する事は許されないのだ。

 しかしやはり状況は厳しいと言える。最悪の場合セフィロスははやてに会う事が出来ても、ミライがはやてのいる所をそのまま素通りしてしまう可能性がある。
 セフィロスの探しているはやてがいる場所は翠屋である。ちなみに、このはやてがヴィータから見て偽物ではあるがこの場ではそれについては考えないことを断っておく。
 結論から言えば、セフィロスははやてが翠屋にいる事に気付く可能性は高いが、ミライは彼女がそこにいる事に気付く可能性は低いという事だ。
 はやてが友人であるなのはの家である翠屋に訪れる可能性が高い。だが、セフィロスはそれに気付く事が出来てもミライは気付かない可能性が高い。
 クアットロが手にしたメモからもわかる通り、セフィロスは一度翠屋を訪れている。それももう1人のはやてと共にだ、その時になのはの家だという事も聞いている。故にセフィロスから見ればはやてが翠屋に行く可能性に気付くのは十分にあり得る事なのだ。
 対しミライは残念ながらはやてが翠屋に向かうという可能性に気付くのは難しい。
 簡単な話だ、ミライがはやての存在を知っているのはヴィータから聞いたからでしかないが、なのはとの関係は一切聞いていないからだ。
 もっとも、それ以前にそもそもヴィータもなのはとはやてが知り合う前から連れて来られている為、関係を話せるはずもないわけではあるが。故にはやてが翠屋に行くとは考えないだろう。
 その為、はやてを守る為にはすぐにでもセフィロスに追いつき彼を止めなければならないのだ。


 メビウスに変身して約1分、制限されているとは言え身体能力が大幅に強化されたメビウスの足は速く早々にE-3とE-2の境界に辿り着こうとしていた。
 だが、あのタイミングで変身した事がやはり早計であった事がこの直後にわかることになる。


 突然、前方から青い浮遊機械が大通りに飛び出してきた。
(なんだ……? いや、今は早く……)
 それが気にはなったものの銀髪の男性を止めなければならない以上、メビウスはそれには構わず先を進もうとする。しかし、浮遊機械はメビウスへと急接近してくる。
「くっ」
 メビウスは浮遊機械の突撃をかわし間合いを取った。しかし浮遊機械は構わず再度メビウスへの突撃を行おうとする。
(早くしないといけないのに……)
 浮遊機械の行動は明らかに異質なものだった。メビウスは参加者の誰かによる攻撃である可能性を考えた。となれば、相手の突撃を受けるわけにはいかない。
 先程の銀髪の男性に傷を負わされた事もあり、今度は軽率な行動を取るわけにはいかないが考えている時間はない。こうしている間にも銀髪の男性との距離は開いていくのだから。
 無論、放置なんて論外だ。仮に浮遊機械が参加者を殺す為に放った物だとしたら、そんなものを他の参加者達に近づけさせるわけにはいかない。この場で対処しなければならないのは明白だ。
(どうすればいいんだ……)


 メビウスは知らないが浮遊機械はガジェットドローンⅠ型と呼ばれる物で、参加者の1人であるチンクによって市街地での巡回、生体反応への追突、戦闘機人の目前での停止という3つの命令が仕込まれていた。
 ここで重要となるのは生体反応への追突だ。この場に置いてガジェットが突撃を仕掛けた程度ですぐさま死ぬ様な参加者は少ない。
 だが、ガジェットにはチンクのISランブルデトネイターが仕掛けられていた。ランブルデトネイターの能力は金属を爆発物に変える……つまり、このガジェットは生体反応を自動追尾する爆弾となっているのだ。
 そんなものを放置すれば参加者がそれによって殺されてしまうのは言うまでもない。
 当然、その事実をメビウスは知らない。だが、ガジェットの異常な行動、そして焦りからセフィロスによって手痛い負傷を追った経緯からメビウスはガジェットへの対処を誤ってはならないと考えていた。
 実を言えば、仮に変身のタイミングがもう少し遅くなりこの場所への到達が遅くなっていればガジェットが向かう方向はセフィロスとなった能性が高い。セフィロスの方が近い位置にいた可能性があったのだから。
 つまり、あの場での早急な変身が結果としてガジェットへの対処を強いられる事となり、同時に移動を送らせてしまうという皮肉なものとなってしまったのだ。
 とはいえ、それは結果論でしかない。今すべきことは早急なガジェットへの対処だ。変身してから既に1分半経過している、早くしなければセフィロスに追いつく事もはやてを守る事も出来なくなる。

 故にメビウスは今一度ガジェットの方を見る。そして、ガジェットもまたミライに視線を向け再度突撃を―――

 ガジェットに対しメビウスは―――

【1日目 昼(放送直前)】
【現在地 E-2とE-3の境界 大通り】
【ヒビノ・ミライ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】
【状態】疲労(中)、胸に切り傷(そこそこの重傷)、強い決意、メビウス変身中(約1分半経過)
【装備】メビウスブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは
【道具】基本支給品一式、『コンファインベント』@仮面ライダーリリカル龍騎、
    『おジャマイエロー』&『おジャマブラック』&『おジャマグリーン』@リリカル遊戯王GX
【思考】
 基本:仲間と力を合わせて殺し合いを止める。
 1.浮遊機械(=ガジェット)に対処する。
 2.1の後銀髪の男(=セフィロス)からはやてを守る。
 3.一刻も早く他の参加者と合流して、殺し合いを止める策を考える。
 4.助けを求める全ての参加者を助ける。
 5.2が解決した後は大通り沿いに北に向かい、商店街などの人が集まりそうな施設を巡る。
 6.なのは、フェイト、ユーノ、はやて、キャロと合流したい。
 7.ヴィータが心配。
 8.メビウスに変身出来なかった理由を確かめたい。
 9.アグモンを襲った大男(弁慶)と赤いコートの男(アーカード)を警戒。
 10.紫髪の少女(かがみ)を乗っ取った敵(バクラ)や、その他の未知の敵たちを警戒。
 11.自分の為に他の人間の命を奪う者達(主にマーダー)に対する怒り。
【備考】
※メビウスブレスは没収不可だったので、その分、ランダム支給品から引かれています。
※制限に気付いてません。
※デジタルワールドについて説明を受けましたが、説明したのがアグモンなので完璧には理解していません。
※参加者は異なる並行世界及び異なる時間軸から連れて来られた可能性がある事に気付きました。
※支給品の中にカードがある事に気付いていません。
※スーパーにかがみが来ていたことに気付きました。
 また、少なくとももう1人立ち寄っており、その人間が殺し合いに乗っている可能性は低いと思っています。
※彼が倒れていたE-3大通りの近くに、デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、
 治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GXが放置されています。
 また、ミライはその存在に気付いていません。



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クアットロ Next:冥府魔道 ――月蝕・第二章(前編)
セフィロス Next:冥府魔道 ――月蝕・第二章(前編)
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