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Alive a life ~タイムリミット(前編) ◆gFOqjEuBs6




頭上に燦然と輝く太陽。その光がこの場にいる参加者たちを照らし出す。
太陽の位置から考えると、今が調度正午くらいなのだろうという事はすぐに判断出来た。
正午とは、それ即ち6時間毎の定時放送の時間。既にいつ放送が始まっても可笑しくはない時間だ。
されど、それについて考える時間は与えては貰えなかった。
ウルトラマンメビウスの眼前に立ちふさがるのは、楕円型の見慣れぬ浮遊機械。
ジェイル・スカリエッティが造りし兵器の一つ、ガジェットドローンだ。
心を持たないただの機械が、メビウスの問いかけに答えることはない。
ガジェットはただ、チンクに与えられた命令を果たすべく、メビウスに突撃する。

幾度かの突撃をかわしたメビウスに、この浮遊機械の動きを読む事は容易かった。
ただ真っ直ぐ、自分に向かって突撃を仕掛けるのみ。それ以外の動きは見せようとはしない。
そんな単調な動きを数多の戦いを勝ち抜いてきたメビウスが読めない訳もない。

(近くには誰も居ないのか……? ならこいつは一人で動いてるのか?)

メビウスは思考する。
ガジェットとの間合いを取りながら、周囲に人の気配が無いか確認。
しかし、それらしきものは皆無。ウルトラマンの超感覚を持ってしても何の反応も見当たらない。
ならばこの機械の目的は一体何なのか。こんな単純な攻撃で参加者が仕留められるとも思わない。
だとすれば、考えられる罠はやはり、自動で動く爆弾か何かだろうか。
再び突撃してきたガジェットをひらりとかわす。
その時だった。

『――――OOOOOOOOOOOAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

メビウスの耳を打つ咆哮。
まさしく、大怪獣が発する雄々しき叫び声。

(何だ……今のは!?)

相手を委縮させるような鳴き声に、メビウスも混乱する。
同時に、胸のカラータイマーの色が青から赤へと変化。
ウルトラマンの活動時間が残り少ない事を、その色と音で表す器官だ。
もう時間がない。恐らくメビウスに変身していられる時間は残り1分も無いだろう。
それでなくとも早くあの銀髪の男に追いつかねばならないのに、こんな所で時間を食うのは惜しい。
今の鳴き声は確かに気になるが、仕方がない。メビウスはガジェットから距離をとるため、大きく後ろへ飛び退いた。
着地すると同時に、右手をメビウスブレスに翳す。
ブレスから得たエネルギーを右手に宿し、メビウスはガジェットに向かって右手を突き出した。




太陽の光を反射して、きらきらと輝く川。そこに掛けられているのは、一つの大きな橋。
しかし最も目を引くのは、川でも橋でもない。橋のすぐ傍の地面だ。
橋から数十メートル離れた位置まで、抉るように地面に描かれた深い傷。
それはまるで、空から落ちる筈の雷が、地面と平行に駆け抜けたようだった。
抉られた地面の傍らに真紅のバイクを停め、天道総司は目を据えた。


「なるほどな。エネルとか言う奴はここで誰かを襲った訳か」
「うっわ……ねぇ、こんなとんでもない攻撃する奴と本気で戦うつもりなの?」

呆れ顔のキングに、天道は無言で返す。
二人はバイクでの走行中、彼方から聞こえた耳を劈くほどの雷撃音を聞きつけてここにやってきた。
その収穫は一切無し。ただ電撃の痕を見せつけられただけで、エネルが何処へ向かったのかも解りはしない。
しかし、それでも天道の目は「当然だ」と言わんばかりにキングを見据えていた。
だが、天道も馬鹿では無い。カブトゼクターが無い今、何の策も無しでエネルに挑んで勝てる等とは思ってはいない。
かといって武器を探している時間もないし、キングの力を宛てにする事も出来ない。
今はとにかく、エネルを追いかけながら、武器となるものを探すしかない。
天道自身も、その内心では僅かな焦りを感じ始めている自分に気付いていた。
だが、それを表に出す事はしない。それが天道総司という男だ。
ふと、太陽に視線を向けた。

(正午まではまだ時間があるか……)

天道が意識するのは、太陽の位置だ。
見たところ、太陽が頭上まで昇り切るにはまだ暫しの時間があるように見えた。
つまりは、放送までまだ暫くの猶予が存在するという事。
まだ午前になってからそれほど時間が経過していないと考えると、恐らく1時間以上の猶予が存在する。
放送にはまだ時間がある。が、エネルが暴れまわっている今、急がなければならない現状には何ら変わりはない。
故に次の行動を早急に決めなければならない。
天道はキングが眺めていた地図をひったくって、何処へ向かうべきかを思考する。
さて、と心中で一言。天道の考えはこうだ。
現在自分達が居るのはD-5エリア。地面を抉る穿孔は、D-4の方向からD-5の川の方向へと伸びていた。
恐らくエネルが居たのは、D-4の方向。そこから雷撃を放ち、川の傍にいた参加者を襲ったのだろう。
次にエネルが何処へ向かったのか。
考えられるのは、橋を渡り、フィールド中央の市街地エリアに向かったか。
もしくはこのまま橋を渡ること無く、北にある施設に向かったか、だ。
地図を睨み、考える。
暫しの沈黙。ややあって、それを破るように天道は歩き出した。
愛車の手前で止まり、ヘルメットを被る。バイクに跨りながら、天道は言った。

「D-4を迂回して北に向かう。お前も着いて来い」
「え、ちょっと待ってよ。もしかしたらこの橋を渡って行ったって可能性も――」
「俺が行くべき道は俺が決める。他の誰にも指図はされない」
「……はいはい」

D-4方面の大通りから、その付近の施設を探す。それが天道の出した答えだ。
やれやれとばかりに肩を落としながら、キングは後ろに跨った。
元より天道はキングの言葉に耳を貸すつもりなど毛頭ないし、自分の判断が誤っているなどとも思ってはいなかった。
天道は、エネルは北に向かったのだと確信していたからだ。
態々丸太で橋を作って行った男が、この橋を渡って元の陸地に出戻るような事をするとは思えない。
恐らく何らかの理由があってこのエリアまで来たエネルは、ここで何者かを襲い、元の道に戻ったのだろう。
ただでさえ情報の少ない今、天道の絶対的な自信が、それを信じて疑おうとはしなかった。
キングはそんな天道の肩を軽く叩いて、行くならとっとと行こうと促す。その声には僅かな苛立ちが感じられた。
対する天道も、言われるまでもないと一言。勢いよくアクセルを握り締めた。




時刻が午前と呼ばれる時間帯になってから、暫しの時間が経過した頃。放送まで残された時間は僅か。
そんな中、黒の騎士団専用車両が停められていた車庫を背後に、北へと駆け抜ける影が二つ。
一つ目の影が北へと走り去ってから、二つ目の影――ゼスト・グランガイツがそれを追随する形で駆け出した。
ゼストにしてみれば、本来見ず知らずの人影など放っておいても良い問題であった。
それよりも、C.C.との約束を守るためにも、一刻も早く商店街に戻り、報告しなければならない。
黒の騎士団専用車両は既に誰かに乗り去られた後だった、と。しかしそうなると、何の収穫も無しの無駄骨と言う事になる。
あのC.C.に収穫なし等と言えば、それこそ嫌味の一つでも言われるのは間違い無い。
嫌味を言われるのがどうしても嫌という訳ではないが、それならば一人でも多く仲間を連れて帰った方が面目も立つというもの。
それが原因でまた帰ってくるのが遅いなどと愚痴を零されるかも知れないが、どうせ小言を言われるなら可能性に賭けてみるのも悪くはない。
勿論、仲間になってくれる保証など何処にもないのだが。
しかしもしも仲間になる可能性があるなら、“高町なのは”の情報を持っているかもしれない。
この会場に居る参加者の中で、自分がこの手で命を奪いたいと思っているのは高町なのはのみ。
そんなゼストが、なのはの情報を求めていない訳がなかった。

(まずはさっきの影に追いついて、情報を聞きだすか……)

ゼストは、白銀のローラーブーツを走らせる。
その速度は並の人間の走行速度とは比較にもならない。
その性能に感嘆しながらも、先程の影が駆け抜けていった道を真っ直ぐに駆け抜けていく。
ややあって、ゼストの視界に入って来たのは、一人の男の影。
地図で見れば、黒の騎士団専用車両車庫から真っ直ぐ北に進み続けた道とは垂直に造られた道――大通りだ。
そこで目の前の男は、ようやく体力が切れたのだろうか、膝を押さえて立ち止まった。

「おい、そこの男……聞こえるか!」
「……!?」

念のため男からは数十メートルの距離を取り、声を上げる。
男はその声に動揺したように振り向いた。
黒いコートに、黒い髪の毛。鋭い漆黒の眼光がゼストを見据える。その風貌は、どこまでも黒をイメージさせる。
だが、その瞳には覇気が感じられなかった。言うなれば、何かに怯えるような瞳。
騎士として数多の戦場を駆け抜けてきたゼストには、相手の瞳を見れば戦意の有無は一目で解る。
目の前の男は、少なくとも高町なのはのような敵意を剥き出しにはしていなかった。
故にゼストは距離を取ったまま、両手を下ろす。同時に、ブリッツキャリバーを待機状態へと移行させる。
自分に戦う意思は無いという表明だ。

「俺はこのゲームには乗っていない……出来れば情報を交換したい」

ゆっくりと距離を詰めながら、穏やかに告げる。
これまで何人もの人間を殺してきたゼストだが、この会場でまでプレシアに良いように使われるつもりは無い。
邪魔をするなら命の保証は出来ないが、それで無ければこのゲームから脱出するまでは仲間でいた方が色々と有利だ。
ゼストが男に近づこうとした、その時であった。
突如として鳴り響いた爆発音が、二人の耳朶を叩いた。咄嗟に振り返った二人の視界に入ったのは――二匹の、巨大な龍。
轟轟と燃え盛る爆煙の中。赤と白の巨大なドラゴンが空を舞い、壮絶な争いを繰り広げていた。

「あれは……」
「モンスターだ……また、誰かがモンスターに……」
「何……?」

怯えるように瞳を見開き、少年は彼方で繰り広げられる死闘を凝視する。
モンスターという表現は確かに正しいと、ゼストは思った。
ゼストのような戦い慣れた騎士ならばまだしも、一介の民間人の目から見ればあれはまさしくモンスターだろう。
しかし、この少年の怯えようは尋常では無い。まず間違いなく、あのモンスターについて何らかの情報を持っているのだろう。
ゼストにしてみれば、出来れば話を聞いてみたい所。だが、悠長なことを言っている暇もない。
あのドラゴンが戦っている場所は、まさしく商店街。C.C.が待っている筈の場所だ。
となれば、あのドラゴンはC.C.が関係している可能性が非常に高い。
どうするべきか、と。ゼストは思考を巡らせる。




「――あいつはまだ帰ってこないようだな」

周囲を明るい蛍光灯に照らされた家電量販店の中、C.C.はぽつりと呟いた。
浮かべた表情は、困惑。ゼストが帰ってこない今、下手に行動するのは避けたい。
だが、同時にこれはチャンスでもあるのだ。
ここまでゼストと二人きりで行動していたが、大した情報は得られなかった。
確かにピザを貰った恩はある。だが、恩を果たす為だけにこの場をやり過ごすのもあまり賢い手段とは言えない。
第一、誰かと出会うたびに一々ゼストの指示を仰ぐのもC.C.の性には合わない。
ならばここでC.C.が行動し、もしも今商店街に入ってきた奴らを仲間に引き込めたなら。
それこそ「仲間を増やした」とゼストに胸を張って言えるし、ピザの対価分くらいは役に立ったというものだろう。
上手くいけば、そのまま黒の騎士団の駒としても役に立つかもしれない。
だが、それはもしも奴らが殺し合いに乗っていない人間なら、という仮説の上に成り立つ話。
C.C.が行動するかどうか決めかねている理由は一つだ。

(奴らがもしゲームに乗っていたら……下手な行動は出来ないな)

もしも奴らが殺し合いに乗っており、何らかの武器を確保していたら。
もしもこの場所が見つかり、自分の命が危険に晒されたら。
そうなった場合は、ピザの対価どころか逆にさらなる借りを重ねてしまう事になる。
こんな状況下でも貸し借りについて考える余裕があるのは、やはり不死身故か。
この場所でなら、本当の意味で死ぬことが出来るかも知れないと、念頭に置いてはいる。
だが、それはやはり希望的観測に過ぎないし、素直に死ねる保証はどこにもない。
やはりどんなに考えても、これまでの彼女の経験が、死の恐怖を和らげてしまう。
その一因として、“ルルーシュとの契約を果たすまで死ぬつもりはない”という信念も多分に影響しているのだろうが。

(さて、どうするか……)

相手が殺意を持った人間かどうかは一目見れば解るし、このまま店の奥に引きこもっていてもどうにもならない。
暫し考えた結果、C.C.はまずは相手の容姿から確認することにした。
デイパックからスティンガーを取り出し、その手に握り締める。
商品が並べられた台の物陰に隠れながら、息を殺して家電量販店の入口へと接近していく。
閉ざされたガラス張りの自動ドアの手前。上手く身を隠せる柱にその身を隠し、頭だけを覗かせる。
見える人影は二つ。茶髪の女性と、中年の男性が一人ずつ。二人が何かを話しながら商店街を歩いている。
見たところゲームに乗って人を殺して回るようなタイプには見えないが、軽率な行動は出来ない。
息を潜めてどうするべきかを思考する。
が、ここで一つ。C.C.が完全に失念している事があった。

『キュクル~?』
「お前……フリード!? ……おい、馬鹿、あまり顔を出すな!」

フリードがC.C.の頭上を飛び越えて、ガラス張りのドアの向こうを見つめていた。
咄嗟にフリードの存在を思い出したC.C.は、声を押し殺して怒鳴る。
そう。C.C.は自らの支給品、白き翼竜フリードリヒを完全に失念していたのだ。
本来の主人が居ない今、フリードはC.C.に追随するしかない。
だからフリードはC.C.の背後を羽ばたいて居たのだが、思考に夢中になっていたC.C.は完全にフリードを失念していた。

気付けばフリードはC.C.の制止を振り切って、ドアへ向かって移動していた。
嬉しそうに鳴き声を発しながら、元気よく羽ばたく。やがてドアの手前、センサーの真下で静止。
自動ドアの赤外線センサーは、フリードの影を認識。開いたドアから、フリードは勢いよく飛び出して行った。
何て事をしてくれたんだ、と。心中で舌打ちをしながら、C.C.は咄嗟に商品棚の物陰に隠れる。
ややあって、店内に誰かが入ってくる。かつかつと、靴が地面を叩く音がC.C.の耳朶に触れる。

(チッ……こんな時、お前ならどうする……ルルーシュ)

今はいない共犯者の名を心中で呼ぶ。
ルルーシュならば、こんな時どんな対処を取るだろうか。
思考を巡らすC.C.に掛けられた言葉は――




学校で金居と弁慶と別れてから、ペンウッドと二人で歩き続けること数十分。
距離にして2キロと少し程の道のりを、二人は特に誰と出会う事もなく商店街にたどり着くことが出来た。
ここでなのはが一番に気になったのは、商店街中の店の電気が点けっ放しにされていたこと。
ゲームが始まったのが深夜だった事を考えれば、その時から電気が点けっ放しにされていたと考える事も出来る。
ここに来る参加者の事を考えて、最初から電気を点けておいたか。
もしくは、ここに訪れた先客が商店街を調べるために電気を点けたか。
歩を進めながら、ケリュケイオンを起動する。

「試しにエリアサーチを掛けてみます」
「エ、エリアサーチ……?」
「はい、簡単に言えば、ここに誰か居るのかを――ッ!?」

刹那、なのはの声が途切れる。
説明を続けようとしていたなのはの耳朶を叩いたのは、自動ドアの開閉音。
それも、すぐ近くでだ。なのははすぐに音が聞こえた方向に振り向き、敵の襲来に身構える。
ペンウッドはこの一瞬の出来事に状況が把握し切れていないのか、あたふたと慌てている。
しかし、そんな二人の心配をよそに、開いた自動ドアから飛び出して来たのは――

『キュクル~!』

聞きなれた鳴き声。
瞬間、なのはの表情から警戒の色が無くなる。
開きっぱなしのドアから飛び出してきたのは、なのはもよく知る小さな仲間。
機動六課の新人フォワード、キャロ・ル・ルシエの守護竜こと、フリードリヒであった。

「フリード! どうしてこんな所に!?」
「え……え? この竜は一体……」

フリードを抱え、ようやく出会えた仲間に喜ぶ。
一方で、なのはとは対照的に、混乱するペンウッド。
この竜の名前はフリードリヒと言って、自分達の仲間だと。ペンウッドに簡単に説明する。
それを聞いて安心したのか、ペンウッドは肩の力を抜いて、今度はフリードが現れた家電量販店を眺めた。
ペンウッドが家電量販店の中に視線を向けた理由はなのはにも解る。
当然、なのはも「何故突然この店からフリードが現れたのか」、という疑問を抱いているからだ。
フリードから手を離し、今度は家電量販店へと歩を進める。

「フリード、もしかして中に誰かいるの?」
『キュックル~』

そうだと言わんばかりに、フリードが頷きで返す。
フリードは人語を理解できる。それを知ってるなのはだからこそ、フリードにこうして尋ねた。
頷くフリードの返答は、表情に例えるならば『笑顔』だ。
中に居るのが危険人物であれば、優しいフリードがこんな穏やかな表情をする事はないだろう。
そう判断したなのはは、家電量販店の自動ドアの前に立った。
自動で閉ざされた扉。そのセンサーが、なのはに反応し再びドアを開けさせる。
数歩店内を進み、なのはは息を吸い込んだ。

「誰か居ますか?」

店内によく通る声が響く。
数秒待つが、返事は無し。ならばと、次の一声を掛ける。

「私は時空管理局の高町なのはです。この殺し合いには乗っていません。
 絶対に悪いようにはしませんから、誰か居るのなら出てきて貰えませんか?」

簡単な自己紹介。だが、やはり返事はなし。
高町なのはという名前を出せば、何らかの反応で返してくれると思っていた。
いや、実際には反応しているのだ。なのはが呼びかける相手もまた、“高町なのは”という名前をしつこく聞かされていたのだから。
勿論、相手が認識する高町なのはという存在は、なのは自身には考えも及ばないような存在なのだが。
仕方がないな、と。簡単に店内を調べようと、なのはが一歩を踏み出した。

『キュクル~』
「フリード……?」

同時にフリードが、なのはの横を通り過ぎる。
そして、眼前で一度静止。羽ばたきながら、再び奥へと進む。
着いて来いと言っているのだろう。フリードのサインを把握したなのはは、再び歩を進める。
数歩進んで、フリードが羽ばたきを止め、着地。愛らしい鳴き声を発しながら、商品棚の奥に視線を向けていた。
なのはもすぐにフリードに追い付き、同じ方向に視線を向ける。
そこにいたのは――

「貴女は……」
「……」

光を受けて煌めくエメラルド色のストレートヘア。何処かサディスティックな雰囲気を漂わせた黄金の瞳。
ドレスにもスーツにも見える白装束。全身を覆う白の中、自身を拘束するかのような黒いベルトが見る者の目を引いていた。
その手に握り締めるのは、黒金に輝く鋭利な刃物。見覚えがある。更生した戦闘機人の一人、チンクの固有武装だ。
黄金の眼光はまるで、相手を威嚇するかのようなプレッシャーを放ち、鋭くなのはを見据えていた。

「聞いていた話とは随分と違うな……」
「え……?」
「お前……本当に高町なのはか?」

此方から問う前に、エメラルドの少女が口を開いた。
予想外の質問。“本当にゲームに乗っていないのか”と言った質問ならなのはにも想像はできた。
だが、問われた質問はそれ以前の問題だ。“本当に高町なのはなのか”とはどういうことだ。
骨が折れるが、どうやらまた一から情報を整理しなければならないらしい。



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