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Alive a life ~ゲームは止まらない ◆gFOqjEuBs6




キングの足元に転がっているのは、ヒビだらけになった家電量販店の看板。
それから、二匹の龍が争った事で破壊されてしまった無数のコンクリートの塊。
少年の姿に戻ったキングは、足元の瓦礫の一つをこつんとを蹴り飛ばした。
しかし、蹴ってもまるで動かない瓦礫に、足の爪先の方が痛みを感じてしまう。
人間とはなんて不自由な生物何だ、と考えながらも、仕方なく瓦礫を一つ一つどけていく。

「うーん……運が良ければこの変にあると思ったんだけどなぁ」

言いながら、探し物を続ける。
キングが探し求めているのは、パソコンだ。別にノートでもデスクトップでも何でもいい。
出来る事なら持ち運びが可能なノートが欲しいところだが、この際贅沢は言わない。
情報戦に有利になる為には、何かとパソコンは使える筈だ。実際に自分だって元の世界ではパソコンを使っていたのだから。
家電量販店と言うからには、パソコンの一台くらいはあるだろうと考えたのだ。
しかし、今回は騒ぎが大きすぎた。商店街の半分以上を破壊してしまうなんて、規模が大きすぎる。
その影響で家電量販店はもはや建物ですらないし、いくつか見付けたパソコンも最早使い物になりはしない。
だが、落胆するばかりではない。これはキングにしてみれば、この殺し合いにやってきて最大のイベントなのだ。
全く面白くなかったと言えば嘘になるし、考え方によっては何よりも楽しかった。

「おっ、これなら使えるかな?」

暫く探し続けて、ようやく閉じられたノートパソコンを発見。
嬉しそうな笑みを浮かべながら、パソコンを開けて見る。
スリープ状態になっていただけなのだろう。開けられたパソコンは問題なく起動。
その状態に満足する。だが、残念な事に電池はもうすぐで切れてしまいそうな状況であった。
充電器は無いかと周囲を探すが、流石にそこまでは見つからない。
結局役立たずかよ、とパソコンを捨てようとした、その時だった。

「ん……何だこれ?」

デスクトップの背景の隅で、アイコンが点滅していた。
キングにも、それがメール受信の知らせだという事は一目で解る。
だけど、一体誰がメール何か送るのだろうか。そんな疑問がキングの脳裏を過る。
まぁいいか、と。キングはカーソルをメールのアイコンに合わせて、クリックした。
メールの内容を心中ですらすらと読み上げていく。

「……は?」

それがキングの第一声だった。
各施設の調査――
これは別に言われなくてもやる。大きなお世話だ。
地上本部の罠――
これは自分にとっては有益だったし、罠なら罠で構う事はない。スルー。
放送内容の反復――
そもそも殺し合いの行く末に興味がないキングにとってはどうでもいい。スルー。
さて、どうにもスルーする訳には行かないのは、この次の項目だ。
キングへの警戒――
何だよそれ、と。心中で愚痴を零す。勝手にこんな事をされては、キングとしても困るというもの。
すずかというのは確か、なのは・フェイト・はやて三人の友達だった筈だ。少なくともキングはそう記憶している。
そう考えると――というかそう考えなくてもこんなメールを送る人物はまず一人しか思い当たらない。

「あのタヌキ……やってくれるじゃん」

柄にもなく、苛立ちに表情を歪める。
自分と面識を持っており、地上本部の仕掛けを知っているもの。
さらに言えば、この会場にいるなのは、フェイト、はやての内の誰か。そこまで言われて気付かない筈がなかった。
ナメてるのかあのタヌキ女、と。堪らなく本人に直接言ってやりたい衝動に駆られた。
ここで一旦ため息を落とし、落ち着きを取り戻す。冷静さを欠いてはいけない。
そっちがこういう挑発をするなら、こっちにも考えがあるよ、と。不敵に笑う。
取りあえずこの宛先にメールの返信でもしてやろうか――と思ったが、却下。
別に脱出派という訳でもない。仲間が欲しい訳でもない。ならば下手に自分の情報を与える道理はない。
ならばどうするか。メールを返信する意味はあまり無い。
何とかしてはやてに報復出来ないか。いや、それならそれでキングにもやりようはある。
ポケットから携帯電話を取り出し、データフォルダを物色。
探すのは、赤い恐竜の死体を撮影した時の画像――探すのは数秒、すぐに発見。
何枚か撮影した内の数枚を表示させる。
赤い恐竜――ギルモンが血を流して死んでいる傍ら、殺害者であるはやてが写り込んでいる画像。
はやてがギルモンを殺した直後に撮影した画像なのだから、殺害直後のはやてが一緒に写っていても何ら不思議では無い。
しかも自分が殺しましたと言っているかのように、血に汚れたツインブレイズまで握りしめてくれている。

「ほらー、顔怖いよはやて」

携帯の画像に写ったはやてに、嬉しそうに笑い掛ける。
他者の命を奪った直後の人間が。特にはやてのような元々は平凡な人間が。
平然とした表情で居られる筈がなかった。
キングのデータフォルダに入ったはやての画像は、まさに修羅の如く歪んだ一瞬。
別にこんなことをする為に写真撮ってた訳じゃないけど、と心の中で弁明する。
そう、実際キングは趣味で“写メ”を活用しているだけに過ぎない。

――でも、そっちが先に僕に喧嘩売って来たんだし、仕方ないよね♪

悪びれる様子もなく微笑む。また面白い遊びを見付けたとでも言わんばかりの表情だ。
やはり八神はやてという女は面白い。キングを十分に楽しませてくれる。
非常に上機嫌そうに、キングは皆の元へ戻って行った。




その場所は、見渡す限りが虹色に輝いていた。
上も下も、右も横も無い。奇妙な浮遊感。
しかし、不思議と嫌な気持はしなかった。

「私は、死んだのか……?」

宙に漂うような感覚に支配されながら、ペンウッドは呟いた。
そうだ。自分はなのはを守るために、死んだのだ。槍で体を串刺しにされて。
でも、後悔はない。自分の行動で誰か一人でも救う事が出来たのだから。
ペンウッドが瞳を閉じようとした、その時だった。

――君はまだ死んではいない。

「え……!?」

聞こえる声に、瞳をこじ開ける。
何処かに誰かが居るのだろうか。そんな不安が、全身を駆け巡る。

「だ、誰だ……!? 私が死んでいないとは、ど、どういうことだ……私は確かに――」

――君は目の前で散りかけた命を、その身を犠牲にして救った。
――俺は君の行動に感銘を受けた。君をこのまま、死なせたくはない。

尚も聞こえる声。何処か暖かいような、不思議な感覚。
しかし、ペンウッドの中の不安感は消えない。
手足をばたばたと動かす。が、虚しく虹色の空間を彷徨うだけだった。
姿なき声は、尚も説明を続ける。

――君が命を投げ出そうとした瞬間、俺は君の身体と融合した。

「ゆ、融合……?」

聞こえる声に、復唱で返す。
訳がわからなかった。自分の身体が何かと融合してしまったという事は、つまり吸血鬼にでもなったのか。
自分は人間では無くなってしまったのか。そんな不安が波となって押し寄せる。

――そうだ。もしも俺と分離してしまえば、君はまた死んでしまうだろう。

「そ、そそそれは困る! どうすればいいんだ?」

慌てて声を張り上げた。
一度は投げ出した命でありながらも、生き延びられるのであれば生き延びたい。
ペンウッドは、額に汗を浮かべながら慌てて問うた。

――俺と共に、このゲームを打ち破って欲しい。救える命を救い、ここから脱出するんだ。

「そ、そんなことが簡単に出来たら……」

――ここには俺の仲間も居る。皆で力を合わせれば、必ず主催者を打ち破れる筈だ

ペンウッドは思考する。生き延びる方法がそれしかないのであれば、自分はそれに賭けたい。
というよりも、それしかない。融合することでしか生きられないのなら、そうする他に道は無いだろう。
殺し合いにも乗っていないとのことで、少しばかり安心。無理矢理思考を前向きに持って行こうとする。
だけど、どうしても不安な事が一つだけあった。

「わ、私はこのまま、ずっと君と融合していなければならないのか……?」

――ずっとでは無い。長期間融合していれば、君の身体もじきに回復する筈だ。

安心させるような声だ。ほっ、と安堵の表情を浮かべる。
一気に肩から力が抜けて行くのを感じた。

――……そろそろ時間だ。君の仲間達が呼んでいる。

「え……え!? ま、待ってくれ……君の名前は!?」

声が急に何処か遠くへ行ってしまうような気がして、ペンウッドは慌てて呼び止めた。
ペンウッドの視線のずっと先に、青と銀色の姿をした宇宙人の様な影が垣間見えた気がした。
人間に良く似た、されど何処か人間離れした不思議な雰囲気。

――俺の名前はヒカリ……ウルトラマン、ヒカリ。

「ウルトラマン……ヒカリ?」

呟くペンウッドの先で、ヒカリと名乗ったウルトラマンの影が急速に遠のいていく。
しかし、遠のくだけでは無い。彼方から、眩い光を放ちながら、青い何かが近づいてくるのが見えた。
青い何かは、ペンウッドの腕に向かって――





――ペンウッド! おい、ペンウッド!

自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。
この声は確か、エメラルド色の髪をした女性――C.C.の声だったか。
そこで、ペンウッドは何処か不自然だと感じた。何故C.C.の声がまだ聞こえる。
そもそもさっき見た夢は幻だったのか。刺された脇腹はどうなったんだ。
そんな疑問を浮かべるが。

「……あれ!?」

がばっ、と。ペンウッドが起き上がる。
急いで全身を確認する。特に脇腹を念入りに、だ。
しかし、傷と思しき傷は何処にも見当たらない。
いや、そんな筈はない。くまなく全身を見渡すが――

「あ、あの……これは一体……?」

ふと、目に止まったのは、自分の右腕の装着された青いブレスレット。
ブレスレットに収められているのは、金色の短剣のような形をした装飾品だった。
腕に装着されたブレスレットを、眼前の一同に向け、疑問を投げかける。

「それ、確かペンウッドさんの支給品に入ってたブレスレット……ですよね?」
「支給品……そ、そうだ! あの時、何の役に立つのか解らなかったから……」

学校で支給品の確認をした際の出来事を思い出す。
確かにこんな形のブレスレットが、自分に支給されていたような気がする。
しかし、短剣のようなものが入ってはいるものの、実際に使うには短すぎる。おまけに本当に剣なのかも定かでは無い。
ブレスだからといって、通信気にも見えない。どちらかといえば本当にただの装飾品のように見えた。
だからこそペンウッドも金居も、それを碌に調べずにデイパックの中へと仕舞い込んだのだ。
だが、今ではハッキリと解る。このブレスレットが、自分の命を救ってくれたのだろう。

「そうだ、このブレスレット……このブレスレットに私は救われたんだ!」
「そのブレスレットのお陰で、内臓を貫くほどの傷が回復できた、というのか?」

半信半疑な目つきで、C.C.がペンウッドを睨む。それでもペンウッドは勢いよく頷いた。
ペンウッドは知らないが、C.C.もまた人並み外れた回復能力を備えている。そんなC.C.だからこそだろう。
人に元々備わった能力では無く、ブレスレット自体が回復の力を秘めている事が理解出来ないという様子だった。
このブレスレット――ナイトブレスこそ、自分の命を救ってくれた支給品。
ウルトラマンヒカリと名乗った何者かの意志で、自分は助けられたのだろう。
だが、そう考えると何故プレシアはこんな支給品を参加者に配ったのか、という疑問が残るが……。




それからややあって、チーム内での情報をもう一度纏める事にした。
皆の話を纏めるリーダー役を買って出たのが高町なのはだ。
元々C.C.とペンウッドを纏めていたなのはを中心に話した方が、スムーズに事が進むと判断したからだ。
C.C.達の話は既に知っているために、まずは新しく合流した天道とキングから話を聞く。
その前提として、ペンウッドが寝ている間に簡単なお互いの自己紹介は済ませていた。

「じゃあ、天道総司さんもキングさんも、殺し合いには乗っていないということでいいんですね?」
「当然だ。俺を誰だと思っている。俺は天の道を往き――」
「まぁね。そりゃあギラファとはいつか決着付けなくちゃいけないけど、ここで殺し合ったってどうにもなんないし」

天道が、ゆっくりと人差し指を天に翳そうとしたところで、キングが喋り出した。
それも、わざと天道の言葉を遮断するようにだ。まるで一度自己紹介された時に聞いた挨拶を、二度も繰り返させまいとするように。
割とすぐに並行世界という説を理解してくれた天道だが、本人の話では10歳中頃の自分達にも同じような自己紹介をしていたという。
こればっかりはなのはも、キングの空気を読んだ行動を素直に評価しながら、話を続ける事にした。

「じゃあ、少なくとも今は仲間だと……信じていいんですね?」
「まぁ、殺し合いにはあんまり興味無いし、どちらかと言うと味方でいいと思うよ」
「はぁ……解りました」

殺し合いには興味がない。つまりは、殺し合いに乗りはしないが、脱出がしたい訳でもない。と。
故に完全な味方では無く、“どちらかというと味方”という曖昧なポジションだ。
以上の事柄から、結論を導き出す。やはりキングは要注意人物だ。
天道総司も、キングを睨む時の視線はまるで何かを疑っているかのような視線だし、それが一番だろう。
とにかくキングはあまり信用し過ぎない方がいい、と。なのはが考えることにした。
天道に関しては、恐らく殺し合いに乗っていないというのは本当なのだろう。
決め手となったのは、ペンウッドを初めて見かけたときの天道の表情。
少なくともなのはには本当に心配しているように見えたし、何よりも天道が悪い人間ではないということは見れば解る。
どうにも絡みづらい相手だという事に変わりはないが、敵では無いことに間違いはない筈だ。

次に、危険人物や保護対象の話を纏める。
現在の段階で、天道総司の証言により追加されたリストはこうだ。
 敵対的:アーカード、アンデルセン、相川始、浅倉威
 友好的:機動六課組、ヘルシング
 要注意:クアットロ、キング(なのはの私見)

追加されたのは連続殺人、及び強盗犯の浅倉威。敵対的から要注意へと移動したのが、キング。
キングを疑う理由は言わずもがなとして、浅倉威という人物は相当に危険な人物らしい。
また、天道総司が言うには、浅倉威もまた天道と同じ世界の住人らしい。
浅倉威も龍騎と同じようなカードデッキで変身し、一度は天道が変身したカブトに倒されたとの事。
それから一度警察に逮捕されたらしいが、実際にその後から連れてこられたのか、
はたまた別パラレルワールドの別人なのかは定かでは無い。

「……それから、カードを使う黒い仮面ライダーにも襲われたな」

ふと、天道が言った。
この会場に呼ばれてからすぐに出会った仮面ライダー。黒い体に赤い瞳。カードを使うライダー。
そいつに突然奇襲を受け、自分は痛手を負った、と。
なのはが敵対的な人物リストに、“黒いライダー”を追加しようとした、その時だった。
キングが、ちょっと待って、とその手を止めさせる。そのまま携帯をいじり始めた。

「それってもしかして、コイツの事?」
「これは……」

ややあって、キングが見せたのは、ベージュ色のコートを着た若い男が映った動画。
周囲に別のライダーや怪人も居るようだが、この際それは問題では無い。
最も注目すべきは、ベージュのコートの男が黒いライダーに変身する瞬間だ。
どうやらこの動画は、キングが何らかの方法で男が変身する瞬間をカメラに収めた映像らしい。
全員に見えるように、キングが携帯を皆の前で開き、再び動画を再生。
天道の証言が正しければ、その若者は危険人物と言う事になるが――

「ちなみにキングさんとその仮面ライダーはどんな関係なんですか?」
「は? 仮面ライダー? 違う違う、こいつはアンデッドだよ。53番目のね」

その言葉に、なのはは聞き覚えがある気がした。
そう。金居達と情報交換をした際にも、同じような話を聞いた気がする。

「もしかしてその人が……ジョーカー?」
「そうそう、正解。よく知ってるね」

ぱちぱちとわざとらしく拍手をしてみせるキング。
なのはは苦笑いを浮かべつつも、キングに拍手を辞めさせる。
しかし、キングの話はこれだけでは終わらなかった。

「ジョーカーは血も涙も無いような奴だから、この殺し合いにも乗っちゃったんだろうね
 ……と、そうそう。忘れてたよ。もう一人危険な奴がいるよ。」

思い出したかのように、キングが再び携帯をいじり始める。
やがて開いた画像に映っていたのは、血まみれになった赤い恐竜。
それと、血に濡れた双剣を携えた――

「はやてちゃんッ!? どういうこと……!?」
「そうそう、八神はやて。最初にここに飛ばされた時にちょっと一緒に行動してたんだけどさ……結構ヤバいよね、この子」
「ヤバいって、何がですか……?」

友達を侮辱されたとあっては、流石のなのはも怒りを覚えずには居られない。
表情を曇らせたまま、なのははキングに詰め寄った。
しかし、キングは携帯電話の画面をなのはの眼前に押しつけながら、悪びれる様子無く続ける。

「はやてって子はこのゲームに乗っちゃってるってこと。この顔見ればわかるでしょ」
「そんな……そんな筈ありません……だって……」
「信じる信じないは君の勝手だけどさ。あんまり油断し過ぎない方がいいと思うよ」

確かに、キングの言う通りだ。携帯に写ったはやての表情は、とてもまともな人間とは思えない。
言うなれば、ゲームに乗ってしまった狂気の殺人者とも表現できる表情だ。
なのはは何処か、心が揺さぶられるような感覚を覚えた。
確かに自分は殺し合いに対する認識は甘いかも知れない。
だけど、友達を疑うのはあまりいい事では無い。出来る事なら、信じていたい。
しかし、あの画像も偽物とは思えないという事実が、なのはの胸を締め付ける。

(友達でも、信じちゃいけないって言うの……?)

心中で呟いた。質問に答えてくれる人間等何処にも居ないのに。
俯き、考える。このままでは完全にはやては悪者になってしまうが……。




天道は、考えていた。
本当にキングの言う事は全てが信じられるのかどうか。
写真にまで撮っているのだから、ジョーカーとはやての件は本当なのだろうが――

(どうもきな臭いな……)

やはり、キングは何かを企んでいる。相手がアンデッドならば、尚更だ。
アンデッドであるキングが、人間を貶めて一人勝ちを狙っているとしても何ら不思議では無い。
かといって、キングは中々ボロを出しはしないだろう。
どうするか、と。思考を巡らせる。

まずはジョーカーに関してだ。
こいつは有無を言わさず突然自分に襲いかかってきた。これは自分の目で見た事実だ。
あの時天道が感じた殺意も、まさしく本物。故に、キングが言っている事も本当なのだろう。
以上を踏まえて、ジョーカー=相川始については要注意。
倒さねばならないのであれば、今度は確実に倒す。一度負けた借りは返さなければ気が済まない。
次に、八神はやてについてだ。
まず気になったのは、八神はやてが天道の知ってる子供の姿では無く、なのはと同じく大人になっている事。
なのはが言うにはパラレルワールドの別人との事だが、今まで子供だと思っていた相手がいきなり自分と
年齢が近い大人になっているとあれば、驚かないのも無理はない。
しかし、それ以上に驚いたのは、あの八神はやてが誰かを殺したという事だ。
高町なのはが大人になれば、こんな人間になるのだろうという事は、目の前のなのはを見ていても別段不自然には思わない。
しかし、八神はやてがこの十年でここまで豹変してしまうとは考えづらい。
何処かの世界で、彼女は変わってしまったのか。それはもしかしたら自分の世界のはやてかも知れない。
どちらにせよ、はやてについても保留。要注意として認識し、もし話す機会があれば話を聞く事も必要かもしれない。
そんな天道の心中を知ってか知らずか、今度はキングが天道の顔を覗き込んできた。

「どうしたのさ龍騎。そんなに浮かない顔して」
「何だと……?」
「だって君は今日から仮面ライダー龍騎なんだろ? なら、カブトを取り戻すまで君は龍騎だ」

相変わらずの、バカげた言い分。
こいつはアンデッドだ。仮面ライダーを人間では無く敵として判断するのは不自然では無い。
故に人間としての名前では無く、仮面ライダーとしての名前で呼ぶのだろうか。
とにかく、キングから目を離してはいけない事に変わりはない。
しばらくは龍騎で我慢するしかないか、と深いため息を落としつつ。

「……龍騎じゃない。俺様だ」

一応否定はしておいた。
こういう輩の相手は一番疲れる。故に簡単にキングの言葉を流した。
ふと、ポケットに入った二枚のカードを取り出す。
CONTRACTと書かれたカードと、SEALと書かれたカードの二枚だ。
これはインペラーのデッキの契約モンスターを全て倒した事により出現したカードなのだが、
天道はそれについては知らない。そもそもカードデッキというライダーシステム自体初めて見たのだから、無理はない。
CONTRACTは、単語の意味からして、恐らくはキングが言っていたモンスターとの“契約”カード。
そしてもう一枚、SEALは封印を意味するカードだが、何を封印するのかが天道には解らない。

(契約か……)

天道が思考する。
思い起こすのは、先ほど暴走して暴れまわったドラグレッダーの姿。
一匹でも暴走する可能性があるものを、そう何匹も契約するのは、あまり賢いとは言えない。
龍騎の力だけでも十分カブトには匹敵するし、単純にライダーとしてのスペックだけならカブト以上かも知れない。
故に新たなモンスターを見つけても契約するつもりは無いが、カードを捨てるつもりもなかった。
まずは、何故ドラグレッダーが暴走してしまったのかの理由も調べなければならない。
このカードの使い道について考えるなら、話はそれからだ。

(これも何らかの制限によるものか……?)

ここに来て初めてジョーカーの襲撃を受けた時。自分の身体能力ならばもっと上手く立ちまわれた筈だ。
それなのに、自分は碌な対処も出来ないままにジョーカーに痛手を負わされてしまった。
今でこそキャロという少女のお陰で命に別状はないレベルにまで回復しているが、それでも不利なコンディションである事に変わりはない。
そこから考えるに、参加者にもモンスターにも、或いはこの空間にも、この首輪と連動する何らかの制限がかけられている可能性が高い。
もしかしたら、この空間にいる間はモンスターもある一定の条件を満たしている間しか契約者の命令を聞かないのかも知れない。
その条件が何なのかは分からないが、調べてみる価値はある。
といっても、自分ならばモンスターを扱いこなせるという自身が心の何処かにあると言うのも間違い無い事なのだが。
そう考えた天道は、一応は念のため、二枚ともデッキに入れておいた。
ふと、視線をC.C.に向ける。先程の情報交換では、あの茶色のデッキの持ち主はC.C.という少女との事だが。

「お前、C.C.と言ったな」
「ん……あぁ、それがどうかしたのか」
「お前に聞きたい事がある。あのカードデッキについて――」

刹那、ほんの小さな音が、一同の耳朶を叩いた。
それは、遥か彼方より聞こえる微かな爆発音だ。
音が聞こえた方向に、一同が視線を向ける。
どうやら爆発が発生したのは、ここよりも少し南に位置する場所のようだ。
そこからもくもくと、黒い煙が天に向かって立ち上っていた。
しかし、煙の位置から考えるに、それは間違いなく数キロは離れた位置。
そんな位置からでも爆音が聞こえるという事はつまり。かなり大規模な爆発という事になる。
天道は視線を上げ、立ち上る黒煙をじっと見詰めていた。


【1日目 昼(放送直前)】
【現在地 C-3 崩壊した商店街】


【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康、プレシアに対する怒り、悲しみと迷い、軽い不安
【装備】グロック19(14/15+1発)@リリカル・パニック、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、
    ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式
【思考】
 基本:誰の命も欠かす事無く、出来るだけたくさんの仲間を集めて脱出する。
 1.なんとしてもヴィヴィオを救出する。それは何よりも優先したい。
 2.南で起こった爆発を調べに行きたいけど……
 3.出来る限り全ての戦えない人を保護し、仲間を集める。
 4.はやてちゃん……本当にゲームに乗ってるの?
 5.早く騎士ゼストの誤解を解かないと……
 6.情報処理室の事、言いそびれたな
【備考】
 ※金居とキングを警戒しています。また紫髪の女子高生(柊かがみ)を気に掛けています。
 ※金居の話=『ペンウッドは銀色の奴と手を組んでいる可能性がある』は半信半疑です。
 ※はやて(StS)に対して疑念を抱いています 
 ※ドラグレッダーはなのはと天道に、城戸真司の面影を重ねているようです。

【シェルビー・M・ペンウッド@NANOSING】
【状態】健康、若干の不安
【装備】ナイトブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは
【道具】支給品一式×3、RPG-7+各種弾頭(榴弾5/照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、
    トランシーバー×2@オリジナル、菓子セット@L change the world after story、おにぎり×10、ランダム支給品(未確認1)
【思考】
 基本:自らの仕事を果たす。
 1.南で起こった爆発を調べに行く。
 2.ウルトラマンヒカリとは一体……
 3.アリサという少女の思いは無駄にしてはいけない。
【備考】
 ※なのはを支える事が今の自分の仕事だと無意識に思っています。
 ※ウルトラマンヒカリ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのはと融合することで、ヒカリの力を得ました。
 ※現時点でヒカリとの融合が解除されればペンウッドは死にます。

【C.C.@コードギアス 反目のスバル】
【状況】健康
【装備】スティンガー×10@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式 、ゼロの衣装(予備)@【ナイトメア・オブ・リリカル】白き魔女と黒き魔王と魔法少女たち
【思考】
 基本:向かってくる者は殺すが、役に立ちそうな物や人材はルルーシュに届ける。
 1.この集団の中で行動するか、それともゼストを待つか……?
 2.ピザの対価を払う方法を考える。
 3.少なくともペンウッドより立場は上だ。
 4.出来ればゼロの仮面も欲しい所だが……
【備考】
 ※スバルが『StrikerS』から来た事を知りません。
 ※ゼストとの協力関係はギブアンドテイクという暗黙の了解の上に成り立っています。
 ※「ギアス提供」「精神干渉」「Cの世界との交信」が不可能となっている事に気付きました。
 ※再生能力も制限されている可能性があると考えています。
 ※このデスゲームの中では死ぬつもりはありません。
 ※プレシアのことは信用していません。
 ※ゼストにはルルーシュの駒になってもらおうと考えています。
 ※参戦時期は「STAGE9 ギ ア ス」(スバルを気絶させた後)からです。
 ※スバルとゼストは同じ世界の住人かもしれないと考えています。
 ※カードデッキの説明書はC.C.のデイパックの奥に追いやられています。探せば見つかります。
 ※天道がゼロの仮面を所持している事に気付いていません。


【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】健康、疲労(中)、右脇腹負傷、一時間変身不可(龍騎)
【装備】カードデッキ(龍騎)@仮面ライダーリリカル龍騎、カブトエクステンダー@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式、爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸、ゼロの仮面@コードギアス 反目のスバル
    『SEAL―封印―』@仮面ライダーリリカル龍騎、『CONTRACT―契約―』@仮面ライダーリリカル龍騎
【思考】
 基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。
 1.天の道を往く者として、ゲームに反発する参加者達の未来を切り拓く。
 2.南で起こった爆発は一体……?
 3.カードデッキとモンスターについて調べる必要がある。
 4.エネルを捜し、他の参加者に危害を加える前に止める。
 5.キングは信用できない。常に警戒し、見張っておく。
 6.この集団は信用出来そうだが、仲間にしてやるか……?
 7.カブトセクターを始めとする各ゼクターを取り戻す。
【備考】
 ※参戦時期はACT.10冒頭。クロックアップでフェイト達の前から立ち去った直後。
 ※なのは、フェイトは一応信用、はやてについては保留、浅倉は警戒しています。
 ※身体がいつものように動かない事を知りました。
 ※首輪に名前が書かれていると知りました。
 ※キャロがエネルと共にいて、かつ危険な状態に置かれている可能性が高いと踏んでいます。
 ※ドラグレッダーはなのはと天道に、城戸真司の面影を重ねているようです。
 ※カードデッキ(龍騎)には、「契約」のカードと「封印」のカードが一枚ずつ入っています。
 ※SEALのカードがある限り、モンスターは現実世界に居る天道総司を襲う事は出来ません。
 ※天道自身は“集団の仲間になった”のではなく、“集団を自分の仲間にした”感覚です。


【キング@魔法少女リリカルなのはマスカレード】
【状態】健康、上機嫌、一時間変身不可(コーカサスアンデッド)
【装備】なし
【道具】キングの携帯電話@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【思考】
 基本 この戦いを全て滅茶苦茶にする
 1.取りあえずはこの集団の中で遊んでみる
 2.はやての挑発に乗ってやる。
 3.浅倉とキャロに期待
 4.シャーリーに会ったらゼロがルルーシュだと教える
 5.とにかく面白いことを探す
【備考】
 ※制限が掛けられている事に気がつきました
 ※ゴジラにも少し興味を持っています
 ※携帯電話は没収漏れです。写メ・ムービー以外の全ての機能は停止しています。
 ※携帯には相川始がカリスに変身する瞬間の動画等が保存されています。
 ※キングの携帯に外部から連絡出来るのは主催側のみです。
 ※キングの携帯のお気に入りフォルダに『CROSS-NANOHA』へのリンクが存在します。
 ※首輪に名前が書かれていると知りました。
 ※全ての参加者の性格と、おおまかな戦闘スタイルを把握しました。特に天道に関しては、念入りに調べてあります。
 ※ゼロの正体がルルーシュだと知りました。
 ※はやての事はゲームの相手プレイヤーという感覚で見ています。


【チーム:スターズチーム】
【共通思考】
 基本 出来る限り全ての命を保護した上で、殺し合いから脱出する。
 1.南で起こった爆発をどうするか……?
 2.協力して首輪を解除、脱出の手がかりを探す。
 3.出来る限り戦えない全ての参加者を保護。
 4.工場に向かい首輪を解析する。
【備考】
 ※それぞれが違う世界から呼ばれたということに気付きました。
 チーム内で、ある程度の共通見解が生まれました。
 敵対的:アーカード、アンデルセン、相川始
 友好的:機動六課組、ヘルシング、
 要注意:クアットロ、キング(なのはの私見)
 また、アーカードについてはインテグラと合流出来れば従わせることが可能だと判断しています。



結果的にウルトラマンメビウスは、遠距離からのメビュームスラッシュという戦法を取った。
突き出された右腕から奔った閃光は、ガジェットをいとも簡単に貫いたのだ。
されど、破壊するだけならば誰にだって出来る。本当に問題なのはここからだ。

「な……!?」

咄嗟に腕を頭を庇うように突き出す。
メビウスが放った閃光が、ガジェットを貫いた瞬間。それは、戦闘機人チンクによって移動爆弾となったガジェットの起爆スイッチとなったのだ。
結果、巻き起こったのは大爆発。周囲を巻き込む程の爆風を巻き起こしながら、その爆風はメビウスを吹き飛ばそうと押し迫る。
咄嗟の、しかも予想に反して大きかった爆発に、残り少ないエネルギーで対処を取る事は出来なかった。
メビウスの身体は爆風に巻かれ、数メートル後方へと吹き飛ばされ――

「デュア……ッ!?」

銀色の装甲に包まれた身体は、背後のビルの壁へと叩きつけられた。
コンクリートの壁はメビウスの身体をを優しく受け止める事は無く、その衝撃をメビウスは一身に受け止めた。
激突したメビウスの身体は、変身しているだけのエネルギーを失い人間体――ヒビノ・ミライとしての姿へと戻る。
アスファルトへと落下した身体を引きずりながら、頭を上げる。爆風の中、薄目を開けて現状を確かめる。
ミライの視界に写っていたのは、爆発して粉々に砕け散ったガジェットの残骸。
その残骸の一つ一つが、もうもうと漆黒の煙を天高く舞い上げていた。

(こんな事、してる場合じゃ……ないのに……)

薄れ行く意識の中、ミライが手を伸ばす。
しかし、その手は何も掴めず、ただ空を切るだけだった。
意識を手放したミライの手は、重力に引かれて固いアスファルトへと落ちて行った。


【1日目 昼(放送直前)】
【現在地 E-2とE-3の境界 大通り】

【ヒビノ・ミライ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】
【状態】疲労(大)、気絶中、胸に切り傷(回復中)、一時間変身不可(メビウス)
【装備】メビウスブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは
【道具】基本支給品一式、『コンファインベント』@仮面ライダーリリカル龍騎、
    『おジャマイエロー』&『おジャマブラック』&『おジャマグリーン』@リリカル遊戯王GX
【思考】
 基本:仲間と力を合わせて殺し合いを止める。
 0.……………………(気絶中)
 1.銀髪の男(=セフィロス)からはやてを守る。
 2.一刻も早く他の参加者と合流して、殺し合いを止める策を考える。
 3.助けを求める全ての参加者を助ける。
 4.なのは、フェイト、ユーノ、はやて、キャロと合流したい。
 5.ヴィータが心配。
 6.メビウスに変身出来なかった理由を確かめたい。
 7.アグモンを襲った大男(弁慶)と赤いコートの男(アーカード)を警戒。
 8.紫髪の少女(かがみ)を乗っ取った敵(バクラ)や、その他の未知の敵たちを警戒。
 9.自分の為に他の人間の命を奪う者達に対する怒り。
 10.さっき聞こえた鳴き声は一体……
【備考】
※メビウスブレスは没収不可だったので、その分、ランダム支給品から引かれています。
※制限に気付いてません。
※デジタルワールドについて説明を受けましたが、説明したのがアグモンなので完璧には理解していません。
※参加者は異なる並行世界及び異なる時間軸から連れて来られた可能性がある事に気付きました。
※支給品の中にカードがある事に気付いていません。
※スーパーにかがみが来ていたことに気付きました。
 また、少なくとももう1人立ち寄っており、その人間が殺し合いに乗っている可能性は低いと思っています。
※彼が倒れていたE-3大通りの近くに、デュエルディスク@リリカル遊戯王GX、
 治療の神 ディアン・ケト(ディスクにセットした状態)@リリカル遊戯王GXが放置されています。
 また、ミライはその存在に気付いていません。



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