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13人の超新星(1) ◆WslPJpzlnU




     ●

「……………………………………」

     ●

 太陽の光が強くなり、空は赤色に輝いた。
 一辺倒の赤色ではない。金色ともいえる白い太陽を中心にした朱、だが上方を占めているのは水色から次第に変色していった藍色、そして赤と水色の緩衝となるのは黄緑色だ。
 俗に言うマジックアワー、晴天の早朝と夕暮れ時にしか現れない天然のグラデーションだ。
 全天が虹になったようですらあるこの時間帯は、蝋燭が燃え尽きる寸然のように全てを輝かせている。
 川面、草木の表面、大地、あらゆるものが強い光によって照らし出され、何もかもが熱を帯びたように火照った色合いとして映る。比例して濃くなる影との対比は、それこそ地に降りた太陽を焚き火にして囲んでいなければ浮かびようがないほどの強い落差だった。
 そんな中、一際強く光り輝くものがある。
 窓硝子、そしてそれが密集した市街地だった。
 一棟につき何百枚もの窓硝子、市街地では何百万枚用いられているのだろうか。これだけの数がある市街地なのだから、夕暮れ時に至っては、水晶の柱が乱立しているような光景である。
 そんな市街地の外れにあるガソリンスタンド、何本かの支柱で板きれのような天井を支え、その下に給油機と申し訳程度の部屋を作った施設がある。それはほとんど市街地と平野の境界線に建っている建造物なのであるが、柊かがみの所在地を示す上で、それは分かりやすい目印となる。
 かがみの靴裏は草を踏み始めていた。
 小柄な体躯を支柱に紫の長いツインテールが揺れている。胸元に大きな白い十字架を描いた赤のタートルネック、短いプリーツスカートから伸びるか細い足は、ニーソックスと焦茶の革靴が守っている。手首まですっぽりと長袖に隠された腋にはベルトが通り、背中にデイバックを乗せている。
 そして首からは環状の紐が下がり、落差のほとんどどない胸に金色の装飾品を下げていた。単眼の彫り物をした三角形を輪の内側に連結し、外縁には四角錐の飾りをたてがみのように吊るす。形状としてはペンダントに似ていたが一般的な物より随分大きい。
「は」
 草を何度か踏み、不規則に並び立つ木々の陰りに入った頃、かがみの唇から息が漏れた。
 骨が抜けたような有様で背中から幹にもたれかかり、デイバックを挟んでいるのを良いことに、ずるずると引き摺るように座り込む。両膝を地に着けてスカートの中身を隠す、普段の習慣すら忘れた動きだった。
「ううぅ」
 俯いた口から呻きが漏れる。それは隠しようのない本音を、それでも隠そうとするごまかしだった。
(お風呂、入りたい)
 照った髪、照った肌は夕陽の強さだけが原因ではない。
 早朝0時、朝とも夜ともつかない時間から動き続け、叫び続け、戦い続けた肉体には避けようのない、しかし性別的に忌避してやまない劣化と汚染の結果だった。
 早い話が、全身全霊がくたびれていて、汗やら油やらで垢が大量に生じているのだった。
(うううううぅ)
 おまけあの“移動力”を使った直後から、夕暮れの下で1km近い荒野を革靴で横断したのがいけなかった。日中最後の暑さと運動で汗は滝のごとく流れ、体臭をより強めてしまった。
 この衣服がバリアジャケットという特別な防護服でなかったら、その濃度はより高まっていただろう。
『……神経ぶっといご主人サマだな、オイ』
 かがみの面が急上昇する。
 脳裏に響く声は、自分のそれとは異なる野太い声色だ。空気を振るわせない音色に違和感を覚えるが、今となってはそれも慣れたものだ。
 というよりも、違和感を感じてはいけない。
 この声の主、胸元に下がる装飾品は、今や自分が頼れる唯一の存在なのだから。
『俺が肉体持ってた頃は、風呂なんて王族と金持ちの馬鹿騒ぎだって思ってたがなぁ』
「わ」
 どう話せば良いんだろうか、と一瞬どもって、
「私達の時代と、その、貴方達の時代を一緒にしないでよ。……千年ぐらい間があるん、でしょ?」
『ま、そうだけどな』
 しかし、と口調が改まり、
『ご主人サマ、解ってんのかよ? アンタ今、結構死にそうなんだぜ?』
「……ん」
 解っている。
 早朝0時から叫んだのも、嘆いたのも、走ったのも、戦ったのも、そして誰も彼も憎んだのも、全てはこの状況が起こさせるものだったのだ。
 プレシア・テスタロッサに喚び出された者達が絡み合う、殺し合いに。
『そんな中で、そんだけ悠長やってられりゃぁ問題ねぇかなぁ。??俺がいなくても』
「ぇ」
 漏れた声は生理的なものだ。
 頭が、胸の奥が凍りついて、意識的に何かをするなんて出来やしない。
「や、やだ」
 見捨てるの、という思いだけがある。
「行かないでよ。私から離れないで……!」
 えずくような息遣いで、
「バクラぁ……!」
『だったら』
 自分と相手の声色の違いに、いっそ笑ってしまいたくなる。
『ちゃっちゃと動いた方が良いんじゃねぇかなぁ』
 バクラはそれが言いたかったのだろう。
 上がり、しかし胸元の装飾品を見下ろした顔が、今度は一際の高さを見上げる。
 かがみに木陰を提供すべく展開した枝葉だったが、未だ末端であるこの位置では木漏れ日も注ぐ。そんな葉と葉、枝と枝、木と木の間から、しかし樹木ならざるものが覗いている。
 今や遠くにある市街地のそれらと同じく、白亜の外壁に光り輝く正方形を等間隔で埋め込んだ巨体。
 高層ビル、それも市街地にあるものとは一線を画す、趣きのある意匠だった。
「ホテル・アグスタ」
 その名前をかがみは知っている。
『あっち通りゃあちょっとは楽だったろぉによぉ』
「あれって……何か、抉ったみないなやつじゃない。嫌よ、薄気味悪くて」
 そう言ってから見たのは真っ正面にしばらく行った区域だ。
 唐突に木々が途絶えた場所、そこはまるで整地されたように綺麗な濠が刻まれていた。かがみが知る限り、森林の根と湿気で固まった土をここまで綺麗に掘り下げる技術は存在しない。
 ならば、
「多分、そういう参加者の攻撃が抉ったのよ」
 言ってから身震いした。
 これまで“そういう参加者”に会わなかった事の安堵、そして、居たという事実への恐怖だった。
「なんか怪しいじゃない」
『怪しいのはここも一緒だろぉが』
 バクラの言うことは正しい。
 未だ木々に紛れてすらいないこの場所は、周囲からまだ目視できる。これだけの平野ならこちらも気付くかもしれないが、視界に入らないような遠方、もしくは透明になる能力を持つ参加者がいたならその限りではない。
 それを思い至れる程度には柊かがみの思考は柔軟になっていた。
『目と鼻の先だろぉがよ、とっとと行こーぜ? あそこ行きゃスイートルームで豪遊だろぉが。水だって浴びるほどあるぜ』
 何たって風呂もシャワーも完備だからな、とバクラは甲高い声で笑う。時折自分の体を借用するくせに、この男は人の苦労や疲労というものを全く考慮してくれない。
「……解ってるわよ」
『この千年リングに入ってる限り、俺は自分自身で動けねぇんだ。頼むぜオイ』
 それっきりバクラは声を送ってこなくなった。
 そっぽを向いたような変化にかがみは心細くなり、だがそれも、あのホテル・アグスタに行ってバクラの望みを叶えれば、すぐに解消できるだろう。
(そうだと良いな)
 そしてかがみは背後の木に手をついて立ち上がった。
 太ももが引き攣るような、デイバックがずっと重くなったような感覚があるが、しかし、今は我慢するしかない。ここでまたへたりこめば、今度こそバクラは自分を見捨てる。
(見捨てないで。見捨てないで)
 もう他に誰も助けてくれないの。
 自分以外の誰かを憎むだけでは動けない。
 柊かがみの体を動かしているのは、もはや自分の意思ではなく、付き添う誰かがいるという、その受動的な現実だけだった。



 疲弊したかがみの顔を、夕陽に照った千年リングが歪めて映している。

     ●

「……あぁ」

     ●

「うわぁ」
 市街地に入るなり、新庄・運切が感嘆を漏らす。
 これまでの平野とは一転した、鉱物と直線が支配する光景だった。地は黒い鉱物で道が敷かれ、左右には長大な立方体が整列している。一体何なのだろうか、その表面には幾つもの透明な板が嵌め込まれている。
 それにしても巨大だ。背を反らせてようやく天辺が見えるかどうかの高さは、何か見下ろされているような気がして、やけに腹立たしい。
 エネルにはこんなものを建てた覚えも、建てるように命じた覚えもなかった。
 つまりこれらは、人間が自分達の手で建てたということになる。
(虫どもの所業にしては不届き。……崩すのが神の責務か)
 思いに腕を掲げた。“自然系”ゴロゴロの実の能力、雷に変ずる能力をもってすれば、大きいだけの物など挫くのは容易い。
 しかし、
「ぬっ」
 壁面に等間隔で埋め込まれた正方形の群が、エネルの目に光を撃ち込む。
 網膜が痛み、思わず瞼が眼球を抱き込んでしまう。
(生意気な……!)
 思わず顔も背け、ようやく痛みが引いたところで視覚を解放する。しかし逸らされた視界の先にあったのは、のぼせ上がったようにあちこちの長方形を見上げる、新庄の後ろ姿だった。
 自分が見上げられなかったものを、砕けなかった物を、安心しきったようにこちらに背を向けて。
「……おい」
「は、はいっ?」
 声を掛けられると思っていなかったのだろう。こちらにしたところで、声をかけるつもりなどなかったのだから当然だ。肩と長髪が大きく跳ね上がり、振り返った新庄の目は気まずそうにこちらを見返す。
「変わり種だなぁ、貴様は」
 言われて、新庄はどこかが痛んだような顔をする。
 今の言葉にどうしてそこまで傷付くのか解らなかったが、傷付いてくれる分には一向に構わなかった。
「無知をひけらかすのが趣味なのか? 大きいだけの墓石を見上げるのがそんなに楽しいか」
 新庄はきょとんとした顔をする。
「こ、これみんな、墓石なんですか?」
「当たり前だろう」
 やはり新庄という男は無知極まりない虫けらだったらしい。
「私のいた島にも居たよ、やたらと先祖先祖と羽音をたてる虫の群がな。ああいう手合いがあるのだ、ご丁寧に先祖全員のために巨大な墓石をたてる奴がいても可笑しくない」
「へぇ……先祖思いの昆虫っているんだね。変わってるなぁ」
「ああ全くだ。変節漢どもの群で、煩わしくてたまらなかったよ」
 顎に手を当てて回想していると、ふと、新庄が感心したようにこちらを見ているのに気付いた。その緩みきった態度に、どうにか下がりかけていた溜飲が、再び上ってきてしまった。
(この私が、神であるおれが、ここまでナメられるとはなぁ……!)
 そもそもあの赤い服を着た優男に出会ってしまったのが始まりだ。
 思い出すだけでも忌々しい、箒のように金髪を逆立てた男。ひょろ長で、何もかもを諦めたような顔をしていた癖に、あんな途方もない力を見せつけた男。
 あんな力を。
(……ッ)
 胃袋の内側に鳥肌がたつ。
 かつて雷を無効化した“ゴムの男”とは違う、根本的な力量差で自分を圧倒した男に植えつけられたこの感覚。夕陽を受けて肌が火照るのは条理であろうに、しかしエネルの体は氷が伝ったように冷える。
「あ、あの」
「………………」
 何時の間にか口元を撫でていた指、その向こうに、こちらを覗き込む新庄が見えた。
「大丈夫ですか?」
「何が、だ」
「だって凄い顔色が悪くて」
 女と見紛うばかりの新庄の細い指先が、だらんと吊り下げられた左手に触れる。
 それが、ひどく暖かく感じる。胸の奥がゆるみ、絹のような手を握り返したくなって、
「ーーッ!!」
 気がついた時には払いのけていた。
「ぁ」
 新庄は、何が起こったのか解らない、といった風に目を丸くしていた。肌が肌を打つ甲高い音が響き、真っ白だった新庄の掌がかすかに赤みを増して腫れる。
 その事に、より一層の寒気が過った。
 は、とした動きでエネルは振り向く。冷や汗が飛び散り、血走った瞳が歩いてきた平野を見渡す。しかし、それだけで満足を得る事はできない。右を見て左を見て、上も見て、再び目が光に撃たれようとも最早背けることはない。
 もし恐れが本当になってしまったら、眩しい程度のことではすまないのだ。
 何も変化はない。
 その事をようやく肯定して息をつく。そして、歯を剥き出した表情で新庄を見た。
「変わり種だけではなく、陰険な性格をしているのだなぁ、貴様は。……自ら傷付きに来て、私が“奴”に追い回される未来がそんなに欲しいか?」
「ちがっ」
 何かを言いかけて、しかし新庄は頭を振った。おおかた隠謀が失敗したので歯を軋ませたのだろう。
 そして再びこちらに背を向けた。
「……行きます」
 命令形、絞り出したような声色で歩み出す。
 背を向ける、それが出来るという現状に、再び怒りが沸く。
 新庄は解っているのだ、後ろから強襲されれば必ず死ぬ事が。そして、その結果として赤服の男がすぐさま察知し、自分を追いかけてくるのが。
(結局挑発も継続、なんと陰険なことか)
 舌打ちをして、エネルは新庄に倣って両足を動かした。
 『参加者の現在地と生死を把握する能力』、それが赤服の男が持つ能力だった。まさか、と笑うことは出来ない。似て非なる能力、“心網”を他ならぬエネル自身が持っているのだから。それがある限り自分は新庄を傷つけられない。未だに障る、背後から睨まれているような錯覚を拭うことができない。
 何より皮肉なのは、それによってエネルの“心網”が封じられただった。
 赤服の男と会って以来、エネルは“心網”が使えない。
(あの感情のせいだ)
 使えなくなった理由をエネルは理解してる。
 雷を裁断したあの攻撃、未だに続く監視の力、それらに疼く感情が、“心網”に必要不可欠な平常心を侵している。プレシア・テスタロッサの制限によってゴロゴロの実の能力も削がれた今、周囲を探る能力は生まれ持った五感のみとなってしまった。
(不届き)
 不届きにもほどがある、エネルはそう思った。
 歯が軋んで、最も力が入りやすい奥歯が砕けてしまいそうになる。それさえも“心網”を乱しているのだと自覚して、また一層の怒りとなる。
 “心網”とはエネルが誇る双璧の片割だった。三千世界を把握する無形の耳と、どこに隠れようとも狙い撃つ腕、それこそがエネルをエネルたらしめる、神としての力だったのだ。
 それが欠く形となり、まるで自分が神から降ろされてしまったような気になって、
(……不届きッ!!)
 エネルの胸中は、まさに雷が吹き荒れる乱気流だった。“雷迎”のように黒く、激情を押し留めようと胸筋が張り詰める。
 いっそ新庄を殺してしまおうか、いかに奴とて雷には追いつけまい、そうも思う。しかしそれは、生涯をたった1匹の虫けらから逃げるのに費やすことを意味する。とてもではないが我慢できないものだ。
(どうにかせねばならん)
 殺すのか、逃げるのか。
 赤くなった新庄の掌を見るたびに胸が疼くのを、数少ない反撃に成功した喜びなのだと思って。



 建ち並ぶ市街地の窓硝子はエネルを映し、激情に表情を歪めた同一人物が歩を進めていく。



     ●

「まただ」

     ●

 時空管理局地上本部、そう銘打たれた石碑に一閃が走る。
 字を浮き彫りにした鉄のレリーフは、植え込みの中から突き立つ石材に取りつけられている。施設の威厳を示すべく、看板としては破格の資金が投じられたのは明白だった。
 そんな石碑が、右上から左下に向かう直線で切断される。
 レリーフも石材も分け隔てない分割、石碑の左上半分が斜面のままに滑り落ち、植え込みの植物をへし折り、隠れた土へ沈んだ。露になった石碑の切断面に粗はなく、さながら鏡のような一面だった。
 全てはARMS“グリフォン”、超振動の刃が成せる所業だ。
 両腕を刃の生えた異形に変じさせるキース・レッドは、膝をつく姿勢で道路に着地した。飛び退いた際にグリフォンの刃がうっかり石碑に当たり、切断してしまったのだった。
 そして石碑を見ようとすれば、是が非を問わず地上本部ビルの戦禍を見る羽目になる。
(随分派手にやったな)
 キース・レッドは感想を思う。
 ロビーとなっている1階、そこで無事に残っている窓硝子など1つも無い。施設の内外に破片となって散らばっており、正面玄関である自動扉ですらもそれは免れない。外壁も虫食い状に破れ、へし折れた骨子を断面から覗かせる。どうにか残る壁も蔦が這うようにひび割れていた。覗ける内装に至っては見る影も無い。
 だが見るべき影はそこにある。
 廃墟もかくやの地上本部ロビー、キース・レッドはその中に人影を見た。
 全力で右へ跳ぶには、それだけで十分だった。
「……!!」
 ほんの少し前までいた空間を極太の閃光が貫く。収束された熱量は赤色を越えてもはや白色に見えた。
 貫いた空気を陽炎に変え、ご、という威圧を吹かせる。分たれた石碑は一瞬で溶解し、植木は燃える間もなく炭化して散り、ガードレールと道路は水のように弾け、通り道に濠という弾道を遺す。
 向かいの高層ビルは破片を散乱させる事もなく、高熱によって穿たれた。
 光線はエネルギー、光速の攻撃だ。光線と認知できたのは、一閃を真横から見れる位置取りに至ったこと、光速でありながら視認できるほど長時間攻撃が維持されたからに過ぎない。
 避けるためには撃つまでのモーションを絶対に見逃さず、その段階で動く必要がある。陽が赤くなる以前より戦うキース・レッドが死んでいないのは、視覚と反射神経と、それを持続させる執念の賜物であった。
「む」
 光線、荷電粒子砲の熱気に頬がひりひりと痛む。眼球が乾き、自然と瞼は絞られた。
 そこで、か、という音がする。連発するそれは足音だ。
 方向にして地上本部、荷電粒子砲に赤に輝く濠の側を、規則正しい速度で2本の足が歩いてくる。
 見るまでもなく、見たくもなく、しかしキース・レッドは見ざるをえない。“奴”の攻撃が光速である以上、観察こそが唯一の防衛策なのだ。
「ーーーーーー」
 それは1人の青年だった。
 色白の肌は個人差の域を越えた人種的なもの、金髪に碧眼をたたえた長身は、彼の血筋がアーリア人のそれである事を伺わせる。あえて言うのだとしたら、それは自分の外見にも通じるものなのだが。
 無遠慮に視界の隅に入る高層ビルの窓硝子、夕陽に照って鏡の性質を持ったそれは、全く同じ顔をした2人の男を映している。
 目の前の自分と全く同じ顔をした“奴”、キース・シルバーは自分の、否、モデルを同じくするクローンの1体だった。
 キース・シリーズと呼ばれる、生体兵器ARMSを宿すべく生まれながらに調整された人工の人間。自分と奴は、両手で数えるほどにも存在しない、数少ない同胞である。だがそれも、今となっては唾棄すべき現実だ。
(そう、その目だ)
 荷電粒子砲から逃れて再びしゃがんでいたこちらを、キース・シルバーは見下す。
 歩道と地上本部の正面玄関を分ける階段の上にいるから、という訳ではない。クローンである以上奴の方が背が高いから、という事はない。それに例え奴は低所に居たとしても、背が低くても、あの目つきは変えないだろう。
 奴は、奴等は、キース・レッドを不良品として切り捨てたのだ。
 ARMSを本当の意味で使いこなせない、そう言って。
「……糞が」
 唾を吐くようにて憎悪が漏れた。
 全く同じ顔をした同胞達が満場一致でそう言った時の事を、キース・レッドは忘れない。
 貴様等を殺してやる、そう思ったし、むしろ貴様等こそが下等なのだ、と証明したいとも思った。
 故に、こうして対峙している。
「キース・レッド」
 不意に、キース・シルバーが唇を開いた。
 仇敵の声は、ただそれだけで神経を逆撫でする。奴の声は汚泥の香り、声は便器に反響する放屁だ。奴の胃袋には昼過ぎに喰った下痢で満たされているに違いない。
「もうやめろ」
「何故」
「お前が失敗作だからだ」
(そう言うと思ったよ)
 言うや否や、思うとともにキース・レッドは駆け出していた。装備していた2丁の拳銃はすでに弾丸を使い果たして捨ててしまった。砲撃型ARMS相手に、弾を補充する暇はなかったのだ。
 やはり自分の武器は両腕の刃、直角に立てれば、風を裂いて笛のような音が耳朶に叩き付けられる。
「おぉ……!」
 正面からの突撃。懐に入りさえすれば、砲撃型である奴のARMS“マッドハッター”は、最大の特徴が無用の長物に変じる。
 しかしそれは向こうととて知り尽くしている。
 攻撃に本来欠かすことの出来ない、充填、構え、発動、命中、放熱という5つの段階を、光速という攻撃が発動から命中までのセンテンスを限りなく0に短縮する。
 高熱の光が正面から迫る。
「ーーふッ」
 それを、キース・レッドは飛び越えた。
 もちろん如何に光速といえど、自分がARMSを持つ身であっても、ただの跳躍で光線を飛び越えられるはずはない。通り過ぎる前に落下して、両足を焼かれるのがオチだ。
 だから直上には跳ばない。着地するのはキース・シルバーがいる正面玄関を囲む植え込みだ。
 長蛇のプランターとして玄関前の階段を囲うそれは、階段の最上段よりも若干高い。そこに着地することで少しでも高度を稼ぎ、次いでどうにか残されていた1階外壁の窓枠へと跳ぶ。
 ほんの僅かに外壁から迫り出していた窓枠に爪先を掛け、外壁に手を当てて一瞬の安定。そして崩れる前に三度目の跳躍を行う。飛び移った足場の縁を掴み、懸垂のように飛び乗ったのは正面玄関を陰らせる大型のひさしだ。
 キース・シルバーの直上を隠すそれは、上に乗れば広くて平たい良質の足場となる。その1枚下ではキース・シルバーが荷電粒子砲を放ち終えた頃だろう。
 その隙をつく。
「はぁ……!」
 光速で微小に振動する刃は、ARMSでさえも切り裂く事が出来る切断力だ。
 それでひさしを滅多切りにすれば、キース・シルバーへ降り注ぐ瓦礫の群だ。崩れ落ちる直前で跳躍し、あるいはその衝撃によってひさしは分断されキース・シルバーへ落下する。
 普通の人間ならば骨折、当たりどころが悪ければ打撲による死を得て当然の攻撃だ。だがそれも、ARMS保有者同士の戦いでは牽制程度にしかならない。
 ひさしの上はほとんど2階の高さと変わらない。2階の窓枠に足をかけ、ARMSと化した強固な五指を外壁に食い込ませて立つキース・レッドは見る。
 キース・シルバーが砲門の腕を振り上げ、瓦礫の群を一気に蒸発させたのを。
 じ、と瓦礫は煙と悪臭に変化し、その延長線上にある向かいのビル何棟かの屋上が破壊された。ついでにキース・レッドの前髪も何本かが焦がされてしまった。
 ひさしが無くなった今、キース・シルバーの澄まし顔は眼下に見える。
(待っていろ。すぐにその顔を歪ませてやる)
 思いを遂行する力はすでにキース・レッドの手の内にある。
 ベガルタ。ARMS殺しと呼ばれる、最強の兵器であるARMSに修復不能の損傷を与える兵器の1つを。



 キース・レッドが牙を剥いて笑む姿を、飛び移った窓枠に嵌る硝子は克明に映していた。



     ●

「まだ、苛々は消えてねぇ……」

     ●

 写真家として生計をたてていた相川始には、行ったことはなくとも情景は知っている、そういう場所が多い。
 多くの先達が撮影した風景写真を幾つも見てきたからだ。腕の立つ写真家が撮った写真というものは単なる一枚絵では終わらない。その向こうが本当にその場所と繋がっているかのような、そう思わせる窓となるのだ。
 そんな中でも、恐山という場所の風景写真は始の心を捉えた。
 煙立ち、匂い立ち、ただ石の群のみが積もって山を形成する地域。石の砂漠とも言うべき情景には、見る者の胸中に真空を作る。
 無情、そこにはいかなる感情もない。
 ただ見る者が、そこに寂寥を見出すのだ。
 そんな取り留めもない事を思い出してしまうのは、きっとここがそれを彷彿とさせるからだ。
「…………」
 始が踏みしめた瓦礫が割れ、破断する乾いた音が響く。
 だから何をするということもなく、機械的に足を前後させ、掲げた左脚でまた別の瓦礫を踏みつける。そうやって始は、この瓦礫地帯を横断していた。
 派手にやったな、と思う。
 鉱物の塊が積もり、あちこちで薄い煙が立ちのぼる様子は恐山を彷彿とさせるが、こちらにそのような年季はない。この惨状は、つい先ほど自分と浅倉威の交戦によって生じたものだからだ。生まれてから半日も経たない情景に、見る者を感傷させるような爪はまだなかった。
 コンクリートかアスファルトか、もしくは始の知り得ない何かなのか、とにかく人為的に作られた鉱物の断片は、かつてはビルや家屋を形成していたものだ。今や瓦礫の砂漠と化しているが、少し前まではここも市街地だったのだ。
 誰1人住んでいない、ゴーストタウンの様相ではあったが。
「…………」
 拓いてしまったかつての市街地に障害物はなく、背後にしたレストランや進む先にあるガソリンスタンドが、遠目にではあっても確かに視認することができた。
 そして音も。
 未だ辛くも残り、しかし破壊されつつある建造物の向こうで破砕音が轟く。
(誰か、戦っているのか)
 戦闘が行われているのは明白だった。人と人との戦いにしてはやけに大きな効果音だが、始が持つアンデットの活動を悟る能力に反応はない。強大な兵器か、あるいはそれ以外の異能を使って戦っているのだろう。
「…………」
 始は立ち止まり、轟く方を見た。家屋群の先に見える巨大な長方形達が砕かれ、打ち抜かれ、または切断される。
 行くべきなのだろう、否、行っていただろうな、と始は思う。それまでの自分だったならば。
 しかし始は遠目にも解る戦場に背を向け、再びガソリンスタンドの方に向かって瓦礫を踏み始めた。だからといってガソリンスタンドに用があったわけではない。ただ単に、それまで進んでいた方に戻っただけだ。
 あるいは、戦場に背を向けたかっただけだ。
(どうするのが、正解なのだろうな)
 思い、そうと再確認することによって、これは迷いなのだと理解した。
 ジョーカーというアンデットとして、そしてカリスとして戦い続けた相川始は、行動を迷うという経験がそれほど多くなかった。行動の選択肢を得る時は多くが戦場であり、日常にあったとしても、かつて定めたものに固執すれば選択肢を排除できたからだ。
 一に、あの小さな家族を護る事。
 二に、アンデットを封印する事。
 それだけをこなしていれば、自分が迷うことなどないと思っていた。
 だが相川始には予想外なことに、ひょっとしたら誰かにとっては全く当然なことに、今は思い迷うまま、行動の上でも迷っている。
 あれからどれほど時間が経っているのか解らないが、少なくとも確固たる意思を持って歩けば、こうして陽が朱に染まる頃にはガソリンスタンドに着いていただろうに、今も始は瓦礫の上を歩き続けている。
 これまでの法則に従っていれば、選ぶべき答えはすぐに導けた。
 遠くに聞こえる戦場へ駆け、争う者共に奇襲をかけて殺し、そんなことを続けて最後まで生き残ればいい。そうすればプレシア・テスタロッサが自分のいた場所に戻してくれる。護るべき小さな家族のいる場所へ。
「…………」
 なのに、今、始は迷っている。
 何の為に戦えば良いのだろうか、と思い始めている。
 ほんの少し前までは、そんな感傷的なことは、考えもしなかったのに。
 変わったな、もしくは、変わってしまったな、そう思い、始は前を見るでもなく歩いていく。



 俯いた視界で所々に散らばる光、それは、砕け散った窓硝子の破片であることを始は知らない。

     ●

「……お前等もだろ?」

     ●

「思うに、なのだが」
 不意に金居はそう切り出してきた。
 よもや向こうから話しかけてくると思っていなかったヴィータは目を丸くし、長身の後ろ姿を見る。
「……何だよ」
 目つきを絞り、声の調子を落としたのは彼に対する不信感の現れだった。内心を悟られることは不利を呼ぶが、しかし腹芸はヴィータの得意とするところではないし、向こうもこちらの印象ぐらい既に悟っているだろうから、隠すことはない。
 限りなく黒に近いジャケットとズボンは、癇に障るほど長い手足にあつらえられている。襟首からは黄色いタートルネックが覗き、切り揃えた髪から見える耳の根元には、眼鏡の蔓がかかっている。
 どんな表情をしているのだろうか、思っても、金居の背後を歩くヴィータにはそれが確認できない。
 ただ、離れるか見上げるかしなければ捉えきることが出来ない、そんな身長差の青年から目を離さないことだけが、ヴィータに出来る唯一の対抗策だった。
 そうして見つめる先で金居は小さく頷き、
「ーー短い足とはこういう時に不便なのだな」
「うるせぇよ!!」
 感心するような言い振りにヴィータは叫んでしまう。
 肉体的な年齢差もあって、金居とヴィータの足の長さは絶望的なまでの隔たりがある。というよりも、例えヴィータが背伸びしたとしても、金居の腰元まで頭頂が届くかどうかという身長差である。そんな風だから、こうして瓦礫の山を踏み越えていく時はどうしても背後に回ってしまうのであった。
 ほんの少し前まで確かにあった市街地は、たった2人の戦いによって焦土と化した。瓦解したビル群の残骸は不規則に並ぶ階段、いやさ階段というのもおこがましい乱立と不安定で、横断するのも苦心する。
「おぶろうと言っているが」
「出来るか、んな事」
 金居の申し出をヴィータは即決で断る。
 “本物のはやて”以外にそんなことはされたくない、というよりも、触れられたくもなかった。
 しかしそこへ異見が入る。
「でもよぉ」
 金居の声色とは違う、やや甲高い少女の声だ。
 頬に指を当てて考えるような口ぶりはヴィータの耳元で生じている。
「実際、少しでも移動のペースは上がった方が良いんじゃねぇの?」
 何だと、と言いつつも、しかしその理由を理解しているが故に、声の主を見るヴィータの目はどこか自信が無さげだ。振り向いた先でヴィータの双眸は小さな人形を見る。
 否、それは人形ではなく、人形のように小さい少女だった。
 赤い髪に幼い体躯、黒い羽と尾、そして同色の露出度が高い衣服は、小悪魔といった類を連想させる。
 アギトと名乗った彼女は、かつて絶えたはずのユニゾンデバイスの生き残りだという。
 ヴィータから見て左手、肩よりも少し高い位置を浮遊している彼女は、やはり考え込むように頬へ指を当て、眉間に皺を寄せていた。
「だってよぉ」
「そいつの言う通りだ」
 アギトが続けようとした言葉を金居が引き継いだ。
 そうする意図のなかったアギトは唇でへの字を結び、眉間に皺を寄せる理由を金居へシフトしたようだった。それに感づいているのかいないのか、何にせよこちらを見ることもなく金居は続ける。
「好機の足は速い。あれだけの戦闘の後とはいえ、油断していれば何の機を逃すか解らないぞ」
 まるでシグナムのような口ぶりが、それを気取っているような気がして、やけに不快だ。
「だからてめぇにおぶされってか」
「私情を挟める立場か」
 状況か、とも金居は言った。
「お前が文句を言う間に3歩進んだら、俺と並ぶくらいはできたかもな」
「……っ」
 皮肉に、三つ編みに結わえたヴィータの髪が逆立った。
 駆け足で瓦礫を踏みつけ、時々砕いたり転びかけたりするものの、急速に金居に迫る。アギトの、待てよ、という声も今や置き去りだ。金居の左横に並んで、そして遂に男の顔を見る。
 生まれてこの方まばたきをしたことがありません、とでも言いたげな無情の顔が、並走したこちらを見ることさえなく前を見ていた。
 ち、とヴィータは外見にそぐわぬ舌打ちをした。
 追い付いて、どうだよ、とヴィータは金居に言ってやりたかった。しかし当の金居は、こちらの事など歯牙にもかけず、図らずも望みを叶えてやったこちらに見向きもしない。
 ただ背後を見ていた時と同じように、こちらを見ることもなく話しかけてくるだけだ。
「無駄な体力を使うな」
 表情に相応の、感情の欠片もない声だった。思わず足を止めてしまい、再び背中を晒した金居は言う。
「我々の目的は散策ではない。駆け出して足でも挫いたらどうする。目先に捕われるな」
 言いたいことだけを言い放つ奴の背に、これを突き立ててやれたら、とヴィータは握力を強めた。
 五指が締めつけるのは、ヴィータの背格好に似合わない長大な槍だった。幅広の刃を無骨なフレームで固めるアームドデバイス。しかしヴィータの相棒であるグラーフアイゼンと異なり、この槍が話しかけてきたことは一度もなかった。
「お、おい」
 追い付いてきたアギトが、こちらの思うことを悟ったのか制止を呼びかける。その声に、解ってるよ、とヴィータは短く答え、再び金居の後を追って歩き始めた。
(アイツとの約束だ。……殺し合いに乗った奴しか、殺さない)
 金居は自分がそうだと言わなかったし、ヴィータの価値観においてそうだと断定するような行動もとっていない。一線を越えていない以上、誓いをたてた太古の騎士はそれに準ずるしかない。
 と、まるで自分が奴を殺したいと思っているかのようだ、そう思って、ヴィータは頭を振った。
 殺したい奴はいるが、それは金居ではない。
 そして自分は、そいつを殺すために歩いているのだ。
(アーカード)
 その男の名前を思い返し、思考の中で呟けば、それだけで胸中が泡立った。
 怒りと恨みと恐怖、そういったものどもがない交ぜになって新たな感情となり、平たいヴィータの胸を突き破ろうとする。槍を握る五指が更に強ばり、もしも得物が獲物だったなら、すでに絞殺していただろう。
 赤い服を着た長身の男、黒いサングラスから覗く目は、明らかに人間以外の思考を持って相手を見る。
 その逸脱した戦闘力は、“偽者のはやて”を追いかけやってきたセフィロスという男と戦い、こうして眼前に広がる焦土を造った。奴の超人的な身体能力と十字架のような火器、それに拮抗するだけの戦闘力を持っている参加者との出会いが生んだ、最悪の結果だった。
 だがその中にも好機は隠れていた。
(あんだけの戦闘で生きてんなら……もう生き物じゃねぇよ)
 しかしアーカードなら、生き物ならざる戦いを見せる奴ならば、生きているのではないだろうか、とさえ思ってしまう。だがそれでも、何らかの重傷を負う程度の被害は受けている筈だ、と言い出したのは金居だった。
 今のヴィータと金居は、その極細い蜘蛛の糸に望みを託す巡礼者に等しい。
 アーカードには凄まじい治癒力があるらしかった。今こうしている間にも、先の戦いで喰らった傷を癒しているのであろう。それどころか既に移動してしまっている可能性がある。だからこそ金居は、より一層の速度を求めているのだ。
「…………」
 それが理解出来るから、全く順当の考えだから、それを果たせない自分の体が忌々しい。飛行魔法を使えば簡単なのだが、強襲のために魔力は少しでも温存しておきたい。こうして見晴らしの良くなってしまった場所で、飛行魔法を使うわけにはいかなかった。
 だからヴィータは歩調を速める。
 金居に対する対抗意識を右脚に、アーカードに対する敵意を左脚に込め、挑みかかるまで瓦礫に八つ当りをしながら。



 ヴィータが持つ槍は、その様から激情を授かろうと言うかのように、3人の姿を刃に映している。



     ●

「さっきからうるせぇんだよ」

     ●

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