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きみのたたかいのうた(後編) ◆Vj6e1anjAc



「ん……このっ……」
 じたばたと身をもがかせようにも、うんともすんとも動かない。
 振動破砕を当てようにも、手も足も動かせないのでは意味がない。
 ISの効果が及ぶのは、両手両足の先端のみだ。
 故に逃れることもできず、スバルはただ拘束されるがままとなっていた。
 五体を余すことなく包み込む翼が、淡い白光を放って顔面を照らす。
 肌をなめるその光が、いつでも絞め殺すことはできるんだぞと言っているようで、ほんの少し腹が立った。
「さて、と……君にいくつか聞きたいことがあるんだ」
 眼下からヴァッシュの声が響く。
 うつ伏せの姿勢で縛られていたため、相手の顔は直接見下ろすことができた。
「まず1つ。君はどうしてそんなに怒ってるんだい? ひょっとして僕、何か気に障ることでもした?」
 最初の問いかけからして、それである。
 ほんの少しどころではなく、今度は本気で腹が立った。
 こんなにも怒りを覚えるのは、随分とご無沙汰ぶりのことだ。
「今さら何を……! ルルーシュの腕を斬ったのはアンタなんでしょ!?」
 語気が荒くなる。
 わなわなと身体が小刻みに震える。
 普段では考えられないほどの、乱暴な語調が口を突く。
 黄金色の瞳が怒りを宿し、きっと男を睨みつけた。
 忘れたとは言わせない。
 お前が負わせた傷のせいで、あの少年は苦しむことになり、命まで落としたんだ。
 直接殺したとまではいかずとも、間接的に殺したと言っても過言ではないんだ。
「僕が……斬った?」
「マントを羽織った黒髪の男の子! アンタのせいで、ルルーシュは……!」
 その上、そうしてとぼけるのだ。
 もはや堪忍袋の緒はほつれにほつれ、ぷつんと切れる直前だった。
 許せない。
 断じて許すわけにはいかない。
 どうしてルルーシュが命を落として、こんな男が生き残っているんだ。
 もしも本当に忘れていたとでも言いだすなら、この拘束を解いてでも、その顔面に拳を浴びせてやる。
 ぶん殴って、引っぱたいて、蹴っ飛ばして、嫌というほど彼の痛みを――
「待った!」
 しかし。
 刹那、一喝。
 吐き捨てかけた言葉は、下方からの声に掻き消される。
 びくり、と肩が震えたのを感じた。
 正直な話、一瞬たじろがされた。
 一瞬前のとぼけたような態度とは違う、確固たる力のこもった声に。
 想像もつかないほど真剣な表情に宿された、あまりにも濃密な意志の気配に。
 有無を言わさぬ、とはまさにこのことか。あまりの迫力に、完全に言葉を失ってしまった。
「確かに、そういうことに心当たりがないわけでもない。実際に俺は、少なくとも1人、この手で人を殺しちまってる」
 す、と持ち上がるヴァッシュの左腕。
 左側だけ袖が破れているという、歪なコートから覗いた腕。
 無数の白刃を展開し、柱を切り裂き、スバルへと襲いかかった針の山だ。
「正直な話、他に何人か巻き込んでても……死なせちまってても不思議じゃないだろうさ」
 一瞬、男の瞳から力が失せる。
 確固たる意志に光っていた眼光へと、暗い弱気の影が差す。
 そこに込められた数多の感情――無念、後悔、そして自責か。
「でも、これだけははっきりと言える」
 ふぅ、と息を1つついた。
 次の瞬間には、顔つきをきっぱりと切り替えていた。
 陰りを振り払ったその視線は、先ほどまで見せていた、意志の炎を宿した瞳だ。
 そこまで認識したところで、いつしかスバルは、自分が彼の一挙手一投足までも、正確に追いかけていたことに気がついた。
 憎むべき敵のはずなのに。
 危険人物であるはずなのに。
 その姿に、少なからず魅入っている自分がいた。
「その子を斬ったのは俺じゃない。その子が斬られた瞬間を――俺は“視ている”」


 我ながら、らしくないとは思った。
 これではまるで言い訳を言っているようで、見苦しいにもほどがあるじゃないか。
 真剣な面持ちを浮かべながら、しかしヴァッシュは、その裏ではそう自嘲していた。
 それでも、その顔に表れた意志に偽りはない。
 スバルとの間に誤解があるのなら、何としても解いておきたかった。
 こうして言葉を交わしてみて、分かったことがある。
 剥き出しの怒りをぶつけられてみて、初めて理解できたことがある。
(この娘は、話せば分かってくれるかもしれない)
 頭上に浮かぶ娘は、柊かがみが言うほど悪い人間ではないということだ。
 彼女はスバルについて、自分に襲いかかってきた、と説明していた。
 それが正しいというのなら、スバルは殺し合いに乗っているということになるだろう。
 だがここにきて、その仮定が信じられなくなってきた。
 この娘は仲間を傷つけた相手――他ならぬヴァッシュ自身をそうだと思っている――に対し、強烈な怒りをぶつけてきた。
 誰かのために怒れるということは、それだけ誰かを深く思いやれるということ。
 それほどの優しさと思いやりを持っていて、それをこの場でも貫いているような娘だ。
 そんなスバルが、殺し合いに乗ったり、かがみに襲いかかったりするとは、どうしても考えにくい。
 かがみを信じないというわけではない。ただ、スバルのことも信じたくなっただけのことだ。
「信じろっていうんですか、それを」
 それからどれほど経っただろうか。
 ややあって、返事が返ってきた。
 口調からは随分と毒が抜けたが、未だ表情には猜疑心が残っている。
「信じられないのも無理ないと思うし、詳しく話しても、信じにくいだろうことだってことは分かってる」
 それだけを、口にした。
 まだそれ以上は語れないし、これ以上語り過ぎることも、できることならしたくなかった。
 事実、ありのままに説明をしたとしても、到底信じられる内容ではないだろう。
「それでも、聞いてほしいんだ」
 だとしても、それはヴァッシュにとっては厳然とした真実なのだ。
 ルルーシュなる者――マントを羽織った黒髪の少年のことは、覚えている。
 ヴァッシュ・ザ・スタンピード自身ではなく、左手に宿されたミリオンズ・ナイブズの記憶に、しかと刻み込まれている。
 その少年の腕を斬ったのは、間違いなく生きていた頃のナイブズだ。
 その記憶を垣間見たからこそ、誤解を解く必要がある。
 彼女がその少年を大切に想い、少年の死を悲しんでいるからこそ、少年の真実を伝えなければならなかった。
「……下ろしてください。話を、聞きますから」
 故に。
 彼女がそう言ってくれた時。
 話を聞くだけは聞いてやる、と返してくれた時。
「ありがとう」
 それだけでも十分だと。
 聞いてくれるだけでも十分に嬉しい、と。
 心底から、そう思った。
 いつの間にかスバルの瞳は、獣のような金色から、元の緑碧へと戻っていた。
 右腕から伸びる翼の糸――言うなれば防衛尖翼、といったところだろうか――を地上へと下ろす。
 スバルが安全に着地できるところまで高度を落とすと、その拘束を解き、腕へと引っ込める。
 すた、という音と共に、少女が床へと降り立った。
「それで、ルルーシュは誰にどんな状況で斬られたっていうんですか?」
「ああ、それは……」
 さて、これからどうするか。
 スバルに問いかけられた時、ほんの少し困ってしまった。
 ルルーシュの真実を語るに当たって、どのあたりから話をすればいいのだろう、と。
 いくらあんな翼を見せたとはいえ、彼女もヴァッシュがプラントであるなどとは思っていないだろう。
 故に自分がナイブズを左腕に取り込んだ、と話した時点で、そんなわけがあるかと突っかかってくるはずだ。
 ならば、もういっそ最初から話してしまうか。
 自分が人間でないというところから、思い切って話してしまうべきか。
 しかしそれはそれで、こいつはいきなり何を言い出すんだと、かえって疑われてしまうのではないか?
 ああでもないこうでもない、と、頭をひねっていた矢先だった。

「――ギンガ……?」

 不意に廊下から、その声が響いてきたのは。
「「!?」」
 知覚したのはほぼ同時だった。
 赤と青。
 ヴァッシュとスバル。
 互いにトークモードから臨戦態勢へと移行し、声の方を向いて構えを取る。
 違いがあるとするならば、それぞれが浮かべる表情か。
 ヴァッシュ自身は油断なく自らの拳銃を構え、現れた相手を見定めている。
「ギン姉の、名前を……?」
 だがスバルの方はというと、怪訝そうな表情と共に、そんなことを呟いていた。
 ギン姉というのは、恐らく相手が口にした名前の主のことだろう。
 そういう反応を示したということは、そのギン姉というのは、スバルの知り合いだったのだろうか。
(っと、いけないいけない)
 とはいえ、今はそれを気にしている場合ではない。
 改めて来訪者へと視線を戻し、その姿を見定める。
 廊下の入り口に立っていたのは、全身漆黒で埋め尽くされた、禍々しい鎧を纏った男だ。
 顔はフルフェイスのマスクで隠れていたが、先ほど呟いた声で男だと判断できた。
 そしてその顔面には、ハートのマークを描くかのように、真紅の複眼が散りばめられている。
 黒と赤――闇と血の色。その上意匠も悪役っぽく、あまりいい印象は受けない。
 見た目だけで人を判断することが許されるなら、一発で悪人と認定できるだろう。
「うぉりゃああぁぁぁーっ!」
 と。
 その時だ。
 そこに、新たな声と人影が割り込んできた。
 少女の甲高い声と共に現れた者は、これまた全身鎧尽くめ。
 しかし、こちらの甲冑は緑色で、複眼もハート型ではなく、昆虫のように2つに分かれている。
「チッ!」
 舌打ちと共に、振り返る漆黒。
 どうやら黒鎧と緑鎧は、互いに敵対関係にあるらしい。
 がきん、という金属音と共に、振り上げられた新緑の回し蹴りを、漆黒の弓で受け止める構図ができあがった。
「しつこいのよ! いい加減、死になさい……ってのぉ!」
 苛立った叫びと共に、緑色の鎧が追撃を放つ。
 パンチ、キック、続いてキック。キックの回数が多いあたり、蹴り技が得意なのだろうか。
 しかしそれ以上に気になるのは、その声だ。
 二度三度と聞いていくうちに、否応なしに気付かされていく。
 聞き覚えがあるぞ、この声は。
 ついさっきまで聞いてたぞ、この声は。
「ってちょっと待った! その声……まさかかがみさんか!?」
「!? しまっ……」
 攻撃の手が止まる。焦ったような反応が返ってくる。
 できることなら、正解であってほしくはなかった。
 それでも、今の反応を見せられた以上、認めざるを得なかった。
 あの中に入っているのはあのかがみだ。
 明確な殺意と共に、黒色の鎧を襲っているのは、先ほどまで保護していた柊かがみだ。
「……あーもーめんどくさい! もういいわよ! 全員まとめて皆殺しにしちゃえばいいんでしょ!」
 苛立ちも極限を迎えたか。
 黒の鎧のもとから飛び退き、ヴァッシュと鎧の中間地点に着地して。
 幾分か捨て鉢気味にすらも感じられる声音で、かがみが殺意を振り撒き叫ぶ。
 それが彼女の本性か。
 ということは、自分は今の今まで騙されていたということか。
 それならば、自分から見たスバル評と、かがみから見たスバル評が食い違うことにも納得がいく。
 ただし、あまりしたくない納得ではあったのだが。
 一難去ってまた一難、か。
「ごめん、どうも説明は後からってことになりそうだ」
 ともかくも、相手が殺意を持っているというのなら、止めなければ。
 傍らのスバルへと、言葉を飛ばし。
 改めてアイボリーを構え直し、戦闘態勢へと移った。


 果たして自分は、このヴァッシュという男を信用していいのだろうか。
 その疑問だけは、未だ大なり小なり残っている。
 彼はルルーシュを斬ったのは自分ではないと言った。
 だが、あのような芸当ができる人間など、他にそうそういるものではないのも事実だ。
 にもかかわらず、何故話を聞こうとしたのか。
(嘘を言ってるようには見えなかった)
 やはりひとえに、その眼差しの真摯さによるところが大きかった。
 訓練校のテストこそ好成績だが、スバルは元来そう頭の回転が早い方ではない。
 故に自分の人物眼など、そんなに信用できたものでもないのかもしれない。
 それでも、少なくともこの瞳に映るヴァッシュ・ザ・スタンピードの姿は、演技をしているようには見えなかった。
 信じてほしいと願う意志も。
 人を殺してしまったことへの自責も。
 どちらもがあまりにも力強く、圧倒的な存在感とリアリティを伴って、自らの視界へと飛び込んできていた。
 この男は本当に嘘をついていないのではないか。
 危険人物というのも何かの間違いで、本当はいい人なのではないか。
(でも、多分まだ信じきるのは早い)
 それは分かっている。
 いくら嘘には見えないといえど、それすらも計算の内である可能性もある。
「ヴァッシュさん……一緒に戦いましょう」
「いいのか?」
「約束しましたから。自分のするべきことをするって……かがみさんを止めるって」
 だからこそ、これは一時的な共闘。
 ヴァッシュ・ザ・スタンピードという人間を理解するための、最終テストを兼ねた共同戦線。
 本当は静観を貫いた方がいいのは分かっている。
 敵かもしれない相手と同じ戦場に立つのが、危険なことであるということは理解している。
 それでも、この戦いに参戦しないわけにはいかないのだ。
 あの時、自分はこなたと約束した。
 自分がやりたいこと、やるべきことをするために、全力全開で戦う、と。
 今自分がすべきことは、彼女の友情を守るために、かがみを殺戮の魔道から、全力で引きずり上げることだ。
(相手が仮面ライダーなら、使える)
 戦闘機人モードを再起動。
 薄暗いホテルのロビーに、2つの黄金灯が光る。
 魔獣の煌めきと共に顕現するのは、一撃必殺の破壊力を宿した禁断の魔手。
 怒りに我を忘れた先ほどのように、人間に対して振るうには、危険すぎる力であることは分かっていた。
 以前にかがみと戦った時も、中身へのダメージを懸念し、結局最後まで使うことはなかった。
 それでも、相手があの紫の蛇人と同じ仮面ライダーであるなら。
 生半可な攻撃では傷一つつかないほどの、強固な鎧に守られているのならば。
 中身を傷つける心配をすることなく、遠慮なく叩き込むことができる。
 この振動破砕の力を存分に振るい、鎧のみをぶち砕くことができるはずだ。
(それに……気になることもある)
 そこで視線を、もう片方へとシフト。
 緑の鎧を纏ったかがみではなく、黒の鎧を纏った謎の男を見る。
 マスク越しにこちらを睨むかがみ同様、今はあの黒と赤の男も、静かに佇んでこちらを見ていた。
 ギンガ――その名を口にしたのは、明らかにあの男の方だ。
 もちろん、仮面ライダーに変身する知り合いなどいない。
 であればあの漆黒のライダーは、このデスゲームの中でギンガと出会い、知り合ったに違いない。
 彼と姉はどういう関係なのか。
 どのようにして出会い、どのような行動を取ったのか。
 今は亡き姉の死の瞬間に、この男は関わっていたのか否か。
「そこの人! どうして、ギン姉の……ギンガ・ナカジマの名前を知ってるんですか!?」


 だからホテルに来るのは嫌だったんだ。
 青髪の少女を見やりながら、相川始は思考した。
 仮面ライダーキックホッパーに応戦し、その中でホテル・アグスタとやらへと舞台を移して、気付けばロビーでこの有り様。
 人と接触するのが嫌だったから、わざわざこの場所を避けていたのに、結局このような結果を迎えてしまった。
 しかも、出会った相手が相手だ。
 金髪と赤コートの方は知らない。だが、青髪の少女の方には見覚えがある。
 正確には、同じ管理局とやらの制服を纏った、彼女の姉の方の顔を覚えている。
「お前がスバル・ナカジマだな」
 ギンガ・ナカジマ。
 目の前に立っていた少女の顔は、あの女の顔と瓜二つだった。
 ロングヘアーだった頃はともかく、髪を短く切った時と見比べれば、ほとんど同一人物と言っていい顔立ちだ。
 少なくとも、初めてスバルの姿を見た始にとっては、そうだった。
「ここから去れ。お前の姉……ギンガには借りがある。できれば、お前を殺したくはない」
 真実だ。
 スバルを殺したくないということも。
 このままではスバルを殺してしまうであろうことも。
 あの少女との戦いの中で、今では随分と頭も冴えてきた。
 今なら全開で戦える。余計な雑念のない今なら、全力で殺戮ができてしまう。
 迷いが消えたということは、ジョーカーの本性に抗おうという気が、その分失せてしまったということだ。
 認めたくはないが、これから始まる戦いの中で、いつジョーカーへと変身してしまうかも分からない。
 そうなればこの場の人間は全滅だ。
 仮面ライダーも、赤コートの男も、スバル・ナカジマさえも死んでしまう。
 他の2人はともかく、スバルを殺すことだけは、できることならしたくはない。
 迷いが消えうせてなお、ギンガの遺志を踏みにじることに、強い嫌悪感を抱いている自分がいる。
 故に最後通告として、戦う前に、スバルへとこの場からの撤退を促した。
「っ……そんなこと言われて、引き下がれるわけがないよっ!」
 ああ、そうか。
 お前もそういう人間だったのか。
 どうやら裏目に出てしまったらしい。こいつも姉同様、人を見捨てることができない性分だったらしい。
 馬鹿正直なのか、それとも正義漢なのか。
 どちらにしても、これで決まってしまった。
 もはやギンガの忘れ形見との戦いは、避けられない運命なのだということが。
「……どうなっても知らないぞ」
 カリスラウザーを構え直す。
 敵意を持って、赤と青の2人組を見つめる。
 こうなってしまったのならば、もはや戦わずにはいられない。
 自分の道に立ちはだかってくるというのなら、力で排除することでしか進めない。
 皮肉にも、今の自分は全開だ。
 意識はクリアーに澄み渡っている。たとえこの乱戦の中であろうと、手加減なしで戦えてしまう。
(だが、何だ? この禍々しい感触は……)
 そしてその一方で、分かったことが1つあった。
 雑念を振り払ったことで、新たに感じられるようになったものが1つある。
 ジョーカーの持つ闘争本能――無意識的に戦いを察知する鋭敏な神経が、嫌な胸騒ぎを訴えている。
 何かのオーラを直接当てられたわけではない。
 本当に、ただ嫌な予感がするだけだ。
 ここにこのまま留まれば、何か強大な力に巻き込まれることになるかもしれない。
 その予感の主は目の前の2人組でも、ましてや緑色の仮面ライダーでもない。
 もっと強大で、醜悪で、おぞましい感触だ。
 そう、たとえばあのもう1人の赤コート――ギンガを殺したと思われる男のような。
 そしてギンガが連れていた仲間――桃色の髪の娘に襲いかかった時のような。
 いずれにせよ、ろくな相手でないことは間違いなかった。
 血のような、闇のような。
 奈落の底を流れ続ける、流血の河を思わせる予感が、絶え間なく危険を訴え続けていた。



【1日目 夜中】
【現在地 F-9 ホテル・アグスタ1階ロビー】

【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@リリカルTRIGUNA's】
【状態】疲労(大)、融合、黒髪化九割
【装備】ダンテの赤コート@魔法少女リリカルなのはStylish、アイボリー(5/10)@Devil never strikers
【道具】なし
【思考】
 基本:殺し合いを止める。誰も殺さないし殺させない。
 1.殺し合いを止めつつ、仲間を探す。
 2.スバルと共闘し、始とかがみを止める。
 2.首輪の解除方法を探す。
 3.アーカード、ティアナを警戒。
 4.アンジールと再び出会ったら……。
【備考】
※制限に気付いていません。
※なのは達が別世界から連れて来られている事を知りません。
※ティアナの事を吸血鬼だと思っています。
※ナイブズの記憶を把握しました。またジュライの記憶も取り戻しました。
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付いていません。
※暴走現象は止まりました。
※防衛尖翼を習得しました。

【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】戦闘機人モード、疲労(小)、全身ダメージ小、左腕骨折(処置済み)、ワイシャツ姿、若干の不安と決意
【装備】添え木に使えそうな棒(左腕に包帯で固定)、ジェットエッジ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、救急道具、炭化したチンクの左腕、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、チンクの名簿(内容はせめて哀しみとともに参照)、クロスミラージュ(破損)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪×2(ルルーシュ、シャーリー)
【思考】
 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。
 1.ヴァッシュと共闘し、始とかがみを止める。特に始からは詳しく話を聞きたい。
 2.スカリエッティのアジトへ向かう。
 3.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。
 4.準備が整ったらゆりかごに向かいヴィヴィオを救出する。
 5.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。
 6.状況次第だが、駅の車庫の中身の確保の事も考えておく。
 7.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。
 8.ヴァッシュの件については保留。あまり悪い人ではなさそうだが……?
【備考】
※仲間がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。
※アーカード(名前は知らない)を警戒しています。
※万丈目が殺し合いに乗っていると思っています。
※アンジールが味方かどうか判断しかねています。
※千年リングの中に、バクラの人格が存在している事に気付きました。また、かがみが殺し合いに乗ったのはバクラに唆されたためだと思っています。但し、殺し合いの過酷な環境及び並行世界の話も要因としてあると考えています。
※15人以下になれば開ける事の出来る駅の車庫の存在を把握しました。
※こなたの記憶が操作されている事を知りました。下手に思い出せばこなたの首輪が爆破される可能性があると考えています。

【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状態】仮面ライダーカリス、疲労(小)、背中がギンガの血で濡れている、言葉に出来ない感情、ジョーカー化への欲求徐々に増大
【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード
【道具】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ
【思考】
 基本:皆殺し?
 1.この場を切り抜ける。
 2.生きる為に戦う?
 3.アンデッドの反応があった場所は避けて東に向かう。
 4.エネル、赤いコートの男(=アーカード)を優先的に殺す。アンデッドは……。
 5.アーカードに録音機を渡す?
 6.どこかにあるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。
 7.ギンガの言っていたなのは、はやてが少し気になる(ギンガの死をこのまま無駄に終わらせたくはない)。彼女達に会ったら……?
 8.できればスバルを殺したくないが……
 9.何やら嫌な予感が近付いてきているのを感じる。
【備考】
※ジョーカー化の欲求に抗っています。しかし再びジョーカーになれば自分を抑える自信はありません。
※首輪の解除は不可能と考えています。
※赤いコートの男(=アーカード)がギンガを殺したと思っています。
※主要施設のメールアドレスを把握しました(図書館以外のアドレスがどの場所のものかは不明)。

【柊かがみ@なの☆すた】
【状態】仮面ライダーキックホッパー、疲労(中)、つかさの死への悲しみ、サイドポニー、自分以外の生物に対する激しい憎悪、やさぐれ
【装備】ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ホッパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです、ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【道具】支給品一式、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
 基本:みんな死ねばいいのに……。
 1.この場の人間を皆殺しにする。
 2.他の参加者を皆殺しにして最後に自殺する。
【備考】
※一部の参加者やそれに関する知識が消されています(たびかさなる心身に対するショックで思い出す可能性があります)。
※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。
※「自分は間違っていない」という強い自己暗示のよって怪我の痛みや身体の疲労をある程度感じていません。
※周りのせいで自分が辛い目に遭っていると思っています。
※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。
※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。
※千年リングを装備した事でバクラの人格が目覚めました。以下【バクラ@キャロが千年リングを見つけたそうです】の簡易状態表。
【思考】
 基本:このデスゲームを思いっきり楽しんだ上で相棒の世界へ帰還する。
 1.…………。
 2.当面はかがみをサポート及び誘導して優勝に導くつもりだが、場合によっては新しい宿主を捜す事も視野に入れる。
 3.万丈目に対して……?(恨んではいない)
 4.こなたに興味。
 5.メビウス(ヒビノ・ミライ)は万丈目と同じくこのデスゲームにおいては邪魔な存在。
 6.パラサイトマインドは使用できるのか? もしも出来るのならば……。
【備考】
※千年リングの制限について大まかに気付きましたが、再憑依に必要な正確な時間は分かっていません(少なくとも2時間以上必要である事は把握)。
※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました(もしも自分の知らないキャロなら殺す事に躊躇いはありません)。
※かがみのいる世界が参加者に関係するものが大量に存在する世界だと考えています。
※かがみの悪い事を全て周りのせいにする考え方を気に入っていません(別に訂正する気はないようです)。

【全体の備考】
※F-9の森の中に、装甲車@アンリミテッド・エンドラインが放置されています。


 一歩一歩踏み出す度に、大地が死に絶えていくようだった。
 アスファルトを踏み締める度に、風化し塵となって流れていくようだった。
 死を纏う者――それを表す端的な言葉があるとするなら、そんなところか。
 そこに死が歩いている。
 死を振り撒く存在が、明確な姿形を持ってそこにある。
 そう錯覚させるほどの、おぞましくも禍々しき気配を孕んでいた。

 究極の闇。
 凄まじき戦士。
 古代ベルカ最後の聖王にして、その高潔な心を怒りと憎しみに枯れ果てさせた狂戦士。
 巨大な漆黒と黄金の鎌を携えるさまは、まさしく伝承の死神そのものだ。
 金色のポニーテールを風に踊らせ、新緑と鮮血のオッドアイを殺気に光らせ。
 まるで何かに引き寄せられるかのように、闘争の舞台たるホテル・アグスタの方角へと、一直線に歩いていく。
 愛する母を守るために。
 母を害するものを皆殺しにするために。
 憤怒と憎悪と敵意と殺意を引き連れて、触れるもの全てを切り裂かんがために、闘争の舞台を闊歩する魔神。

 脳裏に反響し続けるのは、少し前まで同行していた、オレンジの髪の少女の声だ。
 一休みするためにも、ホテル・アグスタという所に行こう――命を落とす前に、彼女はそう提案していた。
 行くあてもなく、求める者もいない彼女にとって、唯一それだけが行く先の指針だった。

 もうすぐ、奴がやって来る。
 四つ巴の闘争の舞台に、最悪の第5人目が現れる。
 死神の刃鎌を手に入れた最強の聖王が、禍々しき波となって、ホテル・アグスタへと押し寄せてくるだろう。
 全てを呑み込み、溺れさせんばかりの。
 行く先に立つ万象一切を、ことごとく血で染め上げんばかりの。

 厄災が迫る時は、近い。


【1日目 夜中】
【現在地 H-7】

【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】聖王モード、血塗れ、洗脳による怒り極大、肉体内部に吐血する程のダメージ(現在進行形で蓄積中)
【装備】レリック(刻印ナンバー不明/融合中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、憑神鎌(スケィス)@.hack//Lightning
【道具】支給品一式、フェルの衣装、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはStrikerS、レークイヴェムゼンゼ@なのは×終わクロ、ヴィヴィオのぬいぐるみ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
 基本:なのはママとフェイトママの敵を皆殺しにする、その為に自分がどうなっても構わない。
 1.天道総司を倒してなのはママを助ける。
 2.なのはママとフェイトママを殺した人は優先的に殺す。
 3.頃合を見て、再びゆりかごを動かすために戻ってくる。
 4.ホテル・アグスタに行ってみる。
【備考】
※浅倉威は矢車想(名前は知らない)から自分を守ったヒーローだと思っています。
※矢車とエネル(名前は知らない)を危険視しています。キングは天道総司を助ける善人だと考えています。
※ゼロはルルーシュではなく天道だと考えています。
※ヴィヴィオに適合しないレリックが融合しています。
 その影響により、現在進行形で肉体内部にダメージが徐々に蓄積されており、このまま戦い続ければ命に関わります。
 また、他にも弊害があるかも知れません。他の弊害の有無・内容は後続の書き手さんにお任せします。

Back:きみのたたかいのうた(前編) 時系列順で読む Next:Round ZERO ~GOD FURIOUS
投下順で読む Next:Round ZERO ~GOD FURIOUS
ヴァッシュ・ザ・スタンピード Next:H激戦区/人の想いとは
スバル・ナカジマ Next:H激戦区/人の想いとは
相川始 Next:H激戦区/人の想いとは
柊かがみ Next:H激戦区/人の想いとは
ヴィヴィオ Next:H激戦区/人の想いとは






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