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Iの奇妙な冒険/すたーだすとくるせいだーす ◆7pf62HiyTE




「何よりも困難で幸運なくしては近付けない道のりだった……アジトに近付くという道のりがな……」



「実際、アレ見つけなかったら朝まで迷っていたかもしれなかったですからね。というか、こなたキャラ変わってませんか?」



 目の前には洞窟があった。リインが見たJS事件の資料で見た写真通りだった事からスカリエッティのアジトである事は間違い無い。
「まぁ、アジトって言うからには目立つ様な外見じゃ困るから見つけにくくて当然だけどね」

 幸か不幸か2人は2時間以上も森の中を迷っていた。
 リインが周囲の策敵を行っていたが魔力も人の反応も見受けられなかった為、誰にも遭遇することなく今まで時間が掛かっていたのである。
 そして無事にアジトに辿り着けたのは偶然ある痕跡を見つけた事だ。
 それは血痕、その近辺で戦いが起こった事は明白である。血の乾き具合から見て12時間以上も前のものだと推測出来た。
 血痕は何処かへ移動するかの様に続いていた。それが意味する事は治療の為に何処かの施設への移動、
 この近辺で治療に使えそうな施設はスカリエッティのアジトぐらい、故に2人はそれを辿り移動した。
 勿論、血痕が比較的早期のものというの否定出来ず、危険人物がまだ近くにいる可能性もあった為、慎重に移動した。
 そして慎重に周囲を探った事であるものを発見する事が出来た。それはチンクのナンバーズスーツの残骸だ。
 回収こそしなかったが、これによりチンクが治療の為アジトへ向かった事はほぼ確定した。
 血痕そのものは途中で途切れていたが消された痕跡があった事からも近くにアジトがある事は確実。2人は慎重に周囲を探り今ようやくこの場所にたどり着いたのだ。

 以上の事と、スバル経由で聞いたチンクの動向から次の推測が導き出された。
 チンクと万丈目準がこの近辺で交戦しチンクは負傷し治療の出来そうな施設へ移動した。
 その途中、天上院明日香もしくはユーノ・スクライアの助けを受け移動の痕跡を消した上でアジトにたどり着いた。
 そして治療が終わった後、チンク達は市街地方面へ移動したという事だ。

「……ということは、もうこの施設は調べられちゃったって事?」
「そういう事になりますね。チンクが使える道具を回収しないわけないですし。見落としが無いとは限らないですけど」
「じゃあもしかして無駄足だった?」
「そんな事は無いですよ。この施設を使えばスバルの治療も出来る筈ですし」

 戦闘機人であるスバルは通常の人間の治療があまり有効ではない。それ故に専門の施設が必要となる。
 が、アジトはチンク達戦闘機人の拠点、当然戦闘機人の治療設備は整っている。
 実際チンクがここを訪れた事がその証明と言えよう。

「じゃあ、すぐにでも中に入ろうよ。もしかしたらスバルが先に来ているかも知れないし、来ていなくても治療の準備も出来るし」
 と、足早に洞窟に入ろうとしたがリインが制止する。
「慌てないでくださいよ! 殺し合いに乗った参加者が先回りしていてここに罠を仕掛けたかも知れないんですからね!!
 それでなくても、この場所は敵地なんですよ。どんな罠や危険があるかわかったものじゃありませんよ!」
「そっか、ここはアウェーだったね」
「アニメイトの時を思い出してください。施設に入って安心した所で襲撃を受ける可能性は否定出来ませんよ。あの時助かった幸運が何度も続くわけないんですからね」
「う……」
「それに、アジトは出入り口の限られた場所です。逃げ道を封じられればその時点でこなたもリインもおしまいです。突入は慎重に行うべきですよ」
「じゃあ、安全が確認出来るまではここで待つって事?」
「そういう事になりますね。さっきも言った通り既にチンクが調べたのは確実ですから、現状リイン達が慌てて調べる必要性はないですよ」

 何はともあれ、周囲の警戒は決して怠らず2人はアジトの近くでスバル、もしくは他の仲間の到着を待つ事にした。
 ちなみに今更ながらにこれまで何も食べていなかった事もあり2人は簡単に食事を取る事にした。
 そして食べながらも2人はこれまでの情報を整理する事にした。



「とりあえず、放送の事は大体覚えていますよね」
「うん……」
「あ、誰が死んだかについての話じゃないですから。それ以上に重要な事が幾つかあるですよ」
「殺した人へのボーナスの事?」
「それに関しては殺し合いに乗っていないリイン達にはあまり関係ない話ですよ。
 ただ、殺し合いに乗った人は誰かを殺した時点で新たな武器が手に入る事になりますから、それを避ける為にも今まで以上に身を守らないとならないですよ」
「とりあえずスバル達の為にも生き続けなきゃいけないって事だね」
「そうです。現状、ボーナスに関してはこれ以上出来る事は無いからこれで話を区切りますね。こなた、先程の放送誰が行っていたか覚えていますか?」
「そういえばおばさんじゃなかったね。誰だったかな?」
「こなたが知らないのも無理無いですよ。さっき放送を行ったのはオットー、スカリエッティの戦闘機人の1人でチンク達と同じ姉妹の1人です」
「ふーん……え? それっておかしくない? それはつまりオットーはチンクの姉って事だよね……」
「妹ですよ」
「いや、声が低かったから年上だと……チンクの服も体型が……」
 そう口にした瞬間、自分の体型を思い出しこなたは暗い気持ちになった。
「勝手に自爆しないでくださいよ」
「うん、貧乳はステータスだから大丈夫。希少価値だから大丈夫」
「後で殴って良いですか?」
「それはともかく、リインの話が事実だったらそのスカリエッティ達もおばさん達に協力しているって事になるけど……
 わざわざ自分達の仲間を危険な殺し合いに放り込んでいるって事になるよね。それっておかしくない?」
「まず、前提として説明しますけど主催者側にいるスカリエッティ達は参加者にいるクアットロ、チンク、ディエチとは別世界の可能性が高いです。
 こなたにも分かり易く言えば、参加者の彼女達と主催者達はほぼ無関係という事ですね」
 仮にチンク達が主催者側の人物であれば自分達と協力関係を結ぶ可能性は非常に低い。
 だが、チンクにしてもディエチにしてもこちら側と敵対するつもりが無かった事はルルーシュやスバルの証言からも明らかだ。
 一方、クアットロに関してはこの場での彼女の動向が不明である以上、判別はつけにくい。
 しかし、クアットロの能力や性格を考えれば最も危険な参加者として戦う事はまず有り得ない。裏方に回って他の参加者を扇動する役割に回る方が自然である。
「もっとも、既にチンクとディエチは死亡していますし、クアットロはそれでなくても危険人物ですから今となってはさほど意味を成さない話ですけどね
 むしろ、チンクとディエチが死亡したタイミングだからこそオットーが前面に出てきたと思いますよ。
 チンク達だったらショックを受ける事でも、クアットロはあっさり受け入れるでしょうし」
「1つ気になったんだけど。みんなクアットロを敵だと思っているの?」
「彼女を知る人間はまず彼女を信用していないですよ。信用する人物は余程のお人好しか馬鹿としか言いようがありませんよ」
「……本当にそんな人いないの?」
「シグナムにしてもヴィータにしてもザフィーラにしてもはやてちゃんにしてもそんな馬鹿な事しないですよ」
「それだけ信用されていないんだったら、クアットロ自身も自重しそうな気もするけど…………あれ、誰か忘れてない?」
「………………話進めますよ。
 恐らく主催者側にいるスカリエッティ達はJS事件が終わる前の存在だとだと思います。そして、その戦力を確保していると考えて良いですね」
「もしかして、主催者達との戦いになった時は彼女達と戦う羽目になるって事?」
「その通りです」
 仮に首輪を解除する事に成功し主催者側との戦いに突入出来たとしよう。主催者側は恐らく自身達の持つ戦力を投入するのは明白だ。
 そしてスカリエッティ達の存在が確認出来た今、その戦力はある程度推測出来る。
 単純計算して最低でもJS事件の規模の戦力が控えていると考えて良いだろう。
「それだけじゃないですよ。プレシアの技術力が確かなら遥か未来で起こった事件の首謀者達の戦力を確保しても不思議じゃないです」
「ねぇ、それ何の無理ゲー? それにそれってあくまでも首輪を解除してそこに辿り着いてからの話だよね? まだその段階にすら辿り着けていないんだけど……」
「もしかすると『だから何やっても無駄だから諦めて殺し合え』って言いたい様に聞こえますけど、リイン達は諦めるつもりは全く無いですよ」
「そうだね」

 ふと2人は空を見上げる。空には星と共に月が輝いているのが見える。
「綺麗な満月です」
「……うん、そういえば昨日も綺麗な満月だったよ」
「そうでしたか……あれ? 『昨日も』?」
「ん、どうかした?」
「いや、連日満月なんて有り得ないですよ」
「あ……」
「ちょっと待ってくださいよ……もしかしたらリイン達はとんでもない思い違いをしていたのかも知れないですよ」
「どういう事?」
「今までこの場所に来てから雲を見ましたか?」
「そういえば見た覚えが……でもそれはたまたま天気が良かっただけじゃないの?」
「さっきホテルから離れる時雷の音が聞こえたのは覚えていますよね」

 実の所、先程ホテルから移動する際、遠くから雷鳴の音が聞こえてきたのだ。
 雷そのものを見たわけではない為具体的な場所はわからないが音の方向は西側からというのは把握出来た。
 今更な話だったが、方向が東に寄れてしまったのは無意識のうちに雷を避けていたからかも知れない。

「そういえば……雲1つ無いのに珍しい事もあると思ったけど……」
「普通雲も無いのに雷なんて落ちないですよ。多分、アレは参加者の誰かによるものだと思います」
「そういえば、ヴィヴィオがそんな参加者に出会ったって言っていた様な」
 リインの推測自体は当たっている。もっとも、雷の元凶となっている参加者の周囲には能力による雷雲が構築されていたが、確認していない2人には知る由もない。
「でも、これ自体は別に問題じゃないです。重要なのは『1日中全く雲が発生しない異常気象』という事です。多分、これは意図的によるものだと思いますよ?」
「どうして雲1つない晴れにする必要があるの?」
「雨降っている中歩き回りたいですか?」
「納得」

「それからこなた、カード出して貰えます?」
「これの事?」
 と、こなたは2枚のデュエルモンスターズのカードを出した。
「レイ達の情報が確かならカードで強力なモンスターを使えるという話でしたよね」
「使い捨てみたいだけどね」
「その力がどれぐらいなのかはリインにはわからないですけど、多分それに関しても制限がかかると思いますよ」
「まぁ、ギアスとかにも制限がかかるわけだからそれ自体は不思議じゃないけど……それがどうかした?」
「その制限は何処から発せられていると思います?」
「…………あ!」
 通常、参加者の能力を縛っているのは首輪だと誰もが考える。自分達を拘束しているのが首輪だからそう考えてもおかしくはない。
 では、参加者の能力が絡まない支給品独自の能力、例えばデュエルモンスターズのカード等に関してはどうだろうか?
 参加者自身はほぼノーリスクでその力が使える以上、その力を制限するのは首輪ではない事は明白だ。
 ではカードのモンスターの能力はどうやって制限しているのだろうか?
「このフィールド自体?」
「その通りです。正直、この小さな首輪に種々様々な力全てを制限するのは難しいです。ですが、この舞台全てがその装置だとしたら十分可能です」
「……あれ、ちょっと待って、それってもしかして……」
 これまでの話からこなたの脳内にある仮説が浮かんだ。
「このフィールドはプレシアによって作られたものだったんだよ!!」
「正解ですけど……なに急に口調変えているんですか?」
「『な、なんだってー!』って言ってくれないんだ……」

 殺し合いに都合の良い負の感情を増幅する機能、
 参加者を逃がさない様に端と端とのループ、
 永久に晴れ続け、変わらない夜を作る不自然な空、
 そして多様に存在する力の制限、

 これはこの舞台が殺し合いの為に人為的に作られた空間を示す証拠となり得るだろう。

「なんとかこれでこのフィールドを破壊出来ないかなぁ?」
 こなたは2枚のカードを見つめながらそう口にする。
「残念ですけど、その2体の威力程度はプレシアも計算済みだから無理ですよ。大体それで簡単に突破されたらあまりにもお粗末過ぎじゃないですか」
(でも……カードゲームのカードって組み合わせ次第で色々出来るんだけどね……それこそカードを作った人も知り得ないくらいにね……融合とか何か出来ればさ……)
 もしも、手元に2枚のカードを生かす為のカードがあったならば――こなた自身それが何かはわからないが想像を絶する程の力を発揮すると考えていた。
(ま、無い物ねだりしても仕方ないけど)

 そういいながらカードを仕舞った。





「……という事は、あたし達が助かる為には4つクリアしなければならない問題があるって事?」

 1つ目、殺し合いに乗った参加者を全て無力化する事、
 2つ目、首輪を解除する事、
 3つ目、殺し合いのフィールドから脱出し主催者の元に辿り着く事、
 4つ目、主催者側の戦力を打ち破る事、
 現状、これら全てをクリアしない限りこの殺し合いを打破する事は不可能という事だ。

「っていうか、1つ目すらマトモにやらせてもらっていないんだけど……」
「とりあえず参加者の無力化はリイン達には無理ですから現状は2つ目と3つ目を何とか考えなきゃならないですね」
「……ねぇ、これだけ大規模な舞台だったらその為の装置は相当な大規模になっていると思うんだけど」
「多分、相当な数のロストロギアを使っている可能性は高いですよ」
「前リインは、管理局の助けは期待出来ないって言っていたけど、これだけ大規模なのに気付かないのは流石に馬鹿過ぎるんじゃないの?」
「スカリエッティ達が絡んでいる時点で隠蔽もクリア出来るとは思いますけど……でも、これだけ大規模なのに全く察知されないのも不自然と言えば不自然ですね……」
「でしょ、この舞台がある世界の管理局だったらわかると思……ちょっと待って、逆に考えるんだ『管理局にバレてもいい』と考えれば……」
「いや、管理局にバレたらその時点で踏み込……そうですよこなた、バレても踏み込まれる前に決着を着ければ何の問題も無いですよ」
 リインはJS事件の背景事情である地上の対応の悪さについて簡単に説明をした。
 要点を纏めると管理局と言えども、完全無欠ではなく迅速に対応出来るわけではないという事だ。
 つまり、管理局にこの場所がわかったとしても対応される前に全ての決着を着ければ何の問題も無いという事だ。
 前述の通り主催側の戦力は十分に揃っている。管理局が踏み込んだとしてもある程度の時間は稼げるだろう。
「思い出してください。ボーナスの話を何度も持ち出している事から考えてもプレシア達が早くこの殺し合いを終わらせようとしている事は明らかです。
 つまり、この殺し合いは最初からタイムリミットが存在していたという事になるですよ。ペースを考えてそのタイムリミットは長くても2日程度だと思いますよ」
「……うわ、それじゃあ管理局間に合いそうにないね」
「良くてギリギリです。だからやっぱり援軍は期待出来ないですよ」
「ていうか、残り人数だけで4つの問題をクリアするのってどれだけ無理ゲーなんだろう……」
「嘆きたい気持ちはわかりますけど、とりあえず今生き残っている人を整理するですね」

 放送までに生き残っている人数はこなたを除いて18人。
 その内、相川始、アーカード、アレックス、エネル、金居、ヒビノ・ミライの6名は具体的な人物像が不明瞭なので保留。
 ちなみに赤コートの男がアーカードで雷の男がエネルなのだがこなた達はその事実を知らない。
 次にチンク経由の情報でアンジール・ヒューレーが味方でヴァッシュが敵という情報がある。もっとも、チンクが死亡した今アンジールが殺し合いに乗る可能性があるのが気になる所だ。
 メールからの情報ではキングという名の人物が要注意人物らしい。
 天道総司に関してはヴィヴィオとクラールヴィントからの情報があるもののどちら側かまでは判断が付けられない。
「ここまでで10人です」
「あと、かがみんだけど……今どこで何をしているやら」
 かがみが今も生きている事は嬉しい。しかし、殺し合いに乗っている事実がある以上素直に喜ぶ事が出来ないのが本音だ。
「一度スバルが戦ったけど止められなかった事を考えると難しいかも知れないですね」
「出来ればかがみんにはもう誰も殺して欲しくないし、殺されて欲しくもない」
「この辺はなのはちゃんやスバルを信じるしか無いですね」
 後の7人はリインもよく知る人物だ。
 なのは、はやて、ヴィータ、スバルは機動六課の仲間。先程まで行動していたスバルは頼れる仲間だが、後の3人は状況次第ではどうなっているかわからない。
「はやてちゃんですら危険人物というのがリインとしては辛いですけど」
 クアットロに関しては完全に危険人物だ。保護を頼んだディエチやチンクには悪いが信用は全く出来ない。
「でもクアットロって頭は回るんだよね。幾ら何でも自分が信用されていないとわかっているならそういう無茶はしないと思うけど」
「そう思わせておいて最後に裏切る可能性がありますよ」
「流石に可哀想になって来た気がする」
「同情しちゃダメですよ」
 そしてヴィヴィオ、放送で名前が呼ばれていない為生存は確認出来た。
 だが、彼女を連れ去った容疑者とされていたルーテシア・アルピーノ、キャロ・ル・ルシエ共に死亡しているのが引っかかる。
 勿論、この2人が犯人ではなかったという可能性もある。だが、彼女達がゆりかごに向かう途中でヴィヴィオを残して命を落とした可能性もある。
 それならばヴィヴィオは今何をしているのだろうか?
「でも、リインの話が確かだったらレリックが無い限りゆりかごを起動される心配は無いよね。少なくとも今のところその様子は無いし」
「逆言えばレリックがあれば起動出来……あ、もしも、アニメイトを襲ったのがルーテシアだったの話ですけど、その場合嫌な仮説が……」
 一番の理想はヴィヴィオとレリックが両方そろっている場合だ。その可能性も無いとは言わないが、正直少々都合の良すぎる話だ。
 だが、ルーテシアがヴィヴィオを攫ったと仮定すればどうだろうか?
 ルーテシアの体内にはレリックがある。つまり彼女を殺してそのレリックをヴィヴィオに埋め込めば条件はクリア出来るという事だ。
 おそらく全てが上手く行って余裕の表情でゆりかごにやって来た所を残虐な参加者に仕留められレリックを摘出された可能性がある。
「そんな残酷な……って、誰がそれをやったの?」
「それはわからないです。でも……それを行った人ももう死んでいる可能性がありますよ」
「え?」
「JS事件と同様にヴィヴィオを聖王にして洗脳する可能性があるです……それに放送を聞いたとしたら」
 それを聞いた瞬間、2人の表情が青ざめる。
「ヴィヴィオが大好きな人……みんな死んじゃったんだ……」
「コンシデレーション・コンソールとそのショックでヴィヴィオが全てに復讐する可能性があるです」
 勿論こなたは生きているがそんな理屈は通用しない。死者が多すぎる以上こなたの生存を認識し損なう可能性は非常に高い。
「だけど……JS事件で1度止めているんだよね?」
「あの時は先に装置を牛耳っているクアットロを仕留めて洗脳を解除したから何とか上手く行った様なものです。そんな都合の良い展開に2度もならないです。
 それに一応言っておくですけど、あの状態のヴィヴィオは全力全開のなのはちゃんよりも強いですよ」
「うそぉ……でもさ、よくわからないんだけど他の人のレリックを埋め込んでその時と同じ状態になるのかな?」
「同じ状態にならなければ大丈夫だって言いたそうですが……というか、そんなレリックをポンポン埋め込むのが身体に良いと思っているんですか?
 適合しないレリックを埋め込めば命に関わりますよ」
「つまり……死ぬって事?」
「まぁ、仮説を何重も上塗りした仮説ですからそんな事が実際に起こっているとは限らない……というか思いたくないですけど」
「ヴィヴィオ……天道さん大丈夫かな……?」
「はい? どうして天道って人の名前が出るですか?」
 シャーリーの父親はゼロに殺されていた。そんな中、シャーリーは天道をゼロだと断定しており、ヴィヴィオもその場に居合わせていた。
 もっとも、その後シャーリーはゼロの正体がルルーシュである事を知り、それが誤解だと理解した。勿論、その場所にもヴィヴィオは居合わせている。
 しかしヴィヴィオはルルーシュが残虐なゼロだとは思えなかった。こなたもルルーシュがそこまで悪い人間じゃない事をヴィヴィオに説明している。
 となれば、ヴィヴィオは未だにゼロがルルーシュではなく天道だと誤解する可能性があるだろう。
「というかどうしてシャー……」
「あれ? どうしたの?」
「いや、あっちのシャーリー(本名はシャリオ)を思い出しただけですよ。ともかくシャーリーは天道をゼロだと思ったんですかね?」
「ゼロと断定出来る物を持っていたんじゃない? 何にせよ、ヴィヴィオがあの状態になっていたら天道さんが危ないと……」
「そうそう都合の悪い事になんてならないと思いますけどね」
「なんか起こってそうな気がする」





「そういえば今何時です?」
 こなたが時計を取り出し確認をすると既に9時半を過ぎていた。ちなみに丁度今食事が終わった所だ。
「もう、ホテルでの戦いは終わったかな? 無事だったら良いけど……」
「スバルは強いですからきっと大丈夫ですよ」
 そうこなたには答えたもののリインも不安を感じている。
(でも、何時までもここで待っているわけにはいかないですね。恐らく次の放送で残り人数が15人以下になる可能性は高いですから……)
 駅には15人以下になった時点で開く事の出来る車庫がある。4人死亡したのを確認出来ない限り向かう事は不可能なのでそれが可能となるのは次の放送以降だと考えて良い。
(ただ、同じ事を考えている参加者もいる筈です。戦いになる可能性を考えるとこなたを行かせるべきではないです。
 それに、中の危険を考え突入は控えたけど何時までも只待っているわけにはいかないです。本当に中に誰もいないなら一度入るべきですか?
 もしくは他の施設へ向かうという方法もあるですね。ただ、スバルが来る可能性がある以上下手に動くわけにもいかないです……)
 リインは周囲の様子を探る。しかし、アジト及びその周囲に人がいる気配はない。
(人はいない……そう思ってむやみに動くとアニメイトの二の舞に……)
 そう考えていると、
「リインってユニゾンデバイスって話だけど、ユニゾンデバイスって何?」
「……ていうか今更な話ですね」
 リインは簡単にユニゾンデバイスについて説明をした。
「じゃあ、ユニゾンすれば強い魔法が使えるって事?」
「でも、相性の問題がありますから誰でもってわけにはいかないですよ。リインにしてもはやてちゃんとヴィータ、それにシグナムとしかユニゾンしてないですし」
「ちぇ、ユニゾンしたらあたしも使えるのかなって思ったのに……ところで他にもユニゾンデバイスっているの?」
「1人いますよ。アギト……」
「ん? どうしたの?」
 リインはアギトについての簡単な説明を行った。
 アギトはJS事件ではゼスト・グランガイツとルーテシアと行動を共にしスカリエッティと協力していた。
 JS事件後はシグナムをロードとして八神家の一員となっていたが……
「そっか、アギトの大切な人がみんな死んじゃったんだね」
「リインが支給されていた事から考えてアギトも支給されていると思いますが……心配です」





 2人は空を見上げる。そこには変わらぬ星が輝いていた――
 そしてそんな2人の横を一陣の風が吹き抜けていった――

 輝ける星は幸運の星――
 吹き抜ける風は祝福の風――

 彼女達及び家族や友人達にとってそうである様に――











「あと、ユーノって人がいたよね」
「すっかり忘れていたですよ。無限書庫の司書長をしていて、なのはちゃんが魔法に出会う切欠になった人ですね。
 チンクの話では殺し合いに乗っていないらしいですから多分大丈夫だと思いますが……」
「何か特徴とかってないの?」
「確かPT事件ではフェレットに変身していたって聞いているですよ」
「まさか一緒にお風呂に入ったってオチは……」
「何故わかったんですか? 念の為言っておくですけど、なのはちゃんが9歳の時の話ですよ」
「他に何か分かり易い特徴ってある?」
「どの時期から連れて来られているかわからないですからね……そうだ、ヴィヴィオと声が似ていましたよ」
「ユーノきゅんって男の娘?」
「言いたい事わかりますけど違いますよ!」





【1日目 夜中】
【現在地 C-9 スカリエッティのアジト前】
【泉こなた@なの☆すた】
【状態】健康
【装備】涼宮ハル○の制服(カチューシャ+腕章付き)、リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS
【道具】支給品一式、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's ―LYRICAL KING―、救急箱
【思考】
 基本:かがみん達と『明日』を迎える為、自分の出来る事をする。
 0.スバルの到着を待つ。
 1.スバルやリイン達の足を引っ張らない。
 2.かがみんが心配、これ以上間違いを起こさないで欲しい。
 3.おばさん(プレシア)……アリシアちゃんを生き返らせたいんじゃなくてアリシアちゃんがいた頃に戻りたいんじゃないの?
【備考】
※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。
※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました。また、下手に思い出せば首輪を爆破される可能性があると考えています。
※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。
※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。
※この場所には様々なアニメやマンガ等に出てくる様な世界の人物や物が集まっていると考えています。
※PT事件の概要をリインから聞きました。
※アーカードとエネル(共に名前は知らない)、キングを警戒しています。
※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからヴィヴィオとの合流までの経緯を聞きました。矢車(名前は知らない)と天道についての評価は保留にしています。
※リインと話し合いこのデスゲームに関し以下の仮説を立てました。
 ・通常ではまずわからない程度に殺し合いに都合の良い思考や感情になりやすくする装置が仕掛けられている。
 ・フィールドは幾つかのロストロギアを使い人為的に作られたもの。
 ・ループ、制限、殺し合いに都合の良い思考や感情の誘導はフィールドに仕掛けられた装置によるもの。
 ・タイムリミットは約2日(48時間)、管理局の救出が間に合う可能性は非常に低い。
 ・主催側にスカリエッティ達がいる。但し、参加者のクアットロ達とは別世界の可能性が高い。仮にフィールドを突破してもその後は彼等との戦いが待っている。
 ・現状使える手段ではこのフィールドを瓦解する事はまず不可能。だが、本当に方法は無いのだろうか?
※ヴィヴィオにルーテシアのレリックが埋め込まれ洗脳状態に陥っている可能性に気付きました。また命の危険にも気付いています。
【リインフォースⅡ:思考】
 基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。
 1.このまま待つ? アジトに入る? 駅に向かう? もしくは……
 2.周辺を警戒しいざとなったらすぐに対応する。
 3.はやて(StS)やアギト、他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。
【備考】
※自分の力が制限されている事に気付きました。
※ヴィヴィオ及びクラールヴィントからヴィヴィオとの合流までの経緯を聞きました。
※ヴィヴィオにルーテシアのレリックが埋め込まれ洗脳状態に陥っている可能性に気付きました。また命の危険にも気付いています

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