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Ooze Garden(軟泥の庭) ◆WwbWwZAI1c




このデスゲームの会場にはいくつもの建造物があるが、中には奇妙なものもある。
E-7北西部にある駅もその一つ。
普通なら移動に便利だからと考えて人が集まりそうなものだが、あいにく駅から走る線路の行き着く先は会場外。
当然ながらこれでは集客など覚束ない。
そんな奇妙な駅の近くには奇妙な建造物に相応しく、中身が不明の曰くありげの車庫があった。
そして車庫の唯一の扉の前には、今では破壊されてしまったが、ある立札が掲げられていた。
そこには次のような警告が記されていた。

『残り15人になるまでこの扉は決して開かない。もし無理に開けようとすればそれ相応の罰を与えようではないか』

そのためここへ立ち寄った者は皆こぞって車庫の中身を気にしつつも無理に開けなかった。
早く中身を手に入れたいが、さすがにリスクを冒してまで手に入れようとは思わなかったからだ。
それに時期が来れば自然と扉を開く事ができるのだ。
ここへ来た者は皆同じような結論に至って、そして去って行った。


しかし現在開かずの車庫の中には照明が灯っていて、中に収められている物の前には誰かがいた。


「へー、なるほどね」

それがデスゲーム開始してから初めて車庫に中に入った参加者――ギラファアンデッド、金居の第一声だった。

 ◆

時間を遡ること1時間前。
金居はエネル殺害後、USBメモリの中身を確認するべく市街地に向かっていた。
途中で離脱したので戦闘の疲労もそれほどではなく、何の問題もなくガソリンスタンドを横目にF-8まで足を進めていた。
そんな時だった。
このデスゲームを開いた張本人、プレシア・テスタロッサからコンタクトがあったのは。

――ここまでの活躍見ていたわ。ところで行ってほしい場所があるの。

突然首輪から発せられたプレシアの要件は次のようなものだった。
現在生き残っている参加者の大半が北東C-9にあるスカリエッティのアジトを目指している。
しかもほぼ全員がデスゲームを打ち砕こうとする者ばかり。
だからそこへ行ってどんな方法でもいいから大集団ができないようにしろという事だった。
無論集まった参加者を殺害してくれる方がデスゲーム的には歓迎すると。

これを聞かされた時、最初金居はプレシアの要件を聞き入れる事を渋った。
いくらカテゴリーキングの金居と言えども、何の用意もなくノコノコとそんな場所に飛び込んでいけば返り討ちに遭う可能性が高い。
無力な一般人なら何人集まろうが金居の敵ではないが、アジトにいるのはここまで生き残ってきた参加者だ。
そんな簡単に殺されてくれるほど柔な連中とは思えなかった。
この制限下ではまだ3人までならなんとかなるが、それ以上になるとさすがに成功は覚束ない。

だが建前上プレシアに協力したいと申し出ている以上ここは素直に受け入れた方が得策。
直接的でなくて間接的であれば、例えばある程度時間をかけて不和の種を仕込んで瓦解させる方向なら不可能ではないはず。
それに使いどころが難しいが、いざとなれば先程手に入れた支給品を使えばある程度の結果は残せるだろう。

結局金居は若干渋りつつもプレシアの提案を受け入れたのだった。
すると金居の逡巡を知ってか知らずか、最後にプレシアは意味ありげな言葉を残していった。

――そうだわ、大変そうだから耳寄りな『情報』教えてあげる。荷物調べてみなさい、何か役に立つ『情報』あるかもしれないわよ。

プレシアが何を言いたかったのか、それはすぐに分かった。
敢えて荷物を調べるように促して、しかも『情報』という言葉を強調していった。


現在金居の所持品はかなりの量であったが、この状況でそれに該当するようなものは一つ――これから調べようと思っていたUSBメモリに他ならない。


幸いにも目と鼻の先にあったガソリンスタンドには作業用のパソコンが事務室にあった。
さっそく件のUSBメモリを指し込んでデータを読み込み始めたが、ここで予想外の事態が起きた。


突然金居を中心に転移魔法陣が発動したのだ。


そして金居は何が起こったのか理解する間もなく車庫の中へと強制的に転移させられて――今に至る。

「へー、なるほどね」

最初こそ突然の事態に困惑していた金居だが、目の前に広がる光景を見てある程度理解は出来た。
生物と機械の中間のような独特なメタリックなフォルム。
青と銀を基調とした多脚式ボディーとV字型の金色のモノアイ。
その手足には鋭い鎌が備えられており、しかも完全ステルス機能まで搭載している。
それら寸分違わず同一な5体の兵器が新たな主を待っていた。


それが金居の目の前で機動を待つ機械兵器――ガジェットドローンIV型だった。


車庫内側に備え付けられたパソコンに記されたスペックを見る限り、これらはかなり使えそうだった。
全部で5体と向こうと比べて頭数は足りないが、完全ステルス機能を有効に使えばその差を埋める事は可能だ。
しかも素のスペックも中々侮りがたいものであり、その点も十分満足できるものだった。

「これは報酬の前払いみたいなものか? それならそれに見合った働きはしないといけないな」

若干オーバーにプレシアへの感謝を示しつつ、金居は起動の準備に取りかかった。
もちろん実際にそこまで思っている訳ではない。
一応建前上何か行動する気でいるが、あまり無理をするつもりはない。
一歩間違えればその場の全員と戦うはめになる可能性もあるため、ここは出来るだけ機を窺いたいところだった。

「しかし操作が割と単純で助かった。俺はキングほど詳しくないからな」

確かにこのガジェットの操作方法は然程コンピュータに詳しくない金居でも理解できるものになっていた。
自身の嵌めている首輪を認証させて、それによってガジェットはその者を所有者として認識する。
ちなみに命令は頭で思い浮かべるだけで実行してくれるらしい。
ただしあまり複雑なものは実行できないようなので、その点は気をつけないといけない。

「さて、行くか」

それほど時間をかけずに無事にガジェットを機動させた金居は4体のガジェットをデイバックに収納していた。
そして残った1体のガジェットを飛行形態にさせると、低空飛行でスカリエッティのアジトを目指して移動を開始した。
金居が手の内を見せるかのようにガジェットを移動に使用したのには理由があった。

まずは体力の温存。
出発前に砂糖と拾ったデイパックの中にあった食糧を拝借して体力はほぼ回復したが、温存できるならそれに越した事はない。
ちなみにそのデイパックは荷物を少し整理した際に要らないと判断して、車庫の中に置いてきた。

そして何よりこうする事で相手に油断が生まれると踏んだからだ。
まさかあちらも同じ機体があと4機もあるとは思わないはず。
そういった先入観は隙を作りだし、後々仕事がやりやすくなる。

(さて、去り際に仕掛けた爆弾に引っ掛かるのは誰になるかな)

実は金居は車庫から出る際に扉の内側にエネルの支給品であったクレイモア地雷を2個仕掛けてきたのだ。
どちらも扉が開くと爆発するようにワイヤーを調節しておいた。
別に深い意味はない。
ただ使い道が限られて無用の長物化しそうだった支給品で誰か引っ掛かれば儲けものというぐらいの理由だった。

金居が去って再び人気が無くなると、車庫はまるで何事もなかったかのように見える。
だが実際はその内で哀れな獲物を喰い殺そうと牙が研がれているとは誰が予想出来ようか。


奇妙な駅の曰くありげの車庫はこうして再び不気味な沈黙を守るのだった。


【1日目 真夜中】
【現在地 D-7平野部】
【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード】
【状況】健康、ゼロ(キング)への警戒、ガジェトドローンⅣ型に搭乗中
【装備】ガジェトドローンⅣ型@魔法少女リリカルなのはStrikerS、バベルのハンマー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~
【道具】支給品一式、トランプ@なの魂、砂糖1kg×6、イカリクラッシャー@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、首輪(アグモン、アーカード)、正宗@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、デザートイーグル(4/7)@オリジナル、L、ザフィーラ、エネルのデイパック(道具①・②・③)
【道具①】支給品一式、首輪探知機(電源が切れたため使用不能)@オリジナル、ガムテープ@オリジナル、ラウズカード(ハートのJ、Q、K)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、レリック(刻印ナンバーⅥ、幻術魔法で花に偽装中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪(シグナム)、首輪の考察に関するメモ
【道具②】支給品一式、ランダム支給品(ザフィーラ:1~3)
【道具③】支給品一式、顔写真一覧表@オリジナル、ジェネシスの剣@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、クレイモア地雷×3@リリカル・パニック、ガジェットドローンⅣ型×4@魔法少女リリカルなのはStrikerS
【思考】
 基本:プレシアの殺害。
 1.プレシアの要件通りスカリエッティのアジトに向かい、そこに集まった参加者を排除するor仲違いさせる(無理はしない方向で)。
 2.基本的に集団内に潜んで参加者を利用or攪乱する。強力な参加者には集団をぶつけて消耗を図る(状況次第では自らも戦う)。
 3.利用できるものは利用して、邪魔者は排除する。
【備考】
※この戦いにおいてアンデットの死亡=封印だと考えています。
※殺し合いが難航すればプレシアの介入があり、また首輪が解除できてもその後にプレシアとの戦いがあると考えています。
※参加者が異なる世界・時間から来ている可能性に気付いています。
※変身から最低50分は再変身できない程度に把握しています。
※プレシアが思考を制限する能力を持っているかもしれないと考えています。


 ◆

「どうやら今のところは私に従うみたいね」

アジトに向かって移動を開始した金居をモニター越しに見ながらプレシアは笑みを浮かべていた。
確かに車庫に入る事ができるのは生存者が15人以下になってからだが、実は別の方法でも入る方法はあった。

それが今回金居の使用したUSBメモリを利用する方法だ。

元々あのメモリは情報端末に接続させると『第3回放送後に3人以上の参加者を殺している者はこのメモリを接続すれば力を手に入れる事ができるだろう』というメッセージが表示されるようになっていた。
もちろんそのメッセージは真実であり、その条件を満たせば一度だけ対象者を車庫へ転移させて、そこで車庫の中身を手に入れられる仕組みになっていた。
ちなみに一度発動すればメモリは某スパイ組織のように自動的に消滅されるようにしてある。
実のところプレシアとしてはそのメッセージをきっかけに殺し合いが促進してくれる事を期待していた。
しかし意外な事に今回金居が使用するまで誰もUSBメモリを活用しなかったので、結局プレシアの意図は外れる結果となった。

一方でその車庫の中身であるガジェトドローンⅣ型にもいくつか仕掛けが施されている。
まず元々ゆりかごの防衛機能の一つであるというプログラムを改竄して、最初の所有者の命令を聞くようにセットし直した。
そうしなければ万が一聖王であるヴィヴィオと出会った時、不都合が生じかねなかったからだ。
一応所有者の死後は流用されないように所有者が死亡した場合は機能停止するようにしてある。
それから使い勝手がいいように思念通話を応用して命令手段に組み込ませた。
これは本来魔力を持たない者がデバイスを起動させたりできるようにした仕組みを応用させた。
これ以外にもいくつか改造点はあるが、なのはとヴィータを襲撃した性能は折り紙付きだ。
これらは全てここまでの戦いで力を失ってもまださらに殺し合いに参加できるようにという思惑での改造だった。

(でも最後の一言ですぐに理解するなんて、さすがね)

そう思いつつもプレシアは金居なら十中八九こちらの意図を汲んでくれると確信していた。
それはミラーワールドでの巧妙なやり取りでも薄々実感していた。
だからと言って金居を全面的に信頼するつもりはないのだが。

(さてデスゲームもそろそろ終わりが近づいて来たようね……今回こそは成功させてみるわ……。そのためにも――)

【全体備考】
※F-8のガソリンスタンドが火事になりました(火元は事務室のパソコン)。
※車庫の扉を開くとクレイモア地雷が爆発するようにセットされています。
※車庫内にアレックスのデイパック(支給品一式※食料なし)が放置されています。

【ガジェトドローンⅣ型@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
全5体。多脚生物のような動きを見せるガジェットドローン。
光学迷彩に近いステルス機能と騎士服を易々と貫く攻撃力を有しており、主に奇襲などを得意としている。
ガジェットドローンと呼称されているが、実際はゆりかご内部に備えられた装備であり、スカリエッティの作品ではない。
元々はゆりかごの防衛機構の一つとして装備されているものである。
今回は作中でも触れているようにプレシアによって所有者に従うようにプログラミングされている。



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