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日々の未来(2) ◆gFOqjEuBs6




 仮面ライダーカブトが、短剣を片手にコーカサスに迫る。
 凄まじい速度での攻防。カブトが剣を振るえば、その全て叩き落される。
 圧倒的な戦力差。完全にカブトの動きが見切られているのだ。
 やがて、カブトが振るった攻撃を受け止め、コーカサスが破壊剣を一閃。

「ぐぁっ……!」

 ヒヒイロノカネをまたも切り裂かれたカブトが、数歩後退。
 よろめくカブトの首根っこを掴んだコーカサスが、カブトの首をギリギリと締め上げる。
 ライダースーツ越しに気道を圧迫された天道が、呻きにも似た呼吸音を漏らす。
 このまま首を握りつぶされれば、天道の命は潰える。

「おおおおおおおおおおおおおおおッ!」

 そうはさせないとばかりに響く雄叫び。
 天道の命が潰えるより先にコーカサスの懐に飛び込んだのは、アンジールであった。
 バスターソードを振り上げて、コーカサスへと突貫する。
 されど、コーカサスも黙ってやられはしない。
 物言わぬカブトを放り投げ、アンジールに激突させる。
 カブトとアンジール、二人揃って崩れ落ちた。

「――シュートッ!」
「本当にキリがないな」

 次に行動を起こしたのは、高町なのはだった。
 なのはが放ったアクセルシューターが、無数の光弾を生成し、コーカサスへと迫る。
 放った半分は破壊剣によって打ち砕かれ、うち半分はコーカサスを直撃。
 コーカサスの体表で爆ぜる無数の魔力弾。されど悲しいかな、威力が足りない。
 最強のアンデッドの一角たるコーカサスに、非殺傷設定付きの魔法など通用しない。
 コーカサスが、お返しとばかりに腕を突き出した。同時に生成されるエネルギー弾。
 刹那の内に人一人を殺せるだけの威力に膨れ上がったエネルギー弾が、上空のなのはに迫る。

「ヘァッ!」
「ミライ君!!」

 だが、その間に割り込んだのは、赤と銀と金の戦士――ウルトラマンメビウスだ。
 空を駆け抜けて、誰よりも早くなのはの正面へと割り込んだメビウスの身体に、エネルギー弾が直撃。
 上級アンデッドの持てるエネルギーの爆発が、メビウスの体表で発生する――が。
 それは、メビウスにとっても計算済みの事。

「シュアァッ!!」

 その場の全員が、メビウスの身体に起こった変化に気付いた。
 コーカサスの放ったエネルギー弾。それによる爆発が、不自然なまでに大きく拡がって居た。
 言うなれば、まるで自分の意思で燃え上がる炎の様に――メビウスの身体に纏わりつく爆煙。
 やがて爆煙は、メビウスの意思に応える様に激しく燃えあがり……その身に吸収された。

「へぇ、僕の力を利用して自分の炎に変えちゃったんだ」

 楽しそうに笑うキングを睨み付ける、銀色の視線。
 仲間達との絆の力で体得した、メビウスのタイプチェンジ。
 メビウスの全身に浮かび上がる、真っ赤な炎のファイアーシンボル。
 どんな困難にも絶対に諦めずに立ち向かう、勇気の力――約束の炎。
 どんな窮地に立とうと、最後まで仲間を信じて戦い抜く、俺達の翼。
 ウルトラマンメビウス――メビウスバーニングブレイブ。

「デュアッ!」

 メビウスが突き出した両腕から、真っ赤な火球が飛び出した。
 さながら燃え上がる爆炎を凝縮したような、全てを焼き尽くす炎の塊。
 ウルトラマンタロウですら倒せなかったインペライザーを、一撃で破壊した攻撃。
 反射的に生成されるソリッドシールド。その表面で、大爆発が巻き起こった。
 その衝撃で噴き上がった爆煙が、周囲の全てを飲み込まん勢いで燃え上がる。

「ジュワァァァッ!!」

 爆煙を突き破って現れたのは、炎の弾丸と化したウルトラマンメビウスだ。
 その両足に勇気の炎を纏わせて、ドリルの如き激しい回転を加える。
 ウルトラマンレオと、GUYSの仲間達との修行の末に編み出した、必殺技。
 どんな防御ですら打ち破る、炎のメビウスピンキックだ。

「チッ……」

 メビウスの両足がドリルとなって、ソリッドシールドを抉る。
 燃える炎の身体となったメビウスとの摩擦熱で、シールドから炎が噴き上がる。
 噴き上がった炎はそのままメビウスに吸収され、メビウスに更なる力を与える。
 やがて、メビウスのキックがソリッドシールドを突き破り――

「でもっ……!」

 ――RIDER KICK――

「えっ……!?」

 振り向いた時には、もう遅い。
 コーカサスの死角。赤き装甲が月夜に飛び上がって居た。
 タキオン粒子を加速させ、その右脚に稲妻を纏わせる。
 対象を原子崩壊させる程の威力を誇るライダーキックが、コーカサスの目前まで迫って居た。

「ハァァァァァァァァァァァァッ!!」
「デュァァァァァァァァァァァッ!!」

 燃えるメビウスピンキックと、必殺のライダーキック。
 メビウスの脚が、コーカサスの胸部装甲を焼き尽くさん勢いで砕いた。
 カブトの蹴りが、コーカサスの背部装甲を粉々に粉砕せん勢いで砕いた。
 バチバチと、音が聞こえる。その身に受けた炎と稲妻が、せめぎ合っているのだ。

「やったか!?」

 歓喜の声を上げるアンジール。
 コーカサスの身体から二人分のエネルギーが溢れ出し、その身をよろけさせる。
 爆発する前に飛び退いたメビウスとカブトが、二人並んで構えを取った。
 ウルトラマンと仮面ライダーの、完全勝利だ。
 この場にいる誰もがそう思った。が――

「こんな所でやられてたまるかよ! ディアン・ケトッ!!」

 コーカサスが叫んだ。
 同時に、今し方砕いた装甲が、みるみる内に回復して行く。
 デュエルディスクによる、ディアン・ケトの連続使用。
 先程メビウスに敗北した直後も、同じ方法で回復したのだ。
 戦闘中にこれが出来るのだから、尚更タチが悪い。

「どうやらあのディスクを破壊しない限り、俺達に勝利はないらしいな」
「なら、あのディスクを破壊して、奴を倒すまでです!」

 これで当面の攻撃対象は決定した。
 コーカサスの左腕に装着された白のディスク。まずはあれから破壊する。
 でなければ、いくらダメージを与えて痛めつけた所で、何度だって回復されてしまう。
 されど、この場に居る全員が解って居た。それが簡単な事では無いと言う事に。
 デュエルディスクを破壊されてしまえば、キングは圧倒的に不利になる。
 それが解っていて、黙って破壊などさせる訳がないからだ。

「……こっちの弱点にも気付かれちゃったみたいだし、そろそろこっちも本気で行かせて貰うよ」

 言いながら、コーカサスが歩き出した。
 ゆっくりと、絶対に負けないと言う余裕を見せるかの様に。
 カブトが、ガンモードに変型させたクナイガンから無数の弾丸を発射する。
 同時に、なのはが無数の魔力弾を発射。カブトとなのはによる弾幕が合図となった。
 メビウスとアンジールが同時に駆け出した。それに続いて、カブトも駆け出す。
 コーカサスの盾に全ての弾丸が弾き落されると同時、メビウスがその拳を突き出した。
 燃え上がる爆煙によって攻撃力を数倍に上げた炎のパンチ――

「ハァァッ!!」
「フンッ!」

 されど、コーカサスに届く前に……それどころか盾に届く前に、破壊剣によって叩き落された。
 拳を叩き落され、体勢を崩したメビウスに迫るのは、コーカサスが振るった破壊剣。
 びゅん、と。重たい剣が空気を切り裂いて、メビウスの身体を弾き飛ばした。
 コーカサスの正面からメビウスが崩れ落ちた頃には、カブトとアンジールによる追撃。
 カブトの短剣と、アンジールの大剣を、コーカサスの両の腕が掴み取った。
 狼狽するよりも先に、二人が取った行動は、コーカサスに対する前蹴りだ。

「「ハッ!」」
「効かないっての!」

 二人の蹴りはソリッドシールドによって阻まれる。
 だが、それで終わりはしない。次いで繰り出される、二人の剣戟。
 短剣と大剣が、激しい軌道を描いてソリッドシールドを何度も傷つける。
 がきん、がきん……と、何度か音が響いた後で、コーカサスが行動に出た。

「うざいって」

 一閃。
 カブトの装甲がまたしても引き裂かれ、アンジールの胸板を切先が掠めた。
 二人纏めて崩れ落ちた先には……桜色の魔法陣を展開した高町なのはがそこには居た。
 赤の宝玉を基部に、金色の装飾が成された魔法杖を突き出して、桜色の魔法陣を幾つも描く。
 不屈のエースオブエースの魔法攻撃。それも先程とは比べ物にならない程の砲撃らしい。

「ディバイィイイイイイン……! バスタァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 そして、放たれる一撃。
 桜色の光の奔流が、黄金の身体を飲み込もうと迫る。
 されど、キングも黙ってやられはしない。もう一度右腕を突き出し、エネルギー弾を生成。
 今までよりも力を凝縮して、それを一気に突き出した。
 加速するエネルギー弾と、なのはのディバインバスターが激突する。
 そして巻き起こる大爆発。お互いのエネルギーが相殺しあって起こった事象。
 コーカサスのエネルギー弾には、なのはの砲撃と違ってチャージがない。
 故に、コーカサスはすぐに次の砲撃へと移れるのだ。なのはが砲撃を放ってから、まだ1秒程。
 この一瞬で、なのはが気付くよりも先に決める。爆煙が晴れる前に、コーカサスがエネルギー弾を放った。

『GUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!』
「チッ……またお前か」

 されど、それを阻んだのは白き飛竜・フリードリヒ。
 その身にエネルギー弾の直撃を受けて、苦しそうに悶えていた。
 無慈悲なコーカサスは、そんなフリードに連続でエネルギー弾を放つ。
 一発、二発と、身体が爆ぜる度に悲鳴にも似た叫びを上げる。
 やがて、三発目を放とうとした、その時であった。

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 懐に飛び込んできたのは、ウルトラマンメビウス。
 タックルの要領で飛び込んできたメビウスの背中に、肘の一撃を叩き込んだ。
 アンデッドの刺々しい装甲と、力を象徴するスペードスートの王の怪力。
 そこから繰り出される肘打ちは強烈で、一撃でメビウスをアスファルトに叩き落した。
 同時に、背後から飛び込んでくる回し蹴り。仮面ライダーカブトによる攻撃だ。
 それを振り抜いた破壊剣で叩き落し、もう一撃、カブトの装甲に破壊剣を叩き込む。
 崩れ落ちるカブト。すかさず、アンジールがバスターソードを振り上げた。
 ソリッドシールドで防ぎ、右脚の重たいキックを見舞う。
 アスファルトを転がるアンジールを尻目に、立ち上がったメビウスがその拳を振るう。
 コーカサスがその腕を絡め取って、勢いそのままに、立ち上がり様のカブトへとブン投げた。

「「ぐぁっ……!」」

 メビウスと激突し、再び崩れ落ちるカブト。
 同時に響く獣の咆哮。その身に鞭打って、空を翔けて来た飛竜による尻尾攻撃だ。
 だが、それは既に一度コーカサスに使った手段だ。そう上手くいく筈も無く――。
 尻尾がコーカサスの身体を打つ前に、コーカサスがその尻尾を掴み取った。
 そのままジャイアントスイングの要領で振り回し、投げ飛ばす。
 その先に居るのは――

「フリード!!」

 高町なのはだ。
 何度も振り回され、平衡感覚を失ったフリードに、自ら回避など出来る訳がない。
 かといって、なのはが回避してしまえば、フリードは硬いアスファルトに激突してしまう。
 そこでなのはが取った行動は、魔法によるフリードの身体の保護であった。
 アクティブガード。まずは低速の爆風でフリードの加速を和らげる。
 ホールディングネット。魔力で構成されたネットが、フリードの身体を優しく受け止めた。
 咄嗟の状況でもこれらの判断を一瞬でこなしたあたり、流石エースオブエースと言える。
 やがて、体力を使い果たしたフリードの身体は、小さな竜のそれへと戻って行った。
 仮面の下でつまらなさそうな表情を浮かべるコーカサスであったが、しかし退屈はしない。

「えいっ!」

 連続で繰り出される無数のエネルギー弾。
 空を駆け抜け、それらを回避するなのはであったが……エネルギー弾は、何処までもなのはを追尾する。
 いくら空を駆け抜けても脱げ切れぬ事を悟ったなのはは、自らの魔法で相殺に掛る。
 が、大量に発射され続けるエネルギー弾全てを撃ち落とす事など不可能。
 数発を自らの魔法で叩き落すも、残りは交わしきれず、シールドで防ぐしかなくなった。
 されど、無慈悲なコーカサスはエネルギー弾の発射を止めはしない。

「ハァァァァァッ!!」

 もう一度起き上がったアンジールが、その大剣を突き立てた。
 切先の無いバスターソードはコーカサスの盾にぶち当たり、大幅に減速。
 その隙にコーカサスが、アンジールへと破壊剣を振り下ろした。
 咄嗟にバスターソードを構え直し、それに備えるアンジール。
 防御の為に一瞬だけがら空きになったアンジールのボディに叩き込むのは、重たいキック。
 黄金の脚がアンジールの胸板を強打し、その肋骨をへし折る。
 アンジールが、盛大に真っ赤な血液を吐いて吹っ飛んだ。
 それと同時に、上空で巻き起こる爆発音。コーカサスのエネルギーが、なのはのシールドを破ったのだ。
 白いドレスを回転させながら、アスファルトへと落下して行く高町なのは。

「アンジールッ……! クソッ!」
「なのはちゃん!! うわぁぁぁぁぁぁ!!」

 もう一度駆け出したカブトとメビウス。
 カブトが振り抜いた短刀を破壊剣で弾き返し、その仮面に拳を叩き込んだ。
 カブトの頭が揺れて、真っ赤なマスクに亀裂が入る。さらに、追撃とばかりに振り抜かれる破壊剣。
 ヒヒイロノカネを叩き割って余りある衝撃が、天道の身体を襲う。
 アンジール同様肋骨をへし折られたカブトが、盛大に吹っ飛んだ。
 そこに迫りくる真っ赤な炎の闘士、ウルトラマンメビウス。
 メビウスの拳を黄金の盾で受け止めて、下方から破壊剣を振り上げた。
 ボディを切り裂かれたメビウスが、大きく仰け反り――隙だらけになった身体に、キックを叩き込む。
 呻きとも取れる叫びを上げながら、メビウスが後方へと吹っ飛んだ。

「どんなものかと思ったら、この程度? 正義のヒーローが聞いて呆れるね!」

 最早立ち上がらなくなった一同を嘲笑うように、コーカサスが両手を広げた。
 かろうじて意識を保って居た一同が、よろめきながらも立ち上がる。
 メビウスに、カブト。アンジールに、なのは。満身創痍ながらも、その身に鞭打って。
 ここで自分達が負けたら、こいつはきっともっと多くの災厄を撒き散らすことだろう。
 そんな事は、絶対に許せない。もう二度と、こんな奴の為に、誰かが悲しむ涙を見たくはないのだ。

「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」

 メビウスが、自らを奮い立たせるように、咆哮した。
 夜の街に、ウルトラマンメビウスの雄叫びが響き渡る。
 両腕を振って、最早立つ事すらままならない身体で、アスファルトを蹴った。
 全速力で、コーカサスに向かって駆け出すメビウス。
 対するコーカサスは、右手を突き出し、無数のエネルギー弾を発射。
 ――するも、命中はしない。メビウスの炎によって、軌道を逸らされたエネルギー弾が、メビウスの後方で爆発するのみ。
 メビウスが駆け抜けた道を……アスファルトが、瓦礫が。炸裂、爆発――爆煙を振り払う様に、メビウスは叫んだ。

「絶対に守るんだッ! 皆の命を、皆の思い出を……! 僕達の、未来をッ!!!」

 メビウスの叫びをその耳に聞いたカブトが、僅かに顔を上げた。
 メビウスの思いに心揺さぶられたアンジールが、その眼光でコーカサスを捉えた。
 そうだ。命を守る為に戦い続けてきた自分達が、こんな所で負けていい筈がない。
 生きとし生ける命を……アメンボから人間まで、全ての命を守ると誓ったのだ。
 人々を救い、その命を守る為に、揺るがぬ決意と共に、神羅に入ったのだ。
 それが天道総司と、アンジール・ヒューレーという男の生き様なのだ。
 気付いた時にはカブトとアンジールも、メビウスに続いて走り出していた。

「デュァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 燃え盛るメビウスの剣が、ソリッドシールドに激突した。
 メビュームブレードが、ソリッドシールドに食い込んだ。
 絶対に諦めない。守りたい気持ちがあれば、こんな盾だって壊せる筈だ。
 メビウスの魂の炎が燃え上がると同時に、メビウスの剣が爆煙の如き炎を噴き出した。
 ソリッドシールドを侵食して、焼き尽くさん勢いで燃え上がるメビュームブレード。
 そして――ついに、ソリッドシールドが焼き裂かれた。同時に、迫りくる破壊剣。
 ソリッドシールドの破壊と同時に、メビウスの胸部を破壊剣が強打した。
 その場に崩れ落ちるメビウス。だが、その想いは絶対に無駄にはしない。

「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」」

 両腕で大剣を構えて、真っ直ぐにアンジールが飛び込んだ。
 片手で短刀を構え、コーカサスの直前で腰を屈め、一気に振り抜いた。
 二人が狙った標的は、キングの左腕に装着されたデュエルディスク。
 これさえ破壊すれば、この勝負は貰ったも同然――なのだが。

「フンッ!」

 キングが、左の腕を――その掌を自ら突き出した。
 掌にエネルギーを集中させて、二人の刃を受け止めたのだ。
 黒金に煌めくバスターソード。黄金に輝くカブトクナイガン。
 その二つの切先を、掌一つで受け止めて、二人分の力と拮抗する。
 それでも、負けてなるものかとカブトとアンジールが構えた刃に力を込める。
 同時に、二人の攻撃に応える様に――キングが、掌に集中させたエネルギーを解き放った。


「なっ……うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
「ぐぁ……ぁぁぁぁああああああああああああああああっ!!」

 カブトとアンジールの身体が、まるで紙きれの様に吹き飛んだ。
 数十メートル吹き飛ばされた二人の身体が、後方のコンクリートの壁に激突。
 力無く崩れ落ちる二人。今度こそ全ての力が抜け落ちていくようだった。
 これだけの攻撃を加えても、少し本気になられただけで、こうも実力差が開いてしまう。
 守るだけでは、勝てないのか――そんな考えを振り払う様に、カブトが頭を振った。
 カブトの仮面の亀裂からは血が溢れ出している。アンジールはその口から血液を流し、倒れ込む。
 メビウスは最後の力を振り絞った攻撃でカウンターをくらい、立ち上がる事すらままならない。
 なのはは先程の攻撃に次いで、無駄に魔力を消耗した事、コーカサスの攻撃を防ぎきった事で、魔力残量など無いに等しい。
 最早この場に居る全員が、満身創痍。最強のアンデッドの一角たるコーカサスには、誰も勝てはしなかった。

「あれ? なのはだけなんかダメージ少ないよね。バランス悪いなぁ」
「……キング……貴方と言う人は……っ!」
「いいね、いいよその眼! じゃあ最初に死んでね」

 コーカサスを睨み付けるなのはに放たれた一言。
 それは、なのはに絶望すら与える言葉であった。
 最早、キングの攻撃を防ぎきるだけの魔力は無い。
 かと言って、もう自分を守ってくれるものはいない。
 今度こそ、チェックメイトだ。

「ばいばい」

 コーカサスが、その腕を突き出した。
 今度はエネルギー弾では無い。エネルギーを光線にして吐き出す攻撃。
 全ての上級アンデッドが持つ、エネルギー派による攻撃だ。
 そんな物を受ければ、いくらバリアジャケットを装着していようと、耐えられる筈がない。

(ごめん、フェイトちゃん……ヴィヴィオ……)

 自分の最期を想像し、目を瞑る。
 最期に大切な親友と、掛け替えのない娘を心に思い描いて。
 出来る事なら、最期にもう一度だけ会いたかったな、と思う。
 誰よりも信頼出来る親友に、守ると誓った一人娘の笑顔を思い浮かべて――


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高町なのは(StS)
天道総司
クアットロ
ヒビノ・ミライ
キング






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