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Beautiful Amulet(後編) ◆gFOqjEuBs6




 広いラボとは言え、彼女ら二人による戦場としては些か狭く感じられる。
 びゅおん、と風が唸る音は、しかし第三者にとっては耳を劈かれる程の高音であった。
 トーレが紫の閃光となって駆け抜ければ、覇王が床を蹴って、縦横無尽に跳び回る。
 二人が動く度に研究室に設置された備品が破壊されてゆき、戦闘の傷跡が刻まれてゆく。
 研究品は地べたへぶち撒けられ、ガラス類は音を立てて割れ、照明は破裂して無くなる。
 これで何度目の接触になるだろうか。
 大股で飛び跳ねた覇王と、音速を越えたトーレが接触した。
 どごんっ! という不吉な音と共に、覇王の腹部に強烈な一撃が叩き込まれる。
 それが蹴りか、拳か、はたまたそれ以外の何かか、なんて事は解りはしない。
 何の加速手段も持たない覇王では、トーレ相手にはハンデが大きすぎる。

「はっ……はぁっ……はぁ――」

 息も絶え絶えに、覇王がフラ付く脚で床を踏み締める。
 頭部に装着していた漆黒のバイザーはとうに破壊された。
 騎士甲冑は腹部から大きく裂け。
 スカートやソックスは切り傷だらけ。
 手甲はひび割れ、腕だって切り傷だらけだ。
 白い素肌をあちこち露出させるも、それは赤い血液によって汚れて見える。
 肩口から滴り落ちる血液を手で押えながら、覇王は揺れる視界で前を見据える。
 蒼と紺のオッドアイが、紫の閃光を捉えた――

「ハ――っ、ぐぅ!」

 紫の閃光に向けて、覇王の拳を叩き込んだ。
 同時に閃光は掻き消えて、拳に鋭い痛みが走る。
 今の一撃で、右腕に装着していた手甲がばらばらに砕けた。
 かつん、と音を立てて落下した手甲だったものなど意にも介さず、方向転換。
 180度身体を回転させ、両腕でガードの姿勢を作る。

「――ッ!」

 感じたのは衝撃。
 鋭いのか鈍いのか、今はもう解らない痛みを両腕に感じ。
 気付いた時には自分の身体は大きく後方へと吹き飛ばされていた。
 がしゃん! とけたたましい音を響かせて、覇王の身体が後方のデスクに叩き付けられた。
 何に使うのかも良く解らない研究資料が散らばって、覇王の眼前で舞う。
 眼前の紙切れを振り払い、覇王はそれでももう一度立ち上がった。

「どうやらそれなりの根性はあるようだねぇ、覇王」

 嘲笑う様なスカリエッティの声が聞こえた。
 蒼と紺の双眸(オッドアイ)に白衣の男を捉えて、しかし今はトーレの襲撃に備え、拳を握り締める。
 戦えば戦う程、攻撃を受ければ受ける程、戦いという行為そのものに没頭してゆくのが解る。
 しかし、これで良く解った。どうやら自分は、こういう人種らしい。
 戦いの中でしか自分を見出せない、どうしようもない戦闘狂。
 戦えば戦う程、使命感よりも自分自身の本能が暴れ出す。
 靄が掛かって居た感覚は、今では随分と敏感に感じる。
 そうだ。これが……これこそが、本当の覇王の戦い。
 忘れようもない、この感情こそが、本当の自分なのだ!

「――ツァッ!」

 左脚を軸に、振り上げたのは覇王によるハイキック。
 右足の甲が紫の閃光を捉えたかと思えば、覇王のブーツはボロボロに引き裂かれていた。
 右足のソックスは最早細切れとなって消え、白く細長い脚を守るものは何もない。
 血まみれになった右脚が床を踏み締めるよりも先に、覇王の身体に激痛が走る。
 腹部に酷く重たい一撃を受けて、それを痛みと捉える頃には自分の身体は床を転がって居た。
 くの字に折れ曲がった身体は、何度か床にたたき付けられて、止まる。

「これは面白いなぁ。少しずつトーレの動きに追い付いているようだが、もうボロボロじゃないか」

 スカリエッティの笑い声。
 耳障りな笑いを聞き流して、それでも覇王は立ち上がる。
 普通なら到底立ち上がれない程のダメージを受けて、それでも。
 やがて白衣の標的を守る様に、トーレがしゅたっと着地した。
 それも余裕の態度で、で。ナンバーズ最強と謳われた面目躍如であろう。
 しかし、それでも覇王は砕けない。覇王の意思は砕かれない。
 濃紺のナンバーズスーツをギラつく双眸で睨み付け、不敵に構えて見せる。

「……どうやら、まだ何か秘策でもあるようだね」
「いえ、そんなものはありません」
「ほう、ならば諦めでもしたのかね」
「御冗談を。覇王の悲願を成し遂げるまで、私は諦める訳には行きません」
「成程、覇王は単なる戦闘狂(バトルマニア)か」

 違いない。
 戦闘の中で、こんなにボロボロにされてすら、楽しいと思える自分が居る。
 これは誰に植え付けられた感情でも無い。自分自身の、自分だけの確固たる意志だ。
 目の前にこれだけ強い敵がいるのだから、自分には覇王の力を見せつける義務がある。
 この程度の相手に、覇王がただやられるだけであって良い訳がないのだ。
 そうだ。覇王は、ベルカ最強の王でなければならないのだから――!

「私は貴女を倒し、証明しなければならない」

 覇王が最強である事を。
 覇王に負けなどありえぬ事を。
 そうだ。自分はその為に生まれて来たのだから!

「それが、あの人と、私の悲願――!」

 嗚呼、今ようやく解った。
 これこそが、自分の望みなのだ。
 本能が求めて止まない、この身体に刻まれた記憶。
 この悲しい記憶は、覇王の悲願を成し遂げんと、燻っているのだ。
 なれば、どうしてこんな所で負けていられようか。
 そうだ。自分はここで立ち止まる訳にはいかないのだ。
 自分が自分である為に、見失った自分を取り戻すために!

「そうだ、だから、わたしは!」

 蒼と紺のオッドアイを、カッと見開いた。
 ゆらりと構えをとり、ボロボロになった拳をトーレへと向ける。
 ここからが本当の戦いだ。ここからが、本当の自分だ。
 そう言わんばかりに、大きく息を吸い込んで、

「アインハルト・ストラトス――参ります!」

 高らかにその真名を宣言した。
 アインハルト・ストラトスとは、覇王の記憶を受け継ぎし者。
 覇王の悲願をその拳に秘めて、揺るがぬ最強を追い求める少女。
 その拳を握り締め、紫の閃光となったトーレの襲撃に備える。
 強烈なまでの殺気が急迫して来るのが、加速能力の無い自分にも解る。
 そこに拳を突き入れて――だけどそれは、すぐに痛みへと変わった。

「――ぐぅっ!?」

 一瞬の出来事だ。
 拳が閃光を捉えたかと思った矢先、感じた衝撃は痛みとなって全身を駆け巡る。
 緑と白の胸部に強烈な打撃を叩き込まれて、身に纏っていた騎士甲冑が破れ裂ける。
 かろうじて見えてはいけない箇所は露出していないものの、それでも随分と露出の多い姿になってしまった。
 胸も、腹も、手も、脚も、そのあちこちから赤の血に彩られた生肌を晒して。
 だけど、今度は倒れる事無く、折れてしまいそうな華奢な脚で、床を踏み締め。

「…………?」

 流石にスカリエッティも不自然に感じたのだろう。
 眉根をぴくりとひそませて、えも言われぬ不快感に、焦慮の色を浮かばせる。
 そんなスカリエッティを見るや、アインハルトはまたも不敵に瞳をギラつかせ。
 スカリエッティの傍に着地したトーレを鋭く睨み付け、

「貴女の拳法、見切らせて頂きました――!」

 ぐっ、と拳を握り締め、そうのたまう。
 音速で動ける者と、常人の速度でしか動けぬ者。
 その二人がぶつかりあって、後者が勝てる訳などない。
 あの博士だってそう思ったからこそ、トーレを最後の切り札としたのだろう。
 実際、かつて一度だけ敗れたのも、同じく音速で動ける魔道師が相手であったからだ。
 何の加速力も持たないアインハルトに、勝利する道理などあり得ない。
 ――筈だった。

「貴様……言うに事欠いて“見切った”だと? その程度の速度で、私をナメているのか」

 トーレが、苛立ちの視線をぶつける。
 だれど、そんな苛立ちなどは意に介さず。
 意識を集中させて、構えを取る。
 再びトーレが音速を越えた時こそが、勝負だ。
 周囲の殺気全てに意識を尖らせて――トーレの姿が、掻き消えた。
 ――今だ!

「勝負ッ!」

 高らかに宣言し、拳を突き出す。
 最早何度目になるかも解らない両者の激突。
 音速を越えたトーレと、アインハルトの拳が接触した。
 めき、と……耳朶を打つのは、何かが壊れる際の破損音。
 アインハルトの表情に、僅かな余裕が浮かんだ。

「な……にぃッ!?」

 驚愕の声を上げたのはトーレの方だ。
 アインハルトの両手が、トーレの両の拳を握り締めていた。
 刹那、トーレの両腕に装着されていた手甲が粉々に砕けて、地へと落ちてゆく。
 エネルギー翼を展開する為に使用していた手甲が、今完全に破壊されたのだ。
 光の翼を失ったトーレに、これ以上の音速稼働は不可能――!

「ハァッ!」

 アインハルトの掌が、トーレの両手を叩き落した。
 未だ瞠目したままのトーレの顔面を、覇王の拳が強打する。
 初めての反撃。初めての、確かなダメージを伴った反撃。
 鮮血を吐き出したトーレが、数歩後じさる。

「貴様ッ……最初からこれを!」
「ええ、砕かせて頂きました。貴女の加速の原動力――!」

 アインハルトは、最初からこれを狙っていたのだ。
 音速で動くトーレに打撃を叩き込まれるだけに見えて、実はそうではなかった。
 少しずつ、少しずつ、その動きはトーレに追い付く様になってゆき。
 加速の原動力が、全身に装着された光の翼なのだと気付いてからは、早かった。
 敵が攻撃の為に切迫する一瞬ごとに、少しずつ覇王の拳で打撃を与え。
 ついに今、この瞬間、トーレのインパルスブレードをこの拳で砕いたのだ。

「貴様ァッ……!!」

 しかし、それでもトーレの速度は常人を遥かに超えていた。
 尋常ならざる速度で飛び込んで来たトーレが、その拳を突き出す。
 それに対しアインハルトもまた拳で返し――拳と拳が激突した。
 トーレが次の行動を起こす前に、アインハルトがもう一方の手でトーレの拳を叩き落す。
 しかし、流石にそう上手くは行かぬもの。

「――ツッ!!」

 それは果たして、どちらが上げた声なのか。
 トーレの顔面をアインハルトの拳が殴りつけた。
 アインハルトの腹部にトーレのアッパーが叩き込まれた。
 二人の拳はほぼ同時。二人揃って後方へと跳び退り、それでも構えて立って見せる。

「「ハッ!」」

 二人が大地を蹴ったのもまた、ほぼ同時であった。
 再び急迫した二人は、凄まじい速度で拳の応酬を繰り返す。
 攻める為、守る為、受け流す為。目にも止まらぬ速度で二人の拳がぶつかり合う。
 しかし、お互いに少しずつ打撃がヒットしているのもまた、疑いようのない事実。
 先に力尽きた方が負ける。そんな消耗戦が延々と続いて――やはり変化は、唐突に訪れる。

「――っ!?」

 戦場に、ぱきっ、と響く破壊音。
 小さな音に始まった破壊音は、やがて大きな音へと変わってゆき。
 次の瞬間には、トーレの太腿に装着されて居たインパルスブレードが砕け落ちた。
 床に当たってかつん、と音を立てるインパルスブレードなど意に介さず、アインハルトは攻撃を続ける。
 二人の攻撃は最早並の人間では着いて行けぬレベルだ。
 故にアインハルト以外の誰もが気付かなかった。
 打撃の応酬の中で、少しずつ残ったインパルスブレードにもダメージが蓄積されていた事を。
 そして、それに気付いたアインハルトが、少しずつ打撃を突き入れ、これを破壊した事を。
 両の脚の機動力を大幅に奪われたトーレの動きが、一瞬とは言え鈍った。
 好機だ。アインハルトの裏拳が、拳の弾幕を掻い潜って、トーレの顔面を強打した。
 鼻孔から血を垂らして、トーレが大きく後ろに倒れ込む。
 アインハルトもまた、一歩引いて、ゆらりと構えを取り直した。
 むくりと起き上がったトーレが、恨めしげにアインハルトを睨み付ける。

「貴様、私のスピードに着いて来るとは――!」
「言った筈です、貴女の拳は既に見切ったと!」

 お互いに間合いを取り合い――同時に駆け出す。
 再び肉薄し、しかし今度は先程までとは違う。
 最早トーレがアインハルトの拳に完璧に対応し切る事は無く。
 動きの鈍ったトーレでは、繰り出した拳の半分近くを防ぎ切れない。
 打ち漏らしたアインハルトの拳はトーレの身体を打撃し、その度にダメージが蓄積されてゆく。
 寧ろ、ここまでやって立って居られるだけでも、相当な精神力を持っていると言える方だった。
 トーレの血とアインハルトの血が絡み合って、最早お互いの拳に着いた血はどちらのものなのかもわからない。
 血で血を洗うこんな戦いに終止符を打たんと動いたのはアインハルトだった。

「ハッ!」
「――!?」

 トーレが拳に気を取られ、全てのガードを一点に集中させた。
 好機再び。これを隙と見たアインハルトは、トーレの身長程まで跳躍し。
 空中から振り下ろす、強烈な回し蹴りが、トーレの頭部を抉らん勢いで叩き付けられた。
 今の一撃で、トーレの身体がぴくりと痙攣したかと思えば、そのまま宙へと浮かぶ。
 未だ奴に意識があるのかどうかは解らない。だけど、勝負を決めるなら今だ。

 最早ボロボロになったブーツで、床を踏み締める。
 ギャリギャリ、とブーツと床が擦れる音が響いて。
 拳を構え、一気に倒れ込もうとするトーレの懐に飛び込んだ。
 この戦いに終止符を打つに相応しい、現状における最大威力の必殺技。
 古代ベルカの覇王の影をこの身に重ねて、アインハルトは跳んだ。
 そして――!!

 ――覇 王 断 空 拳 !

 歯を食いしばり、心中で裂帛の絶叫を迸らせる。
 ここに輝く無敵の拳。目に物見せるは覇王流。
 これこそが、最強にして最大の最終奥義だ!

「カッ――ハァッ!」

 白目を剥いたトーレが、血液やら胃液やらを含んだ体液を吐き出した。
 どごぉんっ!! と言う壮絶な音と共に、アインハルトの拳がトーレの腹部を抉ったのだ。
 空気を寸断し、相手を確実に仕留めるだけの威力を持った覇王の最終必殺技。
 それをまともに受けたトーレは、これ以上ぴくりとも動かず地面へと落下していった。

「はぁ……はっ……はぁっ……はぁ……!」

 瞬間、どっと疲労が押し寄せる。
 今まで蓄積されて居たダメージが、大挙して押し寄せて来たのだ。
 状況を一言で言うなら、立って居るのもやっと、と言った所か。
 全身ボロボロに敗れ壊れた騎士甲冑を、赤黒い血で汚して、がくりと膝を下ろす。
 地に膝をついて、全身に感じる寒気を振り払う様に、蒼と紺の双眸で前を見据える。
 そんなアインハルトの耳朶を打ったのは。

「いやぁ、強い強い。まさかここまでやるとは思わなかったよ」

 ぱち、ぱち、ぱち、と。
 手を叩きながら、歩を進めるのは当初の標的、スカリエッティだ。
 最後の切り札たるトーレが敗れたというのに、その表情には一切の陰りがない。
 まるでまだまだ隠し玉はありますよ、とでも言いたげに――悠然と歩を進める。
 アインハルトは憮然とした態度で、それでも再び立ち上がった。

「しかし、残念ながら君のファイナルゲームはまだまだこれからだ」
「何……を――」
「そう驚くこともあるまい。私が何もせずに終わる男に見えるのかね?
 ……いやしかし、君がここまで強かったのは私にとってもある意味僥倖だよ。
 もしもトーレが勝って居たら、折角用意した最後のゲームが無駄になってしまう所だったからね」

 負け惜しみ、という訳でもなさそうだった。
 最早立つ事すらもままならぬアインハルトに対してゲームとは、如何なる了見か。
 とはいえ、まだスカリエッティを叩き潰すだけの力くらいは残っている筈だ。
 体中から力を振り絞れば、目の前の博士を血祭りに上げるくらいは出来よう。
 ずん、と脚を踏み出し、下手を起こされる前にとスカリエッティへと歩み寄る。

「おっと、安心してくれたまえよ。私にこれ以上戦うつもりはないさ
 デスゲームの主催陣営対決においては、どうやら私の負けのようだ。それは認めよう」

 極めて愉快そうに笑いながら、

「しかし、私一人で終わる訳じゃあない。君に最後のゲームに参加する資格を与えようと思う」

 手元のコンソールを叩いた。
 既にセッティングは完了していたらしい。
 ボタンひとつで、異変は起こった。

『自爆装置作動。10分以内に退去して下さい。繰り返します――』

 最初は、まるで意味が解らなかった。
 突如として鳴り響いた警報と、今も成り続ける警告音声。
 赤いアラートランプに照らされたアインハルトは、碧銀の髪を揺らして、白衣の男に視線を向ける。
 瞠目だ。何が起こったのか、何を考えているのか、さっぱり解らない、と。
 そんな思いを、未だ幼さの残った表情で訴えかける。

「おや、何を驚いているのかね。君はプレシアの最後の駒だろう?
 つまり、君が死んだ時点で私もプレシアもゲームオーバー……そういう事だ」
「理解、出来ません……」
「ならば些か解り易くしてみよう。私はここで君に殺される。
 だが、どうせ死ぬなら、君を道連れに逝く。どうだね、解りやすいだろう?」
「理解……出来ません……」

 ここで、自分は死ぬのか?
 そんな事、容認できる訳がない。
 自分にはまだ、覇王の悲願を成し遂げると言う大義名分が残っているのだ。
 それまで死ぬ訳には行かないし、戦いに勝ったのに死ぬとあらば尚更理解出来ない。

「だが、ゲームである以上はフェアでなければいけない。君にはまだ最後のチャンスがある」
「チャン、ス……?」
「ああそうだ。10分……いや、9分程度か、残された時間はまだあるのだよ?」

 時間は、まだある――!
 それを理解するや否や、アインハルトは踵を返していた。
 身体は重たい。動かせば激痛に肉が張り裂けてしまいそうになる。
 だけど、それでも、ここで死ぬのだけは、絶対に御免だ。
 どうせあの馬鹿男は――スカリエッティは放っておいても死ぬ。
 ならば、自分は生への道に向かって、最期まで足掻いてみせようではないか。
 先程自分が蹴破ったドアを大股で跳び越して、アインハルトは真っ直ぐに走り始めた。




 赤のランプに照らされながら、狂気の科学者は嗤う。
 最後のゲームは、彼の興味をそそる最高のシチュエーションだ。
 戦いには勝ったと言うのに、敵と一緒に心中しなければならない。
 これ程までに覇王に屈辱を与えられる遊戯が、他にあるだろうか。
 それは性格の歪んだスカリエッティらしい、悪質な趣向だった。

「尤も、君は彼女の事などどうでも良いんだろうがね……プレシア」

 くつくつと笑い、スカリエッティが一人ごちる。
 最後のゲームとは即ち、残り時間でアインハルトが脱出出来るかどうか、だ。
 しかし、このアジトの構造を考えるなら、手負いの彼女が10分足らずで脱出する等不可能。
 仮に手負いでなかったにしろ、10分では外まで脱出出来るかどうかも解らない。
 先程自分はこう言った。「ゲームはフェアでなければいけない」と。
 しかし、実質的にこれは先の見えたワンサイドゲームだ。
 そこにフェアという言葉など皆無。
 所詮は建前に過ぎない。

 だが、それは所詮悪足掻きだ。
 自分にも嫌という程解って居る。
 しかし、結果だけで見れば、プレシア側もスカリエッティ側も残存兵力は0。
 最後の切り札として送り込んで来たアインハルトが死んだ時点で、プレシアの駒は無くなる。
 自分が死んだ時点でこちらの駒も無くなるが、なに、別に構う事は無い。
 最後のゲームで、最期のどんでん返しが出来たと思うだけ、良しとしようではないか。

 爆発の瞬間が、刻一刻と迫る。
 このラボを中心に、全ての証拠を隠滅する為に用意された起爆装置だ。
 爆発すれば、ここに至るまでの洞窟も完全に崩れ去り、アインハルトは生き埋め。
 晴れて証拠は完全消滅、残った兵力も一層出来て、デスゲームは完全なる終焉を迎える。

「思えば長かったなぁ……」

 一人感傷に浸る。
 デスゲームにこぎつけるまで、スカリエッティもプレシアも、かなりの苦労を要した。
 全ての参加者を集める為に干渉した次元・時空は実に20を越える。
 プレシアは余裕綽々の態度で貫いた様だが、実際はそうではない。
 いかにプレシアと言えども、それに掛かった時間と苦労は莫大なもの。
 彼女と手を組んだあの日、企画段階から数えれば今この瞬間は四年目となる。
 と言っても、この世界でスカリエッティが脱獄したのは数ヶ月前、という事になっているのだが。
 実際の所、スカリエッティは脱獄してから四年間の間、別の時空でプレシアと共に計画を練っていたのだ。
 このアジトは、デスゲームの開催に合わせて、兼ねてから想定していた「乗っ取り計画」の為に、この世界にこしらえたもの。
 どうやらこのアジトの存在も、最初からプレシア側には筒抜けであったようだが。
 何はともあれ、四年間虎視眈眈と目論み続け、ようやく開催出来たデスゲーム。
 それが今、こうして完全に終わるというのは、非常に感慨深い。
 それも一重に、アルハザードへの果てなき欲望があったらばこそだ。
 アルハザードの技術が欲しいと、ただその一点だけでスカリエッティはここまで粘り続けて来たのだから。
 だけど、ここまで来れば最早そんな事はどうでもいい。
 どうせ自分はここで死ぬのだ。
 ならばせめて、最後くらいは悪の科学者らしく。
 そう思って笑おうとするも。

「嗚呼、欲しかったなぁ……アルハザードの遺産」

 だけど、やはり欲望は消しきれるものではない。
 死を覚悟した所で、あれ程までに渇望した欲が消える訳も無く。
 最期の瞬間まで、乾いた笑みを漏らし――アジトの爆発が始まった。




 自分は誰だ。
 名前は、アインハルト・ストラトス。
 覇王の身体に、碧銀の髪、蒼と紺のオッドアイ。
 聖王と対となる、古代ベルカに覇を成した列強の王。

 自分は、何の為に戦っていた。
 スカリエッティの抹殺? 否、違う。
 そんな事は本当は、どうだって良かった筈だ。
 自分はただ、届かなかった覇王の拳を、その悲願を。
 今度こそ、現代で叶える為に生れて来た。
 覇王の悲願は、今だってこの胸で息づいているのだ。
 自問自答の末に、ようやく一つの答えが見つかった気がする。

 嗚呼、これで、自分は少しだけ楽になれるのではなかろうか。
 身体はまるで鉛になったみたいに重くて、まるで人形になったみたいに力が入らない。
 だけど、生きている。自分はまだ、この世界で生きているのだ。
 風の音を感じる事も出来るし、五感だって生きている。
 自分の血の匂いを嗅覚で捉え、生を実感する。
 アインハルトは、まだ重たい瞼を薄らと開いた。

 見渡す限り、緑の大地だった。
 木々は鬱蒼と生い茂り、野生動物達は野を駆け回る。
 トーレとの激戦など嘘の様に。それはあまりに自然豊かで、平和な光景だった。
 気付けば自分の「武装形態」も解除され、身体は元の子供の姿に戻って居る。
 身体の至るところから血を流し、白いブラウスも赤く汚れてしまっていた。
 だけど、生を実感する今、この瞬間だけは、先程の戦闘を忘れられる。
 先程までの戦闘など、最早完全に過去の出来事の様に感じられた。

「ここは……私は一体」
「あら、気がついた?」

 見知らぬ人の声だった。
 振り向けば、そこに居るのは管理局員らしき人物。
 管理局に知り合いなど居ないし、それが誰かなど知る筈もない。
 だけど、その人は自分に優しく微笑みかけてくれた。
 風に靡くオレンジの髪を押えながら、周囲の武装局員達に指示を出す。
 未だに何が起こったのかも解らず瞠目するばかりの自分に、管理局員の女が告げる。

「どうやらここが脱獄したスカリエッティのアジトの様ね」
「スカリ、エッティ……そうだ、スカリエッティはどうなって……」
「この爆発じゃ、もう助からないでしょうね……残念だけど」

 瞬間、肩の荷が降りた気がした。
 何はともあれ、これで自分は任務を果たした。
 誰に植え付けられた任務なのかも、今はまだ解らないが。
 少なくとも、これでスカリエッティ討伐の任務に縛られる事はなくなるだろう。
 だが、ここで一つ、小さな疑問が残る。

「私は、どうして助かったのでしょうか……?」
「アジトに向かう途中の洞窟で貴女を保護したのよ。
 最初は目を疑ったわよ。こんなにボロボロになって……」
「……貴女が、助けてくれたんですか?」
「まあ、そうなるわね。もう間に合わないかもって思ったけど、何とか助けられた様で、安心したわ」
「何故、見ず知らずの私の為に……」

 理解出来ない、とばかりに告げた。
 あの状況、既に爆発寸前だった筈だ。
 きっと無理をして助けてくれたのだろう。
 どんな手段を使ったのかは知らないが、それでも、見ず知らずの自分の為にそこまでする人が居る。
 その事実自体がまだ幼いアインハルトにはまだ理解出来なかったし、腑に落ちない点でもあった。
 アインハルトの問いに、女は一瞬躊躇う様な素振りを見せて、

「今頃何処行ってんのかは知らないけど、あいつなら倒れてる人を見捨てはしないと思って、ね」
「あいつ……?」
「あぁ、いいの。こっちの話」
「そう、ですか」

 余計に訳が解らなかった。
 だけど、それ以上訊くのは野暮な気がして、口を閉ざす。
 誰かは知らないが、この女局員にも、何か訳があるらしかった。
 そうこうしていると、女局員は別の局員に呼ばれ、アインハルトの視界から居なくなった。
 ちらと見てみれば、どうやら自分が最初に撃破したナンバーズの三人も管理局に保護されているようだった。
 後から聞いた話だが、あの時一人だけ意識を奪わなかった事が、三人の命を繋ぎとめるに至ったらしい。
 と言っても、もうあのナンバーズの娘たちにも関わる事はないのだろうが。

 ようやく一人になって、考える。
 自分は今まで、ずっと何をしていたのだろうか、と。
 長い間、何か悪い夢でも見せられていたような気がする。
 だけど、今はどういう訳か、その夢からも解放されて――
 これからは自由に、自分の力で未来を歩んで行ける。
 そんな気がする。

「覇王の悲願を、成し遂げる為に――」

 未だ痛む拳を掲げ、グッ、と握り締めた。
 これが自分の進む道だと、宣言する様に。




 ヴィヴィオとノーヴェは、夜の街を闊歩する。
 他愛もない雑談を繰り広げながら、ヴィヴィオの家に帰る為に。
 ヴィヴィオは思う。ノーヴェは本当はとても優しいお姉さんなのだ、と。
 男勝りな口調で、時には厳しい時もあるけれど、正しく自分を導いてくれる。
 そんな彼女が、今日一日ヴィヴィオの為に付き合ってくれた事。
 それから、こんなに疲れるまで練習に付き合ってくれた事。
 それら全てに感謝の気持ちを込めて、ヴィヴィオは一礼した。

「今日は色々ありがとうね、ノーヴェ」
「ああ、まあ気にすんな。練習試合ならまたいつでも相手になってやるぜ」

 外灯に照らされた遊歩道を歩きながら、二人は笑みを交わす。

「うんっ、わたしはもっともっと強くなるから――これからもよろしくね」
「そんな事は改まって言われるまでもねーよ」

 両手を後頭部で組んで、へっ、と笑いながら言う。
 聞けばノーヴェもまた、遥か高みを目指す為の、修行の途中なのだとか。
 ヴィヴィオの師匠代わりを勤めてはいるが、彼女自身もまだまだ強くなりたいとの事。
 そんな相手だからこそ、共に上を目指す気持ちが解り合えるからこそ。
 この人となら、一緒に高みを目指していきたい、と思えたのかもしれない。
 ともあれ、ヴィヴィオは決めたのだ。
 強くなる。もっともっと、何処までも強くなる、と。
 それがなのはママの言った、ヴィヴィオが自分で決めた“やりたい事”。
 それを貫かんとする限り、なのはママはきっと天国でも笑ってくれる筈だ。
 それは非常に嬉しい事である。
 なのはママが喜んでくれると思えば、頑張ろうと思えて来る。
 だけど、それは他人から見れば些か不自然にも見えるかもしれない。
 何故なら――

「なあヴィヴィオ、一つ訊いていいか」
「うん、なあに?」
「あのさ、無理は、してないよな?」
「え?」

 小首を傾げるヴィヴィオに、ノーヴェは一瞬躊躇う素振りを見せた。
 その瞬間に、何となくではあるが、ノーヴェの言わんとする事が解った気がした。

「その……こんな事言うのは何だが、大好きなママが死んだってのに、全く泣かないしさ」
「…………」
「あっ、いやっ……その、悪いとかって言ってんじゃないんだ! ただ、寂しくないのかなって思ってさ……」

 慌てて両手を振って否定を表明する。
 解って居る。ノーヴェが言いたい事は、解って居るのだ。
 彼女はヴィヴィオを責めようとしている訳ではない。
 ただ単に、本当に心配してくれているのだ。
 出来るだけ平静を保って答える。

「んー、寂しくないって言ったら嘘になるけど」

 だけど、

「もう、決めたんだ。わたしは泣かないって」
「何でだよ……泣きたい時は、泣いたっていいじゃんか」
「わたしはもう、ゆりかごの中で、沢山泣いて来たから」

 実際、この四年間、寂しさに涙する事もあった。
 それは事実だし、今だってなのはママに会いたいと思う時はある。
 ヴィヴィオはこんな子に育ったんだよって、笑顔で報告したいと思う時もある。
 だけど、それは出来ないし、それをすれば、なのはママは果たして笑顔で迎えてくれるだろうか。
 きっと誰よりも強かったあの人は、ヴィヴィオが後ろを振り返る事など望まないのではないだろうか。
 だからこそ、こうしてたまに心の中で大好きなママの事を思い浮かべ、ヴィヴィオはひたすらに前へ進んで行く。
 それだけで十分だ。それだけで、なのはママは喜んでくれる。
 何よりも、そうする事が一番の親孝行の様に思えたから。

「けど、よ……それじゃ寂しいじゃねーかよ」
「うーん、確かに寂しい事かもしれないけど」

 ノーヴェの表情を見れば、何処か辛そうであった。
 かぶりを振って、ヴィヴィオの代わりに歯噛みする。
 この瞬間、この人は本当に心から優しい人なのだな、と思った。
 ヴィヴィオの為にここまで心配してくれて、ここまで辛そうな表情をしてくれる。
 そんな表情を見ていると、不謹慎だろうか、何処か心が温まる気がして。

「けどね、わたしはなのはママに約束したんだ。
 もう泣かないって、強くなって、自分で決めた自分の道を進むんだって」

 それが何度も誓った、母との約束。
 そして、何よりも、ヴィヴィオ自身が決めた事。

「それにね、もしもわたしがいつまでも泣いていたら、なのはママは安心して眠れなくなっちゃうから」

 ……これは、ヴィヴィオがまだ幼かった頃の話だ。
 母の愛に飢えていたヴィヴィオは、夜泣きばかりしていた。
 皆が寝静まった時間になっても、ヴィヴィオだけは寂しさのあまり泣いていた。
 そんな時、優しいなのはママは、いつだってヴィヴィオに付き添ってくれた。
 ヴィヴィオが安心して眠るまで、ずっと抱きしめて頭を撫でてくれた。
 本当は朝早くから仕事だってあったのに。寝不足で辛かった筈なのに。
 あの人は、自分の睡眠時間を削ってでも、ヴィヴィオの為に尽くしてくれたのだ。
 だから、ヴィヴィオが夜泣きをしていたら、なのはママは眠れなくなる。
 だけど、もうこれ以上、ヴィヴィオがあの人の眠りを妨げる事は無い。
 きっと今頃は、なのはママは安心して眠ってくれている筈だと、思う。
 と、そこまで沈思した所で、気付く。
 隣から聞こえる、啜り泣く声に。

「――って!! なんでノーヴェが泣いてるの!?」
「ば、馬鹿野郎、泣いてなんか……ねぇよ!」
「もう、涙拭いてから言いなよー……」

 可愛らしい小さな鞄からハンカチを取り出して、差し出す。
 ノーヴェはそれをひったくる様にして、自分の涙を拭った。
 そんな姿を見て、ヴィヴィオはつい微笑んでしまうのだった。






 なのはママ、わたしの周りには、こんなにいい人が沢山います。
 みんなみんな、わたしの事を心配してくれて、良くしてくれます。
 だからヴィヴィオは今、とっても幸せです。
 なのはママに貰ったものは、今も全部この胸で生き続けているから。
 それを受け継いで、ヴィヴィオはこれから、自分の力で歩いて行くから。
 だからなのはママは、安心して眠っていていいんだよ。





 こうして、一つの物語は幕を閉じる。
 運命の悪戯から、殺し合わされた60の命。
 そんな中で、生き残ったのは、たった一つの幼い命。
 だけど、たった一人でも生き残りが居る以上、物語は終わらない。
 あの戦いを経て生還したヴィヴィオには、無限の未来が待ち受けているのだから。


 そう。
 高町なのはに“これから”を託された少女の物語は。
 彼女の人生に大きな影響を与える、本当の物語は。
 これから始まるのだ。


 高町ヴィヴィオが進む、未来へと続く道のり。
 その先に待ち受けているのは、絶対に出会う事の裂けられぬ運命。
 ヴィヴィオが、更なる高みを目指さんとする切欠と成り得る人物は、唐突に訪れる。

 ノーヴェと共に帰路についていたヴィヴィオの前に現れたのは、一人の少女。
 白と翠の騎士甲冑を纏った少女が、目の前の外灯の上に、ぽつんと佇んでいたのだ。
 絹糸の様に美しい―まるでヴィヴィオの金髪と対を成す様な―碧銀の髪は、夜の風に吹かれて靡く。
 蒼と紺の瞳は、ヴィヴィオと同じ……されど、虹彩の違うオッドアイ。
 その視線は、まるで彼女の背後で輝く二つの月の様に美しく。
 二色の月の如く煌めく瞳は、じっとヴィヴィオを見据えていた。
 春の風に吹かれて散った新緑の葉が、二人の間を駆け抜ける。
 あまりにも静寂で、静謐過ぎる時間が流れて――ヴィヴィオは、彼女の姿に心を奪われた。
 それが何故なのかは、結局の所、誰にも解りはしない。
 カッコいいとか、美しいとか、筆舌に尽くし難い様々な感情が駆け廻って。
 紅と翠のオッドアイと、蒼と紺のオッドアイ。
 二人の視線が交差する。

「聖王オリヴィエ……いえ、高町ヴィヴィオさんとお見受けします」
「は、はいっ!」

 思わず敬語が口を突いて出てしまう。
 彼女との出会いは、それ程までに刺激的で。
 右隣に居たノーヴェが、今どんな表情をしているかとか――
 そんな事は簡単に頭の片隅からも消し飛んでしまう程であった。

「私の目的は只一つ。貴女に、確かめさせて頂きたい事があります」

 淡々と語るその口調。
 一語一句聞き逃さずに、耳を傾ける。
 透き通る様な美しい声が、ヴィヴィオの耳に吸い込まれてゆき。
 何を言われて居るのかを理解するよりも早く、彼女がヴィヴィオの眼前へと飛び降りた。
 まるでその、尋常ならざるスタイルの良さを見せつけるかの様に。
 長く美しい脚で、すたっ、とコンクリートを踏み締めて。
 胸の前に拳を当てて、彼女は言った。

「私の名前はハイディ・E・S・イングヴァルト……いえ、アインハルト・ストラトス。
 覇王の拳と聖王の拳、果たしてどちらの方が強いのか……です」

 覇王の名前は、アインハルト・ストラトス。
 碧銀の髪を揺らし、何処か憂いを帯びた口調でそう告げた。
 それは果たして、運命か、必然か。
 ここに出会ってしまった二人の少女。
 それは、古代の王の運命を背負いし少女達。

 二人がこれから、どんな物語を刻んで行くのか。
 それは誰にも解らない。未来は誰にも見えはしないのだから。
 だけど、こうして新たな物語は紡がれて行く。
 それだけは疑いようの無い確固たる事実。

 終わらない明日は、これからも続いていく。
 これはそんな物語の、ほんの序章に過ぎないのだ。



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