リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル
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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル
ja
2011-04-27T15:47:45+09:00
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Beautiful Amulet(後編)
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*Beautiful Amulet(後編) ◆gFOqjEuBs6
広いラボとは言え、彼女ら二人による戦場としては些か狭く感じられる。
びゅおん、と風が唸る音は、しかし第三者にとっては耳を劈かれる程の高音であった。
トーレが紫の閃光となって駆け抜ければ、覇王が床を蹴って、縦横無尽に跳び回る。
二人が動く度に研究室に設置された備品が破壊されてゆき、戦闘の傷跡が刻まれてゆく。
研究品は地べたへぶち撒けられ、ガラス類は音を立てて割れ、照明は破裂して無くなる。
これで何度目の接触になるだろうか。
大股で飛び跳ねた覇王と、音速を越えたトーレが接触した。
どごんっ! という不吉な音と共に、覇王の腹部に強烈な一撃が叩き込まれる。
それが蹴りか、拳か、はたまたそれ以外の何かか、なんて事は解りはしない。
何の加速手段も持たない覇王では、トーレ相手にはハンデが大きすぎる。
「はっ……はぁっ……はぁ――」
息も絶え絶えに、覇王がフラ付く脚で床を踏み締める。
頭部に装着していた漆黒のバイザーはとうに破壊された。
騎士甲冑は腹部から大きく裂け。
スカートやソックスは切り傷だらけ。
手甲はひび割れ、腕だって切り傷だらけだ。
白い素肌をあちこち露出させるも、それは赤い血液によって汚れて見える。
肩口から滴り落ちる血液を手で押えながら、覇王は揺れる視界で前を見据える。
蒼と紺のオッドアイが、紫の閃光を捉えた――
「ハ――っ、ぐぅ!」
紫の閃光に向けて、覇王の拳を叩き込んだ。
同時に閃光は掻き消えて、拳に鋭い痛みが走る。
今の一撃で、右腕に装着していた手甲がばらばらに砕けた。
かつん、と音を立てて落下した手甲だったものなど意にも介さず、方向転換。
180度身体を回転させ、両腕でガードの姿勢を作る。
「――ッ!」
感じたのは衝撃。
鋭いのか鈍いのか、今はもう解らない痛みを両腕に感じ。
気付いた時には自分の身体は大きく後方へと吹き飛ばされていた。
がしゃん! とけたたましい音を響かせて、覇王の身体が後方のデスクに叩き付けられた。
何に使うのかも良く解らない研究資料が散らばって、覇王の眼前で舞う。
眼前の紙切れを振り払い、覇王はそれでももう一度立ち上
2011-04-27T15:47:45+09:00
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Beautiful Amulet(中編)
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/688.html
*Beautiful Amulet(中編) ◆gFOqjEuBs6
「やれやれ、こちらの手駒も随分と削られてしまった様だねぇ」
白衣を着たスカリエッティが、一人ごちる。
憂いの籠った声色は、しかし笑顔で以て紡がれた。
その表情をにやりと歪めて、金色の瞳でモニターを見る。
そこに映るのは、悠然と歩を進める碧銀の少女。
既に迎撃に向かったセインも、ノーヴェも、ウェンディも……最早使い物にならない。
彼女らは、あろう事か三人掛かりで徒手空拳の女一人にすら勝つ事が出来なかった。
圧倒的な力量差の前に、見事に三人揃って撃破せしめられたのだ。
「まさか彼女がこうまで粘るとは。いやはや、大魔道師と呼ばれるだけの事はある。
これでナンバーズの残存兵力もたったの一人になってしまったよ」
胸中でプレシアを思い描き、笑う。
No.1、No.2、No.7、No.8、No.12は時の庭園へ出向中。
最新の連絡で、現在こちらへ帰還する為に脱出艇を発進させたとの話は聞いている。
されど、遠く離れた異世界からこのミッドチルダへ帰還するとなると、否応なしに時間も掛かる。
故に現状では役立たずだ。今まさにここに乗り込まんとしている敵への対抗戦力にはなり得ない。
では他のナンバーズはどうか。
まず、No.4、No.5、No.10の三人はプレシアのデスゲームにて死亡。
彼女らはプレシアの技術を使用し、それぞれこの世界の別々の時間軸から呼び出した。
これは純粋に、タイムパラドックスを利用した技術に、スカリエッティ自身も興味があったからだ。
実験の一環と参加者の確保を兼ねて、自らの戦力たるナンバーズをデスゲームに参加させた。
次に、No.6、No.9、No.11の三人。
彼女らは、今し方現れた侵入者によって叩き潰されたばかりだ。
では、何故更生組に分類されていた筈の彼女ら三人が再びナンバーズの兵士に戻ったのか。
簡単な話だ。コンシデレーション・コンソールを使用し、強制的に洗脳状態に置き、脱獄させただけの事。
結果、かつて聖王ヴィヴィオを操った装置は、三人を従わせる分には十分過ぎる効果を発揮してくれた。
……といっても、倒されてしまった以上、所詮は役立たずなのだが。
これら
2011-04-22T01:06:32+09:00
1303401992
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Beautiful Amulet(前編)
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/687.html
*Beautiful Amulet(前編) ◆gFOqjEuBs6
己が欲望の為に悪魔に魂を売った女は既に殺され――
彼女から全てを奪った奴らは、一目散に逃げ出した。
この“時の庭園”に残された者は、最早誰一人居ない。
……と、少なくとも、奴らはそう思っていたのだろう。
だが、実際は違う。
まだ、残っているのだ。
プレシアにとっての、最後の戦力が。
見捨てられたと思っていた、生き残りの戦力が。
奴らの決定的な失敗は、完全にシステムを掌握しただろうという過信。
首謀者であるプレシアを殺した時点で、邪魔者など居ない……そんな慢心。
それが勝った気でいる奴らにとっての最大の綻びになるなどと、誰が想像出来ただろう。
◆
目覚めた少女は、碧銀の髪を揺らし、立ち上がる。
蒼と紺の虹彩―所謂オッドアイだ―で、仄暗い一室を見渡す。
自分の他は、数人の女が壁際に設置されたコンソールを叩いているだけだ。
それが誰なのか、何て事を少女は知らないし、自分が何故ここに居るのかすらも解らない。
少女にはそれ以前の記憶が殆ど残されてはいなかった。
だけど、だからと言って思い悩んだりする必要もない。
成すべき事は、只一つ。愚かな裏切り者の始末、だ。
与えられた任務は、ジェイル・スカリエッティを叩き潰す事。
それだけが確固たる目的として、脳裏に刻み付けられていた。
「武装形態」
ぽつりと呟いた。
数瞬ののち、少女の衣服が弾け飛んだかと思えば、その身体が変質してゆく。
まだ幼さを残した身体が、成熟した大人の身体へと。
手足が伸びて、先程までは幼かった筈の胸が、大きく揺れる。
大人の身体へと変化したその身体を、白と緑の騎士甲冑が包み込み――
最後に、少女のオッドアイの瞳を、黒のバイザーが覆い隠した。
かくして少女は“変身”を遂げた。
戦う為の、任務を果たす為の姿へと。
倒すべき敵を求めて、少女は周囲を取り巻く女へと向き直り、
「私の敵は、何処ですか」
淡々とした口調で問うた。
「母さんが遺した“緊急転送システム”で、君を敵の元まで送り届ける」
「君はそこで、“命令”された通りに敵を叩き潰せばいい」
「私達は君を送り届ける為
2011-04-27T08:39:36+09:00
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魔法少女、これからも。(後編)
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/686.html
*魔法少女、これからも。(後編) ◆Vj6e1anjAc
次元の狭間の闇を、進む。
無限に広がる世界を繋ぐ、次元空間の大海原を、黄金の舟が進んでいく。
最期のスターライトブレイカーが放たれた直後、聖王のゆりかごのレプリカは、次元航行モードへの移行を完了した。
高町なのはの命の輝き――あの桜色のビッグバンが、ヴィヴィオが最後に見た光景となった。
生きざまを、最後まで見届けたのだ。
「っ……う、うぅっ……」
そしてだだっ広い玉座の間では、1人の少女がうずくまり、抑えた嗚咽を響かせていた。
これで本当に独りきりだ。
プレシアのデスゲームからの生還者は、本当に自分1人だけになってしまった。
想いを汲み取ったはずなのに。
それがなのはの心からの願いだと、納得した上で撤退したはずだったのに。
それでも涙が止まらない。
悲嘆と後悔と自責の涙が、次から次へと溢れ出す。
「強くなりたい」という願いは、母の末路を見たことで、半ば折れかかってしまっていた。
「どうして……どうして、こんなっ……!」
強くなると決めたはずだった。
この手の届く限りの命は、守りたいと願ったはずだった。
それは今でも変わらない。変えることなどあり得ない想いだ。
最愛の母が死を選んだのは、自分の力が足りなかったから。
ガジェット達に苦戦して、帰還する余力を失ったのは、これまでのなのはの戦いを、助けてやることができなかったから。
きっとキングとの戦いで、ブラスターモードを使っていなければ。
コーカサスアンデッドとの戦いの時点で、既に助太刀に加わっていたならば。
いいや、なのはだけではない。金居との戦いへの参加が早ければ、ユーノの消耗も抑えられたはずだ。
そうなればもっと余裕をもって、ガジェット達に対処することができただろう。
ブラスター3を解放したのがあの場だったなら、ナンバーズさえも撃退できただろう。
つまるところ、自分が不甲斐なかったから、なのは達は死を選ばざるを得なかったのだ。
弱いのだ、私は――ヴィヴィオは。
「こんなはずじゃ、なかったのに……っ!」
痛みと嘆きは連鎖する。
最愛の母を喪った苦痛は、新たな苦痛を呼び起こす。
この30時間の戦いの中で、あまりに多くの命が喪われてしま
2011-04-15T04:30:36+09:00
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魔法少女、これからも。(中編)
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/685.html
*魔法少女、これからも。(中編) ◆Vj6e1anjAc
先行したガジェットの軍団が、聖王のゆりかごへと向かっていって。
3人組の妹達が、それを追うように出撃して。
高町なのはとユーノ・スクライアの2人が、彼女らを迎え撃つために出てくる。
「聖王陛下サマは出てこないのね」
ドゥーエは脱出艇の操縦席につき、その光景を頬杖をつきながら眺めていた。
「出せないのよ。ゆりかごのシステムは、彼女の生命反応がなければ機能しないから」
「それもそうか」
どうやら敵はこちらの逮捕よりも、ゆりかごによる逃走を優先させるつもりらしい。
なるほど、あのボロボロな状態ならば、その方が賢明な判断か。
ウーノの返事を耳に入れながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。
その傍らで長女の五指は、せわしなくキーボードを叩いている。
戦況に応じてガジェットのAIを書き換え、戦術をリアルタイムで変更しているのだ。
さすがに何百何千という機体を動かすのは無理だそうだが、これくらいならばギリギリ許容範囲とのこと。
「……ま、せいぜい高見の見物でもさせてもらおうかしら」
言いながら、ドゥーエは両手を後頭部で組み合わせた。
今の彼女に仕事はない。せいぜいスカリエッティとのコンタクトを試し続けるくらいだ。
戦闘能力に乏しく、ウーノ程のスキルもない隠密型には、できることなどさしてないだろう。
今回の仕事は、プレシアを刺し殺しておしまいか。
そんな暢気なことを考えながら、未だ返事をよこさない、通信画面を見つめていた。
◆
「はあぁぁぁぁーっ!」
女の叫びが戦場を揺らす。
女の右手が風を切り裂く。
妖しく煌めく太刀筋が、緑色の軌跡を描いた。
轟――鳴り響くは破壊の咆哮。
刀身から放たれた莫大な妖気が、無数の敵機へと襲いかかる。
爆散。爆裂。そして爆砕。
まるで獣の軍勢だ。鉄の軍勢を噛み砕き、飲み込み蹂躙する剣の波動を、エースオブエースはそう評していた。
「IS発動、レイストーム」
「!」
上空より響く、声。
程なくして天から殺到するのは、雲霞のごときレーザーの束。
殺意を孕んだ光の嵐を、縫うようにしてかわしていく。
白衣の女が天に向けるは、腰だめに構えた漆黒の杖。
「ディバィィィ
2011-02-17T18:53:35+09:00
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魔法少女、これからも。(前編)
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/684.html
*魔法少女、これからも。(前編) ◆Vj6e1anjAc
仄暗い洞窟の足元で、ぼんやりと光る金の照明。
岩肌が露出した壁とタイル張りの床の、異質にして不釣り合いなコラボレーション。
『――なるほど。そのために私を呼びつけたというわけか』
そんな空間の只中で、にぃ、と口元を歪ませながら、一人の男がそう言っていた。
紫の髪を肩まで伸ばし。
金の瞳を爛々と光らせ。
化学者の白衣を翻し、不敵に笑う男だった。
「貴方に拒否権を与えるつもりはないわ、ジェイル・スカリエッティ。
長生きしたいのならその技術を、私のために役立てなさい」
『とんでもない。むしろ大歓迎だよ』
モニター越しに向けた脅迫にも、物おじすることなく、返す。
画面を隔てて男と向き合うのは、黒髪と黒いドレスの妙齢の女。
どこか人を小馬鹿にしたような、薄っすらと喜色の滲んだ金眼とは違う。
他者を威嚇し威圧する、凄みのこもった紫の瞳だ。
男の立つラボから遠く離れた、遥か異界の地からの遠距離通信でありながらも、
そこから放たれるプレッシャーは、決して衰えることはないだろう。
大の大人であろうとも、一目で竦ませるであろうほどの気迫。
『君の提示したプランは、私にとっても魅力的な内容だった。
人間・人外を問わずランダムに集めた、60の生命の殺し合い……
そうした極限状態において、全く見ず知らずの人間達が、いかな交流を見せてくれるかというのは、
生命科学の見地からしても、非常に興味深いサンプルになり得る』
「それは心理学の領域ではなくて?」
『一つの視野から世界を読み解くというスタンスは、既に時代遅れだということさ』
機械工学と生命科学のミックスが、戦闘機人を生み出したように。
女の凄みをその身で受けながら、しかし白衣の男は恐れない。
微塵も表情を変えることなく、薄い笑みすらも浮かべながら、つらつらと饒舌に言葉を重ねる。
「……まぁいいわ」
不快感を覚える気にも、怒りに震える気にもなれず。
ふぅ、と呆れのこもった溜息をつきながら、女はぽつりとそう答えた。
「必要なものの詳細は追って伝える。そう長くかかることもないだろうから、それまで待っていなさい」
そしてその言葉を最後にして、長距離通信のスイッチを切る。
2011-02-17T09:14:31+09:00
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◆19OIuwPQTE
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*◆19OIuwPQTE 氏が手がけた作品
|話数|タイトル|登場人物|
|198|[[魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム]]&br()[[魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者]]&br()[[魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆]]&br()[[魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣]]|高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居|
**登場させたキャラ
1回
高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居
- 投下回数は僅か1回。しかしその1回が、終盤の混戦を見事にまとめ上げた名作として人気を博している。このタイミングで飛び込んできた勇気と、その作品の熱さと完成度には敬意を表したい。 -- 名無しさん (2011-02-17 18:59:10)
#comment()
2011-02-17T18:59:10+09:00
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魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣
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*魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣 ◆19OIuwPQTE
/09「星の輝き-ViVid-」
金居へと飛び掛かり、双剣を同時に振り下ろす。
掲げる様に持ち上げられたパーフェクトゼクターが、双剣の攻撃を阻む。
バク転するように跳びのき、突撃と同時にレヴァンティンを振り抜く。
金居は応じるようにパーフェクトゼクターで迎撃する。
それによりレヴァンティンとパーフェクトゼクターが鍔競り合う。
レヴァンティンからパーフェクトゼクターを通して、金居に稲妻が伝播する。手元の剣から伝わる雷撃に、金居の動きは鈍らざるを得ない。
そこへバルディッシュを槍のように突き出す。
金居は辛うじてそれを躱し、距離を取る。
パーフェクトゼクターを構える金居は、明らかに困惑の表情を見せていた。
なぜならヴィヴィオの剣筋は、金居にとって酷く見覚えがあるモノだったのだ。
「貴様、まさか……」
「あなたの戦い方、“覚えさせて”いただきました」
それもそのはず。
今のヴィヴィオの剣技は、双剣を使った自分の剣技そのものだったのだから。
それが常ならば、分は金居にあっただろう。
ヴィヴィオが使うのは自らの剣技であり、所詮は借り物。
その利点も欠点も、金居は熟知している。
その対処は容易に過ぎる。
だが、ヴィヴィオの持つデバイスがそれを覆していた。
ライオットブレードとなったバルディッシュ。
サンダーアームを受けたレヴァンティン。
この二機はその刀身に高圧電流を伴い、接触する度に金居に雷撃によるダメー
ジを与えてくる。
ダメージ自体はたいした事はない。
だが、これにより金居は、ヴィヴィオの攻撃にまともな対処ができないでいた。
金居が剣を振り下ろす。
それを僅かに下がることで躱し、返すようにバルディッシュを振り下ろす。
返しからの切り上げで防がれる。
そこにレヴァンティンを突き出す。
回避と同時に右回転し、遠心力を加えた一撃が迫り来る。
マッハキャリバーで急加速し、前進することで回避する。
パーフェクトゼクターの一撃を受け止める事はしない。
金居のパーフェクトゼクターを使った攻撃は強力だ。
速度こそ双剣の時ほどはないものの、その威力はスバルのリボルバーナ
2011-02-17T09:28:41+09:00
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魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/681.html
*魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆 ◆19OIuwPQTE
/07「死闘」
黒い戦斧を振り上げ、迫り来る黒い短剣を弾く。
それだけでバルディッシュを持つ手が痺れ、取り落としそうになる。
それをどうにか堪え、続く二撃目をシールドで防ぐ。
そのまま一旦距離をとり、再び斬りかかる。
ハッキリ言って、僕は戦いには向いてない。
僕が得意とする魔法は、防御や結界などの支援魔法ばかり。逆に、攻撃魔法全
般には全く適正がなかった。
そんな僕が金居を相手にして、今なお接近戦を挑んでいる理由は一つだけ。
金居には遠距離攻撃が効かない。
それは射撃魔法であろうが、砲撃魔法であろうが変わりない。そのどちらもが
金居のバリアに弾かれてしまう。
おそらく、ゼロ距離からならバリアも発生しないだろう。だが、それでは接近
戦を行うのと変わりがない。
つまり僕の目論見は、前提から崩れていたのだ。
どんなになのはが強くても、金居に遠距離攻撃が効かない以上、“砲撃魔導師”
であるなのはの攻撃は、そのほとんどが無意味。必然的に接近戦をしなければ
ならなくなる。
そして今のなのはに、そんな危険を冒させる訳にはいかない。
倒すのなら、金居を先に倒すべきだったのだ。
だけど後悔している暇はない。
今僕に出来る事は一つ。
限界まで時間を稼ぎ、崩落によって出来るだろう空間の穴に、金居を叩き落と
す事だ。
そうすれば金居は、少なくともこの会場には戻ってこれなくなる。
問題は、それまで僕が生きていられるかだ。
現在僕の有利な点は一つ。相手に姿が見えないという事だけだ。
けど金居は、その見えない僕に容易に対応している。
おそらく地面を踏んだ時の足跡とか、バルディッシュを振るった時の風斬り音
とか、あるいは僕自身の気配だとか。
そういった些細な物から判断しているんだろう。
もしこれで僕の姿が見えていたのなら、きっと僕は既に死んでいる。
つまり一瞬でも油断すれば、その場で死ぬ。
けど、他に手段はない。
緊張で呼吸が乱れる。
疲労から足が縺れそうになる。
あまりの実力差に心が挫けそうになる。
その全てを堪えて、眼前の敵へと挑む。
その時だった。
「
2011-02-11T11:41:24+09:00
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魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/680.html
*魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者 ◆19OIuwPQTE
/04「オーバードライブ・ブラスター」
迫り来る一撃を寸でのところで回避し、即座にゼロ距離から砲撃を撃ちこむ。
ダメージの確認をする間もなく即座に離脱する。
直後、先ほどまでいた空間を剣が切り裂く。
そこに再び砲撃を撃ちこむが、今度は盾に防がれてしまう。
「しつこいなあ、さっさと死んでよ」
「ッ――――!」
土煙の中から振るわれた一撃を上体を逸らして躱し、
そこに撃ちこんだ砲撃の慣性で距離を取る。
息が上がる。
背中は冷や汗でぐっしょりだ。
体力よりも精神の消耗が激しい。
レイジングハートを持つ力が覚束なくなる。
対するキングは、まだ疲れた様子も見せていなかった。
間違いなくダメージはある。
だが、それ以上に相手の回復力が高いのだ。
「レイジングハート、まだ行ける?」
『もちろんです。ですが切りがありません』
「そうだね。生物である以上、頭か心臓を潰せば倒せるはずだけど。
相手もそれは理解しているからね。そこだけは絶対に守ってる」
状況は非常に厳しい。
何度か直撃させた砲撃は、確かにキングにダメージを与えている。
だがそれ以上にキングの再生が速い。
再生にもいつか限界が来るはずだが、このままではこちらの限界が先に来る。
「どうにかして盾を破壊するしか、無いかな」
『ですが、それは容易ではありません。
あの盾の破壊には、おそらくスターライトブレイカー級の威力が必要でしょ
う。ですが』
「そんな余裕。簡単には与えてくれないよね」
先ほどの交戦でもそうだった。
あの盾は複数同時に出現する事も可能らしく、シューターによる同時攻撃も防
がれていた。
それではブラスターユニットによる支援は期待できない。
さらにどれ程強固にバインドを掛けても、キングはそれをすぐに破ってしまう。
制限から解放されたカテゴリーキングが相手では、せいぜい数秒程度の拘束し
か出来ない。
通常のバスターでもぎりぎりなのだ。
その程度の時間では、キングを相手にスターライトブレイカーを使う暇はない。
「けど、このままじゃどうしようも―――」
「考え事は終わった?」
「―
2011-02-15T20:04:03+09:00
1297767843