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Last update 2007年10月09日

リトル・サンタ 著者:暇子


「どうして裸なの?」

「うるさい!罰ゲームなんだよ!・・・・っくしょい!」

師走のこの寒空の下、トランクス一丁で居る方がおかしい。
少女が不思議がるのも無理は無いな。

「っていうか、おまえはドコん家の子だ?
いいのか?こんな時間にこんなトコうろついてて。」

もうすぐ日付も変わろうとしている。
こんな時間にこんなトコをうろついている少女も少女だが、
こんな時間にこんな格好をしている俺も俺だ。



去年の今頃。
いつも同じメンバーで集まっていた友人同士男5人。
誰がというワケでもなく言い出した。

「来年、1人でクリスマスを過ごすヤツ、罰ゲームな!」

で、俺がそうなった。
正直、3人ぐらいは居ると思っていたのにな。
俺だけかよ。

俺は・・・・

アイツの事が忘れられないから彼女なんて作る気にもなれなかった。
アイツ、元気でやってるのかな・・・。
出来る事なら・・・・・・なんてな。



「お兄ちゃん、昔の彼女の事が気になってるのね。」

「ん?ああ、そうだよ・・・」

って、俺、口に出して言ってたんだ!?恥ずかしい!!


その時、居酒屋の戸が半分開いて、俺の連れが顔を出した。

「お~い、もう30分たったから中入れよ!風邪ひくぞ。」※死にます

「おお!じゃ、そういうワケだから。」

俺は、とりあえず差し出された自分の上着をはおりながら、そう少女に言い残して店内に入っていった。

「あはは、何ひとりごと言ってんだよ、寒さで頭やられたか?」

ん?俺の陰になって少女が見えて無かったかな?





イヴの夜。

やっぱり俺は1人で部屋に居た。
出掛けても寂しい思いをするだけだ。
よりによって今年のクリスマスは土日じゃねぇか。

あ~あ、去年はムサイ男5人でワイワイ騒いでたよなぁ。



ピンポーン!

玄関のドアを開けると、そこにはどこかで見た事のある少女。
ああ、そうだ。あの時、裸で居酒屋の前で話した子だ。

「なんで家を知ってるんだ?何しに来たんだ?」

「お兄さんを幸せにしに来たんだ。」

意味分かんねぇ!

「アタシ、サンタの修行中なんだ。」

少女の話によると、何人かの少年少女がサンタの修行に励んでるらしい。
そして、自分が「この人!」と決めた誰か1人の願いを叶えてあげるらしい。
サンタパワーを使ってどんな願いでも叶えてあげられるらしい。

全くもって意味分かんねぇ!
ていうか、アニメの見すぎだよ、このガキ。



「お兄さん、彼女とまた会いたいんだよね?」

「うん・・・だけど・・・」

俺は彼女の幸せを一番に願っている事。
昔の恋人なんかが登場して今の彼女を困らせたくない事。

・・・を、少女に告げた。
何故だか少女を疑う気持ちは和らいでいた。


「3年前、パリに絵の勉強に出た彼女も、実はお兄さんの事忘れられなかったみたい。
勉強に身が入らなくて、結局去年帰って来ちゃったんだ。
でも彼女もお兄さんに会いたいんだけど、今のお兄さんと同じ気持ちでクヨクヨしてるよ!」

・・・どこまで知ってるんだ!?

「言ったでしょ?サンタパワーだってば!」

こっ、心を読まれてるのか!?


「でもね、人を見誤るとサンタの修行は1から出直しなんだ。
同期だったアヤちゃんは、『宝くじ3億を当てて欲しい』ってお願いしたおじさんのトコに付いちゃって去年は失格。
あと少しで卒業だったユウタ君は『嫌いな人を抹消して欲しい』なんて人に付いちゃったから勘当されたんだよ!
お兄さんみたいに純粋なお願いを持った人を見抜く事が、サンタ修行の試験で一番重要なトコ!」

って、ファンタジーだ!!!

でも何故か少しだけ信じている俺がいる。
こんなガキの戯言を信じてまでアイツに会いたいのか?俺。
情けないったら無いよな。



「さぁ、行くわよ!」やたら元気な少女は俺の腕を引っ張る。

「行くって、ドコに!?」

「彼女のトコに決まってるじゃないの!」

少女は俺に目くばせして見せた。

私はあなたを信用している、あなたも私を信用してよろしい、と言っているように。





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