Last update 2007年10月09日
ハジマリ 著者:一茶
いやそれこそが真理なのだ。
月の光に輝くナイフ。銀色に笑う、冷たい刃。反射する刃に男の顔。
彼はナイフを見ていた。そこには好奇心だけがある。
「これで、今夜…」
彼は言葉を吐き出す。
「今夜、あいつを…」
「ご飯できたよ」明るい声が響いた。
部屋の扉をノックする音。
「ああ、わかった」
彼はナイフを机にしまうと、部屋から出ていった。
パタン…
彼はナイフを見ていた。そこには好奇心だけがある。
「これで、今夜…」
彼は言葉を吐き出す。
「今夜、あいつを…」
「ご飯できたよ」明るい声が響いた。
部屋の扉をノックする音。
「ああ、わかった」
彼はナイフを机にしまうと、部屋から出ていった。
パタン…
善があり悪があるのではない。善があるから悪を見抜けるのだ。
パタン
彼が部屋に戻ってきた。すぐさま椅子に座り、引き出しを開ける。
無表情なナイフが現れた。手に取り、再び月明かりにかざした。
静かな、静かな、空気が漂う。
ふいに、月明かりが消えた。同時に開かれる扉。
キィ…。
彼は驚き、咄嗟に隠す。
そこには何もいなかった。
胸を撫で下ろして、扉を閉め直した。
また、月明かりが出ている。同じようにナイフをかざす。
少しして、彼は時計を確認した。
「そろそろ、だな…」
誰に聞かせるでもなく彼は呟いた。
ナイフを皮製の入れ物にしまうと、彼はそれを手に取り出ていった。
パタン…
彼が部屋に戻ってきた。すぐさま椅子に座り、引き出しを開ける。
無表情なナイフが現れた。手に取り、再び月明かりにかざした。
静かな、静かな、空気が漂う。
ふいに、月明かりが消えた。同時に開かれる扉。
キィ…。
彼は驚き、咄嗟に隠す。
そこには何もいなかった。
胸を撫で下ろして、扉を閉め直した。
また、月明かりが出ている。同じようにナイフをかざす。
少しして、彼は時計を確認した。
「そろそろ、だな…」
誰に聞かせるでもなく彼は呟いた。
ナイフを皮製の入れ物にしまうと、彼はそれを手に取り出ていった。
パタン…
それであるが故に悪は避けられるのであろう。しかし
バタン
いきおいよく、扉を閉める音。
肩で息をする彼。暗闇の中、彼は興奮していた。
ゆっくりと、月明かりの差し込んでいる椅子に座る。
彼は紅かった。
「とうとう、やった」
暗闇に向けて呟く。
「やったんだ、この手で」
そう言って彼は眼前に手を持ってきた。
紅い液体が床に落ちた。
これが、始まりだった。
いきおいよく、扉を閉める音。
肩で息をする彼。暗闇の中、彼は興奮していた。
ゆっくりと、月明かりの差し込んでいる椅子に座る。
彼は紅かった。
「とうとう、やった」
暗闇に向けて呟く。
「やったんだ、この手で」
そう言って彼は眼前に手を持ってきた。
紅い液体が床に落ちた。
これが、始まりだった。
悪と呼ばれるその奔流は安穏では得られない漆黒の快楽にすりかわる…
━・━・━・━・━・━・━・
おまけで短いのも送っておきます。
まぁ、上下の繋がりだけで書いたものなんで内容は零ですが…。
てか、何も入れなくてもこの二つの文って繋がらないかな?(汗
━・━・━・━・━・━・━・
おまけで短いのも送っておきます。
まぁ、上下の繋がりだけで書いたものなんで内容は零ですが…。
てか、何も入れなくてもこの二つの文って繋がらないかな?(汗
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「いやそれこそが真理なのだ」
卓上の電球が男の輪郭を映し出す。
「そして、悪と呼ばれるその奔流は安穏では得られない漆黒の快楽にすりかわる…」
「そして、悪と呼ばれるその奔流は安穏では得られない漆黒の快楽にすりかわる…」