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Last update 2007年10月13日

最期の場所 著者:亞季


「死ぬんなら、そうですね、だれもいない南の島がいいかにゃ」

今夜も小学校の横にある公園で毎晩開かれる猫会議に
たくさんの猫たちが集まっていた。

そして、今夜の議題は『死に場所について』。

口火を切ったのは、
いつもの我がままムードメーカー、ペルシャ猫のモズだった。

そして、八方美人なソマリのエヤも同じようなことを言う。

「死ぬ時はどうせ一匹。それにゃら暖かくて心地いいところがいいよね。」

他の周りのたくさんも猫たちも「うんうん。」とうなづいた。

だけど、マイペースなカラーポイントのトミーはそうは思わなかった。

「私は暖かい自分のお家で、大好きな飼い主さんやお友達に寄り添われながらがいいにゃ・・・」

そう言うやいなや、
モズはトミーを理解できないといった顔で睨みつける。

「はぁ!?そんにゃのどこがいいわけ?」

そして、エヤがモズに言った。

「でも、飼い犬って、そういう意見が多いんだってね。私もそんないつもの場所で誰かに死ぬのを見取られるにゃんてのは嫌だけど。」

「そうよね!!だから飼い犬の気持ちは分かんにゃいわ!」

モズはトミーに顔も向けずに金きり声を上げた。
トミーは、自分が猫であることも否定されたようで、
それ以上は何も言えなかった。

今夜の猫会議がやっと終わりを向かえ、
トミーはホッと胸を撫で下ろした。
その反面、トミーはちっとも気持ちが落ち着かず
その晩は全く寝付けなかった。


次の日の朝、物静かな変わり者、
アメリカン・カールのシダに昨夜のことを相談することにした。
犬たちはみんな猫のトミーを応援してくれるけれど、
猫ではシダだけがトミーのよき理解者だった。

「トミーがそれがいいと思うにゃら、他の猫の言うことなんて気にしにゃくていいもんですよ。自分でいいと思うことが一番です。私は暖かい自分のお家で、飼い主さんや私のチビたちがお散歩から帰ってくるのを楽しみに待ちにゃがら、一匹で死にたいですね。」

「・・・そうにゃの?でも、私って猫っぽくないって・・・。」

シダは今にも泣きそうなトミーを見つめてこう答えた。

「確かにトミーは猫っぽくないですけど、そういうとこも含めて、私はトミーが好きにゃんですよ。」

トミーはそんなシダが望む幸せな最期を迎えられたらいいなと願う。
そして、シダは一言付け加えた。

「性格というものはなかなか変えられないものにゃんですよ。」





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