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Last update 2007年10月20日

誕生日 著者:ネコタ


「ただただぐるぐるぐるぐる」あたしはそうありたくてここに来たのに、
たとえばアスファルトの光を見ただけで中途半端に感傷に浸れる余裕を、贅沢を、何でまだ持ってんの?
そんなはずじゃなかったのに。そんなんじゃここに来た意味がないのだ。

あたしは不幸な女。
気がつけばもう三十路まであと24時間。
あっという間に過ぎていく時間を、5年もアイツに費やした。
それがどれだけ貴重な時間だったのか、全然わかってない。

好きじゃないサザンのライブにも行ったし、
顔がベタベタするのが嫌なのに、焼肉だって食べに行った。
休みはあなたに合わせるために、有給のことで会社とケンカしたし、
あなたの洗濯物は週末に全部あたしがやった。

あたしは尽くす女なんかじゃない。
「好きでやってたんだろ?」なんてどうしてそんなことしか言えないの?
一体あたしの何を見てきたの?

本当はELTのコンサートに行きたかった!
本当はあの時パスタが食べたかった!

本当は・・・・・ただ一緒にいたかった!!

遠くで、キャッキャ キャッキャ 女の声がする。
彼氏であろう男の皿に、肉を盛る。
怖いくらいの、キラキラした彼を見る目。

目の前の焦げた牛タン。一人じゃ食べきれない不幸な女。
一体あのカップルのにはどう映ったのだろう。

「おじさん!おあいそお願いします!!」

20代は、あと20時間しかないじゃないの。
フー・・・。
たらふくおいしい焼肉も食べたし、
さーて、帰りは今日発売のサザンのCD、買わなくちゃなぁ・・・・・。

残り少ない時間、思いつくのはやっぱそれか。

気がつけば、あなたしか見つめてない、恋に恋してる女に成長してた。
この5年、精一杯恋した。
ただ、それだけ。

これからはあたしにだけやさしい男を見つけよう・・・。
さ、記念すべき30歳1日目、何を始めようか。

あーあ。
せめて最後に言ってみたかったな。
『あなたはあたしにしかなつかないと思ってた。』ってね。




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