Last update 2007年10月27日
パンダ柄 著者:ネコタ
最初に戻ってきた現実感覚は音だった。
「にゃーーーーーーーーーーーーーーーー」
うおっ!
パンダ柄ネコ!
パンダ柄ネコ!
パンダと言ってはおおげさかもしれないが、
白と黒のコントラストというか、
白と黒の境目の感じというか、
それはもう、ネコらしいパンダ。
白と黒のコントラストというか、
白と黒の境目の感じというか、
それはもう、ネコらしいパンダ。
いや、パンダらしいネコ。
土砂降りの雨の中、木陰で一休みか。
濡れた前足をおすまし顔で舐め舐め。
濡れた前足をおすまし顔で舐め舐め。
「いいよなぁ、お前。アタシもネコになりたいよ。」
久々の休日、
友達の誘いも断ってひきこもり。
とはいえ、なんもすることが無い。
友達の誘いも断ってひきこもり。
とはいえ、なんもすることが無い。
いや、
やらなければならないことは山のようにある。
永遠に終点が見えないほどに片付けても片付けても終わらない気がする。
やらなければならないことは山のようにある。
永遠に終点が見えないほどに片付けても片付けても終わらない気がする。
一体なんのための、誰のための仕事なんだろう。
何もかもリセットしたい。
いっそ全ての電源を引っこ抜いてしまいたい。
いっそ全ての電源を引っこ抜いてしまいたい。
とりあえずお腹が空いたので
タンスの奥から帽子を引っ張り出して外へ出た。
いつ買ったんだか思い出せないけど、
心ときめいて衝動買いしたキャスケット帽。
タンスの奥から帽子を引っ張り出して外へ出た。
いつ買ったんだか思い出せないけど、
心ときめいて衝動買いしたキャスケット帽。
雨が小降りになってきた。
パンダに傘を差し出してみる。
パンダに傘を差し出してみる。
「オレ仕事中なんだよね。ネコだからってさ、いつも人間かまってやれるわけじゃないし。」
うっそ~ん・・・。
「割と忙しいわけよ。
昼間はこうして行くとこ行っとかないとさ、夜、家に戻れない。
戻ったら戻ったで、ご主人に甘えて撫で撫でしてもらわないと
餌もらえる確立悪くなるしね。
そこらへん、エネルギーいるわけよ。
ま、でも、撫でられるのも嫌いじゃないんだけどね。」
昼間はこうして行くとこ行っとかないとさ、夜、家に戻れない。
戻ったら戻ったで、ご主人に甘えて撫で撫でしてもらわないと
餌もらえる確立悪くなるしね。
そこらへん、エネルギーいるわけよ。
ま、でも、撫でられるのも嫌いじゃないんだけどね。」
ふぅ~ん・・・。色々大変なのね。
「だからさ、ネコになりたいとか、ネコっていいよね~とか、簡単に言わないでくれない?」
ごめん・・・。
「じゃ、そろそろ行かなくちゃ。」
あ・・・気をつけて。
パンダ、走りかけて振り返る。
「その帽子、似合ってる。うん。すごくいいよ。」
んふふ・・・。
雨のにおい
水溜り
スニーカー
アスファルトにうつる空の青
帰ったらコーヒーを入れよう。
お気に入りだったパンダマグカップを探そう。
お気に入りだったパンダマグカップを探そう。
午後はおいしいチョコレートを探しに行こう。
月曜日はみんなに配ることにしよう。
月曜日はみんなに配ることにしよう。
さあ、コンセントに差し込みなさい。
今すぐウキウキスイッチを入れるんだ!!!
今すぐウキウキスイッチを入れるんだ!!!