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Last update 2007年10月07日

タイトルなし 著者:ろくでなしブルース


午後の日ざしを浴びたうしろ姿と、風におどるたんぽぽ色の髪のせいもあるだろう
彼は彼女の後姿に強い意志のようなものを感じた。
しかし彼女の後ろ姿は悲しく見えた。
彼女はどんどん黒くなっていく、彼女は僕に後ろを向けて淀んだ海に佇んでいた。
彼は目をそむけ、下を向いた。
彼はいつもこんな夢を観る。

彼は思う。
何故だろう?
こんな夢を観るのは海が汚れてしまったからだろうか?
でも僕のせいじゃない。
昔の人がやった事だ。
海の水は汚れ、昔のビルは海に飲み込まれている。
僕だって被害者だ!
罪悪感を感じる事なんて無い。
本当にそうなのだろうか?
彼はそんな事を考えながら朝食を済ました。

テレビをつけるといつもと同じようなニュースが流れている。
愚鈍な政治家達の罪のなすりあい。
彼にもそんな会話が特に意味が無い事は分かっていた。
しかし何もやる気がおこらない。
彼はただ一日をぼーっと過ごしている。
一日が終わるといつものようにあの夢を観る。
彼の心の中は罪悪感で一杯だ。
でも何もする事はできない。
地球はどんどん汚染されている。
誰もが画期的な解決策が無い事を分かっている。
冷房をつけて地球を暖める、そして熱くなり更に冷房をつける。
車はガソリンを使い二酸化炭素とNOxを撒き散らす。
技術革新もないままココまで来てしまった。
そんな現状を見て誰もやる気がおきないそんな世界だ。
彼はそんな世界に嫌気がさしていた。
やるせないこの気持ち。
世界は終わりに近づいている。

彼は学校に通う通り道橋を通る時空き缶を捨てようとしたが、その手を止めた。
彼にはその時ゴミ拾いをする少年が見えた。
彼は気づいた。
人の事ばかり攻めて自分の行為によって他人にどのような影響を及ぼしているかなんて考えた事がなかった。
彼は自分の視界の狭さに気づかされた。
そして彼が嫌っていた人たちも彼と一緒で気づいていないだけと知った。
彼にはゴミを拾う中年、うち水を撒く女性が見えるようになった。
彼の視界はぱっと開けた。

この日も彼は夢を見た。

彼がふたたび目を上げると、いつのまに気づいたのか女はふりかえり、好奇心いっぱいの目で彼を観察していた






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