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Last update 2008年03月15日

九龍城の豆腐  著者:松永夏馬



 壁の穴から、俺の手につかまれて引きずり出された、女のものとしか思えない白く細い腕が垂れ下がっていた。  素人の手によるものだからだろうか、他の壁に比べ真新しいその壁は思ったよりも脆かった。彼女が消息を断ったあの日を俺は思い出し、その日数を逆算する。無意味だ。見覚えのある指輪が白い指に嵌っている。
 俺はそっとその指輪を抜き取り、内側に目をやった。
 そこに彫りこまれた忘れもしない日付。

「……助けられなくてすまん」
 ぽつりとそう呟くと、俺は踵を返した。

 左手の中に指輪を握りしめて。
 憎悪を秘めて。

 ********************

 業務用のコンテナ冷蔵倉庫の厚い扉は、手斧によりその鍵を破壊されることでようやく開かれた。湿度を帯びた部屋の空気と冷蔵庫の冷気とが混ざりあい白く淀んで足元を冷やす。キッチンから届く光とその渦巻く白い波に浮かぶようにして、一人の男が姿を現した。
 一同が息を飲む。背筋が震えたのは足元を這う冷気のせいばかりではないだろう。男は虚ろな目をぼんやりと開けたまま微動だにしない。
 右側を下にして横たわる男の名は内藤冬二。この呪われた古城『九龍城』を買い取った、この会の主催者である。
 そして再び一同は声にならざる驚きの声を洩らす。吐き出される白い冷気の後で露になった現場の異様さに気づいたのだ。
 側頭部に赤黒い血を滲ませる傷痕。そしてその頭部にまるで振り下ろされたかのように見える凶器。……凶器?

 被害者の側頭部に打ち付けられていたのは、もはや原型を留めていない真っ白な木綿豆腐だった。

 思い出したかのように冬二の妻、零子が息子の初雄を抱きしめた。冷たい床に微動だにしない夫の、父の亡骸から目を背けて一歩後ずさる。
 手斧を手にしたまま体を強張らせた僕は震えるような声で「『ナイト』さん……?」と名を呟き、『マッキー』は口元を手で覆い目を開いたまま。高校生の『蒼』がまだ落ち着いているようだ。
「死んでる……の?」
 顔色は良くないが、それでもしっかりとした声で『蒼』が口を開いた。横向きの冬二の虚ろな目はそれを否定していない。凍りついたような異様な映像が冷蔵倉庫の床に張りついていた。
「……ちょっと、よろしいかな」
 扉の脇にあるスイッチを入れ冷蔵倉庫の灯りを点したコックが、零子を押しやり冷蔵倉庫に踏み込んだ。彼はこの『九龍城』で過ごす3日間の食事を担当する初老のコック。一番の年配者故か、今ここにいる誰よりも落ち着いた様子で冷たい床に膝をつけると冬二氏の手を取った。脈と瞳孔を調べ小さくため息をつくと、振り向くことなくそのままの姿勢で言った。
「残念ですが、亡くなっています。至急救急車……いえ、警察に電話を」
 そして立ち上がって無言の一同に顔を向けると続けた。
「現場の状況から事件性を感じさせます。この場にはこれ以上立ち入らないでください。……ひとまず警察に連絡をして指示を仰ぎましょう。場所が場所ですし天気もコレでは到着も遅くなってしまいそうですがね」
 眉をひそめてそこまで言うと、その態度に訝しげな表情の皆に気づいてほんの少し慌てた様子で手を振った。
「いや、今でこそ私はしがない派遣コックですが、若い頃は私立探偵をしていたんですよ」
 ある者は胡散臭げに、ある者は好奇心に満ちた目をコックに向けたその時、玄関のチャイムが鳴った。なんとなくそれぞれの顔を見合わせた一行はぞろぞろと連れ立って玄関フロアへと進む。重い扉を開くと、雨と風が吹きすさぶ闇をバックに一人の若者が姿を見せた。
「おそくなりまして、高倉と言います。『パンタローネ』と言ったほうがわかりますかね」
 総出の出迎えに笑顔を見せた『パンタローネ』は首をかしげて皆を見回す。
「で、どなたが『ナイト』さんでしょう?」

 遅れて来た来訪者の笑顔を、背後に轟いた雷光が影に落とした。

 ********************

「さて」
 名探偵、皆を集めて『さて』と言い。舞台は妖しげな古城を思わせる洋館、人気の無い山中、嵐の夜。お誂え向きどころの騒ぎじゃない。
「警察には連絡しましたが、この嵐の中いつになるか……」
 場所を城内の広間へと移動した一同をソファに座らせると、元探偵のコックは皆をぐるり見回した。一同というのは……いや、こうなったら最初から説明しておくべきだろう。
 僕らはインターネット上のいわゆるブログで小説創作をする連中の集まりだ。年齢も性別も、書くジャンルも各々別々ながら、互いに評しあい、時に慰めあいながら、趣味に没頭している。もちろん中にはプロを目指し真剣に己の腕を磨く者だっているが、少なくとも僕は下手の横好きというヤツだ。ちなみに僕は地元の市役所職員の2年目で、別に作家デビューを夢見ているわけでもない。かつて夢見たといわれれば否定はしないが。
 その僕らをこうして集めたのが内藤冬二氏。ネット上で『ナイト』のハンドルネームで『夜の語り部達の輪』というホームページを立ち上げて僕らを集めた張本人である。孤独な作業になりがちなモノカキという趣味が、彼のおかげで新しい世界に進んだ感があるのは僕だけだろうか。

 この『ナイト』こと内藤冬二氏、ネット上では語らなかったが30代後半にして某中堅金属加工メーカーの2代目社長であった。道楽で別荘、それも上海から移築した豪邸、通称『九龍城』を入手してしまったといういろんな意味で凄い人だ。
 そんなわけで彼はこの『九龍城』でのパーティを企画してオフ会をしようと提案した。雰囲気ある別荘を手に入れたからそこでオフ会をしないか、と。要は手に入れた別荘を誰かに自慢したかったのだろう。
 とにかく、そのオフ会に参加したのは僕と『ナイト』氏の他には専門学生の『マッキー』君、現役女子高校生『蒼』ちゃん、そして先ほど到着したばかりの大学生『パンタローネ』さん。もう一人フリーターの『豆腐』さんという人もいるのだが、未だ到着していないのでこの場にはいない。キャンセルなのかもしれない。悪天候による事故などのトラブルでなければ良いが。

 そしてその主宰者は今4畳半ほどの冷蔵倉庫の床で文字通り冷たくなっており、この広間では元探偵だというコックが僕らを妙に冷たい目で見ている。
「私は雇われコックですからこの集まりがどういうものなのかわかりません。なんというか、冬二氏の友達にしては年齢もバラバラですし、あなた方はどういったお仲間なのですか?」
 齢50を越えているはずのこの男、コック服を着ていないのでコックには見えない。元探偵と言われれば姿勢の良いスラリとしたシルエットがなるほど、と思わせる雰囲気だ。短く切りそろえられた灰色の髪と鋭い目はどこか職人のようにも見える。

 そのコックの質問に顔を見合わせた僕らだが、まだ湿った髪をタオルで拭きながら『パンタローネ』さんが一人口を開いた。
「私達は冬二氏のブログに集まるネット上での仲間です。いわゆるオフ会というヤツですね」
「なるほど」
「コックさん……えーと」
「竹永です」
「竹永さんはネットとかしないんですか」
「ええ、私は古い人間ですからそういうものはさっぱりですよ。名前も『ナイト』さんは内藤さんだからともかく、『パンタローネ』さんというのはどういうあだ名なのか驚きましたがハンドルネームでしたか。……では、事件発生までの流れを知りたいのですが、どなたか説明できますか? 私はキッチンと食堂を行ったり来たりしていましたし、8時過ぎには自室に戻ってしまいましたので」
 コックの言葉に再び僕はなんとなく『マッキー』君を見た。茶髪の優男は同じように僕を見て目で何か訴えている。ここは一番年上の僕が話すべきなのか。ちなみに年齢は(ネットからの情報なのであくまでも僕の推測だが)僕が25歳、『パンタローネ』さんはまだ大学生だから22くらいだろうか、『マッキー』君はハタチ前だとブログにあったし、『蒼』ちゃんに至っては高校2年生だ。
「え……えと、『パンタローネ』さんと『豆腐』さんが遅くなるらしいからって食事をはじめたのが6時頃。んで食事が7時半くらいに済んで、広間に移動して、ゲームとかしながら飲んだり話したりしてて……」
 僕は喋るのはあまり得意ではない。特にこういった大勢(といっても6人相手でしかないけど)の前では。そしてその時に起こったちょっとしたことを思い出してちらりと零子さんのほうに目をやった。
「それで……『ナイト』さんが零子さんと少し口論になったっていうか、二人とも少しアルコールが入ってたから」
「別に口論じゃありません!」
 少し鋭い口調で零子が言う。怒ったような目で睨むから何も言えなくなってしまう。
「父さんと母さんはいつもケンカしてるよ」
「初雄ッ」
 中学生の息子がぼそりと言い、母親に腕を引かれていた。
 まあまあ、とコックは苦笑してその場を抑え、目で僕を促した。正直誰か代わってほしい。

「……それで、零子さんは自分の部屋に戻ったんですよね。『ナイト』さんはまだ少し機嫌がよくない様子だったけど、酔いを覚ましに風呂へ行ってくると、広間を出ました」
「それは何時頃?」
「8時を過ぎていたと思います。あなたが休むと言いに来た直前です」
 コックはなるほど、と頷いた。
「廊下で冬二氏に挨拶をしましたからね。時間的には合っています」
 まるで試すような言い方で僕を見るコック。人を馬鹿にしたような視線が気に入らなかった。
「その後は?」
「……初雄君の提案でテレビゲームを皆でやってました。なんというか……その、夢中になってたんで『ナイト』さんが戻ってこないってことに気づいたのは10時近くでした。……長風呂にしてはいくらなんでも、と初雄君が浴室を見に行ってくれたのですが、使われた形跡がなく。僕と初雄君とで『ナイト』さんの部屋に行きましたがそちらにもおらず……」
 それぞれの客室にもユニットタイプのバスがあるのでそちらを使ったのかと思ったのだ。
「零子さんの部屋とあなたの部屋も伺いましたが、結局『ナイト』さんは見つからなくて……」
「OKです。そこからは私も同行しましたから」
 コックが僕に掌を向けて制した。そして『パンタローネ』さんをちらりと見てコックは続けた。
「二組に分かれて邸内を捜索した結果、冷蔵倉庫の錠がかけられていることと、壁にかけておいたその鍵が見当たらないことに気づいて冷蔵倉庫をこじ開けて冬二氏、つまり……『ナイト』氏を、発見したわけです」
 そこでコックはペロリと唇を舐めた。
「奥様、合鍵はあるのですか?」
 突然話を振られて驚く零子さん。慌てて首を振る。
「ここの設備のほとんどは香港製です。鍵もそうなので国内では合鍵が作れないらしく……」
 フェードアウトする零子さんの声が消えないうちに、再びコックは語り出した。
「遺体は食品用冷蔵倉庫の中央やや右より、棚のそばの床に体を右下にして倒れていました。冷蔵倉庫の鍵もその脇に落ちていました。見ただけですので詳しいことはわかりませんが、左側頭部に何か固いものを叩きつけられたのが原因だと思われます。傷の跡から角張ったもの、例えばレンガのような……ではないかと。死亡推定時刻も冷蔵庫の中というのもあって、冬二氏が目撃された8時過ぎから発見される10時半過ぎまでの間としか言えません。事件現場の状態は……」
「ちょっと待ってください」
 『パンタローネ』さんが手を挙げた。
「現場を見せてもらうわけにはいきませんか? いちおう私は医大生です、多少は役に立てるかと」
 一瞬コックは『パンタローネ』さんを見てあからさまに顔をしかめたが、小さく首を振ってからくるりと背を向けた。
「わかりました。他の皆様はこの部屋から出ないようにしていてください」
 そう言ってから、『パンタローネ』さんを促した。

 ********************

 広間に残された僕と『マッキー』君、『蒼』ちゃん。そして零子さんは居心地の悪い様子で沈黙を保っていた。その沈黙を打ち破ったのは中学一年生の初雄君だった。

「父さんは……殺されたの?」
「初雄ッ」
 零子さんが息を飲む。コックは殺されたとは言っていないが、傷は側頭部。状況からみても事故や自殺とは考えにくいのではないか。
「……『ナイト』さんの頭に叩きつけられてたのって、豆腐だよね」
 皆を見回して『蒼』ちゃんが言った。食事の時、ゲームの時は率先して皆を盛り上げていた溌剌とした女子高校生も、さすがにこの場面では大人しい。
「凶器ってもしかして豆腐?」
「そんなわけないでしょ」
 反論したのは『マッキー』君だ。茶色く染めた柔らかい髪をシルバーアクセサリが光る手で無意識に弄りながら、今時らしい青年は続けた。
「凶器はレンガのような角張った固いもの、だってよ」
「固い豆腐とか」
「いくらなんでも鈍器になる程固い豆腐はないよ。ねぇ?」
 いきなり僕に振る優男。それに伴って『蒼』ちゃんの大きな目が僕に向く。
「そうだよ! ミステリマニアがいるじゃん!」
「いや、僕は別にマニアとかじゃ……」
 好きなジャンル、ミステリ。ネット上で明言するんじゃなかったと少し後悔しつつ手を振る。
「……さすがに殴れるほど固い豆腐なんてのはないよ。豆腐の80%以上は水分だし」
「凍らせたら? 冷蔵庫の中で解けて豆腐に戻ったっていうのは?」
 おいおい女子高生、家庭科で習わなかったのか?
「豆腐みたいに水分が多いものは、冷凍すると中の水分が抜けてカスカスになっちゃうんだよ」
「へぇー。そうなんだ」
 おいおい『蒼』ちゃん。
「ミステリマニアとしては、どう推察します?」
 おいおいおい『マッキー』君まで。優しい顔の割に性格悪いよこの人。
「ミステリ小説と現実は違いますよ」
「ではミステリ小説だとしたら、ってことで」
 僕は少し考える。喋るのは苦手だが、考えることはキライじゃない。創作活動には想像力が必要だ。
「……見立て、とか」
「見立て?」
「犯人がなんらかのメッセージ性を込めて豆腐を叩きつけた、ってこと」
「メッセージってどんな?」
 思いつきなのに『蒼』ちゃん食いつきすぎ。
「いや、それは……わからないけど……」

「豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ……?」
 ポツリと『マッキー』君が呟いた。
 それを聞いて口を開いたのは初雄君だ。
「よく母さん言うよね」
 皆の視線が一気に零子さんに集まった。ぎょっとして身を竦ませた彼女は、慌てて両手を顔の前で振る。
「こ、言葉のあやっていうの? 言われたら言い返す啖呵じゃない?」
 先ほどの口論の時も零子さんの捨て台詞にあったかもしれない。はっきりとは記憶していないが。
 隣に座る『蒼』ちゃんが僕のわき腹を突付いた。何? と顔を向けると小さな声で。
「どういう意味?」
 おいおい現役女子高生。日本の行く末が心配になる。
「……えと……お前なんかロクな死に方しないぞ……ていう意味」
 たぶん。僕も声が小さくなった。

 広間の扉が突然開いて、コックと『パンタローネ』が姿を見せた。防音効果が高いために廊下を歩く音が聞こえず広間の皆は一斉に体をビクリとさせた。もう夜中の12時近い。眠そうな初雄君がかわいそうだ。
「冷蔵庫内にあったとしても死後3時間以上はすでに経過しているでしょう」
「つまり、9時前には?」
「ええ」
「なるほど、浴室が使われていなかったことから見ても早い時間帯だろうとは思っていたが」
 そんなことを言いながら広間の席につく。『パンタローネ』さんはさっき座っていたソファへ。コックは手にした盆を中央のテーブルに置くとミニバーのスツールを少し移動させて腰を降ろした。ちょうど二人は対面する位置だ。盆の上にはコーヒーか湯気をたてている。テーブルを囲う三方にソファがあり、開いた一辺にスツールを置いた竹永コック、その左手から僕と『蒼』ちゃん、『パンタローネ』さんと『マッキー』君、そして零子さんと初雄君がそれぞれペアで座っていた。
「あのさぁ探偵さん」
 手をパチンと打ち鳴らして合わせ、小首をかしげる女子高生『蒼』ちゃん。自分のかわいく見える姿を知っているのが今時の女子高生らいい。
「今みんなで話ししてて、豆腐は犯人がメッセージを込めたなんらかの見立てなんじゃないかって、話なんですけど」
 広間でのやりとりを簡単にかいつまんで『蒼』ちゃんが二人に伝える。さっきの僕の説明よりもよっぽど喋り方がうまい。「チョー」とか「ヤバイ」とか時折挟み込まれているので少しアレだが。コックの表情から推測するに「チョー」が眉をひそめるキーワードだ。
 『蒼』ちゃんのこの話を、零子さんは明らかに不機嫌な顔ではあるが黙って聞いていた。それを見て僕はなんとなく彼女が犯人ではないような気がした。もし彼女が犯人ならもっと何か反論をしてもおかしくない。それくらいこの推理(といえるほどのものではないが)は説得力に乏しい。漠然としていてどうとも意味の取りようがあるからだ。
「面白い意見ですね。確かに豆腐が直接の凶器であるとは私も思いません。『見立て』ということには賛成です」
 『には』か。言い回しが少し人の気に触るコックだと思う。
「……あなたの見解は?」
 『パンタローネ』さんがそう言って、コーヒーに手を伸ばすと、ブラックのまま一口飲んだ。それを期に皆が手を伸ばす。
 しばらく無表情で考えこんでいたコックは組んでいた手を解き残った最後のコーヒーカップに手を伸ばした。
「そちらの医大生さんのおかげで死亡推定時刻は8時から9時の間に狭められました。その間のアリバイはありますか?」
 一同を見回す。
「奥様は一人で部屋に戻った。私も部屋に戻った。少なくとも私達二人にはアリバイがない」
 ぎょっとした顔の零子さんを無視してコックは続ける。
「広間でゲームをしていた皆様は?」
 僕は『マッキー』君と顔を見合わせた。適当に皆トイレに立ったはずだが、時間までは覚えていない。仕方が無いので正直にそう伝える。コックは満足げに頷いた。
「冬二氏を予め冷蔵倉庫で待たせておけば犯行は短時間で済みます。廊下を進み誰もいなくなったキッチンから奥の倉庫へ行って犯行を行なう。さほど時間はかからないでしょう」
 そして今度は『パンタローネ』さんを目で促した。さすがの『パンタローネ』さんも少し驚いたらしい。
「私も?」
「遅れて来たと言ってはいるが、早く着いていたという可能性もあります」
「……7時に月沢のドライブインでこちらに電話しました。ドライブインの店主が覚えているかもしれませんがね」
 そういえば食事中に電話が来たらしく、『ナイト』さんが『パンタローネ』さんの進捗状況を教えてくれたっけ。
「あ、私そういえばお手洗い借りた時に『ナイト』さんが廊下で電話してるとこ見たっけ。『パンタローネ』君が来ないと全員揃わないよーって『ナイト』さんが言ってた」
 ほんの少しだけ似ている物まねで『蒼』ちゃんが発言した。
「この雨の中、月沢から2時間かけずにここまで来るのは難しいですね。いちおうアリバイがあるとしましょう。確認は今できませんが」
 いちいち癪に障る言い方だと思う。気の良さそうな『パンタローネ』さんでさえもわずかに顔をしかめた。雨の山道を3時間運転してきたのだから。
「アリバイから探るのは難しいと思いますね。それよりも事件現場の謎を解くべきではないですか?」
 そう言ったのは『マッキー』君だった。
「……わかりました。私の見解を述べましょう」
 もったいぶったかのようにコックはそこでコーヒーを飲んだ。

「ポイントは、冷蔵倉庫の床、遺体の右手の下に冷蔵倉庫の鍵が落ちていたことです」




 ********************

 竹永という元探偵のコックが口元に微笑みを湛えたまま語り出した。
「この事件は二つの不可解な点があります。ひとつは密室であったこと。もうひとつは豆腐が凶器であるように見せる『見立て』がなされていたことです。……では何故密室だったのか。どうやって密室にしたのかではありません。問題は何故密室だったのか、です。……普通密室にする理由はなんでしょうか」
 はい、と手を挙げたのは女子高生『蒼』ちゃん。
「自殺に見せかけるため?」
「そうですね。しかし、今回は当てはまりません。場所は冷蔵倉庫。死因も側頭部殴打。ただの自殺とは考えにくい」
「発見を遅らせる為というのはどうでしょう」
 これは『マッキー』君だ。
「それもあります。しかしコレもこの場合はどうでしょうか。冬二氏は『風呂に入る』といって姿を消しました。したがって皆が不審に思って探し出すのも早かった。たいした時間稼ぎにはなりませんね」
「空間的アリバイ、つまり、えーと、密室の外にいたから犯人ではない、というのを印象付けるというのもありますよね」
 僕はとあるミステリ小説を思い出してそう言った。
「その場合、密室の内側に犯人に陥れられる人物が必要ではないですか? 全員が密室の外にいては意味を成しません」
 たしかにその通り。
「つまり、どういうことですか?」と『マッキー』君。
「簡単に言えば、犯人は別に密室にしたいわけではなかったということです。たとえば、密室にせざるを得ない状況になってしまった、という可能性」
 想像がつかない。『蒼』ちゃんなぞはあからさまに疑問符を頭の上に出していそうな顔をしてる。
「かなり不自然な状況ではありますが、内側のドアの錠のあたりに証拠を残したというのはどうでしょう。……被害者は最後の力を振り絞りドアの内側に犯人の名前を残した。簡単に消えるものではなかった為に、犯人は扉を封鎖し密室を作成してから、発見する為にドアを破壊する。破壊することで内側の証拠も破壊してしまう」
「ちょ、ちょっとまって。それだと冷蔵倉庫の扉を破壊した人間が犯人てことじゃないですか!」
 だってそれは僕だ。僕はやってない。
「僕じゃないですよ!」
 皆の視線が僕に突き刺さるのを感じ、僕は立ち上がって何もできずおろおろと。コックはニヤリと口の端を上げると手で僕を制した。
「だから、かなり不自然な状況なんですよ。ペンもナイフもない被害者がどうやって消せない証拠を残すんですか。鍵でガリガリやっていたらいくらマヌケな犯人でも途中で止めます」
 さりげに僕のことをマヌケだと言っているように聴こえるのは僕の被害妄想か。ムッとした僕の手を『蒼』ちゃんが引っ張って座らせた。
「もうひとつ。犯人の意思とは無関係に密室になってしまったという可能性。こちらのほうがアタリでしょう」
 そう言って再びコーヒーをすする。
「冷蔵倉庫の鍵は内側からなら指で捻るだけで開け閉めできます。外側からは鍵をつかわなければできません。これは閉じ込められることがないように、という配慮でそうなってます。倉庫の鍵はひとつだけ。普段はキッチンの食器棚の脇にかかっているのですが、いつもは冷蔵倉庫には鍵をかけませんし、今日も私は鍵をかけていませんでした。冬二氏はなんらかの理由で冷蔵倉庫の鍵を所持していた。もしかしたら冷蔵倉庫での密談を誰にも邪魔されないようにと鍵を拝借していたのかもしれません。しかし冬二氏が犯人を連れてキッチン、それも冷蔵倉庫前にいた時、犯人に凶行を受け冬二氏は側頭部に一撃を受けた。慌てた冬二氏は追撃から逃れる為に冷蔵倉庫に飛び込んで扉を閉め錠を下ろし、そして息絶える。これで密室のできあがりです。不自然な密室、キッチンに残された犯人が扉を開けようにも鍵は冬二氏と共に冷蔵倉庫の中です」

 なるほど。皆が納得した顔でコックを見ていた。座面の高いスツールに腰掛けているので、皆からは見上げる感じになる。

「では、豆腐の問題です」
 仕切りなおすようにコックは言った。
「何故見立ては行なわれたのか。先ほど出た、『豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ』もひとつの案ですね。被害者にそういう憎しみを持っていた人物」
 ビクリと零子さんが反応し、コックを睨む。
「もしくは、そういった憎しみを持っていた人物に罪をなすりつけようとした場合も考えられます」
「私は夫を憎んでなどいませんッ! 口喧嘩くらいどんな夫婦だってしますッ!」
 静かに興奮する零子さんを冷めた目で見ながらコックは口元を歪めた。
「……そうですね。夫婦とはそういうものです」
「では、他に豆腐を凶器に見立てる理由があるのですか?」
 『マッキー』君が口を挟んだ。ちらりと『マッキー』君を見てコックはコーヒーを飲み干した。
「問題は分割して考える、推理小説にはそう論じる探偵もいますが、この豆腐の問題は逆に、密室の構成理由と組み合わせて考えれば一目瞭然でしょう」
「豆腐の見立ては犯人がやったんじゃない」
「その通り」
 『パンタローネ』さんの呟くような声にも反応してコックは頷いた。
「犯人にそんな偽装をやる時間的余裕も空間的余裕も無かった。被害者によって密室にされてしまい、中に入ることが出来なかったからです。つまり、豆腐の見立てをしたのは被害者自身ということになります」
「犯人が合鍵を持ってたとか、鍵をかけた後でなんとか鍵を冷蔵庫に入れたって可能性はないの?」
 手を挙げて発言するのは『蒼』ちゃんだ。物怖じしないというかなんというか。
「それは先ほど密室の段階で検討しました。犯人には密室にする理由がないのです」

「ああ、そっか」
 すんなり納得するのも『蒼』ちゃんらしい。
「さて、では何故被害者は豆腐を頭に乗せていたのか。被害者は、冬二氏は何を我々に伝えたかったのか」
 僕の脳内にミステリ読者でなくても思い浮かぶ単語。
「……ダイイングメッセージ」
「そういうことです」
「やっぱり……豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ、を表現してるんですか?」
 冷めたコーヒーをようやく飲み終えた『マッキー』さんがコックを見上げる。他の面々の視線がちらりと零子さんに注がれて彼女の顔がヒクついた。
「いえ、そんな回りくどいことをするでしょうか。その程度ならば他にも思いつきますよね」
「豆腐のように白いコック服をいつも纏っている人物、とかね」
 珍しく『パンタローネ』さんが皮肉げに言った。ムッとした顔でコックは鼻を鳴らす。
「まぁ、その程度です」
「じゃぁ……犯人は」
「そのまんまじゃないですか」
 そのまんま……?

「冬二氏はこう言っているんですよ。私は『豆腐』に殺された、ってね」

 『豆腐』。未だ九龍城に辿り付いていない最後の客。
「でも、『豆腐』さんはまだ来てないじゃないですか」
 『マッキー』君が戸惑った様子でコックに言った。
「本当にそうでしょうか。少なくとも冬二氏は7時の電話でこう言っていますよね。
『パンタローネ』君が来ないと全員揃わないよ」
 一呼吸置くコック。
「逆に言えば、『パンタローネ』君以外は全員揃っている、とも取れますよね」
 そこで一度言葉を切って一同を見回した。効果的だ。
「つまり、『豆腐』氏はすでに九龍城にいて冬二氏と会っている」
 誰かの息を飲む音。知らない誰かがこっそり忍び込んでいる恐怖を僕は背筋に感じた。どこからか見られているような恐怖。
「どこかに隠れている、ということですか?」
 『パンタローネ』さんが前髪をかきあげてそう訊ねた。
「広い邸宅ですからね。あり得る話です。……ただ」
 初老のコックは思わせぶりに皆を見回し、それぞれの視線を集めてから再び口を開いた。
「誰かがハンドルネームを2つ持ってる可能性。もしくはこの中の誰かが『豆腐』氏になりすましている可能性」
「ど……どういうことだよ」
 『マッキー』君が腰を浮かしかけて口を開いた。僕は『蒼』ちゃんと顔を見合わせる。僕は少なくともここにいる皆とは今回が初対面だ。僕は『パンタローネ』さんに緊張した顔を向けた。『パンタローネ』さんは外人のように肩をすくめる。……もしかしたら『マッキー』君が『マッキー』君であり『豆腐』さんでもあるってことも考えられる。インターネット上の世界というのはそういうものだ。もう一人の別の自分を簡単に作ることができる。別の誰かに成りすますことだってできる。
「この中に『豆腐』がいるってことかよ? ちょっとまってくれ、オレは『マッキー』だぞ。間違いなく」
「あ、あたしだって『蒼』よ」
 慌てる二人。
 僕達の中に犯人が。『夜の語り部達の輪』の仲間の中に犯人が。
 そう思ったとき、『マッキー』君と『蒼』ちゃんの視線が僕に突き刺さった。疑惑の目だ。
 たしかに僕の創作小説はミステリ色が強い。でもだからって。それだけで。人を殺す小説を書いているからって。

 僕はゴクリと唾を飲み込んだ。『マッキー』君と『蒼』ちゃんの視線、雰囲気を受けて、零子さんや初雄君まで異物を見るような顔で。
 違う。僕じゃない。

 助けを求めるようにコックを見た。コックは目を少しだけ細めて僕を見ると口元を上げた。
「もちろん犯人の『豆腐』氏がすでにこの屋敷を逃げ出している可能性もありますがね」

その時。

 『パンタローネ』さんが淀んだ空気を切り裂くように、鋭く手を打ち鳴らした。ハッとしたように皆が『パンタローネ』さんに視線を移す。
「違いますよ」
「違う?」
 コックが眉をひそめる。
「だって、私が『豆腐』なんだから」

 ********************

「私が『パンタローネ』であり『豆腐』です」
 『パンタローネ』さんはニヤリと顔を上げてコックにそう言った。
「私が『豆腐』である以上、『豆腐』が『ナイト』氏を殺害することは不可能です。そのころ私は山道を必死に運転してましたから」
 挑戦的な笑みを浮かべて『パンタローネ』さんはコックを見上げる。コックはわずかにうろたえたが、それでも顔をしかめて考えこむ様子でゆっくりと口を開いた。
「ならば……そう、それならば答えは簡単です。……冬二氏は自殺したのです。殺人に見せかけた自殺。『豆腐』さん……貴方が冬二氏を脅迫していたらどうでしょう。それを苦にしての自殺。他殺に見せかけてその疑いを『豆腐』さんに向ける為に偽装した」
 クスリ、と『パンタローネ』さんは笑った。その笑い方が気に食わないのか、コックはあきらかに怒りの表情を浮かべて睨みつける。
「元探偵さん、それはありませんよ。『ナイト』さんは私の正体、『パンタローネ』イコール『豆腐』というのを知っています。『蒼』さんが聞いた『ナイト』氏の言葉も、『パンタローネ』が来ないと全員揃わない、つまり、『パンタローネ』が来れば『豆腐』も来るというわけだから、全員揃う。そういうことですよ。だから『パンタローネ』が九龍城まで3時間かかる距離にいるのを知りながら、『豆腐』を犯人に偽装するわけがありません。なにより、自殺なわけないじゃないですか。凶器は豆腐じゃないんですよ」

 凶器がない。肉や魚など3日分の食料が棚に置かれているだけで、ほとんど空の状態の冷蔵倉庫。思いつく限りでは凶器になりえるものはなかった。角張ったレンガのような物は。冷蔵倉庫内に凶器が無い以上、殺人であることは明白だ。
「こ……氷の固まりを……」
「3℃に設定された冷蔵庫内で、レンガ大の氷の塊が2時間程度で跡形も無く解けると思いますか? 万が一解けたとしても、揮発するわけがない」
 僕はふと思い出した。扉の外側にある冷蔵庫内の電灯のスイッチ。コックがスイッチを入れて冷蔵倉庫内を明るくした。つまり、冷蔵倉庫内はそれまで暗闇だったんだ。暗闇の中、他殺偽装なんてできるわけがない。
「冷蔵倉庫は電気が消えてた。自殺じゃない」
 僕は呟いた。隣に座る僕の声が聞こえないのか、コックは『パンタローネ』さんを睨んでいた。
「ど、ドライアイスなら……」
 やれやれといった様子で『パンタローネ』は首を振った。

「もはや貴方の推理は論理的でない。豆腐の見立てをする理由に説得力がなくなりますよ。それに今、彼が言ったことが的を射ています。暗闇では偽装できません。偽装後に電灯を消した人物がいる、それが犯人です」
 ぐっと言葉を飲み込んでコックは押し黙った。鋭い目に怒りを湛えて『パンタローネ』を睨んだ。それを受けてにっこりと笑ったパンタローネは徐にソファから腰を上げた。
「じゃあ、お前に犯人がわかるのか」
 コックの低い声に『パンタローネ』はスッと手を伸ばし人差し指を向けた。

「冷蔵倉庫はその性質上気密性が高い。扉の隙間から針と糸を使って密室を造るなんてことはまず不可能です。合鍵ももちろんない。したがって犯人は外から鍵をかけて密室にした。そして遺体発見と同時に鍵を持って中に入り、脈を取る振りをしながらさりげなく鍵を置いた」
 背中を向けて脈を調べるコックの後ろ姿が思い出される。これは僕だけじゃないだろう。
「み……密室にする必要性がないッ」
「『豆腐』氏にすべて罪をかぶせる為です。コックである貴方は、冬二氏から『豆腐』氏の分の食事は用意しなくていいと言われていた可能性が高い。しかし冬二氏はそれを自分以外の誰にも言っていないことに貴方は気づいた。『豆腐』氏は来ないらしい、しかし冬二氏はそれを他のメンバには内緒にしている。そこで貴方はこう考えた。内藤冬二氏が『ナイト』氏であり『豆腐』氏でもあり、それをパーティのサプライズにしようとしている、とね。そう貴方は思い込んだ。内藤冬二という名前も誤解を生んだ。『ナイト』のハンドルネームから『内藤』を予想さ
せたように、『豆腐』というハンドルネームも偶然にも『冬二』、数字に読み変えて『10と2』。つまり『とう・ふ』。
 ネット上の付き合いなのだから、他の誰にも顔も何もわからない、それならば罪をかぶせてしまえ、と思った。被害者と共に犯人も消せる。電脳の世界からも犯人『豆腐』氏は姿を消して真相は闇の中」
「そんな、それは推測でしょう。皆さんが顔見知りだと思ってましたよ私は」
「いえ、貴方は私たちの関係を知っていた。なぜなら『ナイト』氏のブログを読んでいたからだ」
「私はネットはさっぱりだと言ったでしょう」
「そんなことはない。オフ会、ハンドルネーム、ブログ。貴方はこういった単語を特に聞き違えることなく受け入れている。ある程度インターネットに親しんだ人間でなければそうはいかない。特に貴方のような年代の方には。……『夜中の語り部の輪』をロムってるでしょう?」
「読んでいないと言っているだろう。『夜の語り部達の輪』など知らない」

 隣に座る『蒼』ちゃんが僕の腕を掴んだ。
「ロムってる、がわかるんだ。コックさん」

 ぎょっとした顔でコックはこちらに顔を向けた。ぎこちない動きだ。
「……言葉の前後を考えれば……ある程度意味はわかるさ……これくらいなら」

 ぎこちない顔は僕もだった。
「『パンタローネ』さんはわざと言ったんだ」
「……何です?」
「どうして知ってるんですか貴方は。僕らの、『ナイト』さんのブログの名前」
 ロボットが首をかしげるように、コックは不思議そうな顔をして僕を見て言った。

「……ブログの名前? 今彼が言ったじゃないか。『夜の語り部達の輪』って」

 ソファから飛び起きるようにして『マッキー』君が立ち上がった。僕は隣の『蒼』ちゃんを手で庇うようにして、見上げる。

「私は『夜中の語り部の輪』と言いました。本当は貴方の言った通り『夜の語り部達の輪』です。正解です。2回も言いました。そしてそれは貴方が『ナイト』氏のブログを読んでいたことの証拠です。貴方は僕達の関係を知っていた。私達が初めてこの場で顔を合わせることを知っていた。知っていたからこそ『豆腐』を犯人に仕立て上げられた」

 ********************

 愛すべき女が殺された。殺した相手を殺してやった。ただそれだけだ。
 こんな自分の子供よりも若いガキ共ならば騙し通せる。そう思っていた。

 ソファから飛び起きるようにして茶髪のチャラチャラした青年が立ち上がった。隣のモヤシのようなメガネの男が気丈にも馬鹿丸出しの女子高生を庇うようにして、俺を見上げる。

「私は『夜中の語り部の輪』と言いました。本当は貴方の言った通り『夜の語り部達の輪』です。正解です。2回も言いました。そしてそれは貴方が『ナイト』氏のブログを読んでいたことの証拠です。貴方は僕達の関係を知っていた。私達が初めてこの場で顔を合わせることを知っていた。知っていたからこそ『豆腐』を犯人に仕立て上げられた」
 正面に立つ少し長めの髪をした飄々とした青年の目が、やけに鋭く俺を射抜く。

 リングを着けた小指が痛い。俺は予想外の展開に動揺していた。




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