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Last update 2008年03月15日

信念  著者:ブラックジョーカー



 三昼夜、自分は死んだようになっていたそうです。
 何も喋らず、目を閉じて悩んでいるその姿は、死んでいるように見えてもおかしくはないでしょう。

 悩んでいても仕方が無いとは分かっていても悩まずにはいられません。
 しかし、刺さったその言葉は今も僕の心から抜けません。
 そんな状態で連休を迎えるというのは運が悪いというしかありません。
 天井の複雑な木目が、あたかも僕を睨んでいるように見えます。
 あの時のように、背中が汗でびっしょりです。
 こうやっていても仕方が無いので、シャワーを浴び、食事を無理に詰め込み、外に出かけることにしました。

 いつも気晴らしに巡回するルートを周る事にしました。
 まずは服屋に行きました。
 今はおしゃれを気にする気分にはなれません。
 ゲームセンター、最新の格闘ゲームに向かってみるも、集中できません。
 本屋、新刊の本棚を見渡し気になるものを手に取るものの、ただの文字列にしか見えず、物語が頭に入ってきません。
 写真集の本棚を見渡すと気になるタイトルが目に入ってきました。
『海 ―起源―』 ぺージは各地の綺麗な海の写真で埋められています。
 僕はその中の一枚に心を奪われました。
 懐かしいような、暖かいような、不思議な心地良い感覚に襲われます。
 最後のぺージに撮影された場所が記載されていました。
 偶然にも近くの海です。

 僕は愛車の大型バイク走らせます。
 しばらくし高速道路に入りました。
 風が心地良いです。
 異様な期待感に駆られ、さらにスピードを出します。
 しばらくすると潮の匂いがします。
 しかし、海はまだ見えません。
 急な上り坂を上り切ると、眼下にきらきら光る青い海が一面に広がりました。
 駐車場に付くなり、僕は子供の様に走ります。
 白い砂浜、フェリーの音、カモメの鳴き声が遠くから聞こえます。
 照り付ける陽射は僕の体を暖めてくれます。
 美しく青く透き通った海は緩やかに脈動し、その度定期的に聞こえる穏やかな波の音は僕を安心させ、あたかも僕を迎えてくれているようです。
<母なる海>僕にはそんな風に見えます。
 そのスケールを見ると、僕が悩んでいる事などちっぽけなモノのように思えます。
 美しい<母なる海>から生まれた兄弟、だからいつか解り合える。
 例えそれが事実で無くても、笑われようとも、僕はその事を揺るぎない事実として信じ続けたいと思います。

 一週間ほど、ぼんやり、自分はそこにいました。




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