Last update 2007年10月07日
タイトルなし 著者:七穂
なんと言っても、変身ヒーローだ
「ああ・・・そうだったな・・・」ぼんやりそんな考えが頭をよぎったとき、
「行って来ま~す!」とやけに弾んだ声が玄関から聞こえた。
「行って来ま~す!」とやけに弾んだ声が玄関から聞こえた。
子供をダシに、今流行りのイケメンに会いに行く妻。
今日も息子とヒーローショーにお出かけだ。
今日も息子とヒーローショーにお出かけだ。
ヒーローに憧れたのはいつの頃からだろう。
ヒーローは男の憧れ。
絶対的な正義 そして勝利。
そして友情と恋・・。
それが変身ヒーローだ。
絶対的な正義 そして勝利。
そして友情と恋・・。
それが変身ヒーローだ。
普通の人間がヒーローに変身する。
そのための儀式が変身のポーズなのだ。
そのための儀式が変身のポーズなのだ。
夜中にホラー映画観ながら、一人、変身のポーズの練習もした。
「なにそれ?」ってあきれてたアイツに、
「女には男のロマンは解らねぇよ!」なんて言ったこともあった。
そいつが今じゃ、ヒーローに夢中だもんな。
自嘲気味の笑いと軽いため息ひとつ。
「なにそれ?」ってあきれてたアイツに、
「女には男のロマンは解らねぇよ!」なんて言ったこともあった。
そいつが今じゃ、ヒーローに夢中だもんな。
自嘲気味の笑いと軽いため息ひとつ。
夢は生き物だ。
変身ヒーローは空想科学の世界が、人間の夢を具現化しようとして作り出したものなのだろう。
それをを追いかければ追いかけるほど、形を変えて膨れ上がりつつ、増殖していく。
ほんの少し手を伸ばせば、それは掴めそうな気さえする。
科学がそれを不可能だと証明していても・・・だ。
変身ヒーローは空想科学の世界が、人間の夢を具現化しようとして作り出したものなのだろう。
それをを追いかければ追いかけるほど、形を変えて膨れ上がりつつ、増殖していく。
ほんの少し手を伸ばせば、それは掴めそうな気さえする。
科学がそれを不可能だと証明していても・・・だ。
・・・・玄関のドアの開く音と足音がした。
俺はまだヒーローか?
鏡の中のちょっと疲れた顔に聞いてみる。
俺はまだヒーローか?
鏡の中のちょっと疲れた顔に聞いてみる。
そう
現実はいつだって味気ない。
現実はいつだって味気ない。