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ろくでなしブルース

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nightstalker

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Last update 2007年10月07日

タイトルなし 著者:ろくでなしブルース


そのとおりだと僕も思った。

僕は色々な事を忘れていた。
僕は以前彼女に会った事がある。
かなり昔の話だったと思う。
彼女と会ったのはいつだっただろうか?
その時の記憶はぼんやりとしているが、だんだんと思い出してきた。
彼女と会ったのはとある廃墟だった。
僕は廃墟の何かに引かれて入っていた。
かなり階段を登った所に彼女は居た。
彼女は廃墟の窓から外を見ていた。
僕はこんな所に人が居るとは思わず、思わずおどろいて大声を出してしまった。
彼女は驚いた表情でこちらを向いた。
『驚くじゃない!あなた一体こんな所で何してるの?』と彼女は言った。
『ごめん。何となくココに入ってみたくなったんだ。君こそココで何をしているんだい?』と僕は言った。
『ココの景色が好きで時々見に来ているの。ただそれだけ。』と彼女は言った。
僕は彼女が景色を見ている窓から景色を見てみた本当に綺麗だった。
近くから見ると汚い大きな川も太陽で光って綺麗に見えた。
『確かに綺麗だね。』
この事がきっかけでたびたび僕はその廃墟から景色を眺めるようになった。
そして僕らは廃墟で時々出会うようになった。
親には秘密で夜に廃墟に出かける事もあった。
突然の僕は引っ越す事になってしまった。
僕は引っ越す事を知った次の日彼女に会いに廃墟に行った。
その日は休みではないので学校が終わるとすぐに走って行ったが、
廃墟に着くと夕暮れ時だった。
彼女はいつもの階のいつもの窓から景色を眺めていた。
彼女が気づくなり僕は引っ越す事を明かした。

『ねえ、もう会えないの?』と彼女は淋しそう言った。





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