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Last update 2007年10月07日

タイトルなし 著者:なずな


「サングラス男だから サンちゃん」
 ・・・・「とでも 呼べば いい・・」

「おじさん」「あっちのおじさん」と
言いにくそうに 言い分けていた小学生の私に 気を使って
見張り役の 男はそう言った。

下手なネーミング。
頭 悪そう。

に しても 退屈。


「いつまで ここにいなくちゃいけないの?」

「知らねーよ・・・いや 詳しいことは解からないんだ ごめんよ。」

親の趣味で着せらていたワンピースの雰囲気や 顔の作りの幼さからか
こんな私に「サンちゃん」は 言葉をずいぶん選んでしゃべってくれた。

計画の内容も きっと何にも知らされてない 下っ端なんだろう。
私を ここへ連れてくるなんてトンマなことして 
きっと こっぴどく怒られたにちがいないんだ。



今 きっと 上の人たちが 
私の別の使い道を 話し合ってるところ。

使い道が無けりゃ、やっぱりどっかに沈められちゃうのかな・・。

ゆっくり 時間をかけて 
身代金の請求先やら 罪のなすりつけ先やら
考えてくれるといい。
警察がここに 気づくまで。

とにかく この退屈な時間 どうしよう・・。


         *


私は 「サンちゃん」と遊ぶことにした。

他のヤツは 子どもなんか ハナっから大嫌いだったので
私が「サンちゃん」に懐いたのをいいことに
見張りをさぼって 昼寝したり どこかへ行ったりしていた。


ずっと 「サンちゃん」は 私のおもりをしてくれたんだ。

石ころ集めてきてもらって おはじきしたり
しりとりしたり・・ そうそう、ゼスチャーゲームとかね
思いつくまま 色んな遊びをした。

「サンちゃん」は しりとりが苦手。語彙が少ないの。
やった、見つけたって顔して 言い出す言葉は ことごとく「ん」で終わった。

「へぇぇ・・小学生って そんな言葉知ってるんですか。驚きました。」
なんてね。おっかしいの。




ドアが開いて 警察の人たちが 入ってきた。
「サンちゃん」が真っ先に取り押さえられた。
そのとき「サンちゃん」何してたと思う?
コマーシャルのマネして クネクネ踊ってくれてたんだよ。

ま、そんな 「サンちゃん」だから すぐに 釈放されたけどね。


          *


今日 新聞の 小さな記事を見つけたの。
失敗を責められた上、「保育士になりたい」って言って 
組抜けようとして 蹴られて 死んじゃったチンピラ。
別名名乗ってたらしいけど 本名「三平」だったの。サンペイ。


「サンちゃん」バカだなぁ・・。
「純真な子ども」やってたことでさえ 私にとっちゃ お遊びのうちだったのに。
そんなのに すっかり、乗せられちゃってさ。
 保育士だって?

「サンちゃん」 ほんとにバカだった。


家にいた私を そのままにしておけば
計画どおりだったのに。

だって 警察が来て 聞き込みでもすりゃ すぐ解かる。
両親の不仲。 私の「ゆがんだ性格」
大声の親子ゲンカ。私が持ってる金属バット。
日記に書いた さまざまな 親を恨んでいた「証拠」。
「殺意の証拠」。


バカな下っ端の「サンちゃん」。
「サンちゃん」さえ 余計なことしなけりゃ
上の人達の計画は 完璧だった。

物音に気づいて 部屋に倒れてる両親を見てびっくりしたの。
何しろ 自分が殺したとしか思えないような 状況だったからね・・。





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