Last update 2007年10月08日
不機嫌な熊さん 著者:亜季
冬眠しそこなった熊のように不機嫌そうにウロウロしていた。
いつもならもうベッドの中にいる時間だというのに、
そんな風な咲子はいつもと明らかに違っていたのだ。
そんな風な咲子はいつもと明らかに違っていたのだ。
そしてオーブントースターに、
たっぷりとチーズとトマトとベーコンを乗せて焼こうとしている。
たっぷりとチーズとトマトとベーコンを乗せて焼こうとしている。
「え?こんな時間から食べるの?」
「・・・何か文句ある?」
「・・・何か文句ある?」
咲子のあまりの機嫌の悪さにうまく言葉を返せない。
「・・・何かあった?」
恐る恐る聞く俺に、今まで見たこともない顔を向けた。
なんていうか、その・・・
まさしく「冬眠しそこなった熊」のような苛立っている顔だった。
なんていうか、その・・・
まさしく「冬眠しそこなった熊」のような苛立っている顔だった。
お手製ピザトーストを皿の上に乗せてテーブルで一息つくと
咲子は俺をじっと見た。
咲子は俺をじっと見た。
「・・・聞いてくれる?」
「う・・・うん。どうした?」
「ニュースでね、今日は数十年に一度の青い月が見れる日だったの。
でもね、うっかり忘れてて、
見ようと思ったときには雨が降り出して見れなかったの・・・。」
「・・・はぁ?」
「雨が止んで青い月見るまで寝れないんだもん!!」
「う・・・うん。どうした?」
「ニュースでね、今日は数十年に一度の青い月が見れる日だったの。
でもね、うっかり忘れてて、
見ようと思ったときには雨が降り出して見れなかったの・・・。」
「・・・はぁ?」
「雨が止んで青い月見るまで寝れないんだもん!!」
うちの不機嫌な熊さんは、思いっきりテーブルをバン!っと叩き響かせ、
かじりかけのピザトーストが皿の上ではねる。
かじりかけのピザトーストが皿の上ではねる。