国際連合

【国際連合(United Nations)】



【首脳陣】

イブラヒム・ガンバリ《事務次長》
コンドリーザ・ライス《前アメリカ大統領》
ウラジーミル・プーチン《ロシア首相(前大統領)》
猿小次《フランス大統領》
パタリロ・ド・マリネール8世《マリナラ国王》
中華連邦主席

【国連軍】

【幹部】

三輪防人《国連軍大将》
神隼人《国連軍大佐》

【実験部隊暫定指揮官】

(第489話「天上人達と歌姫の騎士」でのザ・ボスの辞意表明を受けて事務総局より内示、ザ・ボスの戦死で正式に発令。後継指揮官の選考権限も委ねられている)
桜田ジュン
烏丸ちとせ[MIA]


【士官待遇】(名有り)

ユフィ・キサラギ
柳生但馬守宗矩(現在、見た目は桂言葉となっている)

【下士官待遇】(半名有り)
ホランド・ノヴァク(通称「ひろし」)
グラハム・エーカー
パトリック・コーラサワー【版権フリー。どなたでも(ry】
ジョシュア【版権フリー。どなたでも(ry】


【技術顧問】(半名有り)

レイフ・エイフマン【版権フリー】
ビリー・カタギリ


【概要】

1945年、第二次世界大戦における連合国を中心に発足した国際機構。
戦前に存在した国際連盟(League of Nations 1920年にベルサイユ条約第1編に基づいて設立。1946年国際連合に全資産・業務・傘下組織(常設国際司法裁判所と国際労働機関)を譲渡し解散)の権限を強化し、より実践的な機能を取り入れて組織された。
しかし、議長スレ世界での国際連合は現実のものとはやや異なった経緯を経て現在に至っている。

443話で、長く病床にあったロゼ・アプロヴァール事務総長兼最高評議会議長(フランス出身)が亡くなり、453話現在事務総長と最高評議会議長は空席である。軍事面における国連の統率は、政治・安全保障問題担当事務次長のイブラヒム・ガンバリ(ナイジェリア出身)に事実上委ねられている。なお、事務総長は容易に国連本部を離れられない為、国連加盟各国や外郭機関との実際の折衝もガンバリ事務次長が担当している。
405話での勇者新党の反乱(いわゆる「Outer Hell and Heaven」事件)でニューヨークの本部ビルが破壊され、本部機構はジュネーブのパレ・デ・ナシオン(現実の国連欧州本部)に移ったが、499話でジュネーブは最後の大隊とモルドールの攻撃を受け壊滅。500話において「ジュネーブ再建の目処がつくまでブリュッセルへ移転する」ことが事務総局より安全保障理事会に勧告された。

【沿革】

15年前の戦争の後、旧地球連合が地球連邦に改組された際、これに加わらなかった諸国家により再編成されたのが議長スレ世界における国際連合である。
旧国連(=現実の国連)安全保障理事会の常任理事国であったアメリカ、フランス、中国(議長スレ世界では中華連邦)、ロシアに加え、日本、ドイツ、オーストラリアなどの旧世紀の大国が中心となって運営されている。これらの国家はGGG(Gutsy Geoid/Galaxy Guard)への主な出資国でもあり、所属するビーグルロボの開発も行っている。宇宙世紀ガンダムなど地球連邦が登場する原作において、地球連邦に関係を持っていた諸企業・団体も、議長スレでは国連所属となっている場合が多い。
地球圏の政治・経済・軍事・文化を統合する権力機構としての性質から、上記の七ヶ国及びその友好国以外の国家を中心に結成された地球連邦※(や、その前身の地球連合)とは衝突する状態が続いている。
15年前の戦争においてまだ小規模だった最後の大隊を支援したり、元々は防衛組織であったGGGを改変して独立遊撃部隊『勇者新党』(The Party of the Braves)として代理戦争の任に当たらせているのは、連邦への軍事的牽制の顕著な例である。
(後者については、地球圏内外の勢力が擁する巨大兵器やその他の超テクノロジーに対しては、国連加盟国の保有する通常戦力では太刀打ち出来ないという切実な事情も隠されている)
それだけに子飼いの組織である(と思い込んでいた)新党に反逆された際のショックは大きく、フォーメーションG発動後には全会一致で党員の人権剥奪と地球圏追放が決議されたほどである。
※連邦の領土は、連邦議会が置かれるセネガルなど、いわゆる第三世界諸国に多い。イギリスは旧国連常任理事国で唯一連邦に加わったが、その後騎士団銀河帝国ミケーネ帝国に相次いで国土を制圧され壊滅。第365話現在、大ブリテン島は騎士団、アイルランド島は連邦・銀帝同盟が全土を掌握する(ただし北アイルランドの首都ベルファストには大隊の拠点「バーミヤン」も置かれている)。連邦軍最大の軍事拠点であったジャブローを有するブラジルは、第349話から第355話にかけてグランショッカー(GS)、ついで大隊の侵攻を受け、連邦はジャブロー再建委員会を設けて復興に当たっているものの、国内では連邦からの独立を訴える勢力が優勢であり、事実上無政府状態にある。

第318話「(たぶん何度目かの)地球最後の日」においてモルドールの一斉蜂起を受け、地球はその99%を制圧されてしまう。
同時に国連本部が置かれているニューヨークを始めパリ、モスクワ、北京など各常任理事国の主要都市は悉く怪獣軍団により壊滅している。
木星帝国の分離・独立時にその版図の大半を失い、その後も領土を徐々にを減らしながらもなお超テクノロジー戦力を維持していた連邦と異なり、(数の上で劣るとはいえ)国連加盟各国が保有する通常戦力は怪獣に対して成す術もなく蹂躙され、改めて旧来の軍備、引いては人類そのものの脆弱さを露呈する事となった。
それは、超テクノロジー戦力を有する新党の基地が同じく地上にありながら辛うじて生き残った事を鑑みれば明白であると言えよう。
(ただし、やはり旧来の軍備が殆どである筈の大隊もその戦力をほぼ維持しており、軍備ではなく地球規模の司令系統を欠いていたのが原因である可能性もある)
またこの騒乱によって各国の統治機構も各常任理事国など一部を除いて完全に崩壊し(アメリカはそれ以前の第286話「桜は咲いているか-ワシントンD.C.の激闘-」にて国連派のライス政権と親連邦のウィルソン政権に分裂して混乱していた。ウィルソン政権はのちモルドールに降伏)、世界各地で暴徒化した民衆による略奪や暴行が横行するという事態が発生している。

モルドールの首領であるアングマールの魔王が騎士団との戦闘で消滅したのを機に中華連邦の一部などで人類側が攻勢に転じたものの、もう一方の国際機構である連邦がモルドール討伐に無関心である事、頼みの戦力である筈の新党が(連邦の襲撃もあって)地上拠点を殆ど放棄した事からも災いし、一時は地表の大部分が非地球人類勢力の手に落ちたが、その後モルドールが自主的に撤退した事で各国の領土は復活している。
そのような最悪の状況でも、新党の後ろ盾ともいえるアメリカのライス政権、ロシアのプーチン政権、フランスの猿小次(誤字ではない)政権、日本の安倍政権などは依然健在であり、新党との確執は残る(新党は一時、副党首マイトガインが連邦への接近姿勢を示す一方、党首獅子王凱が国連寄りの態度を変えず、内部で混乱状態が続いたが、第354話「北の雷鳴 南の地鳴」においてマイトガインが副党首を辞任することで一本化した)ものの、その政治的権威は維持されている。

新党との関係においても、ロゼ・アプロヴァール前事務総長はGGGの大河幸太郎元長官らとは旧知の仲であり、その事が少なからず国連内部での勇者新党の保護に繋がっている事実は否定出来ない。フォーメーションG発動後、敢えて新党に地球追放決議を下す事で組織の解体と党員への処罰を未然に防いだ事はその代表的な例である。凱死後の第405話「INDEPENDENCE DAY」にて新党はアメリカを占領する挙に出、国連はこれを反乱行為とみなしているが、正式に絶縁していない事実を考えると、前事務総長の意向が今なお強く働いていると見るべきであろう。

ただ、議長スレ諸勢力に対する態度では常任理事国間でも温度差がある。
たとえばフランスは猿小次政権発足後、前述した新党の混乱を突かれてミケーネ・GS連合軍に占領されたが、猿小次大統領は「国連とヨーロッパ連合(EU)の尊重」を占領容認の条件として突きつけ、その結果ミケーネは第402話「機動艦隊ニートレイバー」にて国連に加入した(ミケーネはフランス本土の復興にも協力した)。国内に大隊の主要基地が存在するドイツは、再三の退去を命じられてもなお武力を以ってベルリンに不法な駐屯を続けた連邦軍を武装解除し基地を接収する行動に出ている。また中華連邦は密かに木帝と提携して自国内に軌道エレベーター「天柱」を建設する一方、ベルリン同様不法駐屯状態にある北京の連邦軍基地に対しては黙認の姿勢をとっている。このように反連邦では意見がほぼ一致するものの、その他では(経済的事情も絡み)一枚岩とは言い難いのが現状である。

なお、ミケーネは第475話「お前のドリルは俺たちの心!」で大隊の攻撃を受け壊滅したが、それまでの間、同国と交替する形で猿小次大統領をトップとするフランス(第五共和制)が国連より除籍されていた。これは一つの国家領域(領土・領空・領海)に対して二つの統治機関が並立する事態を避ける為の措置である。ミケーネの国連加盟協議においては「ミケーネ政府による本格的な国家運営がスタートするまでは暫定的にフランス政府が統治権を代行する」との取り決めがなされていたようである。
国連加盟国にはミケーネの加入に反対する立場を取る国家もあり、そうした保守的思考を持つ人類との折衝も国連の重要な課題とされていた。ミケーネの壊滅で国連の大胆な実験とも言える「非地上(非地球人類)文明国家の受容」は頓挫したが、国連の今後の外交姿勢に重大な影響を残したことは確かである。

【現在の戦力】

【概要】

本ページでたびたび言及しているように、国際連合はこれまで勇者新党以外に有効な対オーバーテクノロジー戦力を一切保持していなかった。
しかし、400スレ台に入ってからアメリカ合衆国と中華連邦が相次いでMSの実用化に成功し、現在では独自の戦力を保有するに至っている。
現状ではアメリカが開発したSVMS-01「フラッグ」、中華連邦のMSJ-06Ⅱ「鉄人(ティエレン)」、更にフラッグのデータを元にEU諸国でライセンス生産されたAEU-09「イナクト」の三機種が国連加盟国の保有する代表的なMSである。この他にも開発過程で生み出された試作機のVMS-15「リアルド」、AEU-05「ヘリオン」、MSJ-04「幽霊(ファントン)」/MSER-04「アンフ」などが若干数配備されている。
また、アメリカにおける反乱(「アウター・ヘル・アンド・ヘブン」事件)を契機に勇者新党と事実上決別した事で、MS部隊は国連が有する唯一の戦力となった。
しかし、それらの機体を操るパイロットは旧来の戦闘機や戦車の搭乗員から転向した者が多く、また従来の国連の姿勢から実戦経験の乏しい者が大多数を占めるのが実情である。そのような悪条件が重なり、兵員の錬度や運用に関しては木星帝国連邦オーブのような長いMS運用の歴史を持つ国家には大きく遅れを取っている。
このような状況下で国連と手を結んだのが「特殊部隊の母」ザ・ボスである。事務総局の後援の下MS兵で構成された実験部隊を創設した彼女は、予算不足や兵士の質の低さに悩まされつつも各地の戦闘に介入し、実戦を通じて運用ノウハウの蓄積や兵員の錬度向上を進めていった。
当初フラッグとリアルドを中心に編成されていたMSは、やがてかって新党に壊滅させられた地下組織「バイオネット」からもたらされたフェイクGSライドと、匿名の人物から託された木帝の主力MSのひとつ「クロスボーンガンダム」のスラスターという重要テクノロジーを得て、新型MS「GN-X」(ジンクス)が配備されるに至った。
今後は現在の既定方針である「実戦を通した部隊の質の向上を」進めつつ、ジンクスの緒戦となった天柱会戦で戦死し(た可能性が強い)、ガンバリ事務次長をして「二度と得難い人物」と言わしめたザ・ボスの後任指揮官探しや、復元不可能とされるフェイクGSライドに代わるジンクスの動力源開発が課題とされている。ジンクスの動力源については国連の技術主任であるレイフ・エイフマン教授が核融合炉の基礎理論の確立に成功し、今後の研究成果によってはフェイクGSライドから核融合炉への換装がなされる可能性は決して低くない。

なお、ティエレンは実験部隊には配備されていないものの、現在までにロシアやインド向けにそれぞれ800機以上もの機体が輸出されている事が確認されている。

【拠点】

《国際共同管理》
オービットベース(旧勇者新党本拠地)
国際宇宙ステーション「ミール」
エンデュミオン基地(月面)
小惑星基地

《中華連邦》
軌道エレベーター『天柱』
スペースコロニー『全球』

【配備MS】

《直轄》
GNX-603T「GN-X(ジンクス)」
《アメリカ開発》
SVMS-01「フラッグ(Flag)」
VMS-15「リアルド(Reald)」
《ヨーロッパ連合(EU)開発》
AEU-09「イナクト(Enact)」
AEU-05「ヘリオン(Hellion)」

【中華連邦 人民解放軍MS部隊所属機】
MSJ-06Ⅱ-A「鉄人(ティエレン) 地上型(陆战型铁人式)」
MSJ-06Ⅱ-E「ティエレン宇宙型(宇宙型铁人式)」
MSJ-06Ⅱ-ET「ティエレン宇宙指揮官型(宇宙司令员型铁人式)」
MSJ-06Ⅱ-C「ティエレン高機動型(高机动型铁人式)」
MSJ-06Ⅱ-LC「ティエレン長距離射撃型(远距狙击型铁人式)」
MSJ-06Ⅱ-SP「鉄人桃子(ティエレンタオツー)(铁人桃子)」
MSJ-04「Phantom(ファントン)(幽灵式)」


【議長スレ世界と国連】

【国連軍と各国軍隊が登場しなかった理由(ワケ)】

実験部隊の出現まで、議長スレ世界には、国連軍及び各国の通常戦力は表立って登場していなかった。
その理由としては、世界中に散布されたミノフスキー粒子と議長軍により地球全域に敷設されたニュートロンジャマー(NJ)の存在が挙げられる。ミノフスキー粒子は既に知られているように、その影響下では電波を用いるレーダーや通信機は機能障害を起こし、それに依存した兵器の有効射程は有視界に限定されてしまう。
既存の兵器体系にミノフスキー粒子が与えた影響は甚大であり、元々レーダーへの依存率が高かった航空機や艦船はその戦術的な価値を大きく減ぜられてしまった。
世界最強と目される米ロッキード・マーティンのF-22「ラプター」戦闘機が、ミノフスキー粒子の影響下では最も被撃墜リスクの高い格闘戦を余儀なくされた事は、それを如実に表す一例と言えよう。
更にNJにより核分裂反応が抑制された事で、既存の原子炉(核分裂炉)が使用不能となっているため、それに動力を依存していた原子力空母/潜水艦(米海軍や露海軍などが保有)はその全てが今や「浮かぶ鉄屑」と化してしまった。
また、NJにより核分裂反応に依存しない『純粋水爆』以外の核兵器は無力化されている事から、議長スレ世界においてはアメリカを筆頭とする核保有国による核抑止の構図は既に崩壊していると推測される。
唯一の例外と言える純粋水爆だが、その開発には高度な核融合技術が必要不可欠であり、NJによる被害を受けながら核融合炉を開発出来なかった国連加盟諸国の技術力で実用化が可能かは甚だ疑問である。
(仮に開発に成功した所でレーダーが封殺されている以上はミサイルに搭載しての運用は不可能であるため、航空機等に搭載した上での対象への直接攻撃という余りにも危険な運用方法を取らざるを得ない)
これらの要素はいち早く核融合炉の開発に成功し、ミノフスキー粒子の影響下での有視界戦闘を前提に開発されたMSを主力兵器として採用した連邦との圧倒的な軍事的格差が生じた原因ともなっている。
(米国初の実用MSであるSVMS-01「フラッグ」に搭載されている水素プラズマジェットエンジンは必ずしも核融合炉を意味するものではないことに注意されたい)
なお、大隊でも国連加盟諸国が配備している通常戦力と同じ兵器を使用しているが、彼らの技術水準から推測して、ミノフスキー粒子やNJに対して何らかの防御策(前述した核融合炉の開発や、ミノフスキー粒子の影響がほぼ及ばない光学的索敵システムの強化、高出力・低燃費の内燃機関・蓄電池の開発など)を講じている可能性が高い。

【勇者新党の成立】

果たして国連を窮地に追いやった軍事技術面の諸問題に対する解決策は存在したのか?
─────結論から言えば、国連は既に答えを手にしていた。
兼ねてより研究の進んでいた超AI制御ロボット。そして三重連太陽系という未知の世界から地球にやってきた「北極ライオン」ことギャレオンがもたらしたGストーン技術である。

超AIロボはその多くが有視界での近接戦闘を主眼に開発されており、またGSライドや燃料電池を動力源としていたため、NJの影響下でも問題なく活動が可能であった。
しかしGSライドや超AIは非常に高コストな技術であり、各国の経済状況を鑑みれば国連が物量の面で連邦や木帝に対抗する事は殆ど不可能に近かった(後の話になるが、連邦でさえ、ガオガイガーのレプリカ開発にはひとまず成功したものの、Jアークの復元(方舟計画)は断念するほどであった)。
こうした窮状を打破する苦肉の策として、元々直属の防衛組織であったGGGを母体とし、超AIロボが多数配備されていたブレイブポリスや勇者特急隊を編入した少数精鋭の遊撃部隊構想はスタートした。その後地球に駐屯していた宇宙警察関係の地球外機関に対しても協力を仰ぎ、最終的には総勢100機近い戦闘集団を編成する事に成功する。
遊撃部隊は最高評議会直属とし、活動資金は国連が負担する事で加盟各国の経済的負担の軽減も図った。
当時は名もなかった遊撃部隊が自らの意思で名乗りを上げ、国連の唯一の対オーバーテクノロジー戦力として戦いの歴史を歩み始めるのは、ザフトが負債軍に宣戦を布告してからの事である。

【勇者ロボ開発史~その真実~】

国連は高性能な大型戦闘用ロボットの分野では優れた結果を残していたものの、MSのような小型で汎用性の高い安価な二足歩行機動兵器に関しては敵対する連邦木星帝国に完全に水を開けられ、その差はもはや挽回不能と言われるほどにまで拡大していた。
GGG機動部隊やブレイブポリスに配備されている超AIロボはMSとは桁違いのスペックを有している反面、超AIやGSライド、複雑な変形機構の採用により開発コストが高騰しており、とても加盟各国に必要十分な数を配備する事は不可能であった。
量産型と言われる竜型超AIロボやマイク・サウンダースシリーズでさえその総生産数は一般的な量産型のそれに比べれば圧倒的に少なかった事実は何より雄弁に超AIロボという兵器の性質を物語っている。
開発コストの問題は常に技術者を悩ませてきたが、その根本的な原因はニュートロンジャマー影響下でも問題なく作動する原子力エンジン=核融合炉を国連加盟諸国が実用化出来なかった点にある(国連加盟諸国の保有する核分裂炉が使用不可能となった経緯はこちらを参照されたい。
何れにせよ、ロボット兵器の動力源として外宇宙から齎された稀少物質に依存したGSライドや規格外の超大出力を発揮する特注品の発電機を選択せざるを得なかった時点から既に国連(及び加盟国)の機動兵器開発は方向性を誤り始めていたのである。
特異な性質から量産の利かないGSライドや超AIはそれ自体が貴重品であり、それら高価値の部品を保護する為の高性能なボディが必要とされた結果、前述したコストの高騰は更に加速する事となった。解決策として制御AIのグレードを落としたモデルも考案されたが、機体の性能をフルに発揮して戦う事が出来ない低レベルなAIを高性能なボディに搭載すればコスト面でも無駄が多く、かといって機体そのものの性能をAIに見合ったレベルにまで引き下げればとても実戦に耐えうる代物ではなくなるという逆方向のジレンマが発生し、最終的には頓挫している。なお、ダウングレートされたAIを搭載して完成したプライヤーズ及びカーペンターズ、ガンマシンは人間或いは超AIロボの指揮下での運用を想定された半自律兵器となっている。
これらの事実を踏まえれば、ロボット兵器の開発において国連が一点豪華主義を採用したという表現は必ずしも的を得ていない。現実には汎用的な量産型機動兵器の保有を渇望しながらも、技術的な限界から止む無く一点豪華主義に走らざるを得なかったのである。

【宇宙人の立場】

国連は地球圏に到来した宇宙人の最大の受け入れ先の一つとなっている。
新党には三重連太陽系やクロノス星、最近ではセイバートロン星からの移住者が多数在籍しており、彼らは国連の管理下で地球人と変わらない(或いはそれ以上の)権利を保障されている。また、国連は宇宙警察機構(宇宙警備隊含む)が公式に捜査官を派遣している唯一の組織でもある。連邦や木帝といった人類勢力に対しては保守的かつ排他的な国連が異星人に対しては寛容な姿勢を貫くのは何故か?
それは国連と敵対する連邦が銀河帝国と強固な同盟関係を築き、かっては外宇宙との貿易で多大な利益を得ていた事が関係している。現時点では特定の外宇宙勢力との交流はなく、あくまでも移住者の受け入れに徹してはいるものの、これも将来的な展望を見越しての戦略に他ならない。国連と友好的な関係にある異星人の存在は、未知の外宇宙の知的生命体との接触の際に少なからず有利に働くであろうという推測によるものである。
(ミケーネ帝国の国連加盟を認めた背景もここに起因する)

異星人の技術の再現も試みられてはいるが、コスト面での問題から部分的な採用に留まっている。
なお、近年アメリカにおいて実用化された国連諸国初の実用MSであるSVMS-01「フラッグ」は可変機構を有しており、その変形後の姿は明らかに旧来の航空機とは一線を画している。
一説によれば開発国であるアメリカ(ライス政権)が保有する”アイスマン”と呼称されるエイリアンの技術を転用したものであると言われているが、あくまでも噂の範疇であり真相は不明である。

【超AIロボの立場】

超AIロボは人間と同様の精神構造を持っているが、その分類はあくまでもロボットである。
彼らを危険な作戦に従事させ、その結果死に至らしめたとしても人道的に批判される事はない。これは自国民の犠牲を回避したい加盟各国(特に朝鮮・ベトナム・湾岸の各戦争の経験から、自国民の戦死者数には神経質になっているアメリカ)にとってはまさしく理想の兵器であった。少なくとも新党の創設段階で超AIロボが国連加盟国の国民は一滴の血も流さず、敵対する連邦や木帝には人的損害を与え続ける無人兵器として各国首脳に認識されていた可能性は否定出来ない。
それも従来の無人兵器とは異なり、人間と同等かそれ以上の高度な知性に加え、鋼鉄の頑強さと精密機械の緻密さを兼ね備えた「不死身の兵士」である。現実には独立した自我が存在する為そこまで都合のいい兵器ではないのだが、国連内部では超AIロボが神話のゴーレムや青銅の巨人タロスの再来であると思い込む者も後を絶たなかったという。

しかし、実際には初代党首の獅子王凱を始め、新党の結成に関与した大河幸太郎元GGG長官(宇宙開発公団総裁)や八木沼範行前GGG長官(元防衛省防衛政策局長)、警視庁の冴島十三警視総監ら日本政府高官の尽力によって超AIロボの「人権」は可能な限り保護されて来た。その他にもロゼ・アプロヴァール国連事務総長を始め、中華連邦の楊龍里博士らGGGに関係する国連本部及び国連常任理事国の有力者や、フランスの対特殊犯罪組織「シャッセール」による関係各機関への根回し等の裏工作を指摘する声もある。
現在も新党に所属する超AIロボには人間の党員と同等の権利が保障され、宇宙人同様に種族を超えた仲間として扱われている。また通常の軍事組織であれば重罪となる命令違反や抗命行為、サボタージュ行為、更にはクーデターに対しても党内では非常に寛大な措置が取られている。新党及びオーバーテクノロジー兵力対策を所管するイブラヒム・ガンバリ事務次長ら国連首脳部の多数は無論快く思っている筈はないが、超AIロボの行動について人間と同じように処罰する事を要求するのは彼らを人間と同一視する事に繋がるため、容易に口出しが出来ない。新党の創設段階において超AIロボの人権を認めないとした見解を、国連は逆手に取られた形となっているのである。
これは心を持った超AIロボを単なる戦闘ロボット、つまり兵器の一種としてしか扱おうとしない国連に対する新党関係者のささやかな抵抗と言えるだろう。


【機動兵器開発の転機~フラッグとティエレンの登場~】

ちょっと待ってね



【各組織との関係】

【勇者新党】

上記のように勇者新党は国連の対オーバーテクノロジー戦力として発足した歴史を持つ。
表面上は既存の超AIロボや親国連的な外宇宙勢力の地球支部の戦力を統合した独立部隊だが、財源や人員・装備の補充などはGGG時代から継続して国連が行っており、その最高指揮権は国連安全保障理事会に帰属する事実上の直轄戦力であった。両者の関係はフォーメーションG発動と党員の地球圏追放などの問題を抱えつつも、基本的には良好なものだったと言える。
しかし、国連寄りの方針を取っていた初代党首獅子王凱が戦死を遂げ、親地球連邦(以下連邦)的な思想を持つ事で知られる副党首マイトガインが二代目党首に就任した事で国連と新党の蜜月関係は幕を閉じた。
マイトガインはライス政権(国連常任理事国)とウィルソン政権(中立を宣言しているものの連邦寄り)との内戦に揺れるアメリカ合衆国に侵攻し、電撃的に全土を制圧。北米に独立国家「アウター・ヘル・アンド・ヘブン」を打ち立てる事に成功した。その後もマイトガイン率いる勇者新党は各国に対して挑発的な示威行動を取り続け、この事態を重く見た国連安保理は直ちに新党討伐を決定する。
当時はちょうどミケーネ帝国が国連加盟を果たすべく人類側に歩み寄っていた時期であったこと、更に国連加盟国の中でMS開発に成功した国家が現れ始めていた事から、国連が保有する唯一のオーバーテクノロジー戦力としての勇者新党の存在価値は徐々に薄れつつあった。この事が安保理をして全会一致で新党討伐を決議させた遠因となった可能性も高い。
程なくしてアウターH&Hは連邦軍やグランショッカー、最後の大隊などの介入、何より新党の北米からの撤退により敢無く崩壊し、アメリカの統治権はライス政権に返還される事となる。
この事件以降、事実上勇者新党と国連は完全な絶縁状態にある。しかしロゼ・アプロヴァール事務総長並びに対オーバーテクノロジー戦力を統括するイブラヒム・ガンバリ政治・安全保障担当事務次長から公式に関係断絶が表明された訳ではなく、アプロヴァール事務総長が死去した現在も、(少なくとも書面上では)勇者新党は国連の外郭機関であり続けている。資金提供こそ凍結されたものの、オービットベースやGアイランドなどの諸施設が依然として新党の所有下にあり、国連が何ら接収の動きを見せていないのははこのためである。

【地球連邦】

連邦は国連の地球圏における最大のライバル組織であると言えるだろう。
両者は同じ地球に本拠地を置く権力機構としての領土的・経済的な利権だけでなく、その根底にある思想も対立している。
連邦がダカールの連邦政府を頂点とする世界国家の建設を目指しているのに対して、国連はあくまでも独立した国家群によって形成される緩やかな国家連合体である。
国連側の常任理事国などの所謂大国は旧世紀から続く歴史の古い国家が多く、国家解体と国境の除去を前提とする連邦の極端なグローバリゼーションに対して国民の反発が根強い事も深く関係している。
そのため国連では加盟する諸国家の独立こそ保たれたが、政治的な対立や利害の不一致から国家間での足並みが揃わないという弱点を抱える事となる。これは国連が地球圏の内外からの脅威に晒されている現在でも解決されておらず、時には常任理事国同士が自国の利益を優先するあまり互いの足を引っ張り合う事さえある。
結果的にこうした不和が原因となって技術的・経済的にも中央集権的な連邦に出し抜かれ、軍事的にもいつしか両組織の間には機動兵器開発やミノフスキー粒子の発見を始めとする数々の埋めがたい格差が生まれた。かくして旧世紀において世界をリードしていた大国は、殆ど自滅するような形で新興国家である連邦やコロニー国家の後塵を拝する羽目になったのである。
しかし、宇宙人の来訪や外宇宙文明の遺物の取得などの幸運が重なり、連邦のそれに比べれば遥かに大型ながら国連の側にも機動兵器の開発に成功した国家が現れ始めた。それこそが日本やアメリカ、EUで開発された勇者ロボであり、後にそれらを編成した独立遊撃部隊「勇者新党」が国連の持ちうる唯一の対オーバーテクノロジー戦力として連邦との代理戦争に当たる事となる。
加えて、木星帝国の独立をきっかけに始まった連邦領土の大幅な縮小(その一つのピークがグランショッカーによるジャブロー陥落=ブラジルの事実上の喪失である)は、相対的に国連加盟国家群と連邦の地球における政治的影響力の逆転をもたらし、軍事的にはなお連邦が優勢であるとはいえ、度重なる災禍によって地球が荒廃している現状を差し引いても、現在地球上における政治的イニシャティブは国連が奪還していると言えよう。

【オーブ連合首長国】

オーブ連合首長国(以下オーブ)は中立主義を最も基本的な国家理念として標榜している。
その為、オーブはこれまで国連を含む一切の公式な国際同盟に加盟していない。これは連邦に対しても同様であり、本土への度重なる侵攻(オーブ戦争)を受けつつも徹底抗戦の姿勢を貫いている。しかしながらオーブは国連の外郭団体であった時代の勇者新党とは友好関係にあり、オーブ国防軍と新党とでしばしば合同作戦を展開した事実もある。尤も、これはあくまでも当時の新党の幹部であった獅子王凱やマイトガインとオーブ政府関係者が個人的に懇意であった為であり、また勇者新党がある程度の独立した外交権を保持していた事もあって、特に国連とオーブとの間で繋がりがあったという訳ではない事には注意が必要である。
凱の死後、マイトガイン体制の下でニューリーダーとして台頭した航空参謀スタースクリームが武力制圧を仄めかしつつオーブの国連加入を迫った事もあるが、オーブ側は毅然とした態度でこれを拒否している。余談だが、当時の国連加盟国の幾つかはオーブに対してFTA(自由貿易協定)の締結や資金提供などを提案しており、オーブの持つ高い技術力を欲していた事が伺える。
現在は人的なコネクションに依存していた新党との友好関係もほぼ消滅した状態であり、国連に対しても以前と同様に距離を保った国家運営を行っている。

【ミケーネ帝国】

地上制覇を企むミケーネ帝国と勇者新党は伝統的に強い敵対関係にあり、国連も地球圏での非人類文明(もっとも、改造される前のミケーネ人は古代の人類だが)の台頭を好ましく思ってはいなかった。両者の緊張は常任理事国かつ新党の重要拠点の一つであるフランスがミケーネにより制圧された時点で最大のピークを迎える事となる。しかし、フランスが国連とヨーロッパ連合(EU)の尊重を占領容認の条件として持ち出し、これをミケーネが受け入れた事、その後ミケーネが不拡大路線を採り、フランス国民の保護や戦災からの復興を積極的に推進した事など、国連に歩み寄る姿勢を見せたことで関係は徐々に見直されていった。
国連の側としてもミケーネ帝国の戦闘獣やガンメンといった超兵器の数々は魅力的であったし、それらの技術を擁するミケーネを味方につける事は今後の対外戦略を有利に進める上で有意義であった。更に当時は国連の直属組織である勇者新党が獅子王凱の急逝やそれに伴う内部混乱、メンバーの離脱などで機能不全に陥っていた事も、ミケーネ帝国にとって有利に働いた事は想像に難くない。
このような経緯を経て第402話「機動艦隊ニートレイバー」にて国連への加盟が総会において採択され、ミケーネ帝国は地球内外に存在する非人類国家としては史上初めて独立主権国家として承認されたのである。
国連及びフランスとの協定に基づき、ミケーネはフランスからの権力の委譲を進め、またミケーネ加盟に反対していた国家との交渉も日程に上がっていた。アウター・ヘル・アンド・ヘブンによる一連の争乱により国連本部がジュネーブに移転してからは欧州の守りの要としても期待されていたが、第432話「あばよ、ダチ公」で最後の大隊との反木星帝国同盟交渉が破綻したことから大隊の度重なる攻撃を受け、第475話「お前のドリルは俺たちの心!」でその中枢機構は壊滅状態に追い込まれた。この時国連はMS中心の実験部隊を設立していたため軍事的には影響は軽微であったが、「非人類国家との融和」という壮大な外交的実験は頓挫することとなった。

【最後の大隊】

最後の大隊は古くから国連とつながりを持っており、国連の下で極秘裏にDG細胞の開発に関わっていた。いわゆる「15年前の戦争」は、大隊がDG細胞を奪取した事が発端だった――というのがエクスカイザーの主張である。
それ故、国連と大隊とは敵対関係にあって然るべきところだが、現実には「付かず離れず」(大隊側に言わせれば「国連加盟国の道楽に付き合う」)の関係を保っていた。
現在ドイツに総司令部が存在する他、西欧をはじめロシアや中近東、日本、南米など多数の国連加盟国に大隊の基地が存在している。各国の政府は大隊の駐屯を黙認しており、(恐らくは無償で)基地用地を提供する代わりにオーバーテクノロジー戦力からの国土の防衛を委託する相互依存関係にあった。このような大隊との依存関係が成立した裏には、各国が保有する通常戦力はMSや超兵器に対してほぼ無力であり、国連の戦力で唯一オーバーテクノロジー兵器を擁する勇者新党も小規模部隊である為に全ての加盟国をカバーする事は不可能であるという事情が存在する。
この背景には、組織の拡大によって大隊から旧ナチス色が薄れた結果、欧州を中心とする各国の大隊に対するアレルギーが収まっていった事、大隊が基地所在国・地域の内政に干渉しない方針を採った事、純粋に戦争(闘争)そのものを追求する大隊の姿勢は戦争を政治の延長と捉える地球連邦と真逆であり(両者は一時手を組んだ事もあったが短期間で袂を別った)、国連加盟国とは反連邦で意見が一致する事などが挙げられる。また、一時ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が大隊でアルバイトをしていた事も、国連と大隊の関係に大きく影響したものと思われる。
しかし、国連側のMSの普及により大隊との協力関係は徐々に形骸化し、第445話「燃える王国」で、国連は大隊が脱走兵捜索のため部隊を展開しているにも関わらずアザディスタン王国へ核攻撃を加えた(この時ガンバリ事務次長は大隊との決別の旨を言明している)。また大隊が国連加盟国であるミケーネ帝国を壊滅させた事も国連の心象を悪化させた模様であり、加盟各国に駐屯する大隊各部隊の地位は不安定になっている。