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D&D 齟齬
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匿名ユーザー
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Level 26
空間が歪んでテレポートで現れた親衛隊にずらりと囲まれる。ルナマリアやメイリン、レイも彼らに拘束されて、再びシンはジュールの杖を渡せと迫られる。
「仲間と交換だ。仲間を放せっ! 早くっ」
「仕方がないなあ」
「仕方がないなあ」
キラが親衛隊に目配せをしてレイ達の拘束が解かれる、咳き込んでいるメイリンをルナマリアが介抱するが、シンとの間に割り込んだ親衛隊がレイ達と合流するのを阻む。シンは後目でそれを確認すると、ペガサスの背に目をやった。
「あいつもだっ」
「彼は仲間じゃないでしょ」
「いいから離せよっ、杖が欲しくないのかっ」
シンが一歩前に出て、杖を突き出す。
「ジュールの杖が先だよ」
「彼は仲間じゃないでしょ」
「いいから離せよっ、杖が欲しくないのかっ」
シンが一歩前に出て、杖を突き出す。
「ジュールの杖が先だよ」
シンはもう一度ペガサスの背を見て、杖を手放した。
相手の紫の目が細まり、無表情のまま後に飛びのく。
相手の紫の目が細まり、無表情のまま後に飛びのく。
「約束が違うっ、アスランを返せよっ!」
「悪いけど・・・彼もまだ渡せないんだ。杖を探してくれて礼を言うよ」
「悪いけど・・・彼もまだ渡せないんだ。杖を探してくれて礼を言うよ」
「約束が違うっ・・・お前っ!」
そのままペガサスに飛び乗ろうとするから、シンは駆け出した。
振り下ろしたソードは宙を切り、シンは斬り付けた男の瞳から光が消えたような気がした。目を凝らした瞬間、空気が揺れる。
「しつこいよ」
紫電が走る。
目の前に現れた男の剣をシンは受け止めたはずが、ガキンと剣は空高く舞い上がり、シンの手を離れる。折れた剣先がドスッと地面に突き刺さる。
そのままペガサスに飛び乗ろうとするから、シンは駆け出した。
振り下ろしたソードは宙を切り、シンは斬り付けた男の瞳から光が消えたような気がした。目を凝らした瞬間、空気が揺れる。
「しつこいよ」
紫電が走る。
目の前に現れた男の剣をシンは受け止めたはずが、ガキンと剣は空高く舞い上がり、シンの手を離れる。折れた剣先がドスッと地面に突き刺さる。
喉元に伸びる剣。
よけられない・・・!
視界が真っ白に染まり、カキーンと耳をつんざく音が響き渡たった。
視界が真っ白に染まり、カキーンと耳をつんざく音が響き渡たった。
何かが剣を阻んでいる。
それは、シンとキラの間に突如出現した剣。
細長い透明な刃が、彼の剣を受け止めていた。
刃の向こうに目を見開いたキラの顔が見える。紅の瞳と紫の瞳がぶつかり合い、それだけで殺されそうな眼力を持つ瞳に既視感を覚える。奥を探るような。
細長い透明な刃が、彼の剣を受け止めていた。
刃の向こうに目を見開いたキラの顔が見える。紅の瞳と紫の瞳がぶつかり合い、それだけで殺されそうな眼力を持つ瞳に既視感を覚える。奥を探るような。
まるで、ドラゴンの瞳。
紫の瞳に浮かび上がる縦長の虹彩。
紫の瞳に浮かび上がる縦長の虹彩。
ヒュッ。
シンとキラが謎の剣を挟んで向かい合う間、一瞬の隙を突いてペガサスに矢が突き刺さる。
シンはそれがレイの矢だと気付き、飛び立っていたペガサスが空中でバランスを崩すの見る。キラも僅かに目を動かしてそれを確認していて、親衛隊が動けば、ルナマリアの魔法が彼らの前に炎の壁を作った。
シンはそれがレイの矢だと気付き、飛び立っていたペガサスが空中でバランスを崩すの見る。キラも僅かに目を動かしてそれを確認していて、親衛隊が動けば、ルナマリアの魔法が彼らの前に炎の壁を作った。
「取り戻したければ追っておいでよ。君の役目だ」
シンよりも早く、キラが落ちるペガサスからアスランを抱きかかえると、その場でテレポートのゲートを開ける。
「待てよッ!」
目の前にあった剣を掴むと、そのゲート目掛けて走る。
ありったけの力を込めてジャンプし、閉じかけたゲートに飛び込んだ。
ありったけの力を込めてジャンプし、閉じかけたゲートに飛び込んだ。
空間転移する魔法の入り口が閉まった瞬間から、ゲートとゲートを繋ぐ通路が猛スピードで消えていく。
間に合ってくれよっ。くっそ―――っ!
シンは背中に迫った入り口と目前に見える出口に挟まれて、途中の空間に放り出された。落下する体が建物の屋根に落ち、硬い石の上を転がり落ちる。全身が痺れてすぐに起き上がれず、両膝と手をついて頭を振った。透明な刃を持つ剣はシンの手にあって、轟音を耳にしてシンは空を見上げた。
一体、何が起こっているんだ・・・っ!?
Level 27
武装した衛兵が王宮へと迫る。
衛兵に命令を出しているのは鉄仮面を被った執政で、王宮の塔と同じ高さにまで積み重ねられた議会の塔とでにらみ合いが続いていた。
議会の評決を無視する女王に退位を迫る議会と、それを拒否する女王。近衛兵と衛兵との小競り合いが続き、一進一退の攻防も徐々に議会側が押し始めていたそんな矢先。
クライン執政の背後にテレポートしてきた騎士がいた。
衛兵に命令を出しているのは鉄仮面を被った執政で、王宮の塔と同じ高さにまで積み重ねられた議会の塔とでにらみ合いが続いていた。
議会の評決を無視する女王に退位を迫る議会と、それを拒否する女王。近衛兵と衛兵との小競り合いが続き、一進一退の攻防も徐々に議会側が押し始めていたそんな矢先。
クライン執政の背後にテレポートしてきた騎士がいた。
「・・・杖を」
執政がキラの手にした杖を見て、塔に居並ぶメイジ達に号令をかける。
「魔力込め―――っ!」
「何をするつも・・・っ!?」
「魔力込め―――っ!」
「何をするつも・・・っ!?」
執政が手を振り下ろす。
「そんな事をしたら、女王はゴールドドラゴンをっ!」
議会の塔に設置された、巨大な投槍器から一斉に魔力を帯びた槍が放たれた。
議会の塔に設置された、巨大な投槍器から一斉に魔力を帯びた槍が放たれた。
炎や稲妻、氷、様々な属性を帯びた長槍が一直線に王宮に迫る。
次々と槍は塔へと突き刺さり、あるいは突き抜け、塔の一部が崩れ落ちる。
地上での競り合いを気にしていた女王が、議会の塔の最上階を見る。
次々と槍は塔へと突き刺さり、あるいは突き抜け、塔の一部が崩れ落ちる。
地上での競り合いを気にしていた女王が、議会の塔の最上階を見る。
矢継ぎ早に放たれる魔力の矢に女王が陣を張る塔が震撼する。瀟洒な瑠璃の窓は破られ壁が崩れて女王を守っていた近衛兵が何人か犠牲になった。崩れる塔の下には大勢の兵がひしめき合っている。
女王はついに君主の杖を振るった。
ドラゴンズピークから飛来するゴールドドラゴン達が王都の空に舞う。ゴールドドラゴンのブレスが議会の塔を狙い燃え上がった塔の一部が崩れて落下する。
燃える石の塊が降ってきて、シンは慌ててその場から動いた。地上にバラバラと破片が降り注ぎ、ドラゴンが地表近くを飛べば、竜巻が起こって衛兵や近衛兵が吹き飛ばされる。
壁に掴まり、柱に隠れたりして突風をやり過ごす。
壁に掴まり、柱に隠れたりして突風をやり過ごす。
シンが落ちた場所。
そこは王都王宮の一角で、空には無数のゴールドドラゴンが飛び交っていた。
議会塔の上の方、先ほどから魔法が放たれる場所に探し求めるものがあると感じたシンは、衛兵がひしめく中を最上階を目指して登り始めた。
そこは王都王宮の一角で、空には無数のゴールドドラゴンが飛び交っていた。
議会塔の上の方、先ほどから魔法が放たれる場所に探し求めるものがあると感じたシンは、衛兵がひしめく中を最上階を目指して登り始めた。
続く