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 一人暮らしを始めてもうすぐ2年。
 イザークは今、最大の危機に直面していた。

 今年は年明けから波乱続きだった。
 いきなりガス爆発に巻き込まれて単位を落とした所から始まって、隣の家と間違われてガスを止められ、エレベータに閉じ込められ、今年は厄年かと憤った事も頻繁にあったがなかなかどうして、最大の山場が控えていた。

 一週間前に久しぶりに戻った実家で、母から告げられた衝撃の内容を思い出して腕を組む。彼岸の墓参りで聞かされたのは聞いたこともない、遠縁の家の高校生が有名大学に合格したと言う話。関係のない話だと思って聞き流していたら、突然声を掛けられた。

 と言うわけで、いいわよね。イザーク?

 何が、と言うわけなのか分からず聞き返すと、母は笑いながら言ったのだ。

 貴方のマンションにその子が居候することになったのよ。
 部屋が決まるまでのちょっとの間だから、いいわね?

 既に決定事項なのか、反論も空しくついに当日となったのである。
 イザークは昨日から家中をきれいにして、と言っても普段から整理整頓されている彼のマンションの部屋の隅々までピカピカの新居のように光り輝いている。自分で利用している部屋を除けば2部屋も余りがあったのが災いしたのだろうか。

 3LDKといささか一人暮らしの大学生が住むには立派過ぎるマンションで、今日から住人が一人増える。しかし、既に時間は午後2時。遅刻である。

 約束の時間を1時間も遅れて、チャイムが鳴った。



 今年から大学生とだけあって、今日から一緒に住むことになる親戚はイザークより若干背が低く華奢に見えた。よく見れば親類に似た女性がいたような気がする。下手をすれば、男が女か迷うような容貌を少しだけ申し訳なさそうにして頭を下げる。

「あの、宜しく」
「遅かったな。道に迷ったのか?」

 カバン一つで乗り込んできて立ち尽くしていたから、一先ずリビングに案内する。壁を書棚が取り囲み、数々の貴重な民俗グッズが並べられたイザークのお気に入り空間の一つである。

 荷物は? と聞こうとして、後で届くのだろうと思い直す。一人で運べる量であるわけがない。あまりに簡単に話が決まってしまったが、これは立派な引越しである。

「昼はどうした?」

 イザークは一時間彼を待っていたから、何も口にしてなかった。空腹を訴えるわけではないが、1時と言う時間で昼食のことを尋ねないわけにもいかない。

「俺? 何もいらないよ」

 しかし、イザークの問いかけに答えた彼は、さもイザークがつまらない質問をしたかのようにあっさりと答えた。

「神様だから」



 聞き間違いだろうか。
 至極真面目な顔をして目の前の少年がのたまった。

「は、カミ?」

「ああ、神」

 とてもそんな風には見えないのに、目の前の遠縁の大学生はどこかイっちゃってるのだろうか。思わずまじまじと見つめてしまった。

 肩に付くか付かないかの髪は男にしては長いほうだが、自分もきれいに肩口で切りそろえているからそこは特に問題はない。では、少し青みがかった髪の色だろうか、それとも鮮やか過ぎる緑の瞳か。

 オレンジやピンクの髪が横行する現代に、その容姿はとても好ましく見えた。
 新手のからかいなのかといぶかしんで、イザークは平然と受け流す。相手にするだけ馬鹿馬鹿しいとも言う。

「そうか・・・」

 こうして、自称・神との共同生活が幕を開けた。





拍手とかで書こうと思っていたけれど、なんとなくギブ。と言うわけでネタの種に放置ですたい。あー、いろいろ考えたのになー。




カテゴリ: [ネタの種] - &trackback- 2006年07月13日 21:13:29

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