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「一年」と「プラス」を振り返ってみて
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デス種失敗の原因を探りたいと思います。お? 好きで好きでたまらない。あの話に感動した、不満な点なんて一切ない! なんて人に是非一緒に考えてほしいですねー。なんてね。
原因その1:あいまいな焦点
さて、はて、1年かけてあれは何を描いたのだったろうか、明確に答えられる人いますか?
一回りも二周りも人間として男として成長したシンが、最終回にいるはずだった。
と、誰でも7話くらいまでは思ったのではないでしょうか?
思わない人もいたかもしれないけど、管理人はちょっとはそう思っていたし、そう望んでいた。その望みは僅か2クールで合えなく打ち砕かれたわけですが。
思わない人もいたかもしれないけど、管理人はちょっとはそう思っていたし、そう望んでいた。その望みは僅か2クールで合えなく打ち砕かれたわけですが。
では、監督が言うように、これは3軸(キラ・アスラン・シン)の群像劇だったのか? と言うと、そんなところは少しもないわけです。3軸であるなら、3つの視点、3つの思い、3つの歩み、3つの回答、3つの選択があってしかるべきで、たった一つに集約されてしまうような選択では意味がない。
一つの大きな流れの中で、それぞれの話を描くというのはとても難しいのですけど(素人がやろうとしてできるものではない)、それを盛り込んでいくことがストーリーテラーとしての役目。
というわけで、まず、主人公のシンです。
当初、主人公としてのシンにはいくつも複線がありました。
当初、主人公としてのシンにはいくつも複線がありました。
- 前作の主役機フリーダムに家族を殺された過去
- カガリとの言い合いに見えるオーブへの愛憎
- アスラン(目指す仮想現実)への反発と憧れ?
- 種割れと移住者なのに主役機インパルスへの採用
- ガキな言動
さて、この中のうち、ちゃんと描かれたのは?
「あちゃー」なわけです。
「あちゃー」なわけです。
原因その2:登場人物の配置
大抵主人公というのは、上記にあげたような自分自身の問題と、世界の命運なんてものを二つ背負わされるものなのですが、その重荷を一人では解決しません。その時に助けになるのが、周囲にいる友人や先輩、敵、行く先々で出会った人々です。というわけで、シンの周りにいる人をあげてみると。
- 同僚で隊長機に乗るレイ
- 同僚のルナ
- ミネルバのメカニック達(ヴィーノ、ヨウラン)
- ミネルバのブリッジクルー達(艦長、副長)
- 孤児になった時に助けてくれたオーブの軍人のトダカ
- インパルスへと採用したデュランダル議長
- オーブ代表首長のカガリ
- (枕詞が多くてなんと呼べばいいのやら)アスラン
- 基地建設で助けた人々
- ガルナハンのレジスタンスのコニール
- 敵対する地球軍の強化パイロットのステラ
- 同じくスティング、アウル
- 敵対する地球軍の強化部隊の隊長のネオ
- 途中乗艦してきたハイネ
- ベルリンで被害にあった人々
- フリーダムのパイロットのキラ
彼らをカテゴライズすれば、こんな感じでしょうか?
友人>
友人>
- レイ、ルナ、ヴィーノ、ヨウラン
先輩>
- トダカ、アスラン、艦長、副長、ハイネ
敵>
- ステラ、議長、スティング、アウル、ネオ、カガリ、キラ
出会った人々>
- 基地建設の人々、コニール、ベルリンの人々
ちょっと、主観入ってますけど、意外と関係する人々出てきます。最も、4分の3を地球上での回に当てた割には現地での交流がほとんどない、敵が圧倒的に少ないのは致命的ですけどね。
では、このうち、面と向かって会話をしたってのを加味すると、どうなるかというとですね。
では、このうち、面と向かって会話をしたってのを加味すると、どうなるかというとですね。
友人>
- レイ、ルナ
先輩>
- アスラン
敵>
- ステラ、議長、ネオ、カガリ
出会った人々>
- コニール
となるわけです。うむ。
コミュニケーションが生まれなければ出てきた意味がありません。当然、関係のある人々で会話のない人達との複線は自然消滅です。初っ端に提示されたフリーダムとの線が消えてしまいましたね。
貴重な先輩としての役割を持ったハイネも即効死亡と。
コミュニケーションが生まれなければ出てきた意味がありません。当然、関係のある人々で会話のない人達との複線は自然消滅です。初っ端に提示されたフリーダムとの線が消えてしまいましたね。
貴重な先輩としての役割を持ったハイネも即効死亡と。
それなのに、せっかく会話を交わした人々は果たしてシンの成長に役立ったのか? です。この中で自身の問題に絡んでくるのは、レイやルナ、アスラン、カガリです。また、世界の命運に絡むのは議長、ステラ、ネオ、コニールですね。議長やカガリは両方に絡みますが、如何せん、そばにいません。カガリにいたっては1クールで会話は終わりです。
原因その3:平坦な一本道
物事にはいい面と悪い面があるように、主人公特権の悩むという行為は、その極端な側面の両方に触れて初めて発生するわけですが、この面子では、シンは与えられた命題に対して異なる意見や事件に触れることが非常に難しい。
- オーブへの愛憎:
カガリ、アスラン vs レイ
デスティニープラン拒否 vs 再軍備、中立取りやめ
デスティニープラン拒否 vs 再軍備、中立取りやめ
- 未来の自分への憧れ&反発:
ルナ vs レイ
ユニウス7落下阻止 vs フリダームに撃墜、脱走
ユニウス7落下阻止 vs フリダームに撃墜、脱走
- インパルスへの採用:
議長、レイ vs アスラン
デスティニープラン vs 対抗策なし
デスティニープラン vs 対抗策なし
- ガキな言動:
対抗馬なし vs ルナ、コニール、アスラン
ステラ返還お咎めなし vs ローエングリン突破作戦
ステラ返還お咎めなし vs ローエングリン突破作戦
- 世界の命運:
議長、レイ、ステラ、コニール vs アスラン
デスティニープラン vs オーブの宇宙侵攻
デスティニープラン vs オーブの宇宙侵攻
うむむ、改めて見ると分かりすぎる布陣です。これで悩めというのは・・・。如何に、シンの成長に妥当性を与えるのが難しいのか分かります。むしろ、この配置では無理と言わざるを得ない。
何だか、シンを主人公と捕らえるのが難しくなってきました。脇役より多くの人と出会い、成功と失敗を繰り返して多くの困難にぶつかるのは主人公としての努めなのに、これでは、他の登場人物とあまり変わらないような気が・・・。
段々、空しくなってきました。
段々、空しくなってきました。
総括:破綻した物語
しかして、シンの物語がどうなったかというと、見事に惨敗。命題の一つでも自分で答えを出したもの、自分の手で成し遂げたものがあったでしょうか?
- オーブへの愛憎:最終回まで「あの国は打たれなければならない」と豪語して、他人にそれを阻止される。
- 未来の自分への憧れ&反発:最終回まで一方的な負け
- インパルスへの採用:最終回「お前の欲しかったのは力か!」と問われ、ぼろぼろの機体を見上げ、何も言わず去っていく。
- ガキな言動:最後まで、誰もシンに憧れたり、見本にしたいと思ったり、ライバルだと思ったり、彼に励まされたりしなかったな。
- 世界の命運:自軍の負け、敵軍の大将が自軍の頂点に。
主人公が与えられた命題を何一つ解決できずに終わってしまう物語、それを世の中では「つまらない」という。
それでは3軸の残り、キラとアスランについて振り返ってみたいと思いま・・・もう、いいよね、彼らについては。
キラはヒーロー。
主人公、主役、英雄、だと、名前に当てる漢字まで持ち出して必死にこじつけなければ、誰もそう認識しないってのに。プラスのOPは本気で気持ち悪かったと思う。前作の主人公は、続編ではおとなしく、謎のお助け仮面やっているべきだったのに。自分と違う考えを武力で押さえ込もうとする恐るべき民間人。
世界を救うのも、ピンチに華々しく登場するのも、悲劇のお姫様を助けるのも、彼の役目だそうだが、でしゃばりすぎて失敗した代表格。贔屓のキャラクターが出しゃばって作品を駄目にすることをキラぶる、と言われるようにならないかな。
ちゃんぽんのことを考えるのは放棄します。だって、やること成す事、全部正しい、うまく行く、じゃあね。
世界を救うのも、ピンチに華々しく登場するのも、悲劇のお姫様を助けるのも、彼の役目だそうだが、でしゃばりすぎて失敗した代表格。贔屓のキャラクターが出しゃばって作品を駄目にすることをキラぶる、と言われるようにならないかな。
ちゃんぽんのことを考えるのは放棄します。だって、やること成す事、全部正しい、うまく行く、じゃあね。
アスランは主役。
何のことはない、物語の中のカメラ持ち。その為(監督が演出したいシーンを撮る為)に、何度陣営変わろうが、裏切ろうが、言うことがコロコロ変わろうが、偉そうに説教して自分が真っ先に破ろうがへっちゃらです。最後まで残った意味のない女難は一体なんだったのか。続編が放映された負組の一番。何も考えていない付けが回って、間違いなく一番ボロが出た愛すべき凸。
できればキラとは違う道、答えを出して欲しかったが、キラとラクスを全肯定するために生み出されたキャラクターだったようだ。やること成す事、全部間違い、失敗するなんて、トホホ。
できればキラとは違う道、答えを出して欲しかったが、キラとラクスを全肯定するために生み出されたキャラクターだったようだ。やること成す事、全部間違い、失敗するなんて、トホホ。