遙か昔、伝説の大魔導師メレンカンプが築いたと言われる巨大な「魔都」レアモンデは、25年前に起こった大地震により、その栄華に幕を下ろした&。主人公アシュレイ・ライオットは、リスクブレイカーと呼ばれるVKP(バレンディア王国治安維持騎士団)所属の敏腕エージェントである彼は公爵邸占拠事件の首謀者であるシドニー・ロスタロットを追い、魔都レアモンデに足を踏み入れる。しかし、彼がそこで目の当たりにしたのは、伝説上でしか存在しないモンスターやゾンビの群、そして「魔法」の存在であった。またアシュレイは、シドニーを追ううちにレアモンデとその「力」を巡る争奪劇に巻き込まれていることに気づき始める。シドニー率いるカルト集団メレンカンプ、メレンカンプと対立する法王庁直属の聖印騎士団、そして議会とVKPまでもが、この魔都を狙っているのだ。果たして、レアモンデに眠る「遺産」の正体は何か?
概要
監督・脚本は、クエストで『タクティクスオウガ』を手がけた松野泰己。
ファミ通のクロスレビューにて40点満点を獲得(2006年3月時点で累計6本のうちの一つ)、プラチナ殿堂入りした。
重厚な物語、映像演出、BGM、グラフィック、作り込み度に定評があり、一部に熱心なファンがいる一方、難易度の高さには、クロスレビュー40点満点に対するイメージとのギャップがある様で、この評価について賛否両論ある。
また、プレイステーションのゲームに多く見られる自由度の高い屋外のフィールドに対し、本作の様なダンジョンタイプの閉鎖的な空間、全体に流れる暗い印象が肌に合わず、毛嫌いする人もいる。
いずれにせよ、アクションと戦略性、映画的演出の融合した、プレイステーションの限界に挑戦した一つの到達点ではあった。
日本国内販売数約30万本。海外販売数約70万本。 廉価版として2002年2月21日に『PS one Books
ベイグラントストーリー』。2006年7月20日に『ULTIMATE
HITS
ベイグラントストーリー』として再販された。
ストーリー
ある日、カルト教団「メレンカンプ」の一味が、バルドルバ公爵邸を占拠する事件が発生した。後に語られるグレイランド事件の始まりである。
それから一週間後、事件では別邸にいたため難を逃れていたバルドルバ公爵が何者かに暗殺されるという事件が起きた。
議会は占拠事件の鎮圧に参加したリスクブレイカー、アシュレイ・ライオットを容疑者として追ったが、足取りは掴めていない。
しかし彼が占拠事件直後から公爵殺害までに訪れた場所があった。
それが閉ざされた魔都レアモンデである。プレイヤーはアシュレイとなって占拠事件から公爵殺害までの空白の一週間を体験することとなる。
本当にアシュレイは公爵を暗殺したのか?魔都レアモンデで何が起こったのか?
全てはアシュレイであるあなたが知りうることができるのだ。
(説明書より抜粋)
歴史
舞台となるレアモンデは、魔導師メレンカンプによって、古代キルティア時代と呼ばれていた2000年以上前に建てられた。
そのキルティア時代の後、聖ヨクスが誕生。
バレンディア王国に自らの教えを広めたため、この地は敬虔なヨクス教徒の聖地となった。
街の中心に建つ大聖堂はレアモンデのシンボルとなり、修道士たちは地下のライムストーンを切り出して生活の糧としていた。
最盛期には5千人以上の人々が暮らしていたが、25年前の大地震により、壊滅的な被害を被り、人々はこの地を去った。
それ以来、この廃墟で奇妙な生き物や火の玉が見られるようになったと言う。
ゲームはバレンディア治安維持騎士団VKPに所属するエージェント、アシュレイ・ライオットが「放浪者(THE
VAGRANT)」となるまでの過程を辿ることになる。
システム
- ゲームは、全ての画面をポリゴンで描いているため、移動・戦闘の画面切り替えなく進行する。プレイステーションの多くのゲームに多用されているCGムービーはオープニングとゲーム序盤の一部にしか使われていない。
- ゲームはRPGに分類されるが、主人公は各エリアのボスを倒した後以外は成長せず、物語の展開上、バトルアビリティやブレイクアーツ等の戦闘時の技を、物語が進むにつれて想い出す形をとっている。攻撃力等の能力値は、使っている武器や防具の経験値の様な形で変化するため、使い込むほど強い武器となるシステムになっている。また宝箱の中から数多くの武器・防具を見つける事ができるが、他にもプレイヤーが合成して新しい武器・防具を作る事もでき、本編とは違った楽しみ方もできる。
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敵とエンカウントした際戦闘画面への移行は無く、バトルモードになることでこちらが攻撃を出せる状態になる。バトルモード中に敵の射程内に近づいてボタンを押すことでターゲットドームが出現、射程内の敵のリム(部位)を選択するとその部分をピンポイントに攻撃する。リムへのダメージが重なっていき、一定の値まで達するとその部位によるステータス異常が起こるが、リムの状態に関わらずキャラのHPが0になると戦闘不能になる。これはプレイヤー側も同じことである。攻撃していくとRISKが溜まっていき、これが高いほど受けるダメージが多くなり、命中率は低くなっていく。RISKが高いと魔法一発で死亡ということもしばしばあるのでRISKの管理が重要である。またHPを消費して繰り出す必殺技「ブレイクアーツ」や複数のリムを攻撃できるなどの効果を持つ魔法、戦闘中にタイミングよくボタンを押すとさまざまな効果が起こる「バトルアビリティ」など様々な要素がある。
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全体は大きく23エリアに分かれ、各エリアが10〜30程度の部屋に分かれている。うち数カ所は箱を動かす事で出口に行けるような、パズル的部屋も用意されている。部屋には全て名前が付けられており、部屋の名前を読み進めるだけでも都市レアモンデの様子がうかがえる。また松野氏がプロデュースした他のゲームの様に、一度クリアしないと行けない部屋がいくつか用意されている。
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ゲームの進め方を評価する称号がいくつか用意されており、得点によるリスクブレイカーランキング、最速クリア時間などのリスクブレイク、使い込んだ武器に与えられる称号、の大きく3つに分けられる。特にリスクブレイクは簡単に得られるものと難しいものがあるため、全ての称号を得るには何度もプレイする必要がある。
主な登場キャラクター
- アシュレイ・ライオット
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主人公。VKPの重犯罪者処理班のエージェント(通称「リスクブレイカー」)。
- シドニー・ロスタロット
- カルト教団メレンカンプの教祖。
- ロメオ・ギルデンスターン
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法王庁直属の聖印騎士団クリムゾンブレイドの団長。
- キャロ・メルローズ
- VKPの情報分析官。アシュレイのサポート役。
- ジョン・ハーディン
- メレンカンプの主要人物の一人。シドニーの友人。
- ジョシュア・バルドルバ
- バルドルバ公爵の息子。シドニー達の人質になる。
- ジャン・ローゼンクランツ
- 「魔」を無効化する能力を持った謎の男。
メインスタッフ
- 坂口博信
エグゼクティブ・プロデューサー
- 松野泰己
制作・監督
- 皆川裕史 美術総監督
- 吉田明彦
キャラクターデザイン
- 村田琢 メインプログラマー
- 崎元仁
作曲
関連商品
- 『ベイグラントストーリー 最速攻略本 for
beginners』出版:株式会社デジキューブ
(
ISBN 4-925075-74-8 )
-
スタジオベントスタッフ著 『ベイグラントストーリー
アルティマニア』出版:株式会社デジキューブ
(
ISBN 4-925075-75-6 )
- ファミ通責任編集
『ベイグラントストーリー完全ガイドブック
〜アシュレイ追跡調査報告書〜』発売:株式会社アスペクト
(
ISBN 4-7572-0754-9 )
- 『ベイグラントストーリー
オリジナル・サウンドトラック』 (2枚組 31曲)
ゲーム発売後、関連商品としてジッポーライター、シルバーネックレス、Tシャツ、キーホルダー、マネークリップ、カードケース等が販売された。
また甲州ワインの製造会社と提携し、レアモンデ産ワインを販売していた。
関連項目
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