杉並怪奇譚

削夜 青海

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削夜 青海


■ 容姿

  • 本来
 一般的に河童と呼ばれる風体をしている。
 すなわち、頭頂に皿があり、その縁から放射状に髪が伸び、背に甲羅、腕は膝にかかるほど長く、手には水掻きがあり指は三本、濃い蒼色の肌はぬらぬらと湿り気を帯び、体臭は魚のそれ。である。
 だが彼を詳細に分類するならば『水虎』となる。
 その根拠に、膝の頭に虎の爪に似た皿が付いている。

 『水虎』とは主に西日本に見られる『河童』類の呼称である。
 熊本県八代市球磨川では、「九千坊」という頭に束ねられた九千匹の河童が、長江を下り海を渡り渡来したという伝説がある。
  #球磨川に移り住んでから、九千匹に繁殖したとの説もある

 元々中国には『水虎』という妖怪がおり、これは長江中流域の湖北省で信じられていた水の精である。
 三四歳程の子供の背丈で、センザンコウの如く全身を甲羅で覆われ、膝頭に虎の爪のような皿が付随している。また、頭に皿は無い。
 性格は凶暴なようで、人の血を吸い殺してしまうようだ。
 退治するには、犠牲者の遺体を葬儀を行わずに草庵に腐るまで放置する必要がある。 その人間の血を吸った『水虎』は、遺体と同じように腐り果てて死んでしまうと伝えられている。

 これら『水虎』がなんらかの理由によって長江を追われ球磨川へ渡ったと考えるのは、それほど突飛な考えでは無いだろう。

  • 人間時
 日本の高校生として生活をしている。
 癖の強い直毛。
 少し口周りが前に出ているが、愛嬌のある顔をしている。
 鼻の良いものには、魚臭く感じる体臭の持ち主。

 性格は内向的で内気。
  #多少体臭も関係している 


■ 背景

遙か仁徳天皇の時代(313~399)に中国から運び込まれた壺に封じ込められていた古妖であり、近年、球磨川源流に位置する水上村の旧家の蔵にて復活を遂げた。
しかしながら『河童の壺』と名付けられていたせいもあり、幾千もの人間達の想いにより、日本的な河童の要素を多分に含んだ『水虎』として新たな生を受けた。

力の大部分は失ってしまったが、それでも生まれながらに自我を持ち、妖力も壮齢の妖怪達と肩を並べる程である。

現在は育ての親である安曇氏の元を去り、杉並区の妖怪ネットワーク「理性寺」に身を寄せている。


なお、復活の際に半身とも言える『渓鬼虫 水虎』が誕生しており、
青海が安曇氏の元を去る原因ともなっている。

ちなみに「青海」という名は、黄河・長江・瀾滄の源流である青海省からとっている。


■ 能力

《水槍》
掌中から水を苛烈な勢いで吹き出し、槍の如き貫通力を発揮する。
日本の河童には見られない特技で、復活前の『渓鬼虫 水虎』であった頃の名残が窺える。

《伸縮腕》
腕を二倍まで伸ばすことができる。
その替わり、逆側の腕は根本まで縮む。

《河童の屁》
尋常為らざる悪臭を放つ。
数日から数週間溜め込んだものであり、一撃必殺の大技。
人間がまともに食らえば、四肢は自由を無くし、一生病床に伏せるだろう。


■ 弱点

皿の水が妖力の源。
鹿の角・猿・とうもろこしを嫌う。
火と鉄に弱い。
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