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1. DOLCE

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匿名ユーザー

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背景に合わせてなんか書いてみたくなったので
てきとうにポエムちっくにやってみました。

なんか久々のテイストだよね。



■ DOLCE ■


ねぇ、笑わないで。


一緒に居たあの日。

あなたが仕事の電話をとらなかったこと

ほんとはとても、

ホっとしたんだ。




少しだけ思い出してみてもいい?



昔々、大好きだった人がいて。

その人はどうしたって

ワーカホリック気味。


休日に絶え間無く鳴る社用携帯

眉をひそめ、私は

拗ねた表情を作って見せる。


彼はうんざりした様相で

そんな時、決まって私を責めた。



そうか。

こういうのって、言っちゃいけないことなんだ。

回を追うごとにだんだん

自分が、ひどい我侭ばかり言っているような

そんな気がしてきて。

そのうち何も言えなくなった。



ああ、そうなんだ。

大変だね、いってらっしゃい。


そんなんじゃなくて

ほんとは、言いたかった。

寂しいよ。また今週も?

だって今日はお休みの日でしょう。


自分が

どう見たって

歪んだ顔をして笑っていることに

気がついてはいたけれど。

どうすればよかったのか、

今もまだ、よくわからない。




ばかみたいでしょ。






携帯はいつまでたってもコールし続けて

私のほうが少し、罪悪感をおぼえた。



「出たら?お客さんでしょ」



思わずそう口にする。




「日曜日やよ。もう一日待てやぁ」



その眠そうなひとことを

私がどれだけ安心な気持ちで聞いていたのか

きっと、あなたが知ることは無い。




ホッとしたんだ。

ただそれだけ。






そういうの、子供じみてるかな。

私っぽくないって、笑う?




(2005/11/24)



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