※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

簡易輸送艦コネコネ文




ここが、今回の講習会場ね……。ラッキー、一番前の席があいてるじゃない。早速、私は一番前の席へと移動すると講習会が始まるその時間まで今回の講習内容の概要が載っているレジメを読み直した。とうとう鍋も星の海へ進出するのである。




正式名称:○○○○(通称△△)
種別:(列車構造型)宇宙輸送船
発動機:対消滅エンジン
推進システム:電気推進
推進剤:H2O/H2
武装:なし(ただし、デブリ除けのための小口径レーザー砲を各部に装備)
全長:約200m~2000m(輸送コンテナ連結数によって変動)


1.設計理念
 鍋の国が新たに開発した宇宙輸送船は簡易宇宙輸送艦という形で開発が行われた。これは共和国の乏しい宇宙への輸送力を少しでも補うために開発されたものであり、宇宙空間における長距離輸送を純粋に突き詰めた設計が行われている。戦闘などは考慮されていない為、武装も基本的には存在していない。

2.全体の構造
船体の構造はコンテナ船を採用。そのほとんどがカーゴブロックである。
ブロックは大きく三種類に分かれており、コクピットブロック、コンテナブロック、エンジンブロックの三種類となる。
ノーズブロックは居住区画を兼ねたコクピットブロックになっており、一番先頭の位置に配置。その後に貨物輸送用コンテナブロックを複数連結させ、最後に、推進をになうエンジンブロックを接続する形を取っている。
連結された姿は宇宙艦というより、マスドライバーのレールを走る姿も相まってまるで巨大な列車のようであった。





1コンテナ辺りの長さは約300m(連結基部含む)。コックピット・エンジンはそれぞれ100mほどとなっている。最大連結数は、コックピット1、コンテナ6、エンジン1の、8ブロック連結となっている。(最長で2㎞ぐらい)全長と積載能力の兼ね合いの関係でこれ以上の数を連結した場合、構造上危険が出てくるという事で9ブロック以上の連結は禁止されている。

また、利用用途的に連結部分においてもしっかりと固定する必要があるので宇宙での輸送時には各ブロックは相互固定されるようになっている。





 ふ~ん、列車構造型ねぇ……まぁ、まぁ宇宙で列車だと慣性とかで色々と凄い事になるものね。そんな風に考えていると講習室の前方の扉が開き、一人の男性が入ってきた。

「皆さん、こんにちは。これから鍋の国輸送艦◯◯◯◯の講習説明を行います。私は輸送艦のテストパイロットを行っているジジと言います。……まぁまだシミュレーション上でしか運転していませんが、皆さんの先輩として輸送艦の説明をさせて頂きます」





  • コクピットブロック
 コクピットブロックは通称ノーズブロックとも言われている。これは輸送艦が列車の形状をしているが、コクピットブロックは輸送艦が出発した時点ではつねに先頭に出ているからこういった通称が使われている。(詳しくは後記)
 また居住区画を兼ねており、パイロットは運転中はこのブロックで生活をする。


  • コンテナブロック
コンテナブロックは輸送する際の貨物を搭載するスペースである。輸送艦に最大6ブロックのコンテナを連結する事が可能である。また全て同じ形状のモノが使われているので生産力さえあれば大量生産も可能であり、一つが壊れても予備と交換すればよい。交換による利便性も考えた上で列車構造型が採用されたのである。




  • エンジンブロック
エンジンブロックは、推進剤保管コンテナと、対消滅エンジン、そして推進機の、計3つで構成されている。
対消滅エンジンは、NWにおける宇宙艦船の発動機としては比較的ポピュラーな代物ではあるが、非常に大きな、そして危険な類の力である事には変わりない。その為、取り扱いは慎重に行い、軍事機密としてしっかりと管理されている。情報漏洩されないように整備においてもしっかりと管理が行われている。また、比推力が高い電気推進(アークジェット方式)を使う事で、航続距離の延長を図っている。

 推進剤は、保管しやすいよう氷結させ、個体状態で保存される。使用時に液体状態を経て推進機内でプラズマ化、推進力へと転化される事になる。




「……の為、対消滅エンジンで電気推進を行っている。今までの鍋の国のI=Dやニャンキーズ宇宙戦艦以上に、対消滅エンジンは軍事機密として扱われるため、現段階でテストパイロットとして参加している君たちにもそれなりに制約がかかるとは思われるが、これも星の海へ行くためと我慢してほしい。次に転回についてであるが……」




  • 加減速と転回について
  • 輸送艦は宇宙空間での移動なので、航路の中間地点までは常時一定の加速度を維持し、
中間地点より先は、同じように減速を行い続ける必要がある。しかし、本船の主推進機は姿勢制御用のバーニアは別ではあるが、基本、エンジンブロックの1箇所である。エンジンから離れた場所に別途推進機を設置する事も難しいと考えられた。その為、減速開始の際は、船体を180度転回(方向転換)させ、(目的地にお尻を向ける形で)噴射を行なう形がとられた。この事により、出発地に向けて頭を向けた状態で目的地に到着するので、帰り道での出発のために向きを変える手間はいらなくなった。

転回時、転回速度に応じた遠心力がコックピットブロックにかかる事になるが、これについては、およそ1Gの衝撃ですむように、全長と転回時間が調節された上で転回をするようにプログラムが組まれている。転回の所要時間は、全長2kmの場合でおよそ500秒。全長が短ければ、その分だけ短時間になる為、輸送の状況に合わせて輸送量、所要時間が変わる。




「以上で講習を終わる。次に君たちに合うのは星の海に往く時かもしれないな。10分後に次の講習があるのでそれまで休憩とする」

 ジジさんはそう言うと、講習室から出た。私はすぐに後を追った。

「あ、あの、ジジさん」

「ん? 何かね?」

「噂でジジさんが打ち上げ仕様のパイロットをしていると聞いたのですが……」

「ああ、そうだよ。よく知っているね」

「はい、私、スペーススターシップオフィサーを目指していまして、先輩のようにがんばります」

「あ、ああ、ありがとう。うん」

 ジジさんはそう言うと照れたのかコホンと一つ咳き込むとその場を後にした。





  • 地上⇔宇宙往復のための仕様について
現在建設中の鍋の国宇宙ステーション(仮)の建造資材運搬目的で、本船と基本構造が共通する、『△△打ち上げ仕様』が別途存在する。(通称プロトライナー)
共和国の打ち上げ能力が充実してきた事により、本格採用される事はなかったが、マスドライバー方式を利用した大気圏離脱能力や、ニャンキーズ級と同じ耐熱セラミック構造材を採用し、大気圏再突入能力を備えている物である。
このプロトライナーは現在も鍋の国で運用されており、宇宙ステーション完成まで継続される予定である。





  • 輸送艦パイロットの育成
 輸送艦を動かす際に必要なのはパイロットである。鍋の国のパイロットの多くは宇宙戦艦搭乗経験が少ない。その為、輸送艦パイロット訓練においては国内にいるテストパイロットとスペーススターシップオフィサーに白羽の矢が立った。
彼ら彼女らにまずパイロットとしてシミュレーション訓練を行ってもらい、そして他のパイロット候補生への訓練を指導する指導員としたのである。これは鍋の国でも宇宙艦船に乗れる数少ないパイロット職であるテストパイロットとスペーススターシップオフィサーの育成でもあり、運用の為にも必要であった。
その為、代表としてジジ(#個人アイドレス:南国人+スペーススターシップオフィサー+偵察兵+特殊部隊員所持)が指導訓練長となり、プロトライナーに搭乗し、宇宙ステーション建設を手伝うと共に、輸送艦のパイロットとして日々訓練を積んだのである。





そして……


「ジジさん、お久しぶりです」

「! 君は……という事は今日の相方のスペーススターシップオフィサーというのは?」

「はい! 野鍋さくらと言います。本日は宜しくお願いします!」

「ああ、シミュレーションじゃない、初のフライトだ。かならず成功させよう」

「はい!」



 共和国は帝國と比べると生産力はあるが技術力に大きく劣ると言われている。しかし、人々はそれがどうしたとばかりに新たなI=Dや船の開発を行う。開発者が想う事はただ一つ。

それが人々の未来を、明日を守るモノになれば……というそんな想いである。