WristPDAとは
私がはじめてWristPDAと出会ったのは確かラスベガスで行なわれた2002年のCOMDEXでした。当時はまだ試作機でしたが腕時計の中でしっかりとPalmOSが動作しているのに驚いたことを思い出します。私は、そのころもPalmOS用のアプリケーションを趣味で作っていましたので、この小さなPalmOS機にとても興奮し、ブースにいたFOSSILのエンジニアと長い間話し込み、SDK(ソフト開発ツール)が出たらすぐ送ってほしいと約束を交わしました。
その後、様々な問題があったようで実際の生産は遅れに遅れ、やっと世の中に出てきたころにはOS5の時代となり、OS4.1をベースにしたWristPDAはスペック的には少し時代遅れなものとなってしまいました。
しかし、腕時計でPalmOSが動作するという機種は他には存在しません。OSが一つ前の世代の4.1であっても、それほど致命的なものとは思えません。バッテリ容量や解像度、CPUなどのハードウェアリソースに制限のあるWristPDAにはOS4.1がちょうどよくバランスしているように思います。
また、PalmOSの互換性は高く、高い処理能力を必要とするマルチメディア系のアプリケーションを除けば、ほとんどのアプリケーションがOS4.1の上でも動作します。
小さな腕時計にPalmOSを動作させるということはとてもユニークですが、現実的にはスペース上の制約から表示も入力エリアも小さいため
- 表示文字が小さくて読みにくい
- 文字入力やボタンのタップがやりにくい
などの問題が発生します。
しかし、様々な問題を工夫して使いやすくすることも通常のPalmOS機にない楽しみでもあります。
こうしたWristPDAの特徴を考慮した専用アプリケーションも最近数多くリリースされてきました。この今までにないちょっと変わった小さなPalmOS機について、その使い方のノウハウをまとめてみたいと思います。
WristPDAってどんなもの?
WristPDAはFossil/ABACUSブランドで作られている、PalmOSを搭載した腕時計です。
FOSSILのサイトで詳しい情報が得られます。
また下の表に主な仕様をまとめます。
主な仕様 |
|
OS |
Palm OS 4.1 |
CPU |
Motorola Dragonball(TM) Super VZ 66MHz |
メモリ |
8MB (RAM), 4MB (Flash) (approximately 7.7MB RAM available) |
表示 |
160 x 160 pixels 16 level grayscale EL backlight Touch Screen |
標準アプリケーション |
Address Book Date Book To Do List Memo Pad Calculator Time |
PCとのインターフェース |
USB |
赤外線ポート |
IRDA (v1.2a) (communicates with all Palm OS devices) |
電池寿命 |
3~4日間 |
電源 |
AC power Adaptor (100V - 240V) DC output (6V) Lithium-ion rechargeable battery (internal) |
<RuputerとWristPDA>
以前 SII から Ruputer という腕時計型のコンピューターが販売されていました。
私も持っています。この Ruputer も赤外線とシリアルのインターフェースを持ち、独自OSが走り、プログラム開発が可能です。
コンセプトとしてはよく似ていると思います。
<実際のPalmOSアプリケーションの動作例>
ru0さんが作られた Palmくん1号
手書きメモPenPenW
PalmOS用のアプリケーションが小さな画面の上で動作しています。
まずは充電
購入後、まずは充電する必要があります。
WristPDAには左側面にゴムのカバーがあります。
このカバーの下にUSBのミニBコネクタがあります。
ここに付属のUSBケーブルを接続し、WristPDAに付属の小型のACアダプタを使って充電します。手元にPCがあればUSBケーブルを使って充電することができますが、完全放電している場合、USBからの充電では充分な電流が確保できないことがありますので付属の充電器と専用ケーブルを使って充電してください。
PCとデータのやり取りをするホットシンクもこのUSBケーブルをつないだ状態で行ないます。ホットシンクをするにはPC側にPalmDesktopと呼ばれる専用のアプリケーションをあらかじめインストールしておく必要があります。
このPalmDesktopのインストール方法については、
PalmDesktopの日本語化(ダウンロード)
で詳しく説明します。
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最終更新:2005年10月26日 13:05