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---- ==≪以下は現在執筆途中の項目です≫ == ==<big>班員紹介</big> == ・'''Kota''' : 次期班長(と下の颯助手が宣言)。化学の学問的分野担当。実験の考察などを行う化学班の頭脳。PCに詳しい。この化学班@wiki管理人後継者。[http://www5.atwiki.jp/sigure430/pages/39.html ここ]も参照されたし。 ・'''颯助手''' : 颯の読みは『はやて』。化学班に出現した謎の文系人間。しかも化学ではなく地学を取ったヒト。(化学班=自由) 高文祭用プレゼン作成、文章考案、レイアウト担当。「プレゼン作りは趣味」とか言ってる(その秀逸さは別問題だが……)。  ---- written by 颯助手... こんにちは、膳所高校化学班です。昨年の研究内容と行事での活動、そして今年度の研究について発表します。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今年の活動方針はスライドの通りです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 化学班の実験は次の三点を重視して進めています。まず定量化の徹底です。化学班では数値を扱う実験が多く、定性的な実験以上に正確な実験を行います。具体的には、設定した温度、試薬の量、反応を起こすのに設定した時間を、できるかぎり きっちりと守り、実験を行います。 また変化量が極めて小さい場合があります。そのため、何度も実験し精度を上げます。 そしてワンパターンにならないよう、多方面から実験・考察を行います。 考察は、データから何を読み取るか、物質のミクロの世界はどうなっているかを考える、研究の要です。頭をやわらかくして取り組んでいます ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 昨年度の研究の紹介をします。 昨年度は「活性炭とシリカゲルの吸着についての研究」を行いました。 吸着という現象は、「固体の表面に、原子、分子、微粒子などが 束縛された状態になり、濃縮されること」をいいます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 市販されている消臭剤等のなかには、この「吸着」という現象を利用したものがあります。しかし、それがどのような化学反応によって説明されるか、あまり知られていません。そこで、「そもそも吸着とはどのような現象か」「吸着の原理や効果はどのようなものか」という疑問を持ち、研究を始めました。私たちはこの研究を通して、「吸着」という現象に迫りました。  この研究では、吸着によって、酢酸水溶液の濃度がどのように変化するか、調べました。酢酸水溶液を用いた理由は、酢酸水溶液の濃度は中和滴定で求めることができるからです。吸着の研究は定性的でなく定量的に行いました。そのため、臭いなどの曖昧なものでなく、濃度という具体的な基準を用いました。  また、吸着前の濃度と吸着後の濃度の自然対数値が比例関係になります。これは文献を調べてわかりました。この関係式は、フロイントリッヒの吸着等温式と呼ばれます。溶液の温度が等しいという条件の下で、この式は成り立ちます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  まずはじめに、活性炭で実験を行いました。活性炭は、疎水性が強く、水への吸着性をあまり示しません。炭の消臭について、テレビで聞いたことがあるのではないでしょうか。化学班はその真の姿を調べました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 結果は次のようになりました。実験後の濃度C2と吸着した量のグラフはこのようになりました  logC2とlogXは比例関係にあるとわかります。グラフより、このとき吸着等温式は、     logX=1.6log(C2)-2 数値のばらつきは、活性炭が少量の水も吸い取ったためと考えています。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 続いてシリカゲルでも実験を行いました。シリカゲルは親水性があり、水も吸着する性質があります。 乾燥剤として利用されるのはこのためです。 ここで活性炭と比較した仮説を立てました 乾燥剤にも使われるシリカゲルは活性炭よりも水を吸着します。そのため、吸着等温式は何らかの形で変化するのではないか、と考えました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 右の写真は、よく見かける果粒状のシリカゲルです。しかし、この実験では左の粉末状のものを用いました。表面積の大きいほうが、吸着が起こりやすいためです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 結果は次のようになりました。  活性炭と同様、吸着等温線に比例関係が見られました。グラフより、このとき吸着等温式は、     logX=0.5log(C2)-2 また、水が多く吸着されると酢酸水溶液の濃度が上がります。そのため、活性炭に吸着された酢酸の量を考えると、負の値となったものがありました。これらは対数の値が出ないため、グラフから省きました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 次に、二つの吸着剤を混ぜた実験を行いました。この実験について、私たちは以下のような仮説を立てました。二つの吸着剤を使うと、影響を及ぼし合うことが考えられます。そして、吸着が同時に行われどちらかの吸着剤が先に吸着平衡に達し、このとき、吸着等温線が乱れるのではないか、と考えました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  結果は次のようになりました。 別々の実験と同様、比例関係が見られました。このことから、活性炭とシリカゲルを混合しても、別々にはたらいていると考えることができます。したがって、予想とは違い、影響を及ぼしあわないで吸着が行われました。とはいえ、別々に吸着を行ったときと同様に吸着が行われているかどうか、それはわかりません。今回の研究では、そのことを追究することはできませんでした。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― では、吸着は時間的にはどのように行われているのでしょうか。 吸着と時間の関係を調べました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 結果は次のようになりました。 濃度は、全体的に一度下がり、そして再び上がるという変化をするようです。これは酢酸と水を同時に吸着していて、吸着速度の差のためだと考えられます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 私たちは実験結果を元に次のようなモデルを立てました ① シリカゲルが酢酸と水を吸着する。最初は水の吸着量が多いため濃度があがる。 ② 水が先に吸着平衡に達し水の吸着がおわる。 ③ さらに酢酸を吸着し続ける。すると、溶液全体の濃度は下がる。逆に言うと水の濃度は上がる ④ 途中からは水も再び吸着する。しかし、これは酢酸の濃度変化に対しついてくる形になるのでいずれどちらも吸着平衡になる。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今回吸着の研究を行いましたが、参考となる資料が少なく、そして原理の複雑さに戸惑いました。しかし複雑な現象にもかかわらず、吸着等温線ははっきりと示されました。まだ吸着の条件の違いと吸着等温線の関連もつかみきれていません。様々な課題を改善することにより考察を深めたいと思います。 参考文献は以下の通りです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  今年度の研究について発表します。今年度は二年と三年で別々の研究を行う予定です。人数は少ないですが、それぞれの研究を深く追求しようと考えました。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今年度も吸着の研究を続けることを決めました。三年生を中心に行います。昨年度の研究を元に、今後はモデルを中心にして研究を深め、吸着の複雑なメカニズムを解明しようと考えています。 今後の課題は、まず一番基本的なデータとなる酢酸だけの吸着と水だけの吸着実験を行うことです。昨年は、さまざまな手法を試みましたが、純物質であるため、中和滴定ができませんでした。また、水分子の吸着される位置と酢酸分子の吸着される位置が異なる可能性もあります。これらのデータを取って、他のデータと比較したいと思います。 また、酢酸の代わりに同じ飽和モノカルボン酸の仲間であるギ酸やプロピオン酸も用いて酢酸の場合との比較も行います。炭素数の違いにより違いが現れると考えています。 最後に実験精度の向上です。吸着の実験は変化が微量である場合が多く、誤差と見分けが難しいという問題がありました。正確に実験をすることで解決しようと思います。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 次に、二年生を中心として、B-R反応に関する研究を行います。 はじめに、B-R反応をご覧いただきたいと思います。   (動画見せる=動画クリック、3周期で停止=再度クリック) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― B-R反応はご覧いただいたように、色が周期的に変化する実験です。B-R反応は主にヨウ素酸カリウム、マロン酸、過酸化水素水の三つの薬品が関係して起こっています。また、触媒としてマンガン、硫酸、澱粉を加えます。黄色から紺色に変化するのは、ヨウ素澱粉反応です。薬品の組み合わせによって、何度も繰り返し反応が起こっています。このB-R反応のように、関連しあった反応がフィードバックされ,濃度は平衡になることなく、増加したり減少したりして振動する反応は、振動反応と呼ばれています。 B-R反応の色は中のヨウ素の状態によって決まります。I2が多いときは黄色、I-が多いときは紺色、いずれも少ないときは透明を呈します。動画では、透明は見づらかったと思いますが、紺色と黄色の間にありました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  B-R反応部の方針です。実験を大変重視して、取り組みたいと思います。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   今現在、様々な条件での周期の変化を測っています。その条件は、温度と薬品の量です。B-R反応では、色が変化します。そこで、紺色になり始めるときから、次に紺色になるときまでを1周期と定義しました。測定はほぼ終了し、考察に取り組んでいます。これからは、複雑な反応機構の理解し、反応機構中の物質に関する実験を行う予定です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  化学班の研究以外の活動を紹介します。化学班では、より多くの人に化学の面白さ、楽しさ、そして不思議さを伝えるための活動を行っています。まず、サイエンスフェスタ、膳所高校110周年記念行事では、小中学生を対象にした実験を行いました。そのとき行ったのはニッケルメッキの実験です。  湖風祭では実験室では行えない規模の実験をグラウンドで行いました。 化学実験には大変興味深く、面白い実験があります。化学班はそうした実験も行っています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  まず、サイエンスフェスタの様子を紹介します。ニッケルメッキの実験は、参加者に発電機を回してもらい、メッキの液は化学班員が管理することにしました。安全に留意しながら、楽しく実験をしてもらうために、工夫しました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  これが手元の様子です。メッキする銅板とニッケル板をできるだけ近づけるようにしています。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  膳所高の湖風祭には、アーティスト部門という発表があり、主に校内装飾をしています。そのとき製作された「アルキメデス式螺旋型揚水機」を化学班がもらい受けましたので、サイエンスフェスタで公開しました。ペットボトル製ししおどしが付いている力作で、小学生たちに人気でした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  大変多くの方に来ていただいて、人気を博しました。小学校低学年ごろから中学生まで、幅広い年齢層の生徒が参加してくれました。以上が大津市の生涯学習センターで行われたサイエンスフェスタでの様子です。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― こちらは水環境科学館で行われた膳所高校110記念行事での様子です。こちらもニッケルメッキの実験を行いまい、多数の来場がありました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  化学班は学園祭である、湖風祭でも活動しています。毎年恒例になっているのが、テルミット反応です。テルミット反応とはアルミニウムで、金属酸化物を還元する反応です。この反応は多量の熱を発生させるので、溶接などに利用されています。戦時中、軍人がこの反応を文献から見つけ、「これで簡単に鉄が得られる」と喜んだそうです。しかし、科学者たちは笑いました。この反応では鉄より貴重なアルミニウムを数倍消費するので、無駄が多いのです。そんな逸話が残っている反応です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  化学班はこれからも化学の発展に少しでも寄与するため、活動を続けていきたいと思います。  ご清聴ありがとうございました
---- ==≪以下は現在執筆途中の項目です≫ == ==<big>班員紹介</big> == ・'''Kota''' : 次期班長(と下の颯助手が宣言)。化学の学問的分野担当。実験の考察などを行う化学班の頭脳。PCに詳しい。この化学班@wiki管理人後継者。[http://www5.atwiki.jp/sigure430/pages/39.html ここ]も参照されたし。 ・'''颯助手''' : 颯の読みは『はやて』。化学班に出現した謎の文系人間。しかも化学ではなく地学を取ったヒト。(化学班=自由) 高文祭用プレゼン作成、文章考案、レイアウト担当。「プレゼン作りは趣味」とか言ってる(その秀逸さは別問題だが……)。  ---- written by 颯助手...

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