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別に負けてもエエと思っとるよ。今はな

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【勝ちまっせ】今、蒔いている種が花となる日が来る

 誤解を恐れずに岡田監督は言う。周囲が期待する5月反攻に背を向けるような発言は、裏を返せば、揺るぎない自信の表れだった。
 「オレ、ベンチで勝ちたいと執念を燃やすようなことは、ないんや。極端に言えば、別に負けてもエエと思っとるよ。今はな」

 当然、勝ちたいと思う。だが、「勝ちたいんや!」とまでは、思わない。声高に叫ぶ必要もないし、そのキャラクターでもない。よく言えば、冷静に計算している。だがファンの目には、淡泊に映る。ここが、前任者との大きな違いだ。

 現在、球団のホームページに抗議が殺到しているという。「監督から勝ちたいという気迫が伝わらない」「ベンチの雰囲気を見ていると、ヤル気がないような感じがする」「もっと気合を入れろ!」…。相手ベンチと同じ印象をファンも抱いていた。

 虎党は闘将が率いた火の玉軍団に酔った。ミスをすればベンチを蹴り上げ、ヒーローは思い切り抱きしめた。一喜一憂する野球だった。言動に多少の“演出”のニオイを感じ取っても、ファンの心は無意識に動いていた。思えば、至福の2年間だった。

 最上級の味を覚えただけに、岡田阪神に物足りなさを感じている。指揮官は周囲の声に気付いているが、流されない。

 「今、無理やり勝ちにいって、肝心の9月に負けたらどうするんや」

 この時期に勝たないと、『9月』は来ない-。そんな反論には声を荒らげる。「それはない」。負けの数に左右されない“自信”の2文字が、そこにあった。

 目には見えない。素人にはわからない場面で、9月に向けた布石を打っている。例えば1日のヤクルト戦(甲子園)。1点リードの七回途中で、佐藤投手コーチは先発・藪の交代を進言した。「いや、続投や」。今年の藪は粘りが身上。ここで、その芽をつぶすわけにはいかなかった。結果は吉と出た。

 たとえ打ち込まれても、後悔はしなかったはずだ。藪の“持病”に何度も痛い目に遭った星野監督には、できない芸当だった。

 広島とのリベンジ戦は雨で流れた。「借りを返さなアカン」と語るが、固執はしない。それよりも、先を見る。ダンゴ状態のセ界。今、他人にはうかがい知れない水面下で蒔いている種が、花となって顔を覗かせた時、岡田監督は勝負に出る。その日がきっと来ると信じている。