冬から春になろうかという時期になり3


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甘い吐息を嗅いで、ふと思いつく。下の方も甘いのだろうか。
指を舐めればすぐに分かることだが、ホロの前でそんな行為をする気は無い。
どうせなら直接口にする方が自然で確実だ。
ロレンスが口を離すとホロは名残惜しげに顔を浮かせていたが、やがて諦めたようにベッドへ頭を
預けた。そんなホロが可愛かったのでもう一度軽く口をつけると、ホロは満足したように薄く微笑
んでくれた。
ロレンスは膝立ちでホロの足元に移動するとホロの両膝を開いた。
ホロの白い内腿が目の前に現れる。磨き上げられた大理石で造られた石柱のようなそれは、きっと
青空の下では健康的で抜けるような白さを見せてくれるんだろうが、ここでは生憎とろうそくの明
かりしかない。だがそのおかげでロレンスに温もりと艶かしさを感じさせていた。
ロレンスが腰を屈めるとホロが小さい声で呟いた。
「そ、そんなに近いと…恥ずかしいの」
そう言われてもする事は決まっている。黙って谷の部分に食い込んだシーツを掴んで上に引っ張る
と、濡れて張り付いているせいか意外に重く感じられた。
そこだけ色の変わった布が少しずつ取り除かれると、ホロの大事なところも露になってきた。
甘い香りが一段と強くなる。
引き上げられる布が突起を刺激するようで、完全にシーツが除かれるまでに何度もホロは身体を震
わせた。ホロから離れる布の端から光るものが蜘蛛の糸のように伸びてから、水飴のようにホロの
下腹部へ垂れ落ちる。
初めて見るホロのそこにロレンスは言葉を失ってしまう。
足の付け根から柔らかそうに膨らんだそれは染み一つなく真っ白だ。そしてその真ん中を一本の谷
が走っていた。ぴたりと合わさった所から滲んでいるものは、ろうそくの光の映りこみと甘い匂い
のせいで蜂蜜のように見える。そして、その谷の上側には胸にあるものより小さい突起が顔を出し
ていた。
ロレンスがさっきまで弄っていたせいなのか、それは虫に刺されたように赤く腫れていた。
その突起の向こうに産毛のような細くて短い毛がうっすらと生えているのを見ると、控えめな胸の
具合とあわせホロの身体の成熟度が分かるというものだ。
比べるのはホロに悪いとは思ったがロレンスの記憶にあるようなものとは全然違う。
こういった所を褒めるのに適切じゃないかもしれないが、美しさや気品が感じられるのだ。
こればっかりは世界の何処を探しても、いくら金貨を積もうが手に入らない。
ロレンスはそんな宝物を今だけは自分一人で独占できることを幸せに思いつつ指を伸ばした。
左右に分かれた膨らみの一つを軽く指で押す。驚くほど柔らかい。
その柔らかさはまるで寝かした後のパン生地のようで、よく見るとホロのそこはまさにふっくらと
膨らんだ二つのパン生地に蜜を塗り、その面をぴたりとくっつけた感じだ。
シーツ越しで散々触ってきたが、やはり直に触るほうがいい。柔らかさを楽しむように何度も押し
ているとホロの内腿がその度に痙攣するように反応する。
ロレンスはその内腿に舌を這わせた。途端にホロが不意を突かれたような声を上げるが構わずに舌
と唇で内腿を責めていると、ホロの荒い息遣いに混じって水気を含んだ音が聞こえてきた。
ホロの谷が洪水のように濡れている。膨らみを押す度に淫靡な音がするのはそのせいだった。
ロレンスは顔をホロの股の前にずらすと、舌を伸ばして谷の中に挿しいれる。
「あっ!だっ…くぅうっっ!」
白く細い手がロレンスの頭を押し返そうとするが、力が入らないようで形だけの行為にしかならな
い。合わせ目をなぞるように舌を這わせると舌の上にホロの蜜がたっぷりと流れ込んできた。
やはり甘い。ロレンスが口いっぱいに広がる甘みを味わいながら、親指で谷の部分を押し広げると、
艶かしい花が現れた。それは朝露に濡れた桃色の花弁が咲き誇ってるように見える。
そしてその妖しく光る花弁の奥からは甘い蜜が絶え間なく滲み出ていた。
舌を入れたいがちょっと体勢が悪い。這いつくばるような格好ならできない事も無いが、さっきか
ら驚くほど硬くなっている自分のものがシーツに擦れてしまう。ホロを目の前にしてシーツに果て
てしまうのはまずい。
ロレンスは一瞬迷ったが、ホロの膝の裏を持つと一気に前に倒した。
体格に大人と子供ほどの違いがあるせいで、思ったより簡単にホロの身体を操れる。
あっという間も無く背中が丸められ頭を挟むように両膝が押さえ込まれると、あの場所がロレンス
どころか自分にも丸見えになっていることに気づき、ホロは恥ずかしげに横を向いた。
内腿から滑らかな線でつながる尻の丸みは少女から女へと変わりゆくものだけが持つ事を許される、
可愛らしさと艶かしさを兼ね備えていた。
ロレンスは両手をホロの足の付け根に置いて谷を広げると後ろから前に、一気に舐め上げた。
「あぅぅぅん!」
横を向いたまま、首を反らせて喘ぐホロ。ロレンスがそんなホロを見ながら指で突起を弄りだすと、
さらに声が大きくなった。
腰が浮いて自由になった尻尾がロレンスの腕や首に巻きつくように暴れだしたが、幸いにも邪魔に
はならなかった。ただ、もう少し下で暴れられると困るので腕を使って外に追いやる。
二本の指で突起を軽く挟んでから柔らかい肌にその指を沈ませると、突起を包んでいた薄皮が剥け
て朱色の芽が現れた。外気に触れて表面が乾いてしまったらしく、萎んだように細かな皺が寄るそ
れをロレンスは尖らせた舌で抉った。
「ひゃんっ──!」
足の甲を真っ直ぐ伸ばし、子犬が鳴くような声を上げたホロはいつの間にか尻尾を両手でしっかと
掴んでいた。
ロレンスはホロがそんな声を出した事に驚きつつも舌の動きを止めなかった。
指をずらし、もっと芽が立つようにしてから舌で弾いたり唇をつけ強く吸ったりするうちに、ホロ
の声が喘ぎからすすり鳴くような声に変化しはじめる。
「…うっ…ううっ…んふーっ…」
まるですがるように自分の尻尾を握り続けるホロ。その白い拳を見ると何故か胸が苦しくなってし
まう。ロレンスはそんな気持ちをどこかにやりたくてホロから顔を離すと頭を左右に振った。
これはお互いが望んだことなのだ。だからこのまま続けるべきだし、ホロだってそれを待ち望んで
いる筈だ。
ロレンスがゆっくりと後退りしながら腕の力を抜くと、思ったよりきつい姿勢だったのかホロの浮
いていた腰が音を立ててベッドに落ち、手から離れた尻尾も一拍遅れて後を追う。
力尽きるように倒れる白い穂先からロレンスは自分のものに視線を移した。
ホロの尻尾とは逆に天を指すようにそそり立っている。茸の傘のように広がっている所に僅かに引
っかかっている皮を剥くと見慣れた透明な汁が溢れ、指を伝ってシーツに垂れ下がりだした。
ホロが自分を受け入れる為に濡れているのと同じで、自分もホロと一つになる為に濡れている。
ロレンスは改めて決意を固めた。
ぐったりとしたままのホロにロレンスはにじり寄るが、このままでは挿入するのに角度が合わない。
自分の腹に刺さりそうな程そそり立っているのを、無理やりホロの身体と平行になるまで下げてか
ら腰を前に出す。先端が触れるとホロは身体を震わせた。
お互い潤みあっているので、力を入れればそのままつるりとホロの中に入ってしまいそうだったが、
ロレンスは一先ず止めておいた。
今のホロを見ると、何も言わずにいきなり入れるのもまずい気がしたからだ。
もしかするとホロはそんなに経験が無いのではないか。
ロレンスの頭にそんな考えが横切るが、だからといって止めるつもりは全く無い。
少しだけ入った先端がホロの入り口に引っかかって手を離しても外れない事を確認すると、ロレン
スは身体を前に倒してホロの横に手をついた。
ホロは相変わらず横を向いたままで硬く目を瞑っている。後はほんの少し腰を前に出すだけでいい。
「ホロ……」
声をかけたはいいが、続く言葉が見当たらない。ホロも何も答えようとはしなかった。
だがこれで気持ちが伝わったはずだ。
ロレンスは一呼吸おいてから腰に力を入れ、ゆっくりとホロの中に入った…かと思ったが──。
「まっ!待ってくりゃれ!」
力の限りロレンスの手首を握ったかと思うとホロはそう叫びながら自分の腕を突っ張らせ、あっと
いう間にロレンスから離れるのに成功した。
「──なっ!?」
驚いたのはロレンスだ。何せこれからという時にホロが逃げ出したのだ。
開かれていた両膝がいつの間にかロレンスの進入を防ぐように立てられいて、さらにその奥では尻
尾が大事な所を隠すように張り付いている。
そんな尻尾とホロの顔を交互に見ながら頭に浮かんだのは自分がとんでもない失敗をしでかしたの
ではないか、という不安だった。今のところ決定的な失敗をした覚えは無い、気がする。
こればっかりは自分では分からないので確信は持てない。
だが、ホロの顔を見ているうちにそんな不安は段々と薄れてきた。何故かというと、ホロがやけに
申し訳なさそうな顔をしていたからだ。
肩をベッドの端の壁につけた格好のホロは、未だロレンスの手首を握ったままの自分の手を黙って
見つめていた。
こうしていても埒が明かない。ロレンスはホロに訊いてみた。
「…ホロ。一体…どうし──」
「──やっ、やっぱり怖いな…」
「怖い…?」
「…うん。…は、初めてのことは何だってそうじゃろう?」
上目遣いにロレンスを見つめるホロに「まあ…」な、と言いかけてロレンスは慌てて口を閉じた。
今ホロは何と言った。初めてだ、そう、ホロは初めてだと。
「は…初めてだって?」
「……ん」
頷きながら目を逸らすホロを見ても、ロレンスには信じられなかった。
そんなに経験豊富ではないのかもしれない、という雰囲気はあった。だが全く初めてとは思えない。
「だって、お前…あんな事言うやつが、俺みたいに…」
ホロは俯いたままじっとしていたが、やがて小さく息を吐くと諦めたように話しだした。
「…あれは…その、なんじゃ…ぬしを、その気にさせる為の…そう、方便であって…」
「方便?」
「うむ…そうでもしないとぬし…わっちを抱いてくれんじゃろ?…そう思っての」
「ちょっとまて」
ホロの話を止めさせてロレンスは頭を嵐に耐える風車のように回転させる。
方便、つまり嘘でもつかないと、という事はホロは男と女の営みの事をよく知っている経験豊富な
自分を演じていたらしい。しかし、簡単に演じていたと言っても無理があるだろう。
経験は知識に勝るという。全てがそうだとは思わないが、こういった事はそれなりに実体験がなけ
れば、おいそれと嘘の演技はできないと思う。
まさか、禁書とされるような妖しげな書物を読んだ事でもあるんだろうか。
そんなホロの姿を頭に浮かべながらロレンスはホロに問いかける。
「じゃあ、あの時言ってたのも…はったりだったのか」
「…あの時とは?」
「脱がせるのが好きとか、お手並み拝見とか…あと、俺のを見て誰かと比べるような言い方をして
ただろ」
申し訳なさそうだったホロはますます居心地悪そうにもじもじし始めた。
「あれは…」
ロレンスは固唾を呑んでホロの次の言葉を待った。
「…勉強の…おかげかの」
「……勉強?」
一瞬ホロが本当に書物を手にする姿を思い浮かべたが、すぐにそれはかき消された。
何故か。ロレンスはホロの言う勉強に思い当たる事があったからだ。
「お前、まさか…」
ロレンスの言葉に顔を真っ赤にしながらホロは小さく頷くとはっきりと答えた。
「うん…覗き…」
「覗きって…お前、何処でそんな」
「それはその、大概はバスロエの村じゃが…。他には──」
「バスロエ?」
さっきからホロの言葉を馬鹿みたいにオウム返ししている自分に驚いたが、驚くべき所は他にある。
「お前、村の中をその姿でうろついていたのか!?」
「たわけ。そんなわけ無いじゃろう」
いつもの調子に戻ったように言うと、ホロは赤い顔でロレンスを睨む。
「わっちは麦畑から出れんのをぬしは忘れたかや」
そういえばそうだった。だがそれならどうやってそんな事を覗けるのか。ロレンスがその疑問を口
に出そうとする前にホロが続きを話しだした。
「ぬしは知らんじゃろうが、あの村の者は皆、外でやるのが好きみたいでの。それをわっちが覗い
とった、というわけじゃ、というか、なんというか…わっちも暇だったし…」
歯切れが悪くなって口を濁すホロに別の疑問をぶつけてみた。
「そんな格好じゃ、いくら麦に身を隠しても目立つだろ」
「格好?…ああ、さすがにこんな風に姿は見せんよ。今のわっちは人の姿を借りとるが、麦畑にい
る時は別の姿じゃからな」
別の姿と言われてもロレンスの頭には巨大な狼の姿しか思いつかない。
「狼の姿ではありんせん。そうじゃな…形は今の姿のままじゃが人の目には映らん。そんな感じじゃ」
「…と言うことは、村の連中がもし、麦畑の近く…いや、その中でしていたら…」
「ふむ、ぬしが驚くほどの近さで見ることができるの」
にこりと笑うホロはもう、いつものホロに戻っていた。
「本当にあの村の連中は、外でするのが好きみたいでの。随分と勉強させてもらったもんじゃ。ま
あそのおかげでぬしを上手く騙せたわけじゃが…くふふ」
「くふふじゃないだろ!」
「…何を怒っとるんじゃ。覗きの事かや。あれは誰だって見るじゃろう? それにじゃなわっちは
麦を守るのが仕事なんじゃ。やつらが大事な麦を痛めんかどうかを」
「そこじゃない! 確かに覗きの事は…あまり感心できないが今はとりあえず置いておこう。それ
よりもだ」
ロレンスは一番気になっていた事を聞きたかった。それは。
「ホロ…お前はなんでそんな…俺を騙すような事までして抱いてもらおうとしたんだ。…やっぱり、
ヨイツで見栄を張りたいだけなのか」
はっと息を呑んだホロはロレンスの顔を見つめると、すぐに横を向いたがその顔は少し寂しげに見
えた。だがそれも一瞬で、すぐに呆れたような笑いに変わった。
「…それだけじゃないと言った筈じゃが?」
「だから、それを聞いているつもりだ」
「まったく、ぬしは…どこまで……ん?」
ホロは何かを思い出したような顔で黙ってしまった。
「どうした?」
「いや、そういえばぬしよ…さっき気になる事を言わなかったかや?」
何のことだろうか。ロレンスは自分が言った事を思い返してみる。
そんなロレンスを見詰めるホロは何故か緊張した面持ちだった。
「ほれ、わっちが初めてだといった時にぬしはこう言いおったの。俺みたいに…って」
「あっ!」
「あれはどういう意味かやぁ。まさかぬしも初めてということじゃ…」
口調は軽いが顔は嘘は許さないと言わんばかりのホロにロレンスは気圧される。
「えーと、あれはだな、その、なんだ…」
追い詰められると誰もが同じような事しか言えなくなるようで、さっきのホロと同じように歯切れ
が悪くなる。だがどれだけ時間を稼いでも上手くこの場を取り繕えるわけじゃない。ロレンスは観
念した。
「あー…そういう事かな…」
「どういう事かや」
「俺も…初めてなんだ」
「…信じられんの! ぬしほどの歳ならしとって当然じゃろ」
ロレンスだってこの歳で経験がないのは少しばかり恥ずかしい事だとは自覚はしている。だから、
改めてホロに指摘されて耳が痛い。
「それにわっちはまだ覚えておるが、若いころ、ぬしはくすねた金で女を買いに行ったそうじゃな」
「あの時は…結局その、最後までやってないんだ」
「やってないじゃと?」
「まあ、色々あってな」
ロレンスの言葉の真偽を探るように眉を寄せるホロだったが、急に顔を伏せてしまった。
確かに若い男が娼館に行って最後までやらずに帰ってきたなんて、なかなか信じてくれないだろう。
しかし、ここまできて信じてもらえないのもかなり厳しい。
あまり話したくはなかったが、もっと詳しい状況をホロに説明しようかと覚悟を決めかねていると
ホロの華奢な肩が細かく震えているのに気づいた。
どうした、と声をかける間も無くホロの口からは堪えきれないように笑い声が漏れてくる。
「くっくっ…くっ…」
ホロの笑い声が次第に大きくなるのを聞いていると、まるで自分の事を笑われているように思えてし
まったがどうやら違うようだ。ついには顔を上げて大笑いするホロの顔にはロレンスに対するからか
いや嘲りの色が見当たらなかった。それなら何をこんなにホロは笑っているのか。
「ホロ…」
「ぶはっはっは…あぁ?…なんじゃ?」目尻にうすく涙まで滲ませている。
「何がそんなに可笑しいんだ?」
「ああ…いや、だってのう…うふっ…わっちらこんな格好で何を言いあってるんじゃと気づいての…
ぶはっ」
確かにそう言われると、ベッドの上でお互い裸で話すことじゃないような気がする。
だがそこまで笑う事でもないような気がしたロレンスに、ホロは握っていた手を離すとロレンスの腰
の辺りを指差した。
「と、特にぬしのその格好は…」
指された部位に顔を向けると、そこには中途半端に小さくなった自分のものが糸を垂らしながら揺れ
ていた。
「の? 笑えるじゃろ?」
笑えない。再び思い出したように笑い出すホロに、ロレンスは言ってやった。
「お前こそ、どんな格好してると思うんだ」
「んん?」
笑い声こそ止まったが、顔はまだそのままのホロに教えてやる。
「まるで、おむつを替えてもらうのを待ってる赤ん坊のようだぞ」
今までの話の間に気が緩んだせいか、いつの間にか閉じられていたホロの膝が左右に大きく開かれて
いた。その格好は今ロレンスが言ったようにも見えるが、蛙のようにも見える。
さすがに後者の方は口が裂けても言えなかったが。
「あっ!?」
笑うのをやめて慌てて立てた膝に顔を埋めるホロ。ロレンスがじっと見ていると赤らめた顔を横から
出してこちらを見てくる。
そんなホロの仕草を見てロレンスはつい顔を緩ませてしまった。それほど今のホロはいじらしくて可
愛いのだ。
「…笑うでない」
足の影からホロは言う。だがそれはあまりにも自分勝手だろう。
「今まで散々笑ってたくせに。お前ずるいぞ」
「む…」
見えてはないが、なんとなくホロの口が尖った気がしたと思った途端、ロレンスに何故か笑いが込み
上げてきて止まらなくなってしまった。
「これ!笑うでない!」
そう言うホロも笑っていた。
なにせ、初めて同士がそれに気づかずこんなことになって、最後の最後でばれてしまったのだ。
しかもお互いこんな格好のまま口喧嘩までしているなんて、もう笑うしかない。
そんな恥ずかしい格好のまま、ホロと暫く笑いあったロレンスだった。
二人して散々笑いあったあげくホロ共々ぐったりとすると、ロレンスは笑う事がこんなに疲れる
ものだとあらためて思い知らされた。
笑いすぎて熱くなった胸を冷やすようにロレンスが深呼吸のような溜息をつくと、それに答える
ようにホロが目尻を拭いながら頷いた。
「あーあ…疲れたの…くふっ。わっちらは一体、何をやっとるんじゃ」
「全くだ」
そう言いながらホロが右手でぽんぽんとベッドを叩く。
条件反射という訳じゃないが、疲れていた事もあってロレンスがホロの隣に腰を下ろすと、すぐ
にホロが身体を寄せてきた。ロレンスがシーツで腰の辺りを隠していると、ホロのぴんと立った
耳がぱたぱたと動きだしてロレンスの頬に風を送り出す。ホロは随分と機嫌がよさそうだ。
声こそ出さないが、小さな拳を口に当てて笑う姿はロレンスの秘密を暴いた時と同じように見え
る。だが、その顔と声には嬉しさのようなものが感じられた。
「嬉しそうだな」
「ん…そうかや、そう見えるかや」
聞き返す声も弾んでいるのだから、よほど嬉しいのだろう。
ホロはくふふ、と笑ってから小さな掌を自分の太腿にぱちんと勢いよく置いた。
「それにしても、ぬしがまだじゃったとはの」
あまり触れてほしくない話題だが、ホロの喜びようが気になったので、つい聞いてしまった。
「なんだ…そんな事で喜んでるのか」
「それは嬉しいに決まっとるじゃろ」
不思議そうにロレンスを見たかと思うとすぐに笑顔になる。
「こんな場合だ、男の俺が経験済みのほうがいいんじゃないか…と思ってたんだが」
「どうしてかや」
「男が慣れてたほうが女としては安心だろ」
「まぁ、そういう見方もありんす。じゃが、時と場合…いや、相手にもよるんではないかや」
「それなら…お前の場合はどんな場合だというんだ」
軽い気持ちで訊いたのだが、ホロはどういうわけか溜息をついて肩をかくんと落とした。
「…ぬしは一度、雌の気持ちというものを…まあ、よい。そこがぬしらしいところじゃからの」
少し呆れた様子でそう言うと、ホロは手元に自分の尻尾を手繰り寄せ細い指で軽く鍬はじめた。
「そんな言い方では褒められた気がしないんだがな」
「なんじゃ、ぬしは褒められたつもりだったんかや」
涼しい顔でそんな事を言われれば、ロレンスのできることは溜息をつく事ぐらいだ。
一際大きい溜息をつこうと息を吸い始めるとホロがロレンスの腕を軽く掴み、顔をそっと押し付
けてきた。
「…どうかしたか」
ロレンスはそう訊きながらホロは眠いのかもしれないと思った。いつもなら二人共とっくに寝て
いる時間だ。特にホロは惰眠をむさぼることが好きなようで、朝はロレンスより先に起きること
は無いし、昼寝も毎日欠かした事が無い。
野生の狼がこんなにも寝てばかりとは思えないので、ただ単にホロが寝るのが好きなだけだろう。
ただ、昼間は本気で寝ているのかは疑わしい。人の気配を感じるとロレンスが注意するまでも無
く、尻尾をローブにしまい込むのも常だからだ。
「眠いのか?」
さっきの返事が返ってこないので、てっきり眠いものだと思ったロレンスは確認の意味でホロに
声をかけたのだが、ホロはそのままの格好で頭を左右にふった。
「眠くなんかありんせん。…ぬしはわっちを子供扱いする気かや」
相変わらず顔を腕にくっつけたままなのでホロが喋るたびにくすぐったい。
「じゃあ…どうしたんだ」
「うむ…いや、ぬしがあんなに簡単に騙されるとは意外じゃったな…そう思っての」
「誰だって、あれは騙される…べつに、褒めてるわけじゃないからな」
こんな事でホロに妙な自信を持たれても困るので、ロレンスはしっかりと釘を刺しておいた。
「それぐらいわかっとる」
そういうとホロは顔を腕から離してじっとしていたが、やがて掴んでいた腕を強く握ったかと思
うと申し訳なさそうな顔で呟いた。
「…ぬしには悪いことをしたの」
「うん?」
「騙した事じゃ」
確かにホロにはまんまと騙されたが、不思議な事にロレンスは怒る気にはなれなかった。
よくよく思い返してみれば、ホロは自分から経験者だとは言っておらず、ロレンスが勝手に勘違
いしていただけなのだ。
とはいえ、ロレンスがそう勘違いしたのはホロがそうなるように芝居をしていたのが原因だった
訳だが。
「わっちゃあ理由はどうあれ、ぬしを騙したんじゃから謝るのは当然……」
そこまで言うとホロはその場で頭を下げた。
「…すまぬ。わっちを許してくれるかや?」
ホロがどんな顔をしているのかは生憎と分からないが、下げた頭の上で可愛い耳が主と同じよう
に頭を下げているのだから本心から反省しているのだろう。
本音を言えば多少あった、もやもやした気持ちもさっき二人で大笑いした時に綺麗さっぱり消し
飛んでしまっている。
ロレンスからすれば許すも許さないもなく、全然怒ってなんかないのだからホロの問いには即答
できた。
「もちろんだ、と言うより俺は怒ってなんかないんだがな」
ロレンスはホロの頭に手を置いて優しく答える。
瞳を潤ませながらありがとうぐらいは言うかと思って、顔を緩ませていたロレンスの耳に入って
きたのは、そんな甘い期待をばっさり切り捨てる、ホロのいつもの台詞だった。
「ふむ、普通の雄なら怒るとこなんじゃが、ぬしは余程のお人好しのようじゃな。いや、分かっ
てはおったがの」
そういって顔を上げた途端くつくつと喉で笑いだしたホロを見れば、自分がどんな顔をしていた
かが分かろうというものだ。
ロレンスは憮然としながらホロの頭から下ろした手で顎をさすりながらホロの無礼を指摘するこ
とにした。
「怒ってはないとは言ったが、それにしても他に何か言う事があるんじゃないか」
「…ありがとう…じゃろう?」
分かっとる、と言わんばかりの顔のホロにロレンスはさらに畳み掛ける。
「最後の一言は余計だ」
抱く前に自分が言われた台詞をお返しに言ってやるとホロは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔
に戻るとロレンスに抱きついてから小さく、だがはっきりと言った。
「うん…ありがとう」
あらためて言われるとなにやら尻の辺りがむずむずするような、気恥ずかしさが沸いてくる。
それを誤魔化す為ロレンスはわざと茶化すようにホロに言った。
「これからは、あんな事は無しだ。いいな」
「わかりんす」
ロレンスを笑いながら見つめていたホロだったが、突然何かを思いついたように「あっ…」と声
を上げたので何事かとロレンスが驚いていると、ホロが妙な顔でもじもじしだした。
「…わっちはまだ、ぬしに謝らん事があったの」
ホロが謝るべきことはあと一つくらいしか思いつかない。ロレンスはすぐに頭に浮かんだ事をホ
ロに言ってやった。
「厠を覗いてた事か」
「……わっちは別に覗いてたわけじゃないんじゃが…ふむ、それも謝っておくか。悪かったの、
すまぬ」
「違うのか…じゃあなんなんだ?」
「それはじゃな」
暫く困ったような顔をしていたが、やがてホロは意を決したように口を開いた。
「ぬしはわっちの事を、その、好きだと言ってくれたじゃないかや」
そういえばそうだった。ホロに指摘されるまですっかり忘れていた自分にロレンスは驚いた。
ただ、忘れるのも無理もないと思う。あれからの短い間に、実に色々あったのだ。
そんな事を考えていたのが顔に出ていたのか、ホロが眉を寄せてロレンスの顔を覗き込んでいた
のに気づく。
「あ、ああ、確かに言ったな」
ホロは何か言いたげにロレンスを見ていたが、「まあ、よい…」と言うと続きを話しだした。
「わっちゃあぬしにそんな事言われて、嬉しかった。…本当に嬉しかった」
言いながら顔を仄かに赤く染めるホロ。
正直なところ、その場の雰囲気に流されてつい言ってしまったようなものだが本心である事は間
違いない。ホロにそういってもらうとロレンスも言ったかいがあったというものだ。
「ぬしはあんな時とはいえ、自分の気持ちを隠さずわっちに言ってくれた。…そんなぬしにわっ
ちは悪い事したと思うとる」
「悪いって…?」
「その…わっちはぬしの気持ちに応えてやりたかったんじゃが…わっちが、その…できんかった
じゃろ?」
「…ああ、その事か」
赤い顔をロレンスから隠すように抱きつくホロを見てロレンスは納得した。ホロはロレンスに最
後までさせてやれなかった事を言っているのだ。
確かにホロが自分から言い出した事なのに、自分のせいで中途半端に終わってしまったのだから
責任を感じるのも無理はない。だがその事にもロレンスは別に怒ってなんかいなかった。
ホロが言った、初めての事は何だって怖いというのはロレンスだってそう思うし、何よりもあの
時のホロの姿を見ればそれ以上の事は誰だってできやしない。
きつく瞼を閉じてすがるように尻尾を握り締めていたホロの姿を浮かべながら、ロレンスはなる
べくホロを傷つけないように言う。
「気にするな。初めてならそんな事もある…それに、男と違って女の方が覚悟が要るだろう」
「しかしの…そう言われても気にするじゃろう、これは…」
さっきと同じように顔を腕に押し付けてくるホロにそれ以上かける言葉が見つからず、どうした
ものかと考えあぐねていたらホロが思いもよらぬことを言いだした。
「じゃからの、わっちはぬしにお返しがしたいんじゃ」
「…お返し?」
ロレンスの声にあわせて顔を上げたホロは久々に不敵な笑みを浮かべていた。
「うむ、わっちはぬしに随分いい思いをしてもらって満足なんじゃが…ぬしはどうかや?結局わ
っちのせいで子種を出すこともできなかったではないかや。じゃからわっちはぬしに同じくらい、
いい思いをして欲しい。どうじゃ──」
「──ちょっと待て!」
ロレンスは慌ててホロの言葉を遮った。ホロは一体何を言っているのか。あんな顔をしていた当
の本人が言う台詞じゃない筈だ。ホロは言いたい事を途中で止められたので少し機嫌が悪そうに
見える。
「お前の気持ちは有難いが…無理はしなくていい。俺は──」
「──無理じゃありんせん!」
お返しとばかりにロレンスの言葉を遮ると、ホロは挑むようにロレンスを睨む。
「わっちゃあ別にあの続きをしようとは言ってはおらん。わっちが望んどるのはぬしに気持ちよ
く子種を出してもらうことなんじゃ」
「だがな…お前が」
「まさかとは思うが…ぬしは股と股を合わせることしか考えておらんのかや?」
探るような目つきで見つめられると正直に言うしかない。
「……恥ずかしながらそれしか思いつかないが…あっ……もしかして?」
言いながら頭に閃いた。
「ふむ、言ってみよ」
「手、だろう。つまりお前がその手で俺のをだな…」
「くふふ…ぬしの思いつくのはそんなところだと思いんす。まあ、いつも自分の手でやっている
んだから仕方が無いがの」
そう言いながらホロはその場で立ち上がったかと思うとロレンスの太腿の上に腰をすとんと下ろ
し、両腕をロレンスの首にまわす。
こうするとお互いの身長差がなくなるためホロの顔がロレンスと同じ高さになる。
「わっちが使うのは…この口じゃ」
いつの間にか妖艶さを増した笑みを浮かべながら、ホロは躊躇いも無くロレンスに唇を重ねると
舌を入れてきた。
「ん…んん」
暫くお互いの舌を絡めていたが、やがてホロはゆっくりと唇を離してからぺろりとロレンスの唇
を舐めた。
ぷん、と甘い香りが鼻をさす。
「…くふふ、わっちの口でぬしを慰めてやろう」
そういいながら自分の唇に舌を這わせる様は、まるで美味そうな羊を前にした狼のようだ。
「ぬしもまんざらでは無さそうだしの」
ロレンスに乗ったままで腰を左右に動かすホロが言っているのは、ロレンスが硬く反応している
事を指しているのだろう。
確かにロレンスのものは少しづつ硬さを増していた。原因はホロとの口づけのせいもあるがそれ
よりもシーツ越しとはいえ、ホロの柔らかい尻がちょうどロレンスのものを押し潰しているのが
大きい。
大体ホロも自分も裸のままなのだ。ホロに抱きつかれていた時も、控えめながらも柔らかい胸の
感触が気になって仕方がなかった。
段々と硬くそそり立とうとするのを尻で感じ取ったホロは、頃はよしとばかりに満足げに頷くと
すくっと立ち上がって腰に手を置いた。
では、始めるかや」
「始めるって言ってもな…本当に大丈夫か?」
「ほう…ぬしはそんな事を言うのかや」
上から見下すようにロレンスを睨みつけた。
「ぬしがわっちの股に入ってくるのは正直怖い。じゃが、それが口なら全く平気じゃ。ぬしより
か余程大きいものでもちゃんと入るのは分かっとるからの」
「俺のより大きいって…なんだ?」
「…魚やら鳥の足…パンもあるかや」
上を向いて考えながら答えるホロを見てロレンスは溜息をつく。
ロレンスはホロが口でしてくれる事には全く異存は無い。むしろ、あの小さくて可愛い口の中に
自分のものが収まるところを想像するだけで正直堪らなくなる。
だがこのまま手綱を握られるのも癪なので、せめてもの抵抗を試みた。
「…俺はまだ、するともしないともいってないんだが」
「すると言うとるのと同然じゃろ」
ホロがゆっくりとシーツを捲くるとその刺激に反応してか、ロレンスのものがさらに角度を増し
てきた。
「…だな」
ホロはロレンスの返事ににやりと笑うと、シーツを隅に放り投げた。
「ほれ、その格好じゃあわっちがやり難い。ちゃっちゃとこっちへこんか」
ホロから手綱を取り返すのは容易じゃないな。そう思いながら立ち上がるロレンスにホロは尻尾
をばたつかせて早くしろと催促しだす。
これ以上ホロの機嫌を傾かせてもまずいのでロレンスは抵抗を諦めた。
うむ…そこに横になるがよい」
言われた通りに横になるとホロがロレンスの右側に腰を下ろし、すぐに四つん這いの格好になる。
「……これがぬしのかや」
顔を近づけてまじまじと見られるとさすがに恥ずかしい。
同じような事をされてロレンスにそう言ったホロの心情がよく分かる。
「まあ、思ったより立派じゃな」
「…そいつはよかった」
「お、なんか出とる」
ホロはロレンスの軽口を無視すると、不思議そうに小首をかしげた。
「どんな味かの?」
ホロらしい疑問にロレンスは苦笑しながら言ってやった。
「お前のは甘かったが、俺のはどうだろうな」
「甘い?」
耳をぴょこんと動かすと驚いたようにこっちを向く。
「わっちのは甘いのかや」
「…知らなかったのか?」
「そんなん…知っとるわけないじゃろ…」
恥ずかしそうに言って顔を戻すとホロはあらためてロレンスから滲み出る透明な汁に目を落とした。
「じゃが、ぬしのは甘くは無さそうじゃな。匂いも…」
四つん這いのまま、鼻を近づけてくんくんさせるホロは耳と尻尾のおかげで本当の狼に見える。
「うん、ぬしの匂いしかせんの、うぇ」
とわざとらしく顔をしかめる。
「そんな顔するんだったらしなくてもいい」
すこし不機嫌そうに言ってやるとホロは声を出さずに笑い出した。
「…そんな顔をするでない。言っておくがぬしの匂いは決して変な匂いじゃありんせん。なんな
ら、この耳と尻尾に誓ってもいい」
「…ほう」
どこまで本気で言ってるのかが分からないのでロレンスは適当に返事をしておく。
「本当じゃ。なんせわっちが気に入った匂いは食べるもん以外にはこの匂いしか…ないんじゃからの」
何故か途中で言葉を詰まらせたが、すぐにいつもの顔に戻るとロレンスのものに指を伸ばした。
汁で濡れている部分をそっと触れるとそのまま指を根元に滑らせる。
それだけの事なのにロレンスは身体が震えてしまうのを押さえ切れなかった。
ホロの指が来た道を戻りだすとロレンスのものは鉄のように硬くなり、自分の腹にくっつくほど
反り返ってしまう。
「ふむ…随分気持ちいいようじゃが、次はこんなものじゃあ…くふふ」
言いながら指を何度も往復させていたホロはロレンスを見てにやりとすると、突然ロレンスのも
のを指で掴んで無理やり立たせて、ぱくりと口に咥えてしまった。
「おぅっ…」
思わずロレンスの口から声が出る。思った以上にホロの口の中は柔らかくて熱い。だがその熱さ
が心地いい。

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