無題8


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夜。
ホロとロレンス。そして新たな旅の同行者コルは床に就いていた。
ホロとロレンスの二人は一つの毛布に包まり、コルはそんな二人から少し距離をとって一人毛布に身を包んでいた。
始めホロは三人一緒に寝る事を提案したがコルがそれを断った。
共に寝る事に恥ずかしさもあったがそれよりもこれ以上二人の間に割って入るのを遠慮したのだ。

「……ぬしよ」
ロレンスは身体を揺すぶられ、むりやり眼を開ける。
まどろみの中ホロの姿が瞳に映る。
「のぅ、ぬしよ。寒くないかや?」
ホロの言葉にロレンスは首を傾げそうになる。
冬の夜とはいえ一人で寝ていた頃と違い、今はホロがいる。
毛布の中には二人分の温もりに加え、毛皮の尻尾まであって十二分に暖かい。
「寒くないかや?」
その筈なのにホロは同じ言葉を繰り返す。
寒いのか? と聞き返そうとした時、ロレンスは気付いた。
ホロが艶めかしい瞳をしている事に。
それと同時にもう一つ気付く。
これはいつもの儀式なのだ、と。
寒いから一緒に暖まろう。という了承の儀式。
ホロはロレンスが気付いた事に気付き、目の奥で笑みを浮かべる。
こうなるとロレンスがとぼけても無駄だ。
反対するには言葉を使わなければならない。
「……今はコルがいるんだぞ。あいつが目を覚ましたらどうするんだ?」
「なに、あやつはちょっとやそっとじゃ起きんくらい熟睡しておる。
 それにわっちを誰じゃと思っておる。ヨイツの賢狼ホロじゃぞ。
 あやつが起きそうになったらこの耳で聞き取れるし、そうなれば静かにやり過ごせばよい」
ヨイツの賢狼は関係ない気もするとは思ったがロレンスが反論する前にホロが畳み掛けて来る。
「あやつが加わってから随分ご無沙汰じゃ。
 一時期はどっちが狼かわからんくらい盛っておったぬしはもう我慢できんじゃろ?」
したいのは自分ではなくロレンスの方。自分はそれを察してやっただけ。
言外にそんな含みを持たせるホロ。
意地っ張りめ。とロレンスは思う。
「商人は我慢強くなければ務まらない」
旅から旅の行商人は特にそう言えるだろう。
嘘を見破れるホロに本当だと強調する必要はない。
「……そうかや」
更に反論して来るかと思ってがホロはあっさり引き下がった。
意外に思ったが諦めてくれるなら助かる。
実際溜まっているのだ。これ以上押されたら我慢が出来ない。
ロレンスは多少残念に思ったが時と場合を考えない恥知らずではない。
「ぬしがそんなに嫌ならコル坊に相手にしてもらおうかの」
「…………っ」
油断していただけに絶句してしまう。
「あやつなら初めは遠慮するじゃろうが受け入れてくれるであろう」
そう言いながらホロは毛布から出ようとする。
実際に行為に及ぶことはないだろうが、このままではコルの毛布に潜り込むのは確実だ。
ホロがコルを可愛がることには特に嫉妬しない。
だが、流石に寝床まで一緒にするのは許容できない。
毛布からあと一歩で出て行く所でホロがロレンスをじっと見ていた。
ホロは嘘を見抜く。
それは胸中を見抜くからだ。
「のう、ぬしよ」
「……なんだ?」
「さっきはコル坊の元へいくと入ったが……」
ホロはそこで一旦区切り、ロレンスの瞳を見詰める。
「わっちはぬしの方がよい。いや、ぬしじゃなくては嫌なんじゃ」
恥ずかしそうな切なそうな、それでいて愛しそうな表情のホロ。
例え、その仮面の奥でにやにや笑っているのが分かっていても、
こんな事を言われて動かない男はいない。
ロレンスはそっとホロの頬に手を添え、唇を重ねる事で返事の代わりとする。
十数秒に渡る長い口づけを終えて、ホロを見ると思惑が上手くいって嬉しいのか
それとも単純に口づけが気持ちよかったのかうっすらと笑みを浮かべていた。
「いいのかや。コル坊に見られる可能性がありんす」
「起きそうになったらお前が教えてくれるんだろ?」
ホロはロレンスの真似をして、唇を重ねる事で返事とした。
それが始まりの合図だった。
二人は短く、だが何度も何度も唇を重ねる。
口づけをしながら、ロレンスはホロの控えめな主張をする胸に手を伸ばす。
主張は控えめでも、柔らかさは申し分もない。
だが、服の上からでは厚手の服が感触の邪魔をする。
手を服の下に忍びこませ、直接肌と肌が触れる。
円を描きながら、優しく揉み、小さな突起物も時折弄ぶ。
「……ぁ……」
ホロが口づけの合間に甘い息を小さく漏らす。



(中略)



朝。
出発の準備をしながらロレンスとコルは顔を真っ赤にしていた。
ホロは一人楽しそうに笑っている。

朝起きて、コルはホロとロレンスに顔を合わせようとしなかった。
だが、それがいつまでも続くわけもなく、二人の顔を見た途端、顔を真っ赤に染めた。
その様子を見てロレンスは気付いてしまった。
昨晩の行為がコルに見られていた事を。
ロレンスがホロを睨みつけるが、当の本人はことなげにあっさりと言い放った。
「これでもうばれてしまったんじゃ。次からは気にせずできるじゃろ?」
コルが起きているのに気付きながらもロレンスにわざと教えなかったのが明らかな台詞だった。

そんな朝の騒動がありながらもようやく出発の準備が出来た。
ロレンスとコルは未だ顔を赤くしたまま。
「まったく、純情な奴らじゃ」
ホロが一人、やはり楽しそうに笑っていた。


終わり
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