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「それで、俺はどうなるんでしょうか・・・?」 少女の顔色を窺いつつ、質問をしてみる。 「喜びなさい。あなたは私の計画の協力者となれるのだから。」 少女は当然のように語る。 こちらの意思など関係ないのだ。 「で、何をすればいいんですか?」 「私が世界征服をする上で、足りないものはわかるかしら?」 誰に聞いても、現実離れした話であろう。 突然こんなことを言われても、まともに考えるほうがバカらしい。 「世界征服ってそんな非現実的なことを言われても・・・。」 「非現実的?言ったでしょ。これは仮定ではなく定説。 私が世界征服をして、この世の支配者になることは確たる真実なのよ。」 どうやら、本気で世界征服をするつもりであるらしい。 しかし、世界征服と言っても、漠然とし過ぎている。 飛竜は現実的に考えてみる。 「つまり、資金が足りない。で、俺に資金調達をしろと?」 何をなすにも、先立つものは必要である。 「たしかにそれも必要ね。でも、もっと重要なものがあるでしょ。」 「じゃあ、人手ですか?」 「フフフ、あなたは何もわかってないわね。言ったでしょう?私が世界征服をするのは確たる真実だと。 誰の力を頼らずとも、私がいれば実現できるわ。」 少女は本気である。 「でもね、そんなに容易く世界征服をさせてもらっては困るのよ。」 少女は自分の世界に入り込んでいるようだ。 もはや、飛竜は黙って聞くしかない。 「今、この世界に決定的に足りないもの!そして、今一番必要なもの!それはヒーローよ!」 やはり、少女は本気であった。 一通り話を聞き終えた飛竜であったが、少女の考えは理解できなかった。 まあ、理解しろと言うほうが無理であろう。 「結局、俺にどうしろと?」 少女は冷ややかな瞳で飛竜を見る。 「私の話を聞いてなかったの?あなたは私の計画を打ち砕くためのヒーローになるのよ。」 「つまり、世界征服を阻止する人が必要ってことですか。 法に触れるようなことをした時点で、警察が動くんじゃないですか? それこそ、世界征服なんてデカイことすれば、自衛隊とか・・・。」 「警察?自衛隊?私は世界征服をするのよ。あんな連中にどうこうできるわけないでしょ。」 「警察にできないことを、俺なんかがどうにかできるわけないでしょ。」 「もちろん、今のあなたでは無理ね。だから、私があなたに力をあげるわ。」 「力・・・って、まさか改造する気かっ!?」 「安心しなさい。力をあげると言っても、機械の体になったりするわけじゃないわ。」 「そういう問題じゃない!俺は嫌だぞ!!」 「痛みもないし、大人しくしてれば、すぐ済むわよ。」 「それでも嫌だ!!」 「ハァ、仕方ないわね。」 少女は先ほどの鉄の棒を持つと、再び火花を散らした。 「おい、それは?やっぱり、殺す気・・・」 虚しくも、飛竜の訴えは遮られた。

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