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正午を報せる鐘が鳴り響く。
負けじとセミの鳴き声が響き渡る。
太陽の陽がまぶしく照り付け、ジリジリと地面を焦がす。
季節は夏である。




ここは私立戦隊高校―――
終業式を終え夏休みを迎える少年たちの心は、太陽に負けないくらい晴れやかなのだろう。
あたりはどこもかしこも、賑やかな声で溢れている。

そんな中、一人憂鬱な表情を浮かべる少年の姿があった。
剣飛竜(つるぎひりゅう)である。
そこは校内の賑やかな雰囲気とはかけ離れていた。
扉には「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた張り紙が見える。
中はカーテンが締め切ってあり薄暗く、夏だというの寒気さえ漂う。
深いため息をつくと、飛竜は椅子に腰を降ろし、少女を待つことにした。
女の子からのお誘いであったが、淡い期待など抱いている様子はない。
少女に呼び出されるのは初めてではなかった。
飛竜はこれから何が起こるのかを知っているのだ。
そして、自分はそれから逃れることが出来ないことも。
そんな訳で飛竜は憂鬱だった。




飛竜と少女の出会い。
それは、さかのぼること数ヶ月前。
飛竜が戦隊高校に入学して間もない春のことだった。
入学して日は浅いが、友人と呼べる存在はあった。
「翔、部活はもう決めたのか?」
疾風翔(はやてしょう)というのが、友人の名である。
「部活?そんなもんやってる時間があるか!俺は何かと忙しい身の上なんだよ。」
短い付き合いだが、その中で翔のことは理解しているつもりだ。
やはりというか、予想通りの答えであった。

『女の子にもてる事が俺の青春のすべてだ!』
言葉通りこれが翔の真情なのだろう。
女の子と仲良くなりたい。
これにすべてをかけていた。
日々、情報収集を欠かさない。
いったい、どんな情報を集めているのかは謎だが・・・。
実際、言葉だけでなく行動をしているだから、そこは認めるべきであろう。
飛竜としては、そのやる気の十分の一でも勉強やスポーツに向ければと、思わなくもなかった。

「お前はやっぱ空手部か?」
翔が聞き返す。
「ああ、そのつもりだけど・・・何でお前知ってるんだ?」
「中学では全国制覇するほどの実力だったそうじゃん。
知り合いに空手やってる奴がいてね。お前のことはよく聞かされたもんだよ。」
そういうと、翔は別の話題を話始めた。

購買に昼食を買いに行く途中で飛竜は足を止めた。
足元を見ると、フロッピーディスクが落ちていた。
飛竜はそのフロッピーを拾い上げると、あたりを見回した。
落とし主を尋ねようにも、あたりに人影はない。
名前でも書いてないかと調べた飛竜はギョッとした。
<世界征服計画>
フロッピーにはデカデカとこう書いてあったのだ。
「何だこれ?後で職員室に届けておいてやるか。」
フロッピーをポケットの中に入れようとした飛竜は、次の瞬間、激しい衝撃とともに意識を失ったのだ・・・。