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狂犬病予防法


狂犬病予防法(昭和25年1月26日法律第247号)

改正履歴(ここに記載した以前のものは省略)
平成10年10月2日法律第115号、施行期日:平成11年4月1日(ただし、第3条の規定は、平成12年1月1日)
平成11年7月16日法律第87号(地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律)、施行期日:平成12年4月1日
平成11年12月22日法律第160号(中央省庁等改革関係法施行法)、施行期日:平成13年1月6日施行
 第1章 総則(第1条~第3条)
 第2章 通常措置(第4条~第7条)
 第3章 狂犬病発生時の措置(第8条~第19条)
 第4章 補則(第20条~第25条)
 第5章 罰則(第26条~第28条)

第1章 総則


(目的)
第1条 この法律は、狂犬病の発生を予防し、そのまん延を防止し、及びこれを撲滅することにより、公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進を図ることを目的とする。

(適用範囲)
第2条 この法律は、次に掲げる動物の狂犬病に限りこれを適用する。ただし、第(2)号に掲げる動物の狂犬病については、この法律の規定中第7条から第9条まで、第11条、第12条及び第14条の規定並びにこれらの規定に係る第4章及び第5章の規定に限りこれを適用する。
 (1) 犬
 (2) 猫その他の動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏及びあひる(次項において「牛等」という。)を除く。)であって、狂犬病を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定めるもの
2 犬及び牛等以外の動物について狂犬病が発生して公衆衛生に重大な影響があると認められるときは、政令で、動物の種類、期間及び地域を指定してこの法律の一部(前項第(2)号に掲げる動物の狂犬病については、同項ただし書に規定する規定を除く。次項において同じ。)を準用することができる。この場合において、その期間は、1年を超えることができない。
3 都道府県知事は、当該都道府県内の地域について、前項の規定によりこの法律の一部を準用する必要があると認めるときは、厚生労働省令の定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。
第3条 都道府県知事は、当該都道府県の職員で獣医師であるもののうちから狂犬病予防員(以下「予防員」という。)を任命しなければならない。
2 予防員は、その事務に従事するときは、その身分を示す証票を携帯し、関係人の求めにより、これを提示しなければならない。

第2章 通常措置


(登録)
第4条 犬の所有者は、犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合にあっては、生後90日を経過した日)から30日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長(特別区にあっては、区長。以下同じ。)を経て犬の登録を申請しなければならない。ただし、この条の規定により登録を受けた犬については、この限りでない。
2 市町村長は、前項の登録の申請があったときは、原簿に登録し、その犬の所有者に犬の鑑札を交付しなければならない。
3 犬の所有者は、前項の鑑札をその犬に着けておかなければならない。
4 第1項及び第2項の規定により登録を受けた犬の所有者は、犬が死亡したとき又は犬の所在地その他厚生労働省令で定める事項を変更したときは、30日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地(犬の所在地を変更したときにあっては、その犬の新所在地)を管轄する市町村長に届け出なければならない。
5 第1項及び第2項の規定により登録を受けた犬について所有者の変更があったときは、新所有者は、30日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長に届け出なければならない。
6 前各項に定めるもののほか、犬の登録及び鑑札の交付に関して必要な事項は、政令で定める。
(予防注射)
第5条 犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者。以下同じ。)は、その犬について、厚生労働省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせなければならない。
2 市町村長は、政令の定めるところにより、前項の予防注射を受けた犬の所有者に注射済票を交付しなければならない。
3 犬の所有者は、前項の注射済票をその犬に着けておかなければならない。
(抑留)
第6条 予防員は、第4条に規定する登録を受けず、若しくは鑑札を着けず、又は第5条に規定する予防注射を受けず、若しくは注射済票を看けていない犬があると認めたときは、これを抑留しなければならない。
2 予防員は、前項の抑留を行うため、あらかじめ、都道府県知事が指定した捕獲人を使用して、その犬を捕獲することができる。
3 予防員は、捕獲しようとして追跡中の犬がその所有者又はその他の者の土地、建物又は船車内に入った場合において、これを捕獲するためやむを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において、その場所(人の住居を除く。)に立ち入ることができる。但し、その場所の看守者又はこれに代るべき者が拒んだときはこの限りでない。
4 何人も、正当な理由がなく、前項の立入を拒んではならない。
5 第3項の規定は、当該追跡中の犬が人又は家畜をかんだ犬である場合を除き、都道府県知事が特に必要と認めて指定した期間及び区域に限り適用する。
6 第2項の捕獲人が犬の捕獲に従事するときは、第3条第2項の規定を準用する。
7 予防員は、第1項の規定により犬を抑留したときは、所有者の知れているものについてはその所有者にこれを引き取るべき旨を通知し、所有者の知れていないものについてはその犬を捕獲した場所を管轄する市町村長にその旨を通知しなければならない。
8 市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、その旨を2日間公示しなければならない。
9 第7項の通知を受け取った後又は前項の公示期間満了の後1日以内に所有者がその犬を引き取らないときは、予防員は、政令の定めるところにより、これを処分することができる。ただし、やむを得ない事由によりこの期間内に引き取ることができない所有者が、その旨及び期間内に引き取るべき旨を申し出たときは、その申し出た期間が経過するまでは、処分することができない。
10 前項の場合において、都道府県は、その処分によって損害を受けた所有者に通常生ずべき損害を補償する。
(輸出入検疫)
第7条 何人も、検疫を受けた犬等(犬又は第2条第1項第(2)号に掲げる動物をいう。以下同じ)でなければ輸出し、又は輸入してはならない。
2 前項の検疫に関する事務は、農林水産大臣の所管とし、その検疫に関する事項は、農林水産省令でこれを定める。

第3章 狂犬病発生時の措置


(届出義務)
第8条 狂犬病にかかった犬等若しくは狂犬病にかかった疑いのある犬等又はこれらの犬等にかまれた犬等については、これを診断し、又はその死体を検案した獣医師は、厚生労働省令の定めるところにより、直ちに、その犬等の所在地を管轄する保健所長にその旨を届け出なければならない。ただし、獣医師の診断又は検案を受けない場合においては、その犬の所有者がこれをしなければならない。
2 保健所長は、前項の届出があったときは、政令の定めるところにより、直ちに、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の報告を受けたときは、厚生労働大臣に報告し、且つ、燐接都道府県知事に通報しなければならない。
(隔離義務)
第9条 前条第1項の犬等を診断した獣医師又はその所有者は、直ちに、その犬を隔離しなければならない。ただし、人命に危険があって緊急やむを得ないときは、殺すことを妨げない。
2 予防員は、前項の隔離について必要な指示をすることができる。
(公示及びけい留命令等)
第10条 都道府県知事は、狂犬病(狂犬病の疑似症を含む。以下この章から第5章まで同じ。)が発生したと認めたときは、直ちに、その旨を公示し、区域及び期間を定めて、その区域内のすべての犬に口輪をかけ、又はこれをけい留することを命じなければならない。
(殺害禁止)
第11条 第9条第1項の規定により隔離された犬等は、予防員の許可を受けなければこれを殺してはならない。
(死体の引渡し)
第12条 第8条第1項に規定する犬等が死んだ場合には、その所有者は、その死体を検査又は解剖のため予防員に引き渡さなければならない。ただし、予防員が許可した場合又はその引取りを必要としない場合には、この限りでない。
(検診及び予防注射)
第13条 都道府県知事は、狂犬病が発生した場合において、そのまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、期間及び区域を定めて予防員をして犬の1せい検診をさせ、又は臨時の予防注射を行わせることができる。
(病性鑑定のための措置)
第14条 予防員は、政令の定めるところにより、病性鑑定のため必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、犬等の死体を解剖し、又は解剖のため狂犬病にかかった犬等を 殺すことができる。
2 前項の場合においては、第6条第10項の規定を準用する。
(移動の制限)
第15条 都道府県知事は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、期間及び区域を定めて、犬又はその死体の当該都道府県の区域内における移動当該都道府県内への移入又は当該都道府県外への移出を禁止し、又は制限することができる。
(交通のしゃ断又は制限)
第16条 都道府県知事は、狂犬病が発生した場合において緊急の必要があると認めるときは、厚生労働省令の定めるところにより、期間を定めて、狂犬病にかかった犬の所在の場所及びその附近の交通をしゃ断し、又は制限することができる。ただし、その期間は、72時間をこえることができない。 
(集合施設の禁止)
第17条 都道府児知事は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、犬の展覧会その他の集合施設の禁止を命ずることができる。
(けい留されていない犬の抑留)
第18条 都道府県知事は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため必要と認めるときは、予防員をして第10条の規定によるけい留の命令が発せられているにかかわらずけい留されていない犬を抑留させることができる。
2 前項の場合には、第6条第2項から第10項までの規定を準用する。
(けい留されていない犬の薬殺)
第18条の2 都道府県知事は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため緊急の必要がある場合において、前条第1項の規定による抑留を行うについて著しく困難な事情があると認めるときは、区域及び期間を定めて、予防員をして第10条の規定によるけい留の命令が発せられているにかかわらずけい留されていない犬を薬殺させることができる。この場合において、都道府県知事は、人又は他の家畜に被害を及ぼさないように、当該区域内及びその近情の住民に対して、けい留されていない犬を薬殺する旨を周知させなければならない。
2 前項の規定による薬殺及び住民に対する周知の方法は、政令で定める。
(厚生労働大臣の指示)
第19条 厚生労働大臣は、狂犬病のまん延の防止及び撲滅のため緊急の必要があると認めるときは、地域及び期間を限り、都道府県知事に第13条及び第15条から前条までの規定による措置の実施を指示することができる。

第4章 補則


(公務員等の協力)
第20条 公衆衛生又は治安維持の職務にたずさわる公務員及び獣医師は、狂犬病予防のため、予防員から協力を求められたときは、これを拒んではならない。
(抑留所の設置)
第21条 都道府県知事は、第6条及び第18条の規定により抑留した犬を収容するため、当該都道府県内に犬の抑留所を設け、予防員にこれを管理させなければならない。
(手数料の費途)
第22条 削除
(費用負担区分)
第23条 この法律の規定の実施に要する費用は、次に掲げるものを除き、都道府県の負担とする。
第1 国の負担する費用
第7条の規定による輸出入検疫に要する費用(輸出入検疫中の犬等の飼養管理費を除く。)
第2 犬等の所有者の負担する費用
 (1) 第4条の規定による登録の手続に要する費用
 (2) 第5条及び第13条の規定による犬の予防注射の費用
 (3) 第6条及び第18条の規定による犬の抑留中の飼養管理費及びその返還に要する費用
 (4) 第7条の規定による輸出入検疫中の犬の飼養管理費
 (5) 第8条の規定による届出に要する費用
 (6) 第9条の規定による隔離及び指示により行った処置に要した費用
(処分等の行為の承継人に対する効力)
第24条 この法律は又はこの法律に基づく命令の規定による処分及び手続その他の行為は、当該行為の目的である犬等について所有権その他の権利を有する者の承継者に対しても、またその効力を有する。
(政令で定める市又は特別区)
第25条 この法律中「都道府県」又は「都道府県知事」とあるのは、地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項の規定に基づく政令で定める市については、「市」若しくは「市長」又は「区」若しくは「区長」と読み替えるものとする。ただし、第8条第2項及び第3項並びに第25条の3第1項の規定については、この限りでない。
(再審査請求)
第25条の2 前条の規定により地域保健法第5条第1項の規定に基づく政令で定める市又は特別区の長が行う処分(地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第(1)号に規定する第1号法定受託事務(次条において「第1号法定受託事務」という。)に係わるものに限る。)についての審査請求の裁決に不服がある者は、厚生労働大臣に対して再審査請求をすることができる。
(事務の区分)
第25条の3 第2条第3項、第8条、第9条第2項、第10条から第13条まで、第14条第1項、第15条から第17条まで、第18条第1項、同条第2項において準用する第6条第2項、第3項、第5項、第7項及び第9項並びに第18条の2第1項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、第1号法定受託事務とする。
2 第2条第3項、第8条第1項及び第2項、第9条第2項、第10条から第13条まで、第14条第1項、第15条から第17条まで、第18条第1項、同条第2項において準用する第6条第2項、第3項、第5項及び第7項から第9項まで並びに第18条の2第第1項の規定により地域保健法第5条第1項の規定に基づく政令で定める市又は特別区が処理することとされている事務は、第1号法定受託事務とする。
3 第18条第2項において準用する第6条第7項及び第8項の規定により市町村(地域保健法第5条第1項の規定に基づく政令で定める市を除く。)が処理することとされている事務は、第1号法定受託事務とする。

第5章 罰則

 
第26条 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
 (1) 第7条の規定に違反して検疫を受けない犬等(第2条第2項の規定により準用した場合における動物を含む。以下この条及び次条において以下同じ。)を輸出し、又は輸入した者
 (2) 第8条第1項の規定に違反して犬等についての届出しなかった者
 (3) 第9条第1項の規定に違反して犬等を隔離しなかった者
第27条 次の各号の一に該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
 (1) 第4条の規定に違反して犬(第2条第2項の規定により準用した場合における動物を含む。以下この条において同じ。)の登録の申請をせず、鑑札を犬に着けず、又は届出をしなかった者
 (2) 第5条の規定に違反して犬に予防注射を受けさせず、又は注射済票を着けなかった者
 (3) 第9条第2項に規定する犬等の隔離についての指示に従わなかった者
 (4) 第10条に規定する犬に口輪をかけ、又はこれをけい留する命令に従わなかった者
 (5) 第11条の規定に違反して犬等を殺した者
 (6) 第12条の規定に違反して犬等の死体を引き渡さなかった者
 (7) 第13条に規定する犬の検診又は予防注射を受けさせなかった者
 (8) 第15条に規定する犬又はその死体の移動、移入又は移出の禁止又は制限に従わなかった者
 (9) 第16条に規定する犬の狂犬病のための交通のしゃ断又は制限に従わなかった者
 (10) 第17条に規定する犬の集合施設の禁止の命令に従わなかった者
第28条 第18条第2項において準用する第6条第4項の規定に違反した者は、拘留又は科料に処する。

附則 (略)