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 学生証を右手に持って、黄門様の印籠よろしくお風呂場のドアにかざすと、ドアがぱあっと淡く光り、心の中に重々しい声が響いてくる。
『名を名乗れ』
 私は口に出さずに応える。
『叶奈菜』
『弥生組、叶奈菜。通行を許可する』
 通行許可が出ると、扉が自動的に開きはじめる。淡かった光は「お風呂場」から力強く溢れ出し、私は思わず目を閉じてしまう――と、脱衣所が涼やかな風や、深い森の匂いに満たされる。
 目を開けば、扉の向こうに、「皇立魔法女学園」の広大な敷地が広がっている。
 私は、朝、この風景を見るたびに思うのだ。
 ――どうしてもっと教室の近くに出れないのかと。

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