日本拳法道連盟 豊前福光派古術連盟 風門館 門生Kについて

門生Kについて(2006-10-15)

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私は、日本拳法道の指導員として、述べにして六百人ほど指導してきた。日本拳法道のルールには組技があるため、古術の手のうち、大会に使えるものを色々と工夫して指導していた。

その頃は古術とは言わずに、古武道の手だとか、合気術の手だとか言いながら指導していたのだが、合気道や合気術にはまったく無いような技なので、気がつく者は気がつくだろうにと思いながら教えていた。しかし、誰も特に疑問にも思わなかったので、むしろ残念な気がしていたものだ。

ある日、総合をやっているが、そのために打撃の稽古をしたいと言ってKという門生が入門してきた。彼は柔道の初段を持っており、足関節などにも詳しかったので、組技、寝技については私より達者だった。

その彼が、私の指導する体術について「先生、これは不思議な技ですね。本当に合気術の応用ですか?」と感心することしきりだったので、私も嬉しくなり、よく彼を相手に古術の手を指導したものだ。

後に、彼は総合を本格的に修行して、プロシューターとして活躍した。しかも、彼のデビュー戦はK-1の前座としてだったから、総合の競技者としては全国区まで行ったと言うことだ。

私の所にいたときから、礼儀正しくてハートも強く、彼がプロになる前から、こういう人間がプロになるんだろうなと思っていたので、やはり、プロになる人間というのは若い頃から何か違ったものを持っているな、と後に思ったものだ。

日本拳法道の門生の中で、私の体術が非常に特殊であると見抜いたのも彼一人であったから、やはり物事の本質を見抜く才のようなものがあったのだろうと思う。

実を言うと、私は彼を古術の継承者として育てたいという気持ちがあったが、古術のことを明かすこともなく、互いにそれぞれ別の道を歩くことになってしまった。やはり、若者には現代的な格闘技の方が魅力があるだろうから、仕方がないことではあるが……

日本拳法道の指導をしながらも、私はつい古術の後継者を探す目で門生たちを見ていたから、守人のDNAは恐ろしいものだと苦笑せざるを得ない。(館長)