54話

第54話:僅かな望みにかけて



「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ユフィがこの地に降り立ち、数分後に発した声はそれだった。
クラウド達を探すため、先ず支給品を確認していたときだった。
コメット、小さな隕石が彼女の細い右腕に直撃し、右肩から抉るように右腕を奪い取り、さらに爆発し、彼女を吹き飛ばしたのだ。
それでも生きていられたのは、彼女の支給品が装備者の危機を守る女性専用のプリンセスリングと魔法のダメージを和らげるフォースアーマーだったからだろう。
しかし、彼女自身のダメージは本当に酷い、右肩があった場所からは絶えず血が流れ、足もふらついている。
そして、焼け焦げた自分の右腕に一瞥し、そのふらふらとした足取りで血を吐きながら、魔法が飛んできた方向から逃げていた。
だが、彼女の体力はもう限界に近かった
「ああ…あたし…もう…駄目かも…目の前が…かす…んで…きた…ご…めん…く……らうど…」
そういって、彼女は倒れてしまった、薄れ行く意識の中、一人の男と一人の女性の姿を確認した。
ああ、あたしは彼らに殺されるんだな、と思い、静かに目を閉じた。
「おい…大丈夫かよ!おい!おい!」
そうやって、ユフィに声をかけているのは忍者装束の青年、エッジだった。
彼の後ろには修道服を着た女性、マリアがいた。
エッジはユフィに意識が無いことを確かめると、彼は支給品の袋からハイポーションを取り出した
それをユフィに飲ませるが、ほとんど意味が無い。
「ちくしょう…ローザがいれば…ちくしょう…」
エッジは、地面を叩きつけた、現実は非情だということを改めて思い知ったからだ。

そんな中、マリアは剣と球体とにらめっこをしていた。
解説書によれば、この球体を剣に嵌めれば、回復魔法を唱えることが出来るらしい。
しかし、剣が意地悪な作りで、どこに嵌めればよいのか分からない。
そんな中、マリアの袋の中の杖が何かに反応し、震え始めたのだ。
「波動の杖が…おなじ波動が巻き起こっているってのか?」
エッジはそういった、同じ波動、つまり白魔同士が杖の向く先にいるということ。
しかし杖の向いた先は高い山、越えられそうにない。
ならば…これを頼りに回り道をすればいい。
そうして、エッジがユフィを担ぎ上げたときだった。
「エッジさん!待ってください!」
マリアがエッジを呼び止める、エッジは何故だという顔をしたが、それはすぐに解けた。
そう、マリアがケアルを唱え始めたのだ。やさしい光はユフィを包み、そして…傷を治した…が。
「傷は治ったみたいです…でも説明書は簡単なものみたいですし、私程度の魔力じゃ血を止めるのが精一杯です、一刻も早く本職の魔術師を探さないと…」
そういい、二人は向き合いうなずき、波動の杖の向く先、アルカート達がいるところへ走り始めた。

【ユフィ(瀕死) 所持品:プリンセスリング フォースアーマー
 行動方針:死を待つ】
【エッジ 所持品:風魔手裏剣(30) ドリル
 第一行動方針:ユフィを助ける為に波動の杖の向く先(アルカート達ところ)へ走る。
 第二行動方針:仲間を探す】
【マリア(DQ5) 所持品:波動の杖 アポカリプス+マテリア(かいふく)
 第一行動方針:ユフィを助ける 第二行動方針:夫を探す】
【現在位置:レーベ東南の平原】

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最終更新:2008年01月26日 17:54
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