FFDQバトルロワイアル3rd資料編@wiki 359話


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第359話:こうして……


アリーナとマティウス達の戦闘が終わった頃。
カインとスミスはこの国の歴史本らしいものを延々と漁っていた。
「でもカイン、セージって奴らはよかったの?」
「この国の歴史をよく調べることの方が先決だと言っただろう。
 それに……今は殺しや裏切り等の大きな動きは見せたくは無いからな」

カインたちの行動はこうだった。
この城に来た時、爆発音に気が付いたセージとタバサが城に橋って消えてしまったのだが、
本人が止める間もなかったので、微かではあるが離れ離れになってしまった。
だが所詮は城の中、探せばすぐに見つかる。だが、カインはそうはしなかった。

「あいつらは駄目だ。言っていたことと違い、俺たちよりもかなり自分の…いや、あの子どもの事を優先している」
「使えないって事?まぁ確かに僕も奴らを見てもうざったいだけだったけどさ」
「あの子どもとも離れられたんだから、お前には丁度良いだろう?
 それに今…恐らく戦闘が続いているか終わっている。無駄な混乱は避けたい、あいつらは置いて逃げるぞ」
「OK!じゃあさっさと行っちゃおうか」


こうして、カインとスミスは城から逃げるようにして去っていった。
いや、実際には逃げたのだが。
そして立ち止まり、スミスと共に辺りを見回す。

何も無い。何もかもが、無い。
森はある、空もある、大地もある。
だが何かが足りない。

そう、人の生気が無い。
殺し合いの地だ、当然だろう…と、カインは心の中で呟く。

そしてまた、風を感じながら辺りを見回した。
そうだ、焦ることは無いのだ。


そして城内部。

「あの部屋での惨劇」を見たタバサは怒りを抑えられず、隣の部屋へと飛び出していた。
少し遅れてセージも姿を現すと、マティウス達は少し予想外だったと言うような表情をしていた。

タバサは辺りを見回した。犯人と思しき者を探しているのだ。
ここにいるのは満身創痍の女性が2人、そして割と元気そうな男性が2人。
元気そうなの男性は違う、血がついていない。あれほどまでの大量な血に塗れた部屋で、血がつかない方がおかしい。
ならばやはり満身創痍の2人の女性だろう。血みどろで、明らかに外見は「それ」だ。

だがわからない。
もう何がなんだかわからない。
そうだ、あの血みどろの2人のどちらかとは決まったわけでもない。
あの2人がそうなのか、それとも全員か。それともある1人を除いて全員なのか。
わからない、わからない、わからないわからないわからないわからないわからないわからない――――

怒りと悲しみとで冷静さを欠いていたタバサには、答えを見つけることが出来なかった。
そして彼女は思考を止め、右手を翳し――――魔力を、渦巻かせた。
そのままその魔力で冷気を形作ろうとしていた。
だが。

「ラリホー」

それに気づいたセージが、後ろからこの呪文を唱えた。
"ラリホー"それは対象を眠らせる呪文。それをセージはタバサにかけたのだ。

「……ぁ…………」
タバサは言葉にならない言葉を上げると、そのまま夢の世界へと堕ちて行った。

「さて」

そしてセージはタバサを抱きかかえると、先程の彼女と同じように……右手を翳した。
それは完全な敵意による行動。それは戦いに精通していない一般人でもわかるあからさまなものだった。
そのまま、セージは問う。

「あんな事をした悪い人は誰かな?正直に言えば、手を下げて見逃してあげるかもね♪…可能性低いけど」

彼は笑顔を作りそう言うが、その笑顔は笑顔であって笑顔ではない。
笑顔には種類があるものだ、と改めて実感させられる。これは最早怒りそのものだ。

マティウスは、このままでは拙いと思っていた。
最早これは誤解の境地をいとも簡単に凌駕してしまっている。
何か下手なことをすれば、相手は恐らく容赦はしないだろう。
自分やゴゴ、そして怪我を負ってはいるがアグリアスの実力なら力ずくでも突破できるかもしれない。
だが、自分たちは脅されている立場にある。それにあらぬ誤解をこれ以上は受けたくは無い。

マティウスが次の一手を考えている最中、後ろに人影があった。
だがマティウス達はそれに気づかない。執念で立ち上がったアリーナの姿に気づいていない。
しかし彼はそのアリーナの立ち上がった姿にすぐ気がつくことになる。何故なら……。

「やっぱり馬鹿ばっかりね……っ!」

……何故ならアリーナがそう叫び、セージに真っ直ぐ襲い掛かったから。
まさか彼女が立ち上がるとは思っていなかったセージは、彼女の拳を腹部に喰らってしまった。
タバサを落としはしなかったが、その場に崩れ落ちる。
そしてそのままアリーナは、咄嗟にマティウスの支給品袋を奪い……逃げた。

走っていくアリーナを止められる人間は居なかった。
咄嗟の彼女の行動に体が着いて行かなかったのだ。
このまま逃げ切れば、勝てる。
だがそれは難しいことだ。恐ろしい精神力で立ち上がり、走ってはいたがもう体力は限界だ。
そして重傷を負いながらもここまで動いた彼女の奇跡は、遂に終わりを告げた。

彼女は、意識を手放した。
たどり着いた城の出入り口で。カイン達の、目の前で。当然カイン達は驚いた。

「……この女、何者だ?」
「気絶しているね。どうする?正直邪魔だと思うけど」
「………拾って手当てでもしてやろう。利用価値があるかもしれない」
「うわ、正気?」

だがカインはそう言うと、アリーナを背中で担いだ。
そして、ただただ静かに歩き出した。


そしてまた話は城内部に戻る。
セージはゴゴのケアルでの治療を受けていた。
単なる腹部への衝撃、更には瀕死の重傷者の攻撃だったのでたいしたことではないのだが。
だがやはり、元魔法使いの優男には辛いものがあった。
そして同時に、セージはマティウスと言い争いをしていた。

「本当に、本当に本当だね?」
「ああ、本当だ。本当にあの人間は知らない」
「………まぁ、君たちがあの女の仲間だったら何らかのアクションは取るだろうしね…」
確かに目の前のスーツ男は武器を奪われ、ベッドに寝ている女騎士と思われる人はあの女にやられたものと見て良いだろう。
それにあの奇妙な男は……よくわからないが、こちらに不利益になるような行動は一切取っていない。
そして何より、今は逸れてしまってここにはいないカイン達の様に……目に濁りが無い。信じて、いいのかもしれない。

セージは、信じてみることにした。
良い人間と同じ目を持つのなら、それは良い人間に間違いないのだ。
そして彼らを信じた証として、敢えて言う事にした。

「あの隣のさ…あれ、男の方はアリアハンっていう昨日いた世界で出会った人と……女の人の方は、この子の…タバサの母親なんだ」
「………そうか」

そこまで言うと2人の間に沈黙という流れが生まれる。
だがその流れを遮る様に、ゴゴが治療を終えた。セージは静かに礼をする。
マティウスはそれを見ると、廊下に顔を出した。
視線の先には、あの部屋がある。

そしてまた視線を戻すと、セージはいつの間にか赤い帽子を被っていた。
それを見たマティウスが帽子について尋ねようとしたが、それより早くセージが話し始めた。
「これさ、この部屋にタバサが突撃する前に…ちゃんと拾ってみたんだよね。ギルダーの形見だしねぇ」
「ああ、転がっていたな……その帽子は。赤くて綺麗じゃないか」
「そうだね。彼によく似合ってたよ」

そして一呼吸置いた後、セージは座り込んでマティウスに話しかけた。
「紹介が遅れたね。僕はセージ、そしてさっきも言ったけど……この子はタバサだ」
「私はマティウス。そしてあの男がゴゴで女がアグリアスだ」
「よし、そうか。じゃあマティウス……ちょっといいかな?」
「一体何だ?急に……」

またもマティウスの問いに答えるよりも早く、セージは帽子を目深に被っていた。
それは元の持ち主がよくしていた事だ。ただ違うのは、抱かれ眠っているタバサの体に、涙が落ちた事。

「ごめんね…ごめん……。ちょっと疲れただろうから……さ、少しで良い…幸せな夢を見ててくれ……タバサ……」

震えるセージの声が、静寂に響いた。
そして涙と先程の発言の意味が判ったマティウスは、ただ何も言わずアグリアスの治療に専念していた。

【マティウス (HP4/5程度)
 所持品:E:男性用スーツ(タークスの制服)
 第一行動方針:アグリアスの回復をし、自分達も休む
 基本行動方針:アルティミシアを止める
 最終行動方針:何故自分が蘇ったのかをアルティミシアに尋ねる
 備考:非交戦的だが都合の悪い相手は殺す】
【ゴゴ(HP2/3程度)
 所持品:ミラクルシューズ、ソードブレーカー、手榴弾、ミスリルボウ
 第一行動方針:マティウスの物真似をする】
【アグリアス (HP1/4程度・右足重傷)所持品:クロスクレイモア、ライトブリンガー、ビームウィップ、ファイアビュート、雷の指輪
 第一行動方針:回復に専念する
 基本行動方針:マティウスに同行する 最終行動方針:魔女討伐に乗る】
【セージ 所持品:ハリセン ナイフ ギルダーの形見の帽子
 第一行動方針:泣く 基本行動方針:タバサの家族を探す】
【タバサ 所持品:ストロスの杖 キノコ図鑑 悟りの書 ナイフ 
 第一行動方針:ラリホーで睡眠中 基本行動方針:同上】
【現在位置:サスーン城東棟の一室(サラの寝室の隣)】

【アリーナ2(分身) (瀕死)
 所持品:E:悪魔の尻尾 マティウスの支給品袋
 第一行動方針:気絶中
 第二行動方針:出会う人の隙を突いて殺す、ただしアリーナは殺さない
 最終行動方針:勝利する 】
【カイン(HP 5/6程度) 所持品:ランスオブカイン ミスリルの小手 えふえふ(FF5) この世界(FF3)の歴史書数冊
 第一行動方針:アリーナを背負ってどこかへ(行き先不明)
 最終行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】
【スミス(変身解除、洗脳状態、ドラゴンライダー) 所持品:無し
 行動方針:カインと組み、ゲームを成功させる】
【現在位置:サスーン城からどこかへ(行き先不明)】