345話

第345話:偽りの風の導き


「馬鹿な…あれは、風のクリスタル、か…?」

旅の扉をくぐり抜け、一人転送された先でザンデを迎えたもの。
それは、中央の台座の上で静かに光を放つクリスタル。

かつて、クリスタルの力を用いて世界を崩壊させようとした男がいた。
その男の目的は復讐。
男に「人間としての生命」などというちっぽけなものしか与えなかった己の師、
そしてその師が愛した世界への復讐。
だが男は光の戦士達との戦いに倒れ、ついにその悪しき野望は打ち砕かれる。

暫くの間ザンデはその場で昔のことを思い出していた。
風のクリスタルがあるということはここは浮遊大陸、祭壇の洞窟なのか?
再度見上げたクリスタル、確かに光を放つそれにザンデは違和感を覚える。
改めて観察してみればその光は単に鉱物的で冷たく、
クリスタル本来の神秘的で暖かな光とは全く異なるしろものである。

「ファファファ……魔女め。この偽りの光はなんのためだ?なんのつもりだ?
 私をあざ笑っているとでも言うのか」

本物ではないこのクリスタルから答えがあるはずも無い。
自分を倒した光の戦士達はこの場所で風のクリスタルから力を受け取り、旅を始めた。
ならば同じ場面、私はこの偽りの光を否定して魔女への叛意を明らかにしよう。

「偽りの世界、偽りの時間、偽りの生命。偽りこそが魔女の力であるならば、私は…」

かざした手から魔力が走り、青く輝いて浮いているクリスタルを中心として爆発が発生する。
部屋中に衝撃が満ち、ザンデの放ったフレアに耐え切れずそのイミテーションは粉々に四散した。

「それを打ち砕き奥に潜む本質を暴いてくれよう!」



祭壇の洞窟、その奥深く。
「いてて…落とし穴におっこっちまった……まいったな…」
ぶつけた箇所をさすりながら立ち上がる青年、バッツ。
普段の彼であれば落とし穴ぐらい華麗に回避して見せたのだろうが、
今回は不運にも転送されたすぐ足元に落とし穴が口を開いて待っていた。

「おいバッツ、大丈夫かよ?」
今しがたバッツが落ちてきた道から身軽に床へと降り立ち、ローグはバッツを気遣う。
「なんだよ、ローグまで落ちてくること無かったのに」
「なに言ってんだ。おまえだけ置いていけるか」
「はは、ありがとう、ローグ。…戻るのは無理そうだし、出口、探すか」

それから二人は洞窟の中を出口を求めて探索して歩く。
この洞窟がどれくらいの広さであり、地図にあるどちらの洞窟なのかもわからない。
岩の仕掛け、いい感じの泉、未だ出口は見つからない。
だがとにかく先へ進む。
そんな二人を突如、耳を劈く爆発音が襲った。

「何なんだ、今の爆発音は!?」
「まいったな。とんでもないところに来ちまったみたいだ」
「とにかく上の階だ!行ってみようぜ!」

通路は自分たちが来た方向と音がした方向しかない。
慎重に進み、見つけた階段を足音を立てないよう気をつけて上る。
階段に身を潜めて、覗き込んで見た光景は床じゅうに散りばめられた水晶の破片と、
空っぽの祭壇に向かい合っている全身から威圧感を放つ一人の男。

振り向いたその男と二人の目が、合った。

【ザンデ(HP 4/5程度) 所持品:シーカーソード、ウィークメーカー
 基本行動方針:ドーガとウネを探し、ゲームを脱出する】

【バッツ 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:目の前の男(ザンデ)とコンタクトを取る
 基本行動方針:レナ、ファリスとの合流】
【ローグ 所持品:銀のフォーク@FF9 うさぎのしっぽ 静寂の玉 アイスブランド ダーツの矢(いくつか)
 第一行動方針:目の前の男(ザンデ)とコンタクトを取る
 最終行動方針:首輪を外す方法を探す】

【現在位置:祭壇の洞窟 クリスタルの間】

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最終更新:2008年02月15日 22:17
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