恥子3


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恥子 第三章 輪舞曲

―A助様@お兄やん

ゲハで彼を知らない者は居ない。
遥か遠い昔からゲハに巣くう「怪物」
彼の現れるスレッドには嵐が吹き荒れる。
どんなに穏やかな水面も、彼が足を踏み入れると血に染まる。
なんとか言うゲームライターを手玉にとって
辱めた事件も記憶に新しい。
生きた伝説。それが彼だ。

沢山の名無したちが死に行くカマキリに群がるように
彼に向かっていく―

否、カマキリは生きている。
蟻達は返り討ちにあい食い尽くされる。
彼の論理(ロジック)には何者も太刀打ち出来ない。

見入っていた―
彼の奏でる美しい輪舞曲(ロンド)に。

私という存在の遥か上をいく存在。
私が築き上げてきた「恥Wii」等という名前なぞ
彼の前では一山幾らの駄コテに等しい。

最初のうちは彼に激しく嫉妬した。
いや、ひた隠しているだけで今も嫉妬している。
だけど、どうにもならない壁はある。

「さすがA助様だな(^0^)
お前ら論破されまくりで見苦しいぜ(^-^;)」

そうして私は彼の太鼓持ちをする。
もちろん私のレスなんて誰も構わない。
この場では彼以外の主役なぞ必要ないのだから
やがてスレッドは1000に到達し
嵐は過ぎ去った。カマキリはまたどこかの
餌場に飛んでいくのだろう。

言いようのな気持ちが胸を締め付ける。
絶対に敵わない強者。
彼さえいなければ私はゲハで一番になれただろうか。
そんなわけはない。私と彼は全く別物。
私は蟻にたかられ食われるだけの、
抗う術を持たない夏の終わりのアブラゼミにしか
過ぎないのだから。

私は現実(リアル)から目を背けた人間。
仮想世界(ネット)に居場所を見つけ辿り着いた
私の楽園には、現実と同じように強いものに負けを認めた。
闘う事を放棄した人間、それが私。
私は弱い。弱くて弱すぎて
沢山の物を失った。
幼かった頃に思い描いた未来は。
クレヨンでは描ききれないぐらい
カラフルで希望に満ち溢れていた。

だけど―

真っ暗でジメジメした。
こんな現実に身を置いて。
私は行き場を失った。