四月の魚

しがつのさかな【登録タグ: GUMI TaKU.K メル

作詞:メル
作曲:メル
編曲:メル
唄:GUMI(調声:TaKU.K

曲紹介

#3 April Fish
『愛し合った過去の記憶 何かが矛盾している』
  • メル氏 の3作目。
  • もうすぐ春ですね。嘘をつきたくなるね。(作者コメ転載)
  • メル氏所属のバンド・ eau の同名曲のセルフカバー。eau 版はこちら
  • イラストを やぎ太氏 が手掛け、ベースを ホシノ氏 が、ドラムを ゆとり氏 が演奏。

歌詞

PIAPROより転載、一部動画より書き起こし)

草々不一。
テーブルの上に置かれた一枚の紙切れに乱暴な字を残して彼女は家を出た。
―彼女はいつまで経っても独身者のように自由で、既婚者のように孤独だ。
彼女のマナーはいつだって最低で、約束は到底守られることはない。
朝食の度敷かれる小綺麗なテーブルクロスにも、就寝前に敷かれるベットのシーツにも
彼女の只管に甘い言葉は染み付いていた。
「甘い甘い結末なんて私別に望んでないわ」
「秘密にしていたけれど、1999年の夏、マリーゴールドは全然咲かなかった。」

二階から海が見えた あの人は四月の魚
鉄パイプ振り回して魚は満足してる

彼女は少し昔の自分の醜さの上に跨った時、自分を美しいと思ったのだった。
それはいつしか軽蔑を許し、彼女の右手が時々何かを殺した。
それからというものの彼女は貧しい暮らしを続けた。
ひどく偏った朝食の気配も、皺一つない白い夜の予感も、もうここにはない。
しどけない彼女の吐く息はなかなかどうして甘いものだった。
灯りのない家に取り繕った花束を持ち帰れば、どんな欺瞞でさえ確かな意味を帯びる
なにひとつない不自由ないこの家に流れるひどい悪臭は、
高く白い天井に整ったフローリングの間を行ったり来たりしている。
リビングを支配するいびつな空気に君はまだ気づいていなかった。
その中で飼い慣らされた君は羊飼いのように従順で盲目だ。
毎晩、母親が耳元で囁く童話に続きがあると信じてベットに横になっている。
本のページを捲る時はいつだってハッピーエンドを期待している。
明日戦争が始まれば、僕は君の羊を全て売り払って戦争に行く心算なのだ。
それはあのときも今も変わらない。
それを知ってもなお、君はずっとここにいたいと願っただろうか?

愛し合った過去の記憶 何かが矛盾している
ゆらゆらゆら まだ何かが揺れている
水槽に閉じこもって

水の消えたような川を跨ぐ橋は、僕たちの持つからっぽの心に失うことを教えてくれる。
どうしようもない僕たちは失ったことを覚えているくせに何を失ったのか、それを上手に説明することはできない。
彼女の場合も全く同じだ。

二階から人が落ちた 逆さまの海が綺麗
燃えている

何が正しいのかもわからない健康食品に手を伸ばし、その手で酷く調律の狂った鍵盤を叩く。
そのうちに嘔吐にさえ快楽を覚え、重力に打ち勝てない体へと変わっていくだろう。
飽くなき反復に身を窶す君は、白痴のようだ。
目移りしないように、汚い大人達の手垢塗れの羨望を追い求めている。

愛し合った過去の記憶 何かが矛盾している
ゆらゆらゆら まだ何かが揺れている
水槽に閉じこもって

他のどの国にも見られない奇妙な混血の少女は、
タバコの煙、例えばラッキーストライクの煙が僕達の世界をすっかり覆ってしまう日が来るのを知っていた。
幸せの青い鳥は本当は偽物だと知っていた。
神様になりたい、大きな木になりたい、綺麗な空気を吸ってみたいと誰もが神に願うことを知っていた。
今では煙が充満した小さな部屋に、六月に結婚式を挙げた新郎新婦、月曜日の慌ただしい朝の気配、艶やかな彼女の肌、
こういったものの全てが押し込められ、酷く咳き込んでいる。

愛し合った過去の記憶 何かが矛盾している

「ツツジ、相談って何?」

「私、死ぬなら小さな水槽の中死にたいわ。」

四月の魚は風が吹いて長い髪が揺れている
僕たちに春がやってきた

写真の裏にはこう書かれてある。
「一人の聾唖者が街を変えて人を変えて空を変えた。それはとても悲しいこと。どうして誰も間違いに気づけなかったのだろう?」
いついかなる時も、何度でも、僕は僕に問う。あさましいと後ろ指をさされ、手遅れだと嘲されても尚問い続ける。

「それでも君はここにいたいと願っただろうか?」

コメント

  • 作成乙 -- 名無しさん (2015-02-16 07:37:44)
  • 素晴らしい -- 名無しさん (2015-03-25 20:32:48)
  • ツツジと繋がってるんだ -- 名無しさん (2015-10-05 14:57:50)
  • 歌詞の間に入る文がすごく好き -- 名無しさん (2016-05-20 12:13:56)
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